Nomadのシステム開発を任せる会社は、Nomad単体の設定ができるかだけでなく、どこまで設計と運用を担えるかで比べるのが基本です。
- Nomadとコンテナ、Java、Windows、VM、バッチの対応範囲
- アプリ移行、CI/CD、ネットワーク、監視、セキュリティの設計
- 費用、運用保守、責任の区切り、依頼前の確認事項
紹介するのは、Nomadを含む実行基盤の設計・構築・運用を相談できる6社です。公式情報で確認できる対応内容とともに、相場感や依頼前の確認事項も整理しました。
▼全体ガイドの記事
・Nomadのシステム開発の完全ガイド
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
Nomadのシステム開発でパートナー選びが重要な理由

Nomadは単一バイナリを中心に構成できるため、導入しやすい印象があります。しかし、本番環境では、どのワークロードをどのノードへ配置するか、障害時にどう復旧するか、シークレットをどこで管理するかまで決めなければなりません。成功の条件は、Nomadを導入することそのものではなく、事業に必要な可用性・セキュリティ・運用負荷を満たせることです。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
Nomadは、アプリケーションを動かす基盤です。業務画面やデータベースを自動で作る開発フレームワークではありません。そのため、依頼先には、既存アプリのコンテナ化、Nomadのジョブ仕様、Terraformによるインフラ構築、ConsulやVaultについて、どこまで担当するのかを明確に伝える必要があります。
Nomadの公式ドキュメントでは、本番環境のサーバーを3台または5台とする構成が示されています。また、クライアント数には固定の上限がなく、サーバーがジョブを受け付けて配置を計算します(出典: HashiCorp Developer「Production reference architecture」「Architecture」)。
自社のRTO・RPO、リージョン数、ノード障害時の要件に、サーバー3台または5台の構成を落とし込める会社を選ぶことが大切です。
発注前に確認すべきポイント
最初の相談では、現行の環境と運用の状況を発注側から示します。環境面では、サーバー台数、アプリケーション数、コンテナ化率が基本になります。
利用中のクラウドとオンプレミス資産も伝えます。運用面では、CI/CD、監視、ログ、バックアップ、保守時間帯の状況を示します。加えて、停止できる時間や障害復旧の目標、個人情報や決済情報の有無、将来のマルチクラウド展開も伝えると、Nomadが本当に適した選択かどうかも含めて評価してもらえます。
株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。
営業、顧客、生産、販売管理など幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
Nomadのシステム開発で技術の導入だけを先に進めると、業務側が使い続けにくい基盤になりがちです。
riplaは、現場の業務課題や目指す成果を整理し、機能・運用・定着までを一つの計画にまとめたい企業に向いています。
採用を迷っている段階でも、既存のVMや手作業の運用を含めて、課題に対して仕組みが過剰にならないかを検討しやすい点が特徴です。
得意領域と相談時の確認点
業務要件とシステム要件を同時に整理したい企業や、基幹業務を含めて運用に定着させたい企業に適しています。
相談の前に、Nomadのサーバー・クライアント構成、Terraform・Consul・Vaultとの役割分担、アプリケーション改修の範囲を確認してください。納品されるジョブ定義や運用手順書も、事前に見ておくとよいです。
Nomadの専門的な構築が必要な場合は、対応するインフラエンジニアの経験と、必要に応じて専門ベンダーと連携する体制も見ておきたいところです。
HashiCorp(IBMのHashiCorp製品事業)|開発元の知見と公式支援の範囲

HashiCorpはNomadを提供する開発元で、現在はIBMのHashiCorp製品事業として展開されています。公式のProfessional Servicesでは、Nomadを使うパブリッククラウドやプライベートクラウドでのサービス登録、デプロイプロセス、継続的インテグレーションとデリバリーの支援を案内しています。
製品の仕様やEnterpriseのサポート方針を直接確かめたい場合は、この選択肢が候補になります。
特徴と強み
開発元だからこそ、製品ロードマップ、ライセンス、アップグレード、Enterprise機能について確かめやすい点が強みです。
NomadはTerraform、Consul、Vaultと連携できます。ただし、どの製品を組み合わせるかによって、構成と運用費が変わります。
製品サポートを優先する大規模企業や、マルチリージョン・マルチクラウドを見据える企業は、公式支援の範囲を問い合わせる価値があります。
得意領域と相談時の確認点
製品の正式なサポートやEnterpriseライセンスを重視する案件に向いています。
2026年4月以降、NomadのサポートモデルがIBMのライフサイクルに合わせて変更される予定です。2.0.0以降は、バージョン表記も変わる予定です(出典: HashiCorp Developer「Release Notes」)。
採用する場合は、利用するバージョンやLTSの扱い、延長サポート、障害時の問い合わせ窓口を、契約の前に確認してください。
株式会社ラック|レガシーからコンテナまでまとめて管理

株式会社ラックは、公式サイトでHashiCorp Nomadを取り上げています。コンテナだけでなく、Windows、Java、仮想マシン、バッチなどの実行環境をまとめて管理できる製品として紹介しています。
Terraform、Vault、Consulとの連携やNomad Enterpriseにも触れています。Nomadを中心とした基盤設計とセキュリティ運用を国内の会社に相談したい場合の候補です。
特徴と強み
既存の業務システムを一度にすべてコンテナ化せず、コンテナ、レガシーアプリ、バッチを同じ運用方針にまとめたい企業に適しています。
Nomadはコンテナ専用ではないため、モダナイゼーションの途中で残るWindowsやJavaの資産も、移行の優先度を分けながら扱えます。
セキュリティ企業としての知見を活かし、アクセス制御、監視、脆弱性対応まで相談できるかを確かめてください。
得意領域と相談時の確認点
オンプレミスやハイブリッド環境で、既存資産を活かしながら運用を標準化したい企業が相談しやすい会社です。
Nomadの構築だけでなく、Consulのサービスディスカバリ、Vaultの認証情報管理、ログや監視まで含むかを確かめておきましょう。
見積書では、ライセンス費用、設計・構築費用、移行、運用引き継ぎ、保守契約を項目ごとに分けてもらうと、比べやすくなります。
株式会社日立ソリューションズ|大企業向けに導入から運用まで支援

株式会社日立ソリューションズは、HashiCorp Terraform、Vault、Consul、Nomadのライセンス販売と、コンサルティングから導入までの支援を公式サイトで案内しています。
大規模な組織や既存のSI体制にHashiCorp製品を組み込みたい企業にとっては、製品単体だけでなく、運用管理全体を相談できる選択肢になります。
特徴と強み
金融、公共、大企業の情報システム部門では、技術の選定に加えて、権限、監査ログ、バックアップ、災害対策、社内標準との整合性が問われます。
日立ソリューションズのように、HashiCorp製品を複数まとめて扱える会社なら、Nomad、Consul、Vault、Terraformの責任の区切りを整理しながら、既存のクラウドや運用プロセスへつなぎやすくなります。
得意領域と相談時の確認点
複数部門・複数クラウドをまたぐ基盤、長期運用が前提の業務システム、厳格な承認や監査が必要な案件に向いています。
担当チームがNomadを自ら構築するのか、別の専門会社と連携するのかは、提案の段階で確認してください。
要件定義からPoC、本番移行、運用監視、障害対応まで、各フェーズで誰が責任を持つのかを文書にしてもらうことが重要です。
パーソルクロステクノロジー株式会社|構築・導入・運用を幅広く支援

パーソルクロステクノロジー株式会社は、Terraform、Vault、Consul、Nomadを対象にしたHashiCorp構築・導入・運用支援サービスを公開しています。
公式案内では、NomadをコンテナからさまざまなOS上のアプリケーションワークロードまで扱うオーケストレーターとして説明しています。ライセンス費用は、対象製品や構成に応じた見積もりとしています。
特徴と強み
インフラ基盤の設計・構築だけでなく、その後の運用自動化や保守まで含めて体制を検討したい企業に適しています。Nomadのジョブを作るだけでは、本番の運用は回りません。
監視や障害切り分け、バックアップ、パッチ適用、証明書更新、運用手順書の整備を、どの契約形態で支援してもらえるかを確認しておくと、社内の人材不足にも備えやすくなります。
得意領域と相談時の確認点
クラウドとオンプレミスが混在する環境の企業、運用自動化を進めたい企業、HashiCorp製品の導入後に担当者を確保しにくい企業が、相談しやすい会社です。
コミュニティ版と有償版の機能の違い、ライセンスの単位、Nomad担当者の経験、24時間365日対応の可否を確認してください。
支援が派遣・準委任・請負のどれに当たるかは、成果物と責任範囲に関わるため重要です。
株式会社ネットワールド|ライセンスと国内パートナー連携を支援

株式会社ネットワールドは、開発会社やSIerとは役割の異なる会社です。HashiCorp公式のパートナーページでは、日本で活動するディストリビューターとして掲載され、Nomad、Terraform、Vault、Consulなどを取り扱う国内販売チャネルとして確認できます。
ライセンス調達や導入パートナーとの連携を含めて相談したい場合は、候補の一つです。
特徴と強み
Enterpriseライセンスの購入方法や契約更新、製品の選定、国内の導入パートナー探しを整理しやすい点が特徴です。
自社で要件定義や構築を担うのか、販売会社からSIerを紹介してもらうのかによって、プロジェクトの進め方は変わります。
ネットワールドへ相談する場合は、構築・移行・運用を担う会社が別になる可能性もあるため、窓口と責任分担を確認してください。
得意領域と相談時の確認点
製品の調達経路を整えたい企業、Enterprise版の見積もりを取りたい企業、HashiCorp製品に対応できる国内パートナーを比べたい企業に向いています。
ネットワールドを、Nomadの設計・開発・運用会社と誤認しないことも大切です。
見積依頼では、販売会社、ライセンス提供元、構築会社、保守会社の役割を分けたうえで、障害時の一次窓口まで明記してもらうとよいです。
Nomadのシステム開発パートナーを選ぶポイント

6社は、開発元の公式支援、国内SI、セキュリティと運用、ライセンス販売という役割がそれぞれ異なります。知名度ではなく役割で見比べ、自社の課題に合う相談先を選ぶ必要があります。
提案を比べるときに確認したい技術・体制・見積もりの見方を、順に整理します。
実績と経験の確認方法
「Nomadに対応できます」という説明だけでなく、どの規模や環境で何を担当したのかを確認します。
サーバー3台または5台のHA構成、クライアントの増減、ジョブのローリング更新、カナリアリリースについて、自社に近い経験を質問してください。ノード障害からの復旧、複数データセンター、WindowsやバッチをNomadで実行した経験も、あわせて尋ねます。
公開事例が少ない場合は、守秘義務に配慮しながら、担当者の経験年数や成果物のサンプルを確認します。
技術力と専門性の評価
Nomadだけでなく、Linuxやネットワーク、コンテナの知識も求められます。さらに、Terraform、Consul、Vaultまで含めて扱える体制が必要です。扱う範囲には、次の領域も含まれます。
- ログ・メトリクス
- データベース
- バックアップ
NomadとKubernetesを比べるときは、レガシーとコンテナを混在させるのか、Kubernetesのエコシステムを使うのかという要件別に判断できる会社を選びます。
Nomadは実行基盤のため、基盤だけ整えても、アプリの設定やデータの永続化、外部サービスとの接続が不安定なら業務は止まります。実際に、スクウェア・エニックスの公式事例では、NomadとConsulの導入により、物理故障時の復旧が従来の4時間から数分へ短縮されたと紹介されています(出典: HashiCorp「Square Enix」)。
三菱UFJ eスマート証券の事例では、Nomad・Consul・Vaultの活用により、サーバー管理台数を800台から40台へ削減した成果が示されています(出典: HashiCorp「Mitsubishi UFJ eSmart Securities」)。ただし、これらは企業規模や既存環境が異なるため、自社で同じ効果が出ると約束する数字ではありません。
プロジェクト管理体制の確認
見積もりの安さだけでなく、要件定義、PoC、本番設計の担当者を確認します。移行、試験、教育、運用引き継ぎを、誰が受け持つのかも確かめます。
成果物には、アーキテクチャ図、Nomad job spec、Terraformコード、ACLポリシーを含めます。さらに、Vault・Consul設定、監視項目、障害対応Runbook、アップグレード手順、ロールバック手順も含めると、納品後の属人化を抑えられます。
金額は、PoCで50万〜150万円、小規模本番で300万〜800万円、中規模基盤で800万〜2,000万円程度が編集部推定の目安です。Nomad固有の公的な国内相場はないため、クラウド費、ライセンス費、運用費を含むかどうかを分けて確認してください。
Nomadのシステム開発会社に関するよくある質問

Nomadを検討すると、「OSSなら無料なのか」「Kubernetesより優れているのか」「開発会社には何を依頼するのか」といった疑問が出てきます。
発注前に判断しやすいよう、相談の多い質問に直接答えます。
NomadはOSSなので無料で導入できますか?
コミュニティ版のライセンス費だけでは、予算を判断できません。クラスタ設計、アプリ改修、クラウドやサーバーが必要です。さらに、TLS・ACL、監視、バックアップ、移行、保守も見込んでおく必要があります。
Enterprise版や有償サポートの価格は、一律の公開価格として扱わず、公式窓口や販売パートナーから個別に見積もりを取ります。
NomadとKubernetesはどちらを選べばよいですか?
どちらが常に優れているとは言えません。Kubernetesの広いエコシステムやマネージドサービス、Linuxコンテナ中心の新規開発を重視するなら、Kubernetesが候補になります。
一方で、Nomadは単一バイナリを中心に構成でき、コンテナと非コンテナのワークロードを同じ運用へ寄せやすい製品です。オンプレミスやハイブリッド環境、少人数の運用と相性があります。
既存資産、チームのスキル、運用人数を基準に、PoCで比べます。
開発会社にはNomadの何を依頼すればよいですか?
依頼範囲は、Nomadのインストールだけでなく、現状分析、要件定義、アプリの移行、ジョブ定義まで含めて決めます。CI/CD、ネットワーク、監視、ログ、バックアップも対象になります。さらに、セキュリティ、障害対応、運用教育まで、範囲に入れるかどうかを詰めます。
成果物のソースコード、設定ファイル、Runbook、アカウントやライセンスの管理者、契約終了時の引き継ぎは、依頼時に明記してください。
開発会社と販売会社が分かれる場合は、各社の責任範囲を一つの表にまとめておくと安全です。
まとめ

Nomadのシステム開発では、製品を扱える会社よりも、Nomadを含む本番の実行基盤を設計・構築・運用できる会社を選ぶことが重要です。
株式会社riplaは、業務要件から開発・定着までを相談したい企業に向いています。HashiCorpは開発元の公式支援を重視する企業、株式会社ラックはレガシーとコンテナをまとめて管理したい企業に向いています。
株式会社日立ソリューションズは大企業の導入・運用体制を、パーソルクロステクノロジーは構築後の運用支援を、株式会社ネットワールドはライセンスや国内パートナー連携を検討する際の候補です。
自社に合う6社の絞り込み方
まずは現行環境と対象ワークロードを整理し、PoCで検証します。検証する範囲は、ジョブのデプロイ、ローリング更新、ノード障害からの復旧、ACL拒否、ログ取得、バックアップからの復元までです。
見積もりは、ライセンスとクラウド、構築とアプリ改修、移行を分けて比べます。監視と保守も、別の項目として並べます。
業務要件や既存システムとの接続まで含めて相談したい場合は、Nomad単体の導入を目的にせず、事業成果と運用定着からパートナーを選ぶことが大切です。
Nomad導入の全体像
Nomadの機能、KubernetesやTerraformとの違い、費用について詳しく検討したい方は、全体ガイドもあわせてご覧ください。PoCや本番設計、セキュリティ、運用まで検討する場合も、全体ガイドが役立ちます。
導入の目的と必要な体制を整理してから相談すると、過不足のない提案を受けやすくなります。
▼全体ガイドの記事
・Nomadのシステム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
