オンボーディングシステムの費用は、導入方式と連携範囲によって大きく変わります。対象人数や機能まで含めると、費用は初期0万〜100万円から1,500万〜4,000万円超まで広がります。
会社規模や採用人数、連携数、セキュリティ要件によっても、金額は上下します。
▼全体ガイドの記事
・オンボーディングシステム開発の完全ガイド
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
オンボーディングシステムの概要と費用を左右する全体像

オンボーディングシステムは、内定承諾後から入社後の一定期間までの手続きを進める仕組みです。本人を含め、人事や配属先の上司、総務、情シスが同じ進捗情報を確認できる点が特徴です。費用は、フォームの作成だけでなく、標準化する業務、接続するシステム、運用担当者まで含めて考えます。
標準SaaSで対応しやすい範囲
入社手続きの定型業務をひとまとめにしたいなら、標準SaaSが向いています。
- 本人入力:入社予定者がスマートフォンから情報を入力する機能
- 書類手続き:契約書や通知書の送付と電子同意
- 進捗管理:提出期限の通知と、未提出者の確認
雇用契約書や労働条件通知書の送付、電子同意にも対応できます。従業員情報の登録も、標準機能に含まれやすい範囲です。
提出状況を人事が一覧で把握できるため、紙やメールによる回収業務を見直せます。
既存の人事・労務サービスに標準連携があれば、CSVやAPIで従業員マスタへ引き継げます。
専用開発で広げられる範囲
専用開発を使うのは、標準機能に合わせにくい業務まで一つの流れにしたい場合です。
- 情報連携:採用管理から入社予定者の情報を受け取る
- タスク生成:雇用形態や拠点ごとに異なる作業の作成
- 入社後対応:30日・60日・90日のチェックインまでをつなぐ
同じ設計の中で、情シスへのアカウントや端末の発行依頼まで含められます。
外国籍社員向けの多言語フォームや、グループ会社ごとの承認経路も設計できます。
たとえば、店舗勤務者と本社勤務者で受け入れ手順が異なる場合も、専用開発で対応できます。
標準機能に合わせにくい業務が多いほど、開発費は上がります。そこで、「入社日までに必ず完了させる業務」と「入社後に改善する業務」を分けて考えることが重要です。
オンボーディングシステムの開発・導入の進め方
標準SaaSの設定だけであれば、開発期間は数週間から数か月が目安です。
複数サービスの連携を含む導入では、数か月かかります。
専用開発では3〜8か月程度かかります。
大企業のグループ会社統合、多言語、多段階承認を含める場合や、セキュリティ審査、既存データ移行まで含める場合は、6〜18か月程度かかる可能性があります。
期間を短くしたいときほど、初期リリースに含める業務を絞ります。そのうえで、検証のための入社サイクルを先に確保しておくことも大切です。
要件定義での業務と費用範囲の決め方
要件定義では、入社前後の業務を時系列に分けたうえで、費用範囲を決めます。
- 内定承諾後から入社後90日までの業務を分解する
- 担当者、期限、入力または承認の内容の決定
- 完了条件、例外、差し戻し、監査ログの整理
業務は、「内定承諾後」「入社前」「初日」「初週」「30日・60日・90日後」の順に分けます。たとえば、本人が住所や扶養情報を入力し、人事が確認する流れを具体的に書き出します。
次に、労務システムへの登録と、情シスによるアカウント発行に進みます。担当者と期限を決め、例外や差し戻し、監査ログも先に整えておくと、追加費用を抑えやすくなります。
設計・連携でのデータの正の決め方
設計ではまず、どのシステムを正として扱うかを決めます。
- 連携先:採用管理、人事・労務、給与、勤怠などの洗い出し
- 認証・通知:電子契約、チャット、ID管理との接続の検討
- 連携方式:API、CSV、iPaaS、中間データベースの比較
連携する対象項目には、氏名や入社日、雇用形態、所属、職位、勤務場所などがあります。
API連携を使う場合でも、項目の変換やエラー時の再送、退職や入社日変更時の扱いを設計します。また、連携方式ごとの初期費用と保守費用は、見積書で分けて記載します。
テスト・リリースでの入社シナリオの再現
テストでは、通常の入社者と例外ケースを、一連のシナリオでまとめて確認します。
- 入社前:内定辞退や入社日の変更のケース
- 手続き:扶養家族の追加や書類の差し戻しを試す
- 対象差:外国籍社員や拠点異動の表示の確認
本人の入力画面、人事の確認画面、上司のタスク一覧をそれぞれ見ていきます。
情シスへの発行依頼が正しく表示されるかも、同じシナリオで試します。
リリース後は、まず1〜2回の入社サイクルを対象に効果を測ります。
見る指標は、書類提出完了率、差し戻し率、初日までの未完了タスクです。
アカウント発行までの時間と、人事の確認時間も計測します。
数字を見てから対象部署や雇用形態を広げると、機能追加の優先順位を誤りにくくなります。
オンボーディングシステムの費用相場とコストの内訳
見積もりでは、まずライセンス費用と初期設定を分けて確認し、要件定義や画面・フォームの作成も別に見ます。
さらに、データ連携やSSO、電子契約も確認の対象です。データ移行、テスト、研修、保守も見積もりに含めて確かめます。
ここで示す開発費のレンジは、類似案件の相場をもとにした推定です。公的な統計ではありません。
金額は会社規模や採用人数、連携数、セキュリティ要件で上下します。そのため、金額だけを並べて比べるのは避けます。
導入方法別の価格帯
導入方法によって、初期費用、月額、開発期間の組み合わせは変わります。
- 標準SaaS:初期0万〜100万円、月額1万〜10万円程度
- 連携導入:初期100万〜500万円、月額5万〜30万円程度
- 連携条件:API・CSV、SSO、移行、研修、部門数で上振れする
- 専用開発:専用ポータル・独自ワークフローは300万〜1,500万円、3〜8か月
- 大規模導入:統合、多言語、権限、基幹連携で1,500万〜4,000万円超
50〜100名規模で、入社書類や本人入力、タスク管理が中心であれば、標準SaaSの範囲に収まりやすくなります。ただし、初期費用が無料でも、設定代行やデータ移行、追加オプション、導入支援は別料金の場合があります。
公開料金は50名以下で示されていても、51名以上や複数サービスは個別見積もりになります。
人数が同じでも、契約単位によって総額は変わります。
大規模導入でセキュリティ審査や並行運用を含む場合、期間は6〜18か月程度です。なお、これは人事労務システム共通の刷新相場からの推定で、要件定義の後に正式な見積もりを取る必要があります。
公開料金で見るライセンスと初期設定
公開料金を比べるには、人数と契約条件をそろえる必要があります。
- freee人事労務:400円、600円、800円、1,100円のプラン
- マネーフォワード:2,480円、4,480円、6,480円などの料金を提示
- SmartHR・HRMOS:人数や支援範囲による見積もり
freee人事労務の料金は、2026年8月確認時点の年払い料金です。出典は、freee公式の「freee人事労務の料金プラン」です。
単純計算では、50名は月2万〜5万5,000円、100名は月4万〜11万円になります。ただし、最低利用人数や契約期間、追加サービス、税、オプションによって、請求額は変わります。
マネーフォワードは、10名までを基本料金に含め、11名以上は1名あたり月600円の従量課金です。
51名以上は問い合わせ見積もりとなり、追加サービスによって総額が変わります。
この料金は人事管理単体のもので、給与、勤怠、社会保険、マイナンバーを追加すると変わります。
出典は、マネーフォワード公式「料金・プラン マネーフォワード クラウド人事管理」(2026年8月確認)です。
SmartHRは、初期導入費用と基本サポート費用を無料と案内しています。一方で、支援や有料オプションは別途費用です。
HRMOS労務も、利用計画に応じた料金プランを用意しています。
設定や移行支援は、別途費用となる場合があります。
公開価格がない場合も、人数や機能、支援範囲をそろえて見積もります。
出典は、SmartHR公式の「料金プラン」、HRMOS公式の「労務管理システム」(2026年8月確認)です。
見積書に分けて記載すべき費用
見積書は、費用を区分に分けて記載してもらうと、比べやすくなります。
- 利用料:ライセンスまたはクラウド利用料
- 導入作業:設定、連携、移行、テストに関する作業
- 継続費用:研修、リリース支援、保守などの定期的な費用
初期設定、業務ヒアリング、要件定義、画面・フォーム作成も、別の項目として分けてもらいます。さらに、ワークフローや権限設定、API・CSV連携、SSO、電子契約も、項目として挙げておきます。
費用項目が「一式」でまとめられていると、追加費用が出たときに、当初の範囲との差分を確認しにくくなります。
初期費用と月額費用に加えて、初年度総額と3年間の総保有コストも比べます。
月額が安くても、連携や設定代行、運用サポートに費用がかかる場合があります。
追加ストレージや退職者データの保管にも、費用がかかる場合があります。一方で、初期費用が高くても、紙の郵送や人事の確認時間、転記ミス、アカウント発行の遅延を減らせるなら、業務全体で有利になる可能性があります。
オンボーディングシステムの費用が変動する要因

従業員数が増えると、ライセンス費用は単純に増えます。拠点や雇用形態が増えると、ワークフローと権限の設計も複雑になります。採用から労務、給与、勤怠、ID管理までつなぐ場合は、連携とセキュリティの検討が欠かせません。
価格を動かす要因を先に分けておくと、見積もりの増減を説明しやすくなります。
従業員数・採用人数・雇用形態
料金体系は、在籍従業員数、利用者数、月間の入社人数のどれを基準にするかで変わります。
- 課金開始:内定者をいつから対象にするか
- 在籍区分:退職者や休職者の扱い
- 管理者:上司や情シスのアカウント料金
正社員だけでなく、アルバイトや契約社員、派遣社員を扱う場合もあります。外国籍社員やグループ会社社員を含めると、入力項目や承認経路が増えます。そのため、対象者が増えるほど、設定工数も増えます。
既存システムとの連携・移行
連携先が増えるほど、データ項目の対応や認証、エラー処理、権限、テストが必要になります。
- 一方向連携:採用管理から従業員DBへの接続
- 双方向連携:変更や停止までの条件の整理
- データ移行:重複や欠損の確認と整理
一方向連携は、比較的整理しやすい方法です。一方で、給与・勤怠・ID管理への双方向連携では、入社日変更や所属変更まで考える必要があります。
アカウント停止まで含める場合は、連携条件をさらに詰めておく必要があります。また、過去データの移行では、表記ゆれも含めて確認します。
不要な個人情報の削除も確認の対象になるため、移行前のデータクレンジング費用を見積もります。
セキュリティ・法令・監査ログ
オンボーディングでは、住所や家族情報、本人確認書類を扱います。さらに、マイナンバーや雇用契約など、機微な情報も対象になります。
- アクセス管理:多要素認証、SSO、権限分離の確認
- 記録管理:操作ログ、バックアップ、保存期間の決定
- 委託管理:委託先と再委託先の管理方法
通信・保存時の暗号化や、データ削除と削除手順も、要件に含めておきます。
マイナンバーを扱う場合は、利用目的と安全管理措置、委託先監督を定めておく必要があります。
個人情報保護委員会も、人事労務クラウドの安全管理措置を確認するよう注意喚起しています。委託先監督も確認対象です。出典は、同委員会「人事労務管理サービスの安全管理措置・委託先監督に関する注意喚起」(2024年)です。
セキュリティ審査を後回しにすると、リリース前の追加費用や遅延につながります。
2024年4月から労働条件明示のルールが変わり、明示事項の見直しが欠かせません。そのうえで、帳票テンプレートや電子交付への同意、変更履歴、再交付の方法も要件に含めます。
出典は、厚生労働省「2024年4月から労働条件明示のルールが変わります」(2024年)です。
法令対応の保守費用については、誰が更新し、どの頻度で確認するかまで契約に含めておきます。
オンボーディングシステムのコストを抑えるポイント

費用を下げる基本は、不要な個別開発と二重入力を減らすことです。また、業務を変えずに画面だけを作り込むと、初期費用も保守費用も膨らみます。標準機能で見直す部分と独自化が必要な部分を分けて判断します。
標準機能の先行利用と独自開発の絞り込み
まず標準SaaSで効果を試し、専用ポータルは必要な部分に絞って検討します。
- 本人入力:入社者本人に必要な情報の入力
- 電子契約:書類の同意と提出状況の把握
- 基本タスク:標準機能での業務効果の測定
標準機能に合わせると、法改正対応やセキュリティ更新をサービス側に任せられます。そのため、初期費用と将来の保守費用を抑えやすくなります。
独自開発する場合も、業務効果が大きい部分から着手します。対象となるのは、本人に見せる画面と社内の承認経路、既存システムとの連携です。
入社前手続きからの段階的な導入
費用とリスクを抑えるには、入社前手続きから段階的に導入します。
- フェーズ1で、入社書類と本人情報を回収する
- フェーズ2で、人事・給与・勤怠への連携
- フェーズ3で、情シスのアカウントと端末の管理
- フェーズ4で、研修・1on1・90日サーベイへの展開
各フェーズの間には、1〜2回の入社サイクルを置いて効果を確認します。比べる項目は、提出率、差し戻し率、未完了タスク、担当者の工数です。
効果が確認できない機能は追加しないことで、投資判断をデータにもとづいて行えます。
運用ルールの整備と追加改修の抑制
入力項目を増やし続けたり、部署ごとに例外フローを作ったりすると、運用コストが増えます。
- 必須項目:給与・労務・受け入れに絞る
- 責任者:人事、上司、情シスの決定
- 変更管理:フォームや権限の手続きの一本化
任意項目は、入社後の面談など別の場面で集めます。
毎月、未完了タスクの原因と問い合わせ内容を確認すると、場当たり的な追加開発を減らせます。
オンボーディングシステムの見積もりを取る際のポイント
見積もりを依頼する際は、前提をそろえることが大切です。「オンボーディングを効率化したい」という伝え方では、各社の前提がばらばらになります。
対象者、入社人数、業務フロー、既存システムは、一枚の要件メモにまとめます。加えて、必要な法令対応やセキュリティ条件、希望時期、運用体制も記載します。
初期導入費、月額、連携費、移行費、保守費、追加開発の単価は、分けて提示してもらいます。
仕様書にまとめる要件と前提
仕様書には、対象者を正社員だけにするか、アルバイトやグループ会社まで含めるかを記載します。
入社前から入社後90日までの業務は、時系列に並べます。入力項目や帳票、承認者を、その流れの中で整理します。通知方法や期限、差し戻し、データ保存期間も、あわせて整理します。
採用管理や人事給与、勤怠、電子契約も、連携候補に含めます。加えて、Google WorkspaceやMicrosoft 365などの候補も一覧にします。
機能要件に加えて、非機能要件も明記します。
- 認証:多要素認証、SAMLによるSSO、IP制限の確認
- 保護:暗号化、操作ログ、バックアップの有無
- 障害・委託:復旧目標と委託先監査の可否の決定
障害時の連絡やデータ削除も、仕様書に記載します。
要件が曖昧なままだと、契約後にセキュリティ対応が追加されます。その結果、予算とスケジュールの両方が膨らみます。
複数社の同条件での比較
比較対象は、導入速度と柔軟性が異なる複数のパターンに分けます。
- 標準SaaS:導入速度、法改正対応、公開料金の比較
- パッケージ:導入支援とサポート範囲の違い
- ローコード・SI:柔軟性と保守条件の違い
比較対象には、ローコード・ワークフローも含めます。さらに、SI・受託開発も候補にして、開発後の保守や脆弱性対応を見ておきます。
各社には、同じ質問を投げます。たとえば、内定者を課金対象にする時点や初期設定に含む範囲、APIやCSVの連携可能数、データ移行の方法、導入支援の時間を尋ねます。
テスト環境、障害時の責任分界、退職者データの扱いも質問します。また、担当者交代時の引き継ぎや、追加改修の単価、契約終了時のエクスポート方法も、事前に確かめておきます。
機能一覧の多さより、実際の入社シナリオを再現したデモを重視します。
見積もりの前提が自社の業務に合っているかも、見ておきます。
安すぎる見積もりと追加費用のリスク
初期費用が極端に安い場合は、含まれない作業を確かめます。
- 不足しやすい作業:要件定義、移行、研修、テストの有無
- 運用範囲:運用設計が含まれるかどうか
- 過剰提案:不要な機能やカスタマイズの見直し
高額な提案でも、不要な機能や過剰なカスタマイズが積み上がる場合があります。
機能は、必須、できれば欲しい、将来検討の3段階に分け、各機能の費用と導入効果を確認してください。
契約前には、仕様変更の定義と追加開発の見積もりルールを確かめておきます。納期遅延時の扱いや検収条件、障害対応、データの所有権も見ておきます。
契約の終了時には、データの返却と保守契約の更新条件も確認します。
オンボーディングには、入社日という明確な締切があります。そのため、1日の遅れでも、アカウント発行や研修に影響します。
費用だけでなく、入社日から逆算した体制と責任分界を、契約書に残しておきます。
よくある質問(FAQ)
導入前によく寄せられる費用の質問に、順に答えます。
公開料金のあるSaaSと、個別見積もりの導入・開発案件では比較方法が異なります。金額の前提も、あわせて確認してください。
オンボーディングシステムの開発費用はいくらですか?
費用は、導入方式ごとの価格帯を比べると、見通しを立てやすくなります。
- 標準SaaS:初期0万〜100万円、月額1万〜10万円程度
- 連携導入:初期100万〜500万円程度が目安
- 専用開発:300万〜1,500万円程度と推定
標準SaaSの設定だけで済むか、採用管理や給与・勤怠、ID管理まで連携するかで、確認する費用項目が変わります。
独自のポータルやワークフローを作る場合は、300万〜1,500万円程度と推定できます。この数字は、類似する人事労務システム開発の相場をもとにした推定で、機能、人数、セキュリティ、連携数によって金額は変動します。
SaaSと専用開発はどちらを選ぶべきですか?
選択肢は、定型業務への適合度と独自要件の大きさで比べます。
- 標準SaaS:定型の入社手続きに向いている
- 連携開発:SaaSと既存基幹をつなぐ開発
- 専用開発:標準機能との差が大きい場合の選択肢
入社書類の回収、電子契約、基本タスクが中心なら、標準SaaSを先に検討します。従業員情報の登録が中心の場合も、標準SaaSが現実的です。
多言語や複雑なグループ会社構造、独自の承認経路がある場合は、比較が必要です。さらに、複数の基幹システムと連携できないことによる業務上の損失が大きい場合は、専用開発も検討します。
SaaSに連携開発を加える方法と、専用開発を比べます。また、法改正対応やセキュリティ更新を自社で担える体制があるかも、判断材料になります。
導入・開発にはどのくらいの期間がかかりますか?
期間は、導入方式と対象範囲ごとに分けて確認します。
- 初期設定:標準SaaSは数週間から数か月
- 専用開発:3〜8か月程度が目安
- 大規模導入:条件により6〜18か月程度
大企業では、多言語や複雑な権限、複数拠点を含む場合があります。そこにデータ移行やセキュリティ審査、並行運用まで含めると、6〜18か月程度になる可能性があります。
希望する稼働日から逆算して、要件定義、契約、設定・開発の期間を確保します。テストや利用者研修、パイロットの期間も見込んでください。
見積もりでは何を確認すればよいですか?
見積もりは、費用項目と契約条件、比較方法をそろえて確認します。
- 費用項目:初期費用、月額、連携、移行を分けて示す
- 契約条件:課金、責任分界、データ返却の取り決め
- 比較方法:同じ業務シナリオでの総額の比較
初期設定や要件定義、テスト、研修、保守、追加開発も、見積もりに含めて確認します。
内定者や退職者の課金条件、管理者アカウントの扱いも確認してください。さらに、法改正対応や障害時の責任分界、契約終了時のデータ返却も見ておきます。
各社に同じ業務シナリオを渡し、初年度総額と3年間の総保有コストで比べます。そうすると、見かけの月額では見えにくい差も確認できます。
まとめ
標準SaaSの設定は、初期0万〜100万円、月額1万〜10万円程度が目安です。既存システムとの連携を含む場合は、初期100万〜500万円程度になります。
専用開発では、300万〜1,500万円程度が目安になります。
大規模なグループ会社統合や多言語、複雑な権限、複数の基幹システム連携まで含めると、1,500万〜4,000万円超となる可能性があります。いずれも固定価格ではなく、対象人数や採用人数、機能、連携によって変わるレンジとして見てください。
移行、セキュリティ、保守の条件でも金額は変わります。
総保有コストによる費用判断
総額を比べるときは、初期費用と継続費用に加えて業務効果も見ます。
- 初期費用:設定、連携、移行、研修ごとの内訳
- 継続費用:ライセンスと保守の金額
- 効果:工数、遅延、フォロー漏れの状況
オンボーディングシステムの見積もりでは、初年度総額と3年間の総保有コストを確認します。
紙の郵送費や転記・確認にかかる人事工数も、効果として見ます。加えて、書類不備による差し戻しやアカウント発行の遅延も確認します。
入社後のフォロー漏れまで含めて効果を評価することが大切です。公開料金のあるSaaSも、オプションや支援費を加えた自社条件で再計算してください。
最初の業務分解と小さな検証
導入の初めに業務範囲と検証方法を決め、段階的に広げていきます。
- 業務分解:入社前から90日までの整理
- 選択比較:標準SaaSを含む方法の比較
- 効果測定:入社サイクルごとの数字の確認
まず、入社前から入社後90日までの業務を分解します。次に、必須機能と将来機能を切り分け、標準SaaSを含む複数の選択肢を比べます。
1〜2回の入社サイクルで、書類提出率と未完了タスクを測定します。あわせて、アカウント発行時間と人事工数も確認します。
数字を確認してから連携や専用開発を広げると、費用対効果を見失わずに改善を進められます。
▼全体ガイドの記事
・オンボーディングシステム開発の完全ガイド
▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>


株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
