美容・サロン業向け多店舗管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

美容・サロン業向けの多店舗管理システムは、現状業務と必須条件を整理してから製品を比べ、設計・テスト・段階的な稼働へ進めるのが基本の流れです。

全体は6段階で進みます。段階ごとの進め方と、費用、見積もりの確認点を順に説明します。

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・美容・サロン業向け多店舗管理システム開発の完全ガイド

美容・サロン業向け多店舗管理システムの全体像

多店舗管理システムを中心に、共通業務、業態固有業務、在庫管理、本部分析を配置した図解。
店舗ごとの仕事と本部の分析が一つの基盤につながります。

多店舗管理システムは、店舗業務をデジタル化する道具にとどまらず、業務基盤として使うものです。別店舗でも必要なカルテを安全に参照でき、本部は店舗・スタッフ・メニュー別の数字を同じ定義で比べられます。一方で、導入の目的を多機能なPOSに置くと、使わない機能に費用がかかり、現場の入力負担だけが増えるおそれがあります。

予約・カルテ・会計をつなぐ価値

業務の要件は、共通業務、業態固有業務、在庫管理、本部分析の4つに分けて整理します。

  • 共通業務:予約、顧客情報、カルテ、会計、スタッフ実績の管理
  • 業態固有業務:施術内容や契約形態に応じた情報の扱い
  • 在庫管理:商品・薬剤の店舗間移動と、在庫数の記録
  • 本部分析:店舗横断での業績と運営状況の確認

予約は、Webや電話、LINE、予約媒体など複数の経路から受け付けます。管理対象には、施術履歴や日報も含めます。

業態によって管理する情報は変わります。たとえば、ヘアサロンでは薬剤の配合やスタイル写真、ネイル・アイラッシュでは席とスタッフ枠を要件に含めます。エステでは、役務契約や回数券、未消化残高も管理します。

店販商品と業務用薬剤を分けて、店舗間の移動や発注、在庫の数え直しまで管理できます。粗利や欠品の判断にも使えます。

本部で見る指標には、売上、客単価、再来率があります。さらに、指名率や予約の取りこぼし、キャンセル率を加えます。稼働率と在庫差異も含まれます。

再来率の分母は、初回来店者か全来店者かを決め、集計条件を統一しておきます。

規模に応じたSaaS・ハイブリッド・スクラッチの使い分け

開発方式は、必要な独自機能と店舗規模の組み合わせで決まります。標準機能で足りるか、独自の業務が多いかによって、候補が変わります。

  • SaaS・クラウド型:2〜5店舗で標準機能を早く始めたい場合の候補です。
  • ハイブリッド型:10店舗以上、FC運営、複数ブランド、複雑な歩合・権限ルールがある場合に適しています。
  • スクラッチ開発:独自の役務管理や複雑な店舗間配賦、既存基幹とのリアルタイム連携が競争力に直結する場合に検討します。

選定の前に必須条件を整理し、製品や開発会社を比べます。料金だけで決めると、契約後に費用や運用で不都合が出るおそれがあります。具体的には、データ返却や連携費の扱い、退職者の権限停止、通信障害時の会計が挙げられます。

既製品で満たせる範囲と開発が必要な差分を分けて考えることが、投資を抑えて成果を得る近道です。

ポイント

開発方式は、店舗数と必要な独自機能の多さで決めるのが目安です。機能の数より、店舗と本部が同じ定義で数字を比べられるかを優先して判断します。

美容・サロン業向け多店舗管理システムの進め方

導入時の確認項目として、現状業務と必須条件、データ移行の実現性、通常操作と例外操作、KPIと改善会議を示す図解。
要件整理から稼働後の改善まで、確認点が続きます。

全体は6つのフェーズに分けて進め、各段階で次へ進む条件を決めます。

店舗代表者と本部担当者が、実際の画面と業務を使って確かめます。そこで、代表店舗で先に試してから展開すると、移行漏れや現場の反発を見つけやすくなります。

  1. 要件整理で現状業務と必須条件を固めます。
  2. 選定では、製品・開発会社とデータ移行を比べます。
  3. 設計・開発で、店舗運用と本部統制を形にします。
  4. テストで、通常操作と例外操作を確かめます。
  5. パイロット店舗から、段階的に稼働させます。
  6. 定着では、KPIと改善会議を運用に組み込みます。

フェーズ1:現状業務と必須条件の要件整理

要件整理では、業務の流れ、既存データ、優先順位を、店舗と本部の役割に沿って洗い出します。

  • 業務フロー:予約受付から月次報告までの担当分け
  • 見積もり前提:店舗規模、利用者、既存システムの把握
  • Must要件:業務停止や情報漏えいに直結し、最優先で扱う条件
  • 優先順位:Must・Should・将来検討への分類

店舗の流れは、来店や施術、会計、レジ締め、在庫補充、再来促進の順に、役割別に書き出します。

既存データは、紙カルテやExcel、既存POSのデータについて、所在を一覧にしておきます。予約媒体やLINE、会計・給与システムも、同じように一覧へ加えます。

見積もりの前提には、店舗数やブランド数、スタッフ数が含まれます。顧客件数や写真容量、予約媒体数も、この前提に加わります。さらに、決済端末の数やFCか直営かも確かめます。

Mustには、同意を得た範囲でのカルテ参照や、翌日までの店舗別売上の確認を含めます。店販と薬剤を分けた在庫の数え直し、退職者アカウントの即時停止も、Mustに入ります。

AIによる来店予測や自動販促は、Should以降に回します。データの品質と運用が整ってから追加すれば、初期開発を抑えられます。

フェーズ2:同じ条件でのデモとデータ移行の比較

候補は類型ごとに並べ、同じ業務条件で比べます。その際、製品の機能とデータ移行の実現性も確かめます。

  • 候補方式:SaaS、既製POS、組み合わせ型、フルスクラッチの比較
  • 操作デモ:利用者、所要時間、端末を実業務に合わせた試用
  • 移行テスト:顧客データや写真など、実データに近い内容での検証
  • 複数社評価:同じ要件表を3社以上に渡しての採点

比較表には、予約やカルテ、写真、会計を入れます。回数券・役務や在庫も、同じ表に加えます。さらに、複数店舗や本部画面、権限を比べます。ログやAPI、CSV出力、障害時運用も、比較表に含めます。

デモでは、誰がいつ、何分間、どの端末で使うかを再現します。また、移行テストでは、顧客の重複や旧姓、電話番号の揺れ、写真、店舗コードを使って確かめます。

データの持ち出し形式や移行費、移行後の検証責任、契約終了時の返却形式も、確認しておきます。採点は、店舗代表、本部、情シス、経理の視点で行います。

フェーズ3:店舗運用と本部統制を両立させる設計開発

設計では、データ、権限、画面、外部連携、運用保全を一貫して決めます。

  • データ設計:管理単位と、店舗・FC間のデータ境界の決定
  • 権限設計:役割ごとに、必要最小限の閲覧範囲を設定
  • 画面設計:店舗の会計業務と本部の集計を分けて示す構成
  • 連携・保全:外部接続、障害復旧、バックアップの方針

まず、顧客や店舗、スタッフなど、管理する単位を決めます。予約枠や施術、会計、商品、契約も、管理単位に含めて決めます。そのうえで、顧客検索や写真、注意事項の閲覧範囲も定義します。

閲覧は役割ごとに分けると安全です。店長は自店舗の詳細、本部は全店舗の集計、担当者は必要な顧客だけを見られるように設計します。

店舗画面では、予約登録から会計まで迷わない流れを優先します。本部画面では、売上の速報と確定値、店舗別マスタ、歩合、在庫、異常値を分けて表示します。

予約媒体やLINE、決済とのAPI仕様は、設計書に残します。会計・給与・勤怠、ECとのAPI仕様も、同じ設計書に残します。再送や重複登録の防止、復旧目標、ログの保存期間も確かめます。

フェーズ4:実データに近づけた通常操作と例外操作のテスト

テストでは、通常業務と例外処理を通して、受入条件を具体的な作業で決めます。

  • 予約・会計:変更、キャンセル、指名変更、割引、返金の操作
  • データ・在庫:カルテ参照、数量の差異、顧客重複の確認
  • 障害対応:決済失敗や通信切断からの復旧の確認
  • 業務受入:現場の作業時間や集計値を合格条件とする

テストは、店舗の一日の流れに沿って行います。予約と会計、POSと本部画面の数字が一致するかを、代表店舗で突き合わせます。

受入条件には、たとえば、店長の開店前確認や、施術後のカルテ・会計を3分以内に完了することがあります。前日売上の店舗別確認も含めます。

重大障害や移行データの欠落、過剰な権限が残っている場合は、稼働日を優先せず、修正して再テストします。

フェーズ5:パイロット店舗からの段階的な稼働

稼働準備、パイロット運用、現場教育、障害時対応を済ませてから、展開します。

  • 稼働準備:データ凍結と、新旧システムの運用ルールの決定
  • パイロット:代表店舗での予約から締め処理までの実施
  • 現場教育:手順書、操作リーダー、問い合わせ窓口の用意
  • 障害対応:紙受付と、復旧後の登録手順の訓練

データ凍結は、顧客データやカルテ、写真、メニュー、価格の日時を決めます。スタッフ、権限、在庫、会計設定も、同じように凍結の対象にします。新旧併用時は、正とする側や二重入力の防止、差異の確認担当と時期を明文化します。

パイロット店舗には、新店舗や協力的な店舗を選びます。運用の流れを一通り試してから、同じ手順で展開します。

現場教育には、機能説明会に加えて、手順書を用意します。手順書は、開店前、受付、施術中、会計、締め、トラブル対応の場面ごとに作ります。店舗ごとに操作リーダーも置きます。

稼働初週は、紙のチェックリストで入力漏れを確かめます。稼働初週のあいだ、問い合わせ窓口は一本にまとめます。

通信や端末の問題が起きても、現場が止まりにくいように、事前の訓練を重ねておくことが大切です。

フェーズ6:KPIと改善会議の運用への組み込み

定着の状況は、導入前後のKPIと現場の声を定期的に見て判断します。

  • 効果測定:業務時間、売上機会、在庫、問い合わせの変化の比較
  • 標準化:規模に応じた、機能数より本部運用の整備
  • 継続改善:KPIと現場の声をもとにした運用や画面の見直し
  • 改善体制:店舗と本部の関係者による会議への参加

比べる指標は、レジ締め時間や予約の取りこぼし、再来率、客単価です。在庫差異、入力時間、問い合わせ件数も見ます。成功は、これらの指標の変化で判断します。

POS+の事例として、アースホールディングスを紹介します。2026年1月時点で257店舗を運営していました(出典: ポスタス株式会社「アースホールディングス導入事例」、2026年確認)。

同社は、売上の一括管理と紙カルテのデジタル化を効果に挙げています(出典: ポスタス株式会社「アースホールディングス導入事例」、2026年確認)。そのほか、本部対応工数の削減も効果に挙げています(出典: ポスタス株式会社「アースホールディングス導入事例」、2026年確認)。

定着後は、月次でメニュー、権限、帳票、連携エラーを改善します。新機能を加える前には、未入力項目や店舗ごとの運用差、未使用画面を確かめます。

改善会議に、店長や受付、施術者、経理、情シスが加わると、現場の使いやすさと本部統制を両立できます。

ポイント

次の段階へ進むかどうかは、その段階で決めた条件を満たしたかで判断します。代表店舗で先に試せたかを見れば、稼働を広げてよいかの目安になります。

美容・サロン業向け多店舗管理システムの費用相場とコストの内訳

3年TCOの観点で、導入費、運用費、追加費用、導入効果を4つのパネルに整理した図解。
導入時の支出と運用後の変化を同じ視野に置きます。

費用は、月額だけでなく3年間の総額で比べます。総額には、初期設定、端末、移行、外部連携を含めます。教育、保守、決済、通信も、同じ総額に入れます。

SaaSは安く始めやすい一方で、店舗数や本部機能、オプションによって月額が変わります。個別開発は初期費用が大きいものの、独自業務の資産化や手作業の削減も含めて判断します。

SaaS・クラウド型の初期数万円、月額数千円〜数十万円の幅

公開料金のあるサービスでは、店舗向けの基本料金が初期数万円、月額7,000〜2万円程度からです。

本部管理、電子カルテ、LINE、商品管理、予約媒体連携などを加えると、料金は上振れします。比べるときは、機能や店舗数を含めて、同じ条件でそろえます。

  • BEAUTY POS:初期3万円、月額7,000円の表示
  • A’staff Cloud:初期10万円、月額1.5万円からの構成
  • Saloty:統合機能を含み、月額12万5,000円〜20万円(税別)
  • 比較条件:設定、アカウント、端末、支援、連携費の確認

別プランや本部機能、オプションを含めると、料金は変わります(出典: 株式会社クラウドビューティー「BEAUTY POS ご利用料金」、2026年8月確認)。

A’staff Cloudの月額は、プランや運用規模によって異なります(出典: 株式会社アライド・システム公式サービス案内、2026年8月確認)。

Salotyは統合型で、予約、顧客・電子カルテ、会計を含みます。販促や店販EC、分析、複数店舗管理も、同じ統合の中にあります。この料金は、公式サイトで公開されているものです(出典: 株式会社リサスティー「Saloty」公式サイト、2026年8月確認)。

本部機能を含む統合型は、本部一式の料金になる場合があります。店舗数が5店舗でも、料金が店舗ごとに決まるとは限りません。

問い合わせる際は、初期設定、アカウント、端末、サポート、追加連携まで含めた同じ条件を各社に伝えます。そうすると、料金を並べて比べられます。

カスタマイズ・スクラッチ開発の費用幅(150万円から3,000万円超)

個別開発の費用は、要件と連携数によって変わります。そのため、規模ごとの概算を、見積もり比較の目安にします。

  • 小規模カスタム:150万〜350万円、期間は2〜3か月程度
  • 標準カスタム:350万〜700万円、期間は3〜6か月程度
  • 多店舗統合型:700万〜1,500万円、期間は6〜12か月程度
  • 複雑な個別開発:1,000万〜3,000万円超の可能性
  • 追加費用:移行50万〜300万円などを個別に精査

小規模カスタムは、予約や顧客管理、基本画面が中心です。標準カスタムは、LINEや予約媒体、電子カルテ、スタッフ管理、基本分析を含みます。

多店舗統合型には、FC、本部画面、POS・在庫・会計・給与との連携、権限、監査ログ、移行が含まれます。さらに、複数業態や独自歩合、基幹刷新、リアルタイム連携があると、費用が上がる場合があります。

なお、この数字は、類似する予約・美容業務システムの公開情報をもとにした概算です。確定した見積もりとは異なります。

追加費用は、外部API連携1本あたり30万〜150万円、独自のポイント・割引・役務ルール100万〜500万円程度を仮に置き、個別に精査します。

3年TCOの費目(移行・教育・保守・端末まで)

3年TCOでは、導入と運用の全費目に、業務改善の効果を並べて評価します。

  • 導入費:初期費用、設定、移行、研修、端末
  • 運用費:月額、追加料金、通信、保守、監視
  • 追加費用:連携、支援、機能追加などの別料金
  • 導入効果:時間、入力、問い合わせの変化を指標として見る

費目は、月額や開発費だけではなく、端末やプリンター、決済端末、通信回線にも広がります。

SaaSでは、予約媒体やLINE、写真容量、追加ID、サポートが別料金になる場合があります。スクラッチでは、開発費に加えて、クラウドや脆弱性対応、OS更新、障害対応、改修の年間費も見込みます。

導入効果として、レジ締めや月次集計、予約の取りこぼし、在庫廃棄がどれほど減るかを見積もります。加えて、別店舗利用による顧客離れが減る程度も見ます。

作業時間、入力回数、問い合わせ件数、集計のリードタイムは、稟議の指標になります。

ポイント

費用は、月額の安さではなく、3年間の総額と業務改善の効果を合わせて比べるのが目安です。個別開発は幅が大きいため、要件と連携数を固めてから概算を比べます。

美容・サロン業向け多店舗管理システムの見積もりを取る際のポイント

良い見積もりは、機能名や金額だけでなく、前提条件と、何を納めるか、検収の条件、稼働後の責任範囲まで示しています。

店舗数や業態、利用者、現行システム、移行対象といった前提は、一枚にまとめておきます。外部連携、希望時期、予算枠、必須KPIも同じ表に入れます。そうすると、提案を比べやすくなります。

要件表に書く業務・データ・例外処理

見積もり条件は、機能や利用環境、対応方法、例外処理、データ品質に分けて記載します。

  • 機能:業務で使う内容と、必要な帳票の明記
  • 利用条件:利用者、端末、頻度、店舗間共有の提示
  • 対応方法:標準、追加開発、設定変更の区別
  • 例外・データ:特殊処理と、移行品質の作業範囲

要件表には、予約や顧客、カルテ、写真、会計を載せます。ポイントや回数券、役務、在庫、スタッフ、歩合も、並べて書きます。

店舗や本部の運用、販促、分析も載せます。権限やログ、バックアップ、連携も含めます。

例外処理では、同時予約やキャンセル料、割引の併用、返金の扱いを質問します。さらに、回数券の一部消化や店舗移動、税率、歩合、退会者の扱い、写真の同意撤回も尋ねておきます。

顧客の重複除去や店舗コードの統一が必要な場合は、移行前のクレンジング工程と検証件数も、見積書に含めます。

複数社比較の観点(得意分野と導入後の体制)

導入後の現場への合い方と、サポート体制を、同じデモ条件と実績情報で比べます。

  • 実業務デモ:受付から本部集計までの流れの試用
  • 操作評価:時間、入力回数、権限、復旧、CSV出力の採点
  • 導入実績:業態、運営形態、ブランド、移行元の比較

デモでは、受付担当が予約を変更し、施術者がカルテと写真を確認して、会計担当が回数券を消化します。そのあと店長が締めを行い、本部は翌日の店舗別の数字を見ます。

導入実績は、店舗数だけでなく、業態や、FCか直営か、複数ブランドか、紙カルテからの移行かを確かめます。

ポスタスの公式事例では、アースホールディングスが2022年9月からPOS+beautyとPOS+connectを導入しました。課題は、店舗別メニューや歩合、紙カルテ、本部の一括集計でした(出典: ポスタス株式会社公式導入事例、2026年8月確認)。

同じ効果が自社で出るとは限りません。ただし、多店舗化で本部運用が複雑になる事例として参考になります。

見積もりの必須条件(個人情報・カード情報・BCP)

個人情報保護、カード決済、事業継続の対策は、見積もり条件に含めます。

  • 個人データ:共有範囲とアクセス制御などの定義
  • カード決済:保存方法と、関係事業者の対策の確認
  • 障害・事故:紙運用、復旧、連絡、ログ確認の決定

顧客情報や予約履歴、施術写真、注意事項は、店舗間で共有すると便利です。その一方で、閲覧範囲の設計が欠かせません。

個人情報保護委員会の通則編は、個人データの安全管理措置を求めています(出典: 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、2026年確認)。

アクセス制御や識別認証、通信暗号化、ログ、バックアップを、要件として書き出します。委託先の監督や事故時の連絡体制も、要件に含めます。

カード番号は自社システムに保存せず、決済事業者のトークン化や準拠範囲を確認します。

経済産業省は2025年3月にカード・セキュリティガイドラインを改訂しました(出典: 経済産業省「クレジットカード・セキュリティガイドライン改訂について」、2025年)。

加盟店、決済代行業者、PSPのそれぞれで、対策を確かめます。通信やクラウドの障害、端末故障、誤操作、不正利用に備えて、復旧目標を定めます。再送の方法やアカウント停止の方法も、あわせて決めておきます。

ポイント

見積もりは、同じ要件表をもとに、前提条件、検収の条件、稼働後の責任範囲がそろっているかで比べるのが目安です。金額だけで比べると、含まれていない作業を見落とすおそれがあります。

よくある質問(FAQ)

店舗数、データ移行、現場の定着、安全管理を合わせて考えると、自社に合う進め方を決めやすくなります。

美容サロンの多店舗管理システムは何店舗から導入するべきですか?

店舗数で一律に決めるより、店舗間で顧客情報や売上を共有したい課題が出た時点を、導入検討の目安にします。

2〜5店舗なら、クラウド型を1〜2店舗で試します。10店舗以上やFC・複数ブランドの場合は、本部の権限、マスタ、ログ、集計を先に確かめます。

紙カルテやExcelの顧客データは新システムへ移行できますか?

移行できる可能性はあります。ただし、形式や重複、同意履歴、写真、退会者の扱いによって、工数が変わります。

契約前に、サンプルデータを変換して取り込み、件数を突き合わせます。移行対象と除外対象、クレンジング費用、検証責任、解約時の返却形式も、あわせて確かめます。

SaaSとスクラッチ開発はどちらを選べばよいですか?

標準的な予約、顧客、会計を早く安定して運用したい場合は、SaaSが適しています。

独自の役務やFCの歩合・配賦、複数業態、既存基幹との深い連携が差別化の要因であれば、既製品への個別開発の追加やスクラッチを検討します。

Mustと独自の差分を分けたうえで、3年TCOと運用体制を比べます。

顧客カルテや施術写真を店舗間で共有しても安全ですか?

問題になるのは、共有そのものより、閲覧範囲を定義しないまま進めることです。役職・店舗・業務単位の権限で、閲覧できる範囲を区切ります。そのうえで、二要素認証や通信暗号化、操作ログ、バックアップも設計します。

退職者の即時停止や、写真の利用目的と同意撤回、委託先、障害時の連絡体制も確かめます。必要に応じて、法務や個人情報保護の専門家に相談します。

ポイント

導入の判断は、店舗数と店舗間で共有したい課題を起点にするのが目安です。移行の可否と閲覧範囲の設計まで含めて、比べる項目を決めます。

まとめ

美容・サロン業向け多店舗管理システムは、予約、カルテ、会計、スタッフ実績、在庫、本部分析をつなぎ、店舗が増えても同じ基準で運営する基盤です。

成果を出すには、データがどこで分かれているかを把握し、必須条件や共有範囲、例外処理、移行方法、導入後のKPIを決めることが大切です。機能を増やすこと自体は、目的ではありません。

成果を出す企業が小さく試し、標準化して広げる進め方

2〜5店舗ならSaaSを候補にします。10店舗以上やFCでは、本部管理、権限、ログ、データ返却、BCPを選定基準に含めます。

独自業務がある場合でも、全機能を一度に作ることは避けます。予約・顧客・会計を先に用意し、在庫、分析、AI活用は段階的に追加します。

パイロット店舗で実データと実業務を検証し、教育と問い合わせ体制を用意してから、全店へ展開します。

最初の一歩は現行業務と見積もり条件の洗い出し

最初に、現行業務、優先要件、見積もり比較の内容を洗い出します。

  • 現行業務:店舗別の業務と困りごとの記録
  • 要件整理:Must・Shouldの分類と、優先順位の決定
  • 見積もり比較:同じ要件表による3社以上への相談

予約やカルテ、会計、在庫、販促、月次集計を、業務フローとしてまとめます。そのうえで、困っている時間と数字を押さえます。

比べる際は、月額に加えて、3年TCOや移行、教育、保守、解約時のデータ返却を見ます。セキュリティも、同じ表で比べます。この順で進めると、導入目的と開発範囲がぶれにくくなり、現場で使われるシステムに近づきます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。