OpenStackのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

OpenStackのシステム開発は、ソフトウェアをインストールするだけではなく、コンピュート、ネットワーク、ストレージ、認証、監視、運用体制を一つの基盤として設計するプロジェクトです。成功のポイントは、OpenStackを採用する目的と非機能要件を先に定め、要件整理から定着までを段階的に検証することです。

本記事では、OpenStackのシステム開発の進め方を、要件整理、方式選定、設計・開発、テスト、稼働、定着の6フェーズに分けて解説します。費用相場、発注時の見積ポイント、実務で使えるチェック項目まで整理しますので、自社で導入すべきか、どの範囲を外部へ委託すべきか判断する材料としてご活用いただけます。

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OpenStackのシステム開発の全体像

OpenStackのシステム開発全体像

OpenStackは、データセンター内のコンピュート、ネットワーク、ストレージをプール化し、APIやダッシュボードから仮想マシンやベアメタルを提供するIaaS基盤です。業務アプリケーションそのものではなく、社内向けプライベートクラウド、通信事業者のNFV基盤、研究・AI向け計算基盤などを支えるシステム基盤と捉えると、開発範囲を正しく見積もれます。

古い技術だから候補外と決めつける必要もありません。OpenInfra Foundationの2025年年次報告では、利用者調査に基づくOpenStackの本番利用コア数が5,500万を超え、OpenStackが引き続き大規模な本番基盤で使われていると報告されています(出典: OpenInfra Foundation「2025 Annual Report」、2025年)。ただし、導入実績の大きさと自社に適しているかは別の論点ですので、保守体制と運用要件で判断します。

主要サービスとシステム構成

代表的なサービスは、仮想マシンを作成・配置するNova、仮想ネットワークやルーターを管理するNeutron、認証・認可・テナントを管理するKeystone、仮想マシンイメージを扱うGlance、永続ブロックストレージを提供するCinder、オブジェクトストレージのSwift、Web画面のHorizonです。必要に応じてロードバランサーのOctavia、ベアメタルのIronic、共有ファイルのManila、秘密情報管理のBarbicanなどを追加します。

構成は、APIやデータベース、メッセージブローカーを配置するコントロールプレーン、仮想マシンを実行するコンピュートノード、NeutronとOpen vSwitchなどで構成するネットワーク層、CinderやCephなどのストレージ層、さらに監視・ログ・バックアップ・自動化の運用層に分けて考えます。各層の冗長化、障害ドメイン、容量の増やし方まで決めて初めて、本番に耐える設計になります。

採用に向く企業と向かない企業

OpenStackに向くのは、複数テナントへセルフサービスで仮想マシンを提供したい企業、オンプレミスや専用設備でデータ所在地と構成を細かく管理したい企業、VM・ベアメタル・ストレージをAPIで統合したい企業です。自社の運用ルールに合わせて標準APIを長期利用したい場合や、特定の仮想化製品への依存を抑えたい場合にも候補になります。

一方、VMが数台から10台未満で増加予定も少ない、セルフサービスやマルチテナントが不要、インフラ担当者を確保できない、といった場合は、マネージドIaaSやPaaSの方が短期間かつ低コストで済む可能性があります。Kubernetesはコンテナを管理する仕組みで、OpenStackはIaaS基盤です。コンテナ中心ならKubernetes、仮想マシンや物理資源のセルフサービスが中心ならOpenStackというように、まず解決したい課題でレイヤーを選びます。

OpenStackのシステム開発の進め方

OpenStackのシステム開発の進行フェーズ

OpenStack開発は、要件整理、方式選定、設計・開発、テスト、稼働、定着の順に進めます。ただし、後半で運用設計を考えると手戻りが大きくなるため、最初から運用担当者を会議に参加させ、PoCで不確実性を減らす進め方が重要です。各フェーズの完了条件を文書化し、次工程へ進む判断を曖昧にしないことが成功につながります。

フェーズ1:要件整理で採用目的と非機能要件を固めます

最初に「OpenStackを使いたい」という製品起点の要望を、業務上の目的へ置き換えます。たとえば、開発環境の払い出しを半日から30分以内にしたい、部署ごとに利用量を可視化したい、顧客データを社内設備から出さずに運用したい、といった形です。目的が定まると、OpenStackでなければ解決できない要件と、他のサービスでも満たせる要件を分けられます。

要件整理のチェック項目は、VM数と増加率、CPU・メモリ・GPUのピーク、ストレージ容量とIOPS、同時利用者数、許容停止時間、RTO・RPO、テナント分離、社内認証、既存のVMwareやKVM、ネットワーク接続、データの機密度、ログ保持期間、バックアップ世代、必要なサポート時間です。平常時の平均値だけでなく、月末・キャンペーン・災害復旧時の最大値も記録します。

この段階の成果物は、業務要件一覧、非機能要件一覧、現行環境図、データ分類、移行対象台帳、責任分界のたたき台です。特に「誰がイメージを更新するか」「脆弱性パッチを何時間以内に適用するか」「障害時に誰が一次切り分けするか」を未決定のままにしないことが大切です。

フェーズ2:方式と構成を選定します

要件をもとに、自前構築、商用ディストリビューション、マネージドな専用プライベートクラウド、既存クラウドの継続利用を比較します。自前構築ではKolla-Ansible、OpenStack-Ansible、Charmed OpenStackなど自動化方式を確認し、商用製品では対応するOpenStackリリース、サポート期間、アップグレード方法、対象となるLinux・Ceph・KVM・ネットワーク機器を一体で評価します。

比較の判断基準は、初期費用だけではありません。3年または5年のTCO、社内で担える運用工数、障害時の復旧速度、サポートの受付時間、設定やIaCの引き渡し、標準APIへの準拠、独自改造の量、他社へ移管できるかを同じ表に並べます。小規模な単純VM環境でOpenStackを選ぶと、冗長化や監視を含めた固定費が割高になる場合があります。

PoCでは、単にVMが起動するかだけを確認しません。イメージの登録と更新、権限変更、ネットワーク分離、バックアップからの復元、コンピュートノード障害、監視アラート、API連携、証明書更新、ローリングアップグレードを試します。評価指標は、VM払い出し時間、復元時間、運用担当者の作業時間、障害検知から切り分けまでの時間、1VMあたりの月額TCOです。

フェーズ3:設計・開発で基盤と自動化を作ります

基本設計では、コントロールプレーン、コンピュート、ネットワーク、ストレージ、監視、バックアップの論理構成と物理配置を定めます。コントローラーノードの冗長化、Cephなどの分散ストレージ、電源やラックを含む障害ドメイン、管理ネットワークとデータネットワークの分離、容量拡張の単位を決めておくと、導入後の増設が容易になります。

セキュリティ設計では、OpenStack公式ガイドが示すPublic、Guest、Management、Dataの4つのセキュリティドメインを自社のネットワークへ対応付けます(出典: OpenStack公式「Security Guide」、2026年7月更新)。TLS、Keystoneの認証・認可、RBAC、テナント間の通信制御、イメージの脆弱性スキャン、秘密情報と鍵の管理、監査ログ、バックアップ暗号化を設計書へ明記します。製品名だけで安全になるわけではありません。

詳細設計と構築では、AnsibleやTerraformなどで繰り返し実行できる形を優先します。手作業で変更した設定は、後から再現できず、障害復旧やアップグレードの妨げになります。成果物として、パラメータシート、ネットワーク構成図、API・ポート一覧、IaCリポジトリ、イメージ作成手順、監視設定、バックアップ設定、変更履歴、既知の制約を納品範囲へ含めます。

フェーズ4:テストで正常系と障害時の動作を確認します

テストは、サービス単位の単体確認、APIや認証を含む連携確認、構成全体の総合テスト、業務部門が行う受入テストに分けます。VM作成、削除、停止、再起動、ボリューム接続、ネットワーク変更、権限設定、イメージ更新など、利用者の操作をシナリオ化して実行します。テスト結果は画面キャプチャやログとともに残し、未解決の制約を本番移行の判断材料にします。

OpenStackでは障害テストを省略しないことが重要です。コントローラーの一台停止、コンピュートノードの停止、ストレージディスク障害、ネットワーク経路の切断、認証サービスの一時停止、バックアップからの復元を実施し、RTO・RPOを満たせるか測定します。冗長化されているという説明ではなく、実際に切り替わることと、切り戻しができることを確認します。

受入条件は「主要業務のVMが作成できる」だけにせず、障害検知時間、復旧時間、性能、権限分離、ログの検索性、バックアップ復元、運用手順の再現性まで含めます。性能試験では平均値だけでなく、ピーク時のCPU待ち、ストレージ遅延、ネットワーク帯域、同時作成数を記録し、将来の容量計画に使える基準値を作ります。

フェーズ5:段階移行で稼働時のリスクを抑えます

本番稼働は、全システムを一度に移すのではなく、開発・検証環境、低リスクの業務、バックアップやDR用途、重要度の高い業務の順に段階化します。VMwareなど既存環境からの移行では、OSの互換性、ディスク形式、ネットワーク設定、バックアップ製品、監視エージェント、ライセンス、業務停止時間を一台ずつ確認します。

移行計画には、対象VMの優先順位、事前バックアップ、移行方法、停止時間、切り戻し条件、担当者、連絡網、利用者への告知を記載します。切り戻し条件は「問題があれば戻す」ではなく、たとえばログイン不可が15分続いた場合、決済処理の遅延が基準値を超えた場合など、観測できる数値で決めます。

稼働判定会議では、未解決の障害、既知の制約、暫定対応、運用引き継ぎの進捗、監視・バックアップの有効性を確認します。開発会社に任せきりにせず、顧客側の承認者、運用責任者、セキュリティ担当者がそれぞれ承認する仕組みにすると、稼働後に「聞いていない」問題が起きにくくなります。

フェーズ6:運用定着とアップグレードを仕組みにします

稼働後は、利用者を増やすだけでなく、運用を標準化します。申請からVM払い出しまでの手順、イメージの承認と廃棄、権限棚卸し、容量追加、証明書更新、脆弱性対応、障害一次切り分け、エスカレーション、月次レポートをRunbookへ落とし込みます。運用担当者が実際に手順を使い、改善点を反映して初めて定着した状態になります。

OpenStackは6か月ごとにリリースされます。OpenStack公式のリリース一覧では、2026.1 Gazpachoは2026年4月1日に公開された保守対象のSLURPリリースで、2026.2 Hibiscusは2026年9月30日予定とされています(出典: OpenStack公式「OpenStack Releases」、2026年8月確認)。採用時には最新版という理由だけで決めず、サポート期限、周辺ソフトウェアの互換性、アップグレード方式、検証環境、停止時間を含めて更新計画を作ります。

引き継ぎ性も定着の重要な指標です。設計書、IaC、設定値、監視ルール、ログの見方、障害履歴、アップグレード手順、既知の不具合、契約上の責任分界を顧客側が読める状態にします。独自パッチや本体改造がある場合は、アップストリームへ戻せるか、保守期限はいつか、他社へ移管できるかを記録します。

OpenStackのシステム開発にかかる費用相場

OpenStackのシステム開発費用

OpenStack単体の国内統一相場や公開された標準見積はありません。以下の金額は、業務システムの一般的な費用目安、OpenStackに必要な構成要素、公開されているTCO試算をもとにした、RFP前の予算仮置きです。ハードウェア、データセンター、回線、GPU、既存VM移行、商用サブスクリプション、24時間365日運用は条件によって別途増額されます。

規模別の初期構築費と期間の目安

学習・PoCや単一ノードの検証は、100万〜300万円程度、期間は1〜2か月が一つの仮置きです。基本API、VM作成、ネットワーク、性能と運用課題の把握を対象にし、本番の冗長化や移行を含めない前提です。小規模本番の3〜5ノードであれば、HA設計、Nova・Neutron・Keystone・Cinder、監視、バックアップを含めて500万〜1,500万円程度、3〜6か月が目安になります。

中規模の業務基盤で5〜20ノード、Cephなどの分散ストレージ、複数環境、既存認証・ネットワーク・データベース連携、IaC、移行まで含める場合は、1,500万〜5,000万円程度、6〜12か月を仮置きします。複数データセンター、DR、GPU、ベアメタル、監査、24時間運用、段階移行を含む大規模案件は、5,000万円〜2億円以上、12〜24か月以上になる可能性があります。

これらは確定価格ではなく、構築対象と期間から逆算した推定レンジです。ノード数が同じでも、既存環境の資料が整っているか、移行対象が何台あるか、停止できる時間、GPUや高速ストレージの有無、24時間サポートの要否によって大きく変わります。見積書では「OpenStack構築一式」とまとめず、構成設計、移行、テスト、教育、運用設計を分けて確認します。

ランニング費用と5年TCOの考え方

運用費は、ハードウェアの償却またはホスティング料、Linuxなどのサブスクリプション、商用サポート、監視・バックアップ・脆弱性スキャン、障害対応、アップグレード、教育・運用委託に分解します。初期構築費だけを比較すると、ライセンス料が無料のOpenStackが安く見えますが、物理資源、冗長化、専門人材、保守の費用を含めなければ正しい比較になりません。

CanonicalのCharmed OpenStack公開試算では、ハードウェア、一般的なホスティング費、フルマネージドサービスを3年間で配賦した例として、1vCPU・4GBメモリ等のVMが1時間あたり0.0132米ドル、8vCPU・32GBメモリ等のVMが0.1059米ドルと示されています(出典: Canonical「Charmed OpenStack」、2026年8月確認)。これはベースライン上のサンプル価格で、機器構成、地域のホスティング費、給与などで変わるため、日本の単独導入価格として扱わないことが重要です。

5年TCOでは、初期費用に5年分の運用費、機器更新、サポート契約、移行・撤退費用、教育費を足します。保守費を初期費用の年15〜20%程度から仮置きする考え方は、業務システム共通の目安として使えますが、OpenStackの運用委託費を保証する相場ではありません。24時間365日対応、厳格なSLA、オンサイト対応、複数拠点のDRを含める場合は、別の見積項目として提示を受けます。

OpenStackの見積もりを取る際のポイント

OpenStackの見積もり確認ポイント

OpenStackの見積もりは、ノード台数だけでなく、運用の責任範囲と移行の難しさを伝えることが重要です。RFPには、現行構成図、VM台帳、利用者・テナント数、容量と増加率、ネットワーク要件、RTO・RPO、セキュリティ基準、監視・バックアップの現状、希望する稼働時期、社内の運用人数を記載します。

要件と成果物の範囲をそろえます

各社へ同じ条件で比較してもらうには、成果物を細かく指定します。基本設計書、詳細設計書、構成図、パラメータシート、IaC、イメージ作成手順、監視・バックアップ設定、テスト仕様書、移行計画、Runbook、教育資料、運用引き継ぎ記録を対象に含めるか確認します。ソースコードや自動化スクリプトの所有権、リポジトリの引き渡し、独自改造の範囲も契約前に明確にします。

また、対象外を見積書へ書いてもらいます。たとえば、物理サーバーやネットワーク機器の調達、データセンター費、回線、既存VMの移行、GPUドライバー、商用ライセンス、バックアップ製品、監視製品、24時間対応、休日作業が含まれない場合があります。対象外が分かれば、後から追加費用になる項目を予算へ反映できます。

発注先の実績と責任分界を比べます

発注先は、アプリのスクラッチ開発会社ではなく、OpenStack基盤の要件定義、設計、構築、移行、運用・保守に対応するSIer、OSSサポート会社、ディストリビューター、MSPから選びます。確認するのは、対応ディストリビューションとバージョン、Ceph・KVM・Neutronなど周辺技術、既存VMwareからの移行実績、設計から運用までの対応範囲、24時間対応の有無、障害時の一次窓口です。

提案比較では、価格だけでなく、顧客側とベンダー側の責任分界を1枚の表にまとめます。ハードウェア障害、OpenStackサービス障害、ゲストOS、アプリケーション、ネットワーク、バックアップ、脆弱性、アップグレードの各項目について、誰が監視し、誰が判断し、誰が復旧するかを確認します。担当者の経験だけに依存せず、チーム体制と交代時の引き継ぎ方法も見ます。

追加費用とベンダーロックインを抑えます

費用が膨らみやすいのは、移行対象が増える、既存ネットワークの変更が必要になる、性能不足で機器を追加する、独自機能をOpenStack本体へ改造する、運用時間が後から24時間対応になる、といったケースです。見積もり段階で前提条件、数量、単価、作業時間、リスク予備費、変更時の単価を示してもらい、どの条件で再見積もりになるか確認します。

ベンダーロックインを避けるには、標準API、標準コンポーネント、再現可能なIaCを優先し、独自改造は目的、影響範囲、保守期限、アップグレード方針を記録します。契約には、設計書・設定・スクリプト・監視データ・障害履歴の引き渡し、他社移管時の協力、ライセンスと知的財産の扱い、終了時のデータ返却・消去を盛り込みます。

OpenStackのシステム開発でよくある質問

OpenStackのシステム開発に関するよくある質問

ここでは、OpenStackの導入を検討する際に多く寄せられる疑問へ回答します。採用可否、期間、運用人材、既存環境からの移行という、発注前に判断しやすい論点を中心に整理します。

OpenStackはOSSなので無料で導入できますか?

OpenStackのソフトウェアはオープンソースですが、システム全体を無料で運用できるわけではありません。物理サーバー、ネットワーク、ストレージ、冗長化、監視、バックアップ、サポート、アップグレード、人材教育の費用が必要です。ライセンス料と、構築・運用を含むTCOを分けて比較してください。

OpenStackのシステム開発にはどのくらいの期間がかかりますか?

PoCや単一ノードの検証なら1〜2か月、小規模本番なら3〜6か月、中規模業務基盤なら6〜12か月、大規模・マルチサイトなら12〜24か月以上が推定の目安です。既存VMの移行、ネットワーク変更、DR、セキュリティ審査、利用者教育が加わると延びやすいため、構築期間だけでなく、要件整理・受入・段階移行の期間も計画に含めます。

社内にOpenStackの専門人材がいなくても導入できますか?

導入はできますが、構築後の運用体制を先に決める必要があります。設計・構築だけを外部委託し、障害解析やアップグレードを社内で担うのか、24時間の運用監視までMSPへ委託するのかで費用と契約が変わります。IaC、Runbook、教育、一定期間の伴走支援を見積もりへ含め、担当者が交代しても運用できる状態を目指します。

VMware環境からOpenStackへ移行できますか?

移行できる可能性はありますが、全VMを同じ手順で移せるとは限りません。OS、ディスク形式、ネットワーク、バックアップ、監視、ライセンス、業務停止時間を台帳で確認し、開発・検証環境や低リスクのVMから段階的に試します。事前バックアップ、移行後の性能確認、切り戻し条件、元環境の保持期間を決めてから本番移行へ進みます。

まとめ

OpenStackのシステム開発のまとめ

OpenStackのシステム開発は、要件整理、方式選定、設計・開発、テスト、稼働、定着の6フェーズで進めます。最初に、セルフサービス、マルチテナント、データ主権、APIによる資源管理など、OpenStackを選ぶ理由を業務要件へ落とし込みます。VM数が少なく運用人材も限られる場合は、マネージドIaaSなどを含めて比較することが合理的です。

費用は、PoCで100万〜300万円、小規模本番で500万〜1,500万円、中規模業務基盤で1,500万〜5,000万円、大規模案件で5,000万円〜2億円以上という推定レンジを予算仮置きに使えます。ただし、国内統一相場ではなく、機器、移行、サポート、監視、バックアップ、24時間運用を含むかで変わります。見積もりでは構築費だけでなく、5年TCO、責任分界、成果物、アップグレード、他社移管まで確認してください。

OpenStackは現在もリリースと本番利用が続く基盤ですが、導入すれば自動的に安く、安全になる製品ではありません。PoCで障害復旧や運用工数を測定し、標準APIと自動化を優先し、社内とベンダーの役割を契約とRunbookへ落とし込むことで、導入後に使い続けられるシステムになります。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。