入退室管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

入退室管理システムの開発費用は、数十万円から数千万円まで幅があります。差を生むのは、施設の規模や搭載する機能、開発方式です。ハードウェアや連携の範囲も、費用を左右します。

費用の全体像については、入退室管理システム開発の完全ガイドもあわせてご覧ください。

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・入退室管理システム開発の完全ガイド

入退室管理システム開発の費用概要

小規模・中規模・大規模の管理規模ごとに、入退室管理システムの開発費用目安を示す図。
規模が上がるにつれて、費用目安の幅も大きくなります。

入退室管理システムの費用は、初期費用(開発費)とランニングコスト(運用費)の2つに分かれます。開発費は「工数(人月)×単価」で算出され、単価は開発会社の規模や技術力、所在地によって異なります。国内の中堅開発会社では、エンジニア単価は月70〜150万円程度が目安です。

入退室管理システムは、オフィスや工場、データセンターなどで特定エリアへの入退室を制御・記録する仕組みです。不正侵入の防止や従業員の労働時間管理、セキュリティインシデントの追跡調査に使われます。さらに、テレワーク普及後のオフィス管理でも需要が高まっています。

導入費用は規模・機能・開発方針で変わるため、事前に費用感をつかんでおくことが欠かせません。

費用の種類と全体像

費用は内訳ごとに分けると、初期投資と運用後の負担を並べて見られます。

  • 初期費用(開発費):要件定義・設計・開発・テスト・導入設定にかかる費用。全体の60〜80%を占めるのが一般的です。
  • ハードウェア費用:ICカードリーダー、生体認証デバイス、電子錠、カメラ、サーバー機器の購入・設置にかかる費用。
  • ランニングコスト:クラウド月1〜10万円、保守・サポート月3〜20万円、ライセンス更新料など。
  • 追加開発費:機能追加や法改正対応、外部システム連携の拡張で生じる変動費です。

規模によっては、ハードウェア費用が開発費と同程度になることもあります。運用・保守費用は、初期費用の10〜20%程度を年間で見込むのが一般的です。

規模別の費用目安

管理ドア数や従業員数で見ると、自社に近い開発費の目安がつかめます。なお、この費用目安は開発費だけの数字です。

  • 開発方式:スクラッチか既存パッケージのカスタマイズかで、費用の水準が違ってきます。
  • 追加費用:設置工事費やデータ移行費が、別途かかるケースもあります。
  • 総額確認:表の費用目安だけでなく、別途費用を含めた総額で比べること。
規模対象の目安費用目安(開発費)主な特徴
小規模管理ドア数:1〜10箇所、従業員数:〜100名50万〜300万円ICカード認証、ログ管理、シンプルな管理画面
中規模管理ドア数:10〜50箇所、従業員数:100〜500名300万〜1,000万円複数拠点対応、勤怠・HR連携、権限管理
大規模管理ドア数:50箇所以上、従業員数:500名以上1,000万〜3,000万円生体認証、AI顔認証、複合連携、高可用性設計

表の数字はあくまで目安で、実際の金額は条件によって上下します。

ポイント

費用の判断では、初期費用とランニングコストを分けて見ることが欠かせません。管理ドア数や従業員数から、自社がどの規模の表に当てはまるかを見て、開発費の見当をつけます。

入退室管理システムの機能別費用内訳

基本機能を中央に置き、ICカード認証、ログ管理、権限管理、管理画面、アラート通知の5機能と各開発費用目安を結んだ図。
機能ごとに費用幅が異なるため、必要範囲を分けて見積もれます。

入退室管理システムの開発費用は、搭載する機能の数と複雑さで変わります。そのため、必須機能とオプションを分けて考えると、費用に強弱をつけられます。

基本機能の費用

基本機能は5つに分けて見ると、必要な開発範囲を押さえられます。

  • ICカード認証機能:カードリーダーとの連携を含み、30〜100万円程度。
  • ログ管理・履歴表示機能:DB記録・検索・CSV出力などを含み、20〜60万円程度。
  • 権限管理機能:役職・雇用形態・時間帯の制御を含め、30〜80万円程度。
  • 管理画面・ダッシュボード:UIの複雑さによって、30〜100万円程度変わります。
  • アラート・通知機能:不正入室や扉の開放をメール・Slackで通知し、20〜50万円程度。

これらを合わせると、基本機能の開発だけで100〜400万円程度が一般的な相場です。

オプション機能の費用

追加機能は、セキュリティ強化や業務効率化に役立ちます。ただし開発費も増えるため、必要な機能に絞ると費用の増加を抑えられます。

  • 顔認証AI機能:カメラ映像による高度な認証方式。
  • 指静脈・指紋認証:生体認証デバイスと連携する方式。
  • スマホ・来訪者連携:通知、スマートロック、受付をまとめて連携。
  • 勤怠管理システム連携:入退室ログを勤怠データに活用。
  • カメラ・録画システム連携:入退室ログと映像を紐づけて検索。

顔認証AI機能は、カメラ映像からリアルタイムで顔を照合します。AIモデルの開発とチューニングを含めると、150〜500万円程度かかります。

指静脈・指紋認証は、生体認証デバイスの費用とは別に、50〜200万円程度の開発費がかかります。

リアルタイム通知・スマートフォン連携は、プッシュ通知とスマートロック制御を含み、50〜150万円程度が目安です。来訪者管理・受付システム連携は、事前登録や当日受付、QRコード発行に対応し、こちらも50〜150万円程度です。

勤怠管理システム連携は、既存の勤怠システムのAPI仕様によって変わり、30〜120万円程度です。また、セキュリティカメラ・録画システム連携は、50〜200万円程度が目安です。

ポイント

機能の見積もりは、必須の基本機能とオプションを分けて考えるのが出発点です。基本機能は100〜400万円程度が相場で、オプションは必要なものだけに絞ると費用を抑えられます。

入退室管理システム開発のコスト削減方法

クラウド型とオンプレミス型について、初期インフラ費用、長期利用時の総コスト、適した環境の3観点を左右に比べる図。
初期費用と長期利用時の総コストでは、方式ごとの傾向が異なります。

費用を抑えながら品質を保つには、開発アプローチとシステム構成の選び方を比べることが欠かせません。代表的な方法を取り上げます。

パッケージ活用と費用比較

スクラッチ、パッケージ、SaaSを比べると、要件への適合度と初期費用のバランスが見えてきます。

  • スクラッチ開発:要件に完全対応できるが、費用は300万〜3,000万円以上。
  • パッケージ+カスタマイズ:標準機能を活用し、50〜70%削減した例もある。費用は100万〜500万円程度。
  • SaaS型(クラウドサービス):月額3〜30万円程度で、初期費用を抑えやすい。

スクラッチ開発が向くのは、独自の業務フローや高度なセキュリティ要件がある大企業です。一方、SaaS型は独自のカスタマイズに制限がある場合も多いです。

業務要件の複雑さと予算を見比べ、自社に合う開発方式を選ぶことが、コスト管理の第一歩です。

クラウド型 vs オンプレミス型の費用差

インフラ構成は、初期費用だけでなく、保守の負担と利用期間も含めて判断します。

  • クラウド型:初期負担と保守運用の負担を抑えやすい方式。
  • オンプレミス型:初期投資は大きいものの、長期利用や閉域環境に向く方式。

クラウド型は、初期インフラ費用が数万〜数十万円で、月額課金で利用できます。さらに、規模の拡大と縮小を柔軟に行えるうえ、保守運用の負担も軽減できます。ただし、長期利用では、クラウドの総コストがオンプレミスを上回るケースもあります。

オンプレミス型は、サーバーやネットワーク機器の初期投資が100万〜500万円以上です。クラウド利用料がかからないため、長期的にはコストを抑えられる場合があります。

クラウドの利用が制限される企業や、インターネット非接続の環境が必要な工場・研究所などにも適しています。反対に、中小企業やオフィス環境では、一般にクラウド型のほうが費用対効果に優れます。

特に、複数拠点がある場合は、クラウドでまとめて管理でき、コスト削減と管理効率化の両立につながります。

ポイント

開発方式は、業務要件の複雑さと予算で選び分けます。インフラは、長期利用の見込みがあればクラウドの総コストがオンプレミスを上回る場合もあるため、利用期間の見通しで決めます。

見積もりを取る際のポイント

見積もりの精度を高めるには、事前準備と比較検討が欠かせません。準備が不足していると、概算で数千万円という大雑把な金額になるケースもあります。

見積もり依頼前の準備

依頼前に対象範囲と制約条件をそろえておくと、各社の提案を読み比べられます。

  • 管理対象の拠点・ドア数:拠点ごとのドア数と設置場所を洗い出す。
  • 対象ユーザー数と属性:認証対象者の種別と人数を書き出す。
  • 認証方式の希望:ICカード・PINコード・生体・スマホ認証など。
  • 連携が必要な既存システム:勤怠、人事、監視カメラとの連携範囲。
  • セキュリティ・日程・予算:保存期間、稼働目標日、予算上限など。

管理対象は、本社・工場・倉庫などです。また、対象ユーザーは、社員や派遣のほか、来訪者や協力会社なども含まれます。

連携対象は、勤怠管理・人事システム・監視カメラシステムです。勤怠連携の費用はAPI仕様で変わるため、APIやデータ仕様も確認しておきます。さらに、セキュリティ要件では、入退室ログをどこまで残すか、監査対応や暗号化が必要かを決めておきます。

稼働目標日と予算の上限を先に伝えると、各社の提案を現実的な範囲に絞れます。また、「要件概要書」か「RFP(提案依頼書)」を作ってから問い合わせると、各社から同じ前提の見積もりが返ってきます。

相見積もりのコツ

相見積もりでは、価格だけでなく、追加費用と導入後の安定性まで含めて比べます。

  • 3〜5社に同じ条件で依頼する:同じ要件概要書を渡し、比較の基準をそろえる。
  • 安さだけで選ばない:工数の内訳、単価、含まれる作業範囲まで見る。
  • 保守・運用費も含めた総コストで比較する:3〜5年のTCOで比べる。
  • 実績・導入事例を確認する:類似規模・類似業界での導入実績の有無。
  • コンサルティングフェーズの提案力を見る:要件の課題点を指摘できるかどうか。

極端に安い見積もりには、追加費用や品質面のリスクが潜んでいる場合があります。初期費用が安くても、ランニングコストが高いと、数年単位で見れば総額で不利になることもあります。

類似規模・類似業界での導入実績がある会社は、要件理解のスピードと品質が安定しています。また、見積もり前のヒアリングで課題点を指摘する会社は、信頼度が高いと言えます。

入退室管理システムの開発費用は、要件・規模・開発方式によって数十万円から数千万円まで幅広く変動します。そのため、まずは自社の課題と必要な機能を洗い出し、複数の開発会社から提案を受けてみてください。そうすると、費用と品質のバランスが取れた案が見えてきます。

株式会社riplaでは、要件定義から開発・保守まで一貫して対応しています。入退室管理システムの開発に関するご相談も承っています。

費用感の確認だけでも問題ありません。お気軽にお問い合わせください。

ポイント

見積もりを比べる前に、対象範囲と制約条件をそろえておくことが前提です。そのうえで、価格だけでなく追加費用や導入後の安定性も同じ条件で比べると、判断を誤りにくくなります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。