支払管理システム開発の完全ガイド

支払管理システムとは、請求書の受領から内容確認、承認、債務計上、支払予定の作成、銀行振込、会計仕訳、証憑保存までを証跡付きでつなぎ、「何を、誰に、いつ、いくら支払うのか」を統制する業務システムです。

Excelやメール、紙の請求書を使った支払業務は、担当者の経験に依存しやすく、二重振込、支払漏れ、振込先変更の見落とし、承認の形骸化を招きます。本記事では、支払管理システムの全体像、種類、主要機能、導入・開発の進め方、2026年時点の費用相場、法対応、セキュリティ、開発会社・ベンダーの選び方、FAQまでを一気通貫で解説します。

▼関連記事一覧
支払管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
支払管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
支払管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
支払管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

支払管理システムとは何ですか?

支払管理システムの全体像

支払管理システムは、支払処理の一部だけを自動化する振込ツールではありません。請求書を受け取った時点から、発注・検収との照合、承認、支払確定、振込、仕訳、保存までの業務と責任の流れを管理する仕組みです。会計システムの前工程にある債務管理と、内部統制を支えるワークフローを一つの業務フローとして捉えると理解しやすくなります。

支払管理は請求書受領から証憑保存までを扱います

支払管理の対象は、メール、Webアップロード、紙、PDF、電子請求サービスなどで届く請求書です。請求書の取引先名、請求日、支払期日、税区分、登録番号、金額をデータ化し、発注書・納品書・検収記録と照合します。その後、部門や案件を指定した支払依頼を起票し、決められた承認者が確認して、支払予定と会計仕訳へ進めます。最後に、請求書原本と承認・支払・仕訳の履歴を検索できる状態で保存します。

会計システム・請求書受領システム・買掛管理と役割が異なります

会計システムは仕訳、決算、財務報告を中心に管理します。請求書受領システムは、請求書の受け付けやデータ化、保管に強みがあります。買掛管理は仕入先への債務残高や支払条件を管理する業務領域です。支払管理システムはこれらと重なる部分を持ちながら、受領した請求書を支払可能な債務に変え、承認を経て銀行・会計へ渡す前後の流れをつなぐ点に特徴があります。既存システムを置き換えるのか、APIやCSVで連携して不足する工程を補うのかを最初に整理することが重要です。

月末月初の集中処理や多拠点管理に向いています

月末月初に請求書が集中する企業、複数拠点や子会社の支払を本部で管理する企業、経理担当者が少ない企業では、導入効果が出やすくなります。経理担当者が休むと処理が止まる、現場から届く支払依頼の形式がばらばらである、振込先口座の変更確認が属人的である、といった課題も対象になります。一方で、請求書が少なく、取引先も限定され、手作業の統制が十分に機能している企業では、標準クラウドを小さく導入するか、現状維持を含めて投資対効果を比較する必要があります。

支払管理システムの種類と選び方

支払管理システムの種類

支払管理システムは、クラウド型の標準サービス、会計・ERPパッケージを中心にした構成、既製品と個別連携を組み合わせる構成、独自業務を含むスクラッチ開発に分けて考えられます。機能の多さだけでなく、月間請求書枚数、拠点数、既存会計、利用銀行、承認の複雑さ、カスタマイズの必要性を基準にすると、自社に合う方式を絞り込みやすくなります。

標準クラウド型は短期間で始めやすい方式です

標準クラウド型は、請求書の受領、支払依頼、承認、電子保存などをあらかじめ用意された機能で利用する方式です。法令対応や機能改善をサービス側に任せやすく、初期費用を抑えて2週間から3か月程度で始められる場合があります。業務を製品に合わせる必要があるため、独自の締め処理や複雑な子会社間取引が多い場合は、標準機能で対応できる範囲と運用変更の負担を確認します。

会計・ERPパッケージ型は財務データを一体化しやすい方式です

会計やERPの債務管理機能を中心に支払管理を組み立てる方式は、仕訳、買掛金、支払予定、購買、在庫などを一つのデータモデルで扱いやすい点が特徴です。既存の会計・ERPを使い続けたい企業では、追加モジュールや周辺サービスを連携する選択肢になります。導入時は、請求書の受領・OCR・承認が標準機能に含まれるか、銀行への支払データと仕訳を双方向に連携できるか、バージョンアップ時に追加開発が保守対象になるかを確認します。

個別開発型は独自ルールを反映できますが運用責任が増えます

スクラッチ開発や既製品への大規模な追加開発は、特殊な支払条件、複雑な承認分岐、複数通貨、子会社間取引、独自の購買・検収業務などを細かく反映できます。一方で、法改正、銀行仕様の変更、脆弱性対応、障害時の復旧を自社と開発パートナーが継続して担うことになります。既製クラウドで対応できない要件が本当に経営上必要なのかを、標準運用へ変更する費用と比較したうえで判断することが大切です。

支払管理システムの主要機能

支払管理システムの主要機能

必要な機能は、請求書を取り込む入口、内容を確認して承認する業務、支払を確定して会計や銀行へ渡す出口に分けると整理できます。AI-OCRや自動仕訳は便利ですが、金額や口座情報の誤りを前提に、例外を検知して人が確認する仕組みまで含めて評価する必要があります。

請求書受領とAI-OCRで入力作業を減らします

メール、アップロード、紙、PDF、電子請求サービスなど複数の受領経路を集約し、取引先名、請求日、支払期日、税区分、登録番号、明細、金額をデータ化します。AI-OCRの精度は請求書の様式や画質によって変わるため、平均精度だけで判断してはいけません。高額請求、手書き、口座変更、税区分が複雑な請求書を例外として抽出し、原本と読み取り結果を比較できる画面が必要です。入力代行を利用する場合も、再委託先、処理時間、誤入力時の責任範囲を確認します。

発注・検収との照合と承認ワークフローを管理します

支払前には、発注書、納品書、検収記録、契約、請求書の金額や数量を照合します。完全一致しない場合でも、分納、値引き、追加作業、出来高払いなど正当な差異があります。そのため、単純にエラーで止めるのではなく、差異の理由を記録して承認へ回す設計が実務的です。承認経路は金額、部門、取引先、勘定科目、案件によって自動分岐し、代理承認、差戻し、コメント、承認日時、承認者を履歴に残せることが重要です。

支払予定・銀行振込・仕訳・証憑検索をつなぎます

承認済みの請求書から支払期日、支払方法、振込手数料、源泉税、休日調整を反映した支払予定を作成します。銀行には全銀形式、インターネットバンキング、API、総合振込、振込振替、でんさいなどの方式で連携し、作成者と振込承認者を分離します。会計へは仕訳と債務残高を連携し、支払済み情報を戻して消し込める双方向連携が望ましいです。電子取引データは取引先、取引日、金額などで検索でき、原本と支払伝票・仕訳を相互参照できる状態にします。

請求書受領から振込までの業務フロー

請求書受領から振込までの業務フロー

システムを選ぶ前に、現場の業務を「受領」「入力・照合」「支払依頼」「承認」「支払予定」「振込」「仕訳」「保存」に分解します。どの工程を誰が担当し、どの情報を次の工程へ渡し、どこで例外を止めるのかを明確にすると、必要な機能と連携方式が見えます。

受領・データ化・照合で支払可能な請求書に変えます

まず請求書を決められた窓口へ集め、受領日と原本を記録します。データ化した後、取引先マスタ、発注番号、案件、部門、税区分、支払条件を紐付けます。発注や検収の情報が存在する場合は三点照合を行い、差異があれば現場担当者へ差し戻します。発注情報がない請求書を一律に却下するのではなく、契約書や作業報告書で代替する例外ルートを用意することが、現場に定着させるポイントです。

支払依頼・承認・支払確定で職務を分離します

申請者は費用負担部門、案件、勘定科目、支払希望日、請求書、検収資料を登録します。承認者は取引の必要性、金額、契約、検収、税区分を確認し、経理は支払条件と資金繰りを確認します。申請、承認、振込データ作成、銀行での振込承認を同じ人に集中させないことが、誤りと不正の抑制につながります。口座変更や高額支払は、通常の請求承認とは別に二重確認するルールが必要です。

差戻し・分割支払・支払延期などの例外を設計します

実務では、請求書の差戻し、部分検収、分割支払、前払金、相殺、源泉徴収、支払延期、休日繰り上げ、複数通貨などが発生します。これらを担当者のメモやExcelで管理すると、支払予定と会計残高が合わなくなります。例外の理由、承認者、残額、次回支払日、関連証憑をシステム上に持たせ、標準処理と同じく監査できる状態にすることが重要です。障害時に手動で支払う場合の記録方法もあらかじめ決めておきます。

導入効果と測定すべきKPI

支払管理システム導入の効果

導入効果は「経理の作業時間が減った」だけでなく、処理の正確性、支払予定の見通し、監査対応、現場の申請体験まで含めて測定します。導入前の月次処理時間や差戻し件数を記録し、稼働後に同じ条件で比較すると、システムの価値を説明しやすくなります。

入力・転記・確認の工数を減らして締め処理を早めます

請求書の手入力、会計への転記、振込データの作成、承認状況の問い合わせを減らせると、経理担当者は未処理や差異の確認へ時間を振り向けられます。測定指標には、請求書1枚あたりの処理時間、月末月初の残業時間、仕訳入力件数、承認完了までの時間、差戻し率、未処理件数を使います。2026年7月に公開された銀行連携型サービスの公式発表では、月100枚の請求書を処理するケースで、受領・振込・仕訳の手作業を年間1,040時間から415時間へ減らす試算が示され、約60%の短縮効果が示されています(出典: 銀行連携型請求書業務DXサービス公式発表、2026年)。これは個社の実績ではなく一つの試算なので、自社の業務量で再計算する必要があります。

二重支払・支払漏れ・不正送金のリスクを下げます

取引先、請求番号、金額、支払期日をキーに重複候補を検知し、未承認の請求書を支払対象から除外すると、支払漏れや二重支払を発見しやすくなります。口座変更を別承認にし、登録者・変更者・確認者を記録すれば、メールだけで変更を受け付ける運用よりも不正送金への耐性を高められます。承認履歴、差戻し理由、振込データの作成・承認・送信ログを、監査対応時間や不備件数の指標として追跡します。

支払予定を早く把握して資金繰りを安定させます

請求書の受領時点で支払期日と金額が見えると、今後の支払額、支払集中日、資金残高を早く把握できます。部門別、案件別、取引先別、支払方法別に集計すれば、予算差異や支払条件の見直しにも活用できます。ただし、支払予定の精度は請求書の受領率と承認の速さに左右されます。システム導入と同時に、請求書を受け取る窓口、申請期限、承認の代替者を業務ルールとして定めることが重要です。

支払管理システム開発・導入の進め方

支払管理システム開発の進め方

支払管理システムの導入は、製品を契約してデータを移すだけでは完了しません。現状の例外処理、職務分掌、既存システムの責任範囲、法対応、障害時の手動手順を先に整理し、業務とシステムを同時に設計します。最初から全拠点を対象にせず、1部門・1拠点・代表的な請求書種別で検証してから広げる進め方が安全です。

▶ 詳細はこちら:支払管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

現状業務を棚卸ししてMUST要件を決めます

請求書の受領経路、月間枚数、紙の比率、支払締め日、承認者、代理承認、銀行口座、会計・購買・販売システム、Excelの補正表、例外処理を洗い出します。業務フローには担当部門だけでなく、処理時間、入力項目、判断基準、証憑、次工程への受け渡しを記録します。そのうえで、支払漏れ防止、承認、仕訳、法対応、銀行連携、監査ログをMUSTにし、高度な分析やAI予測などをWANTに分けます。

To-Be業務と連携仕様を要件定義に落とし込みます

次に、受領、入力、照合、申請、承認、支払確定、振込、仕訳、保存の各工程で、誰が何を操作するかを決めます。承認ルートは金額、部門、取引先、勘定科目、案件で分岐させ、作成者・承認者・振込実行者を分離します。会計や銀行との連携は、API、CSV、ファイル転送のどれを使うか、連携頻度、エラー時の再送、二重取込防止、データの正を仕様書に明記します。RFPには画面一覧だけでなく、例外と監査ログの要件を含めます。

PoCでOCR・承認・会計・銀行連携を検証します

代表的な請求書を使って、OCRの読み取り、重複検知、発注・検収照合、承認の分岐、仕訳生成、振込データの作成、電子保存を一通り試します。一般的な請求書だけでなく、手書き、複数税率、分割支払、口座変更、高額支払、海外取引などの例外も含めます。PoCでは機能の有無だけでなく、担当者が迷わず処理できるか、例外を何分で解決できるか、既存の月次締めに間に合うかを測定します。

移行・並行稼働・本番テストで支払事故を防ぎます

移行対象は、取引先と口座、支払条件、勘定科目、税区分、承認者、未払残高、支払済み履歴です。マスタの重複や口座の古さを確認し、件数と残高を移行前後で突合します。本番前には旧運用と新運用を並行して、請求書の件数、支払予定額、仕訳、銀行送信データを比較します。少なくとも月次締めと支払日をまたいで、差戻し、休日、障害、手動支払の処理を確認してから全社展開します。

支払管理システムの費用相場とコスト内訳

支払管理システムの費用相場

支払管理システムの費用は、請求書の枚数、利用者数、拠点、銀行口座、会計・ERPとの連携、法対応、データ移行、保守範囲で変わります。支払管理だけの公的な開発統計は限られるため、以下は公開料金と会計・基幹システムの導入・受託開発相場を組み合わせた2026年時点の概算です。特定の製品価格ではなく、見積もりの妥当性を判断するためのレンジとして利用します。

▶ 詳細はこちら:支払管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

導入パターン別の初期費用と期間の目安です

既製クラウドを標準設定で導入する場合は、初期費用0万〜100万円程度、月額1万〜30万円程度、期間2週間〜3か月程度が一つの目安です。請求書受領、承認、会計連携を含む中小企業向け導入は、初期50万〜300万円程度、月額3万〜30万円程度に従量課金が加わり、1〜4か月程度となる場合があります。既存ERP・銀行・購買との個別連携は300万〜1,000万円程度、3〜8か月程度が目安です。複数拠点・子会社や複雑な債務管理を刷新する場合は1,000万〜3,000万円程度、6〜12か月以上、独自業務を含むスクラッチ開発は1,500万〜5,000万円超、9〜18か月以上になる可能性があります(出典: 会計・基幹システム導入および受託開発の類似領域を用いた2026年8月時点の概算)。

見積もりは初期・月額・従量・連携・保守の5項目に分けます

初期費用には、要件定義、初期設定、権限設計、画面設定、OCR精度確認、マスタ整備、データ移行、操作研修が含まれます。月額費用とは別に、請求書枚数、ユーザー数、振込件数、保存容量、入力代行で従量費が発生する場合があります。会計、銀行、購買、販売、電子契約などの連携開発費、API利用料、監視費、法改正対応、問い合わせ対応も分けて確認します。要件定義10%、設計10〜20%、開発40〜60%、テスト10〜20%程度という工数配分を目安にすると、テストや移行が過小計上されていないか確認しやすくなります。

ランニングコストと投資回収を月間処理量で試算します

料金比較は、月100枚、500枚、1,000枚など自社の請求書量で年間総額を試算します。月額だけでなく、振込手数料、追加ユーザー、超過枚数、保管容量、サポート、データ出力、解約時の返却費用を含めます。年間削減効果は、経理工数だけでなく、残業、入力ミス、二重支払、監査対応、締め処理の遅延を金額化します。2026年のデジタル化・AI導入補助金には、通常枠、インボイス対応類型、電子取引類型、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠が用意されています(出典: 中小企業向けデジタル化・AI導入補助金2026の公式資料、2026年)。補助金を使える場合でも、交付決定前の契約や対象外費用があるため、申請条件と対象ツールを最新の公募要領で確認します。

支払管理システムの法対応とセキュリティ

支払管理は税務情報、取引先情報、口座情報、給与や外注に関係する機密情報を扱うため、法令対応とセキュリティを機能一覧とは別の評価軸で確認します。制度対応は導入時にチェックして終わりではなく、制度変更時のアップデート、設定変更、社内教育、証跡確認を誰が担うかまで契約と運用に落とし込みます。

インボイスの登録番号・税率・税額を正しく扱います

インボイス制度では、仕入税額控除のために、一定の事項が記載された帳簿と適格請求書などの保存が必要です。請求書の登録番号、取引内容、適用税率、税率ごとの消費税額を取り込み、仕訳の税区分へ正しく連携できるようにします。登録番号は法人の場合、Tに続く13桁の法人番号を基本とする形式です(出典: 国税庁「登録番号に関する情報」、2026年確認)。受領時点で登録番号の形式を確認し、必要に応じて公表サイトの情報と照合する処理を設計します。税務上の判断をシステム任せにせず、経理・税務担当者が設定を確認できる状態にします。

電子取引データは保存・検索・訂正削除履歴まで確認します

電子メールやWebから受け取った請求書は、電子データ自体を保存し、取引日、金額、相手方などで検索できる状態にします。訂正や削除を行った場合に、訂正前の内容と変更内容を自動記録し、後から検索・閲覧・出力できる仕組みが真実性の確保につながります(出典: 国税庁「法第10条・電子取引の取引情報に係る電磁的記録の保存」、2026年確認)。ファイルを保存するだけでなく、原本と仕訳、支払、承認の関係を確認できること、ダウンロード要求や監査に対応できることを要件に含めます。

MFA・権限・ログ・バックアップで不正送金に備えます

最低限、MFAまたはSSO、最小権限、職務分掌、IP制限、通信・保存時の暗号化、操作・承認・口座変更の監査ログ、バックアップ、脆弱性対応、障害通知、委託先管理を確認します。IPAは2026年3月に中小企業向け情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版を公開し、ランサムウェアやサプライチェーンを介した被害、セキュリティ人材不足を背景に対策を拡充しています(出典: 独立行政法人情報処理推進機構「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版」、2026年)。支払先口座と金額は不正送金に直結するため、AI-OCRで自動化しても高額支払や口座変更は人手の再確認を残します。

支払管理システムの開発会社・ベンダーの選び方

支払管理システムの開発会社・ベンダー選定

支払管理の発注先には、標準サービスを提供する事業者、会計・ERPを導入する事業者、銀行や周辺システムとの連携を担うSI事業者、専用システムを開発する会社があります。これらは同じ尺度で優劣を付けるものではありません。自社の対象範囲と運用方針に合う提供形態か、受領から振込・仕訳・保存までの責任分界が明確かを中心に比較します。

受領から振込までの対応範囲と実績を確認します

提案書では、請求書の受領、AI-OCR、発注・検収照合、支払依頼、承認、支払予定、銀行振込、会計仕訳、電子保存の各工程について、標準機能、設定、追加開発、外部サービス、対象外を明記してもらいます。月間請求書枚数、拠点数、支払方法、子会社、複数通貨、源泉税、分割支払など、自社に近い条件での導入経験を確認します。単に導入社数が多いかではなく、稼働後の運用と例外処理まで説明できるかを評価します。

会計・ERP・銀行・購買との連携方式を確かめます

連携は「できる・できない」だけでなく、API、CSV、ファイル転送のどれで、どの項目を、いつ、どちらのシステムを正として渡すのかを確認します。会計仕訳の税区分、取引先コード、支払条件、銀行口座、消込キー、エラー時の再送と二重取込防止は、サンプルデータで検証します。既存システムのバージョンアップや銀行仕様変更で連携が壊れた場合に、誰が調査し、どの時間帯に復旧し、費用を負担するかも提案時点で確認します。

料金・保守・データ返却・法改正対応を契約で確認します

初期設定、連携、移行、研修、問い合わせ、法改正、脆弱性対応、バックアップ、障害復旧が見積もりと月額保守のどちらに含まれるかを確認します。SLA、サポート時間、障害通知、データ所有権、API仕様、エクスポート形式、解約時のデータ返却、再委託先、契約終了後の保存責任を文書化します。価格の安さだけで決めると、稼働後の連携監視や制度対応で追加費用が発生しやすいため、3年程度の総保有コストと運用工数を比較します。

▶ 詳細はこちら:支払管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

▶ 詳細はこちら:支払管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

支払管理システムのよくある質問

支払管理システムのFAQ

支払管理システムを検討すると、「Excelから移行できるか」「紙の請求書を扱えるか」「銀行振込まで自動化できるか」といった疑問が出ます。導入の可否は、現状の請求書量と既存システムの構成によって変わるため、代表的な質問への答えと確認ポイントを整理します。

Excelで管理している支払業務から移行できますか?

移行できます。ただし、Excelをそのまま取り込むのではなく、取引先、口座、支払条件、勘定科目、未払残高、承認者を整理し、重複や古い情報を除外してから移行します。既存Excelの列、入力ルール、補正表、担当者の判断を棚卸しし、システムの標準項目へ変換するマッピング表を作ると、移行後の残高差異を抑えられます。

紙の請求書やPDFも支払管理システムで扱えますか?

多くの構成で扱えます。紙はスキャンや受領代行、PDFはメール転送やアップロード、電子請求はAPIなど、入口ごとの取り込み方法を設計します。重要なのは、紙と電子で別々の台帳を作らず、同じ請求書ID、取引先、金額、支払期日、承認履歴へ結び付けることです。紙原本の保管・廃棄や、OCR誤認識の再確認を含めて社内ルールと法的要件を確認します。

銀行振込まで自動化できますか?

支払データの作成や銀行への連携は自動化できる場合がありますが、振込の最終承認までを無人化するとは限りません。全銀形式、インターネットバンキング、銀行APIなど、自社の銀行が対応する方式を確認し、作成者と承認者を分けます。振込前に金額、口座、支払日、対象件数を再確認し、送信結果や組戻しをシステムへ戻せること、障害時に二重送信を防げることが重要です。

支払管理システムの開発期間は何か月かかりますか?

標準クラウドの設定だけなら2週間〜3か月程度、会計・銀行・購買との連携を含む導入なら1〜8か月程度、複数拠点や独自業務のスクラッチ開発なら9〜18か月以上が目安です。期間を左右するのは画面数より、連携先、マスタ整備、承認ルート、移行対象、テスト期間、法対応です。月次締めや支払日をまたぐ本番テストの時間を確保し、移行と研修を開発の後工程に押し込まないことが大切です。

法改正への対応は誰が行いますか?

クラウドサービスでは提供側が機能更新を行う場合がありますが、社内の設定変更、業務ルール、証憑保存、税区分の確認まで自動で完了するわけではありません。契約時に、法改正の情報提供、機能アップデート、設定支援、検証環境、問い合わせ窓口、追加費用の有無を確認します。最終的な税務判断と社内統制の責任者を決め、毎年の制度確認を運用に組み込みます。

まとめ

支払管理システム導入のまとめ

支払管理システムは、請求書を保存するだけの仕組みではなく、受領、入力、照合、承認、支払予定、銀行振込、会計仕訳、電子保存を一つの証跡でつなぐ業務基盤です。導入を検討するときは、請求書枚数や機能数だけでなく、支払漏れ・二重支払の防止、資金繰りの見通し、監査対応、現場の申請負荷まで含めて目的を定めます。

まずは現状の請求書フローとMUST要件を可視化します

最初に、受領経路、月間枚数、承認経路、銀行、会計、購買、拠点、例外処理を棚卸しします。標準クラウドで足りるのか、会計・ERPや既製サービスの連携が必要なのか、独自開発が必要なのかを、業務上の必須条件から判断します。PoCではOCR精度、照合、承認、仕訳、振込、保存を代表的な請求書と例外で試し、稼働前に移行・並行稼働・障害時の手順まで確認します。

提供範囲・連携・費用・保守を同じ条件で比較します

発注先を選ぶときは、請求書受領から銀行振込、会計仕訳、電子保存までの責任分界、APIやCSVの連携方式、法改正への対応、セキュリティ、データ返却、3年程度の総保有コストを比較します。支払業務は正確性と継続性が重要なので、デモの見栄えよりも、口座変更、高額支払、差戻し、分割支払、障害、監査という現実の場面を一緒に検証できるかを重視することが成功につながります。

▼関連記事一覧
支払管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
支払管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
支払管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
支払管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について