OpenStackのシステム開発の完全ガイド

OpenStackは、サーバーやネットワーク、ストレージを束ねて、仮想サーバーなどを利用者に払い出すIaaS基盤です。構成や費用は、利用者の数、設備の規模、運用範囲で変わります。

ソフトウェアを入れれば完成する業務アプリケーションではないため、設備や運用の体制まで含めて考える必要があります。

▼関連記事一覧
・OpenStackのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・OpenStackのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・OpenStackのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・OpenStackのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

OpenStackのシステムの全体像

OpenStackのシステムをコントロールプレーン、コンピュートノード、ネットワーク層、ストレージ層の4層で示した図。
サービスを層ごとに分けると、基盤の役割を整理できます。

OpenStackは、データセンターや専用設備の計算資源をまとめて管理し、利用者に仮想サーバーやネットワークを払い出す基盤です。

企業が自社向けのプライベートクラウドを構築したり、通信・研究・AI向けの大規模な計算環境を運用したりする用途で使われます。

OpenStackが提供する役割

OpenStackは、物理サーバーを一台ずつ管理する状態から、計算・ネットワーク・ストレージをソフトウェアで制御する状態へ変えるものです。

主な役割は、利用部門へ資源を提供することと、管理者が資源を制御することです。

  • 仮想マシンを作成する:CPU、メモリ、ディスク、IPアドレスを組み合わせて作ります。
  • 利用権限を管理する:テナントやプロジェクト単位で権限と資源を分け、利用量を把握します。
  • 費用を評価する:Apache 2.0ライセンスで利用でき、ライセンス料を抑えやすい一方、システム全体には別途費用がかかります。

費用の評価には、設備費と運用費の両方を含めます。設備費はサーバー、ネットワーク機器、分散ストレージなどで、運用費は監視、バックアップ、アップグレード、セキュリティ対応、運用人材などです。

主要サービスとシステム構成

主要サービスは、仮想マシン、ネットワーク、認証、イメージ、ストレージ、Web操作をそれぞれ分担しています。たとえばHorizonを使えば、各サービスをWeb画面から実行できます。

  • Nova・Neutron:NovaはVMの作成・配置・削除、Neutronは仮想ネットワーク、ルーター、セキュリティグループを管理します。
  • Keystone・Glance:認証・テナント管理と仮想マシンのイメージ管理を担います。
  • Cinder・Swift:永続ブロックストレージとオブジェクトストレージを提供します。
  • 追加サービス:Octaviaはロードバランサー、Ironicはベアメタル、Manilaは共有ファイルを扱います。
  • Barbicanは秘密情報や鍵、DesignateはDNSを管理します。要件に応じて組み合わせます。

全体の構成は、コントロールプレーン、コンピュートノード、ネットワーク層、ストレージ層に分かれます。

OpenStackのシステム開発では、サービス全体の依存関係を設計します。その対象には、監視、ログ、バックアップ、CI/CD、運用自動化が含まれます。

OpenStackを採用するメリットと向いている企業

OpenStackは、複数の利用者や業務が共通基盤を使い、APIや自動化で環境を繰り返し提供する場合に力を発揮します。

判断の軸を、資源の提供方法を標準化できるかに置くと、導入効果を見積もりやすくなります。

主なメリットは制御性と自動化

特定のクラウド事業者だけに依存せず、設備や運用方針を自社で管理しやすくなります。さらに、データの保管場所やネットワーク分離、ハードウェア、APIの使い方も、自社の要件に合わせて決められます。

  • 設備を制御する:データ主権や専用性能を重んじる環境での採用が見込めます。
  • 構築・変更を自動化する:標準APIとInfrastructure as Codeで、開発・検証環境を短時間で作れます。
  • 提供手順を標準化する:申請や権限、イメージ配布、バックアップ、監視を手順にし、作業のばらつきを減らします。

複数テナントの分離や、長期にわたる設備利用の設計も、自社の要件に合わせて行えます。

導入の成果は、仮想マシンが作れるかよりも、提供の流れをどこまで再現できるかで測ります。

向かないケース

導入の目的や規模によっては、OpenStack以外の基盤が適する場合があります。

  • 小規模なVM環境:10台未満でセルフサービスやマルチテナントが不要なら、マネージドIaaSや一般的な仮想化製品の方が早く安く導入できる場合があります。
  • コンテナ中心の環境:デプロイとスケジューリングが主目的なら、Kubernetesが中心になることがあります。

小規模な環境では、専門人材を抱える固定費がメリットを上回ることがあります。

Kubernetesはコンテナのオーケストレーター、OpenStackはIaaS基盤で、役割が異なります。

両者は必ずしも競合せず、OpenStack上にKubernetesを構築する構成もあります。

ポイント

OpenStackが合うのは、複数の部門や業務が共通基盤を使い、資源の提供方法を標準化したい場合です。小規模なVM環境やコンテナ中心の環境では、別の基盤も先に比べます。

OpenStackとパブリッククラウド・Kubernetesの違い

パブリッククラウドの設備保守なしと、OpenStackの設備調達・保守を左右に並べて比べた図。
設備を誰が担うかで運用責任の境界が分かれます。

OpenStackは、設備と運用を自社で設計するIaaS基盤です。

パブリッククラウドや仮想化製品、コンテナ基盤とは、責任の範囲と目的が異なります。

比較では、価格だけでなく、制御性や運用負荷、データの置き場所、拡張方法も並べて見ます。

パブリッククラウドとの違い

利用料の払い方に加えて、設備の持ち方と運用の責任が、両者で異なります。

  • パブリッククラウド:設備保守なしで従量課金を利用でき、短期立ち上げや世界各地への展開、マネージドサービスの活用に適しています。
  • クラウド側の留意点:利用料の長期増加、データ所在地、専用ネットワーク、仕様への依存が課題になる場合があります。
  • OpenStack:設備調達・保守、容量計画、障害対応を自社または委託先が担います。
  • 長期費用の比較:利用率を高めて複数業務へ提供する場合、5年間の総保有コストを抑えられる可能性があります。

OpenStackは初期投資が大きくなりやすい方式です。比較するときは、月額単価だけでなく、担当者の作業時間や障害時の損失も含めます。

一般的な仮想化基盤・Kubernetesとの違い

一般的な仮想化製品、OpenStack、Kubernetesは、それぞれ扱う基盤の範囲が異なります。

  • 一般的な仮想化製品:仮想マシンを効率よく動かすことが中心です。
  • OpenStack:認証、テナント、ネットワーク、イメージ、ストレージ、API、セルフサービスを一体で扱います。
  • Kubernetes:コンテナアプリのデプロイやスケールを扱います。

仮想化だけで足りるなら仮想化製品を、利用者に標準化した基盤を提供したいならOpenStackを検討します。両方が必要な場合は、役割を分けて連携させます。

OpenStackが提供するのは、仮想マシン、ネットワーク、ブロック・オブジェクトストレージ、ベアメタルなどです。

ポイント

設備と運用を自社で持つかどうかが、パブリッククラウドやKubernetesとの違いを分けます。価格だけでなく、制御性や運用負荷、データの置き場所も並べて判断します。

OpenStackのシステム開発・導入の進め方

要件定義・PoC、基本設計・構築、移行・運用引き継ぎの順に並ぶOpenStackの導入工程図。
検証を挟みながら段階を追って本番運用へ進みます。

導入は、要件定義とPoCから始め、基本設計、構築、移行、運用引き継ぎへと進みます。途中で技術と運用の不確実性を検証し、合格条件を満たした範囲から広げていきます。

▶ 詳細はこちら:OpenStackのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

要件定義で決める項目

要件定義では、容量、可用性、セキュリティの条件を先に明らかにします。

  • 容量と負荷:VM数、vCPU、メモリ、ストレージを押さえます。増加率、ピーク負荷、利用時間帯も含めます。
  • 可用性と復旧:稼働率、RTO、RPO、バックアップ保持期間、障害ドメインを決めます。
  • セキュリティと共有:データ所在地、ネットワーク分離、認証、監査ログ、マルチテナントの有無。

要件が曖昧なままだと、ノード数やCeph容量、冗長化方式を決められません。また、採用しない場合の比較案も残しておきます。

小規模ならマネージドIaaS、中規模以上でAPIによる資源提供とオンプレミスでの制御が必要ならOpenStackを検討します。

コンテナ中心の場合は、Kubernetesとの連携も検討します。採用理由を判断書にまとめておけば、導入そのものが目的になるのを防げます。

PoCで検証する項目

PoCでは、仮想マシンの作成に加えて、障害時の対応と日常作業をどこまで再現できるかを確かめます。

  • 基本操作:イメージ更新、ネットワーク変更、権限設定、APIによる再構築を試します。
  • 障害・更新:復元、ノード障害、監視アラート、ローリングアップグレードの対応です。
  • 合格基準:払い出し・復旧時間、復元成功率、VM1台の運用工数、性能、月次費用。

「30分以内に標準環境を払い出す」といった、実運用に近い条件を定めておきます。担当者がRunbookを見て作業を再現できるかも、あわせて確かめます。試験結果と残課題は、本番の設計へ引き継ぎます。

構築・移行・引き継ぎの進め方

本番化から引き継ぎまでは、構築、接続検証、段階的な移行、納品の順で進みます。

  1. 基盤を構築する:構成を分け、設定変更を管理します。
  2. 既存環境と接続する:WindowsとLinuxのVM、社内認証を実機で検証し、監視、バックアップ、DNS、IPアドレス管理も対象にします。
  3. 段階的に移行する:低リスクの対象から重要業務へ進めます。
  4. 運用を引き継ぐ:設計書やIaC、監視設定、Runbookのほか、障害連絡網、更新手順、変更箇所一覧、他社への移管手順も納品物に含めます。

本番の基盤では、コントロールプレーン、コンピュート、ネットワーク、ストレージを分け、障害時に同時停止しない構成を検討します。構成管理は、AnsibleやTerraformなどを使い、設定変更の履歴を残します。

移行は、開発・検証環境、影響の小さい業務、重要業務の順に進めます。対象ごとに、OS互換性、ディスク形式、ネットワーク、バックアップ、性能を確かめ、切り戻し方法も決めておきます。

ポイント

導入は、要件定義とPoCで容量や運用条件、合格基準を先に決めてから進めます。合格条件を満たした範囲から広げる進め方が、判断の目安になります。

OpenStackの費用相場とコストの内訳

国内で統一された相場や標準の見積はなく、類似案件をもとにした予算の仮置きになります。費用は、設備やデータセンター、回線、GPU、商用サブスクリプションの有無などで変わります。既存VMの移行や24時間365日運用も費用を左右するため、正式な見積は数量と責任範囲ごとに確認します。

▶ 詳細はこちら:OpenStackのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

規模別の初期構築費と期間の目安

規模と含める作業に応じて、初期構築費と期間の目安を示します。

  • 学習・PoC、単一ノード:100万円〜300万円、1〜2か月程度。
  • 3〜5ノードの小規模本番:高可用性、監視、バックアップ、運用手順を含み、500万円〜1500万円、3〜6か月程度。
  • 5〜20ノードの中規模基盤:分散ストレージ、既存連携、IaC、VM移行を含み、1500万円〜5000万円、6〜12か月程度。
  • 大規模案件:GPUやベアメタルを含み、5000万円〜2億円以上、12〜24か月以上となる可能性があります。

大規模案件では、複数データセンターや災害対策に加えて、監査、24時間運用、教育も費用と期間に影響します。ここに挙げた金額と期間は、目的と作業範囲によって変わる推定値です。

5年TCOで見るべき費用

5年間の総保有コスト(TCO)では、初期構築のあとも続く費用を含めて比較します。

  • 設備・ホスティング:ハードウェア償却またはホスティング費を見込みます。
  • 保守・運用:Linuxや商用サポート、監視・ログ・バックアップ、脆弱性対応、障害対応を含めます。
  • 継続的な体制:アップグレード、教育、運用委託の費用も加えます。

業務システム全般の見積の目安では、保守費を初期費用の年15%〜20%程度とする場合があります。

OpenStackでは、ノード数、SLA、対応時間、ストレージ容量によって大きく変わります。そのため、OpenStackの価格は確定価格として扱いません。

公開料金を参考にすると、小型VM(1vCPU・4GBメモリなど)は0.0132米ドル/時、大型VM(8vCPU・32GBメモリなど)は0.1059米ドル/時です(出典: 商用ディストリビューションの公開料金試算、2026年確認)。

1米ドルを150円、730時間を1か月として単純換算すると、それぞれ約1450円、約11600円になります。

ただし、この試算は、ハードウェアやホスティング、マネージドサービスを3年間で配賦するという特定の条件によるもので、小規模な単独環境の請求額ではありません。

コントローラーやCeph、バックアップ、転送量、サポート費は、別に積み上げて考えます。

ポイント

費用は規模と含める作業で大きく変わるため、初期構築費だけでなく5年間の総保有コストで比べます。保守や運用、アップグレードの費用も含め、数量と責任範囲をそろえて見積もることが基本です。

OpenStackのセキュリティと運用・アップグレード

安全性は、OpenStackかOSSかで決まるものではなく、基盤の各層を重ねて確保します。認証や権限、ネットワークを含め、仮想化層からイメージ、ストレージ、ログ、バックアップまで、層ごとに担当範囲を決めておきます。

公式のSecurity Guideは、最低限考慮すべき領域を、Public、Guest、Management、Dataに分けて整理しています(出典: OpenStack Security Guide、2026年更新)。

設計段階で確認するセキュリティ

Security Guideが整理する領域を確認し、ネットワーク、認証、データ保護の考え方を設計に反映します。

  • Public・Guest:信頼できない領域と仮想マシン間の通信を扱います。
  • Management・Data:API・設定情報の管理領域とストレージ領域を扱います。
  • アクセス制御:管理網とテナント間通信を分離し、TLS、Keystone、最小権限RBACを設計します。
  • 監視・イメージ:API境界やコンピュートノードを監視し、VMイメージをスキャンして承認済みのものを配布します。
  • 基盤・データ保護:QEMU、KVM、ホストOSを管理します。鍵や監査ログ、暗号化バックアップ、復元も扱います。

イメージの更新期限も管理します。

個人情報や機密データを扱う場合は、法令や業界基準に対して、運用組織と委託先の責任分界を確認します。

アップグレードと日常運用の設計

リリース計画、日々の監視、更新作業は、一体で設計します。

  • リリース確認:公開周期と保守状況を把握します。
  • 互換性・保守:ディストリビューションの保守期限と、Linux・Ceph・KVM・ネットワーク機器との互換性、更新方式です。
  • 日常監視:容量、性能、障害を監視します。証明書、アカウント、イメージ、バックアップも対象です。
  • 定期作業:月次パッチ、四半期ごとの復元テスト、権限レビュー、リリース前の更新試験を予定します。
  • 変更の保守性:標準APIやプラグインを優先し、独自改修の理由と保守期限を記録します。

OpenStackはおおむね6か月ごとにリリースされます。2026.1「Gazpacho」は2026年4月1日に公開され、リリース一覧では保守対象として掲載されています(出典: OpenStack Releases、2026年)。

OpenInfra Foundationの2025年の年次報告によると、本番利用のコア数は5,500万を超え、2025年には2回リリースされたとされています(出典: OpenInfra Foundation 2025 Annual Report、2025年)。

普及している規模の大きさは、自社環境での成功を保証するものではありません。そのため、運用体制と更新計画を用意できるかが採用判断の分かれ目になります。

OpenStackの開発会社・ベンダーの選び方

OpenStackでいう開発会社は、アプリケーションのスクラッチ開発会社に限りません。

SIerやMSPなども含まれ、その業務は基盤の要件定義、設計、構築、移行から、OSSのサポート、監視、障害対応、更新までに及びます。

会社を選ぶときは、知名度よりも、自社の構成と運用課題に合う責任範囲を持つかを見ます。

対応できる技術範囲

開発会社の技術経験や類似案件、運用支援、障害対応の体制を確かめます。

  • 技術範囲:リリース系列とディストリビューションを見ます。
  • 構成要素:Nova、Neutron、Keystone、Cinderの経験を見ます。Ceph、KVM、Open vSwitchも対象です。
  • 自動化連携:Ansible、Terraform、Kubernetes連携など、自社で使う要素の経験です。
  • 類似実績:ノード数、VM数、容量、RTO・RPO、データ区分が近い案件かを確かめます。
  • 運用支援:移行、監視、バックアップ、脆弱性対応、更新、24時間対応のどこまでを支援範囲とするかです。

一次対応だけか、原因調査やパッチ提供まで含むかによって、契約の内容は変わります。担当者の資格や経歴に加えて、障害時の意思決定者や休日・夜間の窓口も確かめます。

見積と契約の責任分界

相見積もりを取るときは、作業条件や成果物、責任分界を各社でそろえておきます。

  • RFPの前提:VM台数、負荷、容量、ネットワーク、認証を示します。監視、バックアップ、RTO・RPOを含めます。データ区分、納期、予算、体制も示します。
  • 作業範囲:PoC、本番構築、移行、教育、保守を分けて提示してもらいます。
  • 契約と納品:設計書、コード、監視、Runbook、ログ保持を納品物として確かめます。

作業を分けて提示してもらうと、見積もりに作業の抜けがないかを判断しやすくなります。

第三者が再現できるドキュメントと運用の引き継ぎを、納品の条件にします。脆弱性対応と改修範囲、ライセンスも契約に含めます。機器の所有権、データ返却、移管条件は、契約で明確にします。

失敗を防ぐチェックポイント

提案の内容は、価格の説明だけでなく、保守条件や運用体制まで確かめます。

  • 費用範囲:「OSSだから安い」で判断せず、設計や構築、監視、障害対応、更新まで含めて比べます。
  • 更新・脆弱性対応:対応期間、修正時間、メジャー更新費、既存版からの移行方法です。
  • 採用判断の数値:1年目の初期費用と月次費用、5年TCOを見積もります。増設費、業務影響、必要人数、移管期間も含めます。

成功条件や未対応要件、前提、リスクに加えて、顧客側の作業も記録します。これらは、契約後の変更管理に使います。

▶ 詳細はこちら:OpenStackのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

▶ 詳細はこちら:OpenStackのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

ポイント

開発会社は、自社の構成と運用課題に合う責任範囲を持つかで比べます。見積では作業範囲と納品物、責任分界をそろえ、障害時の対応範囲まで含めて判断します。

OpenStackのシステムに関するよくある質問

導入の前によく出る疑問を取り上げます。

次の回答は、自社の規模や運用体制、データ要件に当てはめて判断してください。

OpenStackは無料で利用できますか?

本体はオープンソースですが、システム全体が無料になるわけではありません。設備、設計、構築が必要で、監視、バックアップ、保守、更新、運用人材も欠かせません。そのため、ライセンス料ではなく5年間のTCOで比べます。

小規模な会社でもOpenStackを導入できますか?

技術的には可能です。ただしVMが少なく、セルフサービスやマルチテナントが不要なら、マネージドIaaSや別の仮想化基盤が適する場合があります。

将来の拡張、API自動化、専用設備、データ主権、複数部門への共通提供が必要なら、PoCで運用工数とTCOを確かめてから本番化します。

既存の仮想化環境から移行できますか?

移行はできますが、仮想ディスクの形式を変えるだけでは完了しません。OSやドライバー、ネットワーク、IPを、VMごとに確認します。バックアップ、監視、性能、認証、切り戻し方法も対象です。

まずは開発・検証環境から段階的に移行します。低リスクの業務で手順と所要時間を検証してから、重要システムへ進めます。

OpenStackとKubernetesはどちらを選ぶべきですか?

VM、ネットワーク、ストレージ、ベアメタルを提供するならOpenStack、コンテナアプリを配備・更新するならKubernetesが基本です。両者をインフラ層とアプリ実行層に分けて組み合わせる構成もあります。

先に運用の対象と自動化の範囲を決めておくと、必要以上に大きな基盤を選ばずに済みます。

まとめ

OpenStackはサーバー、ネットワーク、ストレージを統合し、APIと自動化でVMやベアメタルを提供するIaaS基盤です。

複数テナントへの共通提供や専用設備の制御、データ主権を重視する企業が候補になります。

VMを少数動かすだけなら、運用負荷の小さいサービスや仮想化基盤が合う場合があります。要件定義とPoCで運用と復元を確かめ、初期費用だけでなく5年TCOも比べます。

CephやKVM、ネットワークを含めて、責任分界を明確にします。監視やバックアップ、セキュリティ、更新についても、担当を決めておきます。ベンダーには設計書、IaC、Runbook、監視設定、移管手順を求めます。

採用判断の要点

複数の部門へ標準化したインフラを提供し、設備やデータを自社で制御したい企業に適しています。VMが少なく運用を簡単にしたい場合は別の基盤も比べて、採用理由を数値で説明できるようにします。

導入前の最終確認

導入の前に、PoCの合格条件や5年TCO、更新計画を確かめます。障害時の連絡先、セキュリティの責任、納品物、終了時の移管方法も、確認しておきます。運用人材と手順がそろってはじめて、業務基盤として続けられます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。