電力監視システムの開発会社は、知名度だけでなく、受配電設備の監視、電力使用量の分析、既設計器との接続、制御や保守までの対応範囲で選ぶことが重要です。自社の目的に合う会社を選べば、電気料金の削減だけでなく、設備停止の予防や脱炭素活動の効果測定にもつなげられます。
本記事では、電力監視システムの開発・導入を相談できる会社を、株式会社riplaを含む6社に絞って紹介します。各社の特徴、向いている企業、導入前に確認したい点に加えて、2026年8月時点で確認できる費用事例や、パッケージと個別開発の選び方も解説します。
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電力監視システムのパートナー選びが重要な理由

電力監視システムは、画面を作るだけのWebシステムではありません。受電点や分電盤に設置する計測器、CTセンサー、PLCやゲートウェイ、工場内ネットワーク、クラウドまたはエッジサーバーを一つの運用に組み合わせる必要があります。監視対象が広いほど、開発会社の業務理解と現場対応力が導入後の成果を左右します。
適切なパートナー選定が成否を分ける理由
電力監視の目的は、データを集めてグラフに表示することではなく、デマンド超過を防ぎ、設備ごとの無駄を見つけ、改善効果を継続的に測ることです。受電点だけを測ると施設全体の使用量は把握できますが、どの空調や生産設備がピークを作ったのかまでは分かりません。逆に、回路を細かく増やしすぎると、計測器や工事費が膨らみ、現場が警報を処理しきれなくなる場合があります。
日立産機システムのH-NETでは、デマンド、電力、漏れ電流、パルスやアナログ入力を扱い、電力以外にガス・水・空気なども一元管理できる構成が示されています。これは、電力監視を設備保全やユーティリティ管理まで発展させる例です。選定時には「何を測れるか」だけでなく、「測ったデータで誰がいつ何を判断するか」まで確認することが大切です。(出典: 株式会社日立産機システム公式、2026年8月確認)
発注前に確認すべきポイント
発注前には、対象拠点数、受電点・分電盤・設備ごとの回路数、計測周期、データ保存期間、既設メーターの通信仕様、停電を伴う工事の可否を整理します。さらに、メールやスマートフォンへの警報、停電・通信断時の動作、CSV出力、既存の生産管理システムや太陽光・蓄電池との連携要否も決めておきます。
見積もりは、計測器・CT・ゲートウェイ、盤改造や電気工事、通信・VPN・クラウド、画面設定、外部連携、試験・教育、保守の7項目に分けて比較します。機器・工事込みの金額とソフトウェアだけの金額を並べると判断を誤るため、見積書に含まれる範囲と含まれない範囲を明記してもらうことが必要です。
株式会社ripla|コンサルティングから開発まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。
特徴と強み
電力監視システムでは、計測したデータを業務上の判断につなげる要件整理が欠かせません。riplaは、現場担当者へのヒアリングから、KPIの定義、画面や通知の設計、既存業務への組み込みまでを一つの相談窓口で進めたい企業に向いています。電力の見える化だけでなく、生産計画や設備稼働、拠点別の管理情報を同じ業務基盤にまとめたい場合にも、個別要件を整理しやすい選択肢です。
得意領域・実績
既製のEMSで足りる部分と、個別に開発する部分を切り分け、段階的に導入したい企業に適しています。たとえば、最初は受電点と主要設備の可視化から始め、次にデマンド警報、拠点比較、原単位分析、設備保全の通知へ広げる進め方です。電気設備そのものの施工体制や計測器の選定は、協力会社を含む責任分界と有資格者の関与を事前に確認すると安心です。
株式会社日立産機システム|受配電・絶縁監視からユーティリティ管理まで対応

株式会社日立産機システムは、配電監視システムH-NETを展開する会社です。受電点から負荷側、遮断器単位までの電力監視を想定し、デマンド監視、回路別の計測、低圧絶縁監視、ガス・水・空気などのユーティリティ監視を組み合わせられます。
特徴と強み
H-NETの特徴は、電力使用量の見える化を受配電設備や予防保全と結び付けやすい点です。目標デマンドを超える予測時に警報を出し、ピークカットやピークシフトの判断を支援できます。Modbus/RTUなどを使った他システムとの連携や、パルス、アナログ入力による電力以外のデータ収集も確認できます。
得意領域・実績
工場やビルで、電力料金の抑制と設備保全を同時に進めたい企業に向いています。日立産機システムの公式ページには、中条事業所で変圧器を48台から33台へ統廃合し、変圧器による電力損失を月61.1MWhから19.2MWhへ削減した事例が掲載されています。個別案件の効果をそのまま自社へ当てはめるのではなく、対象設備と運用条件が近いかを確認してください。
NTTアドバンステクノロジ株式会社|可視化・需要予測・既存システム連携に強み

NTTアドバンステクノロジ株式会社は、Spotfireを使った電力使用量の見える化・需要予測ソリューションを提供しています。電力データを可視化するだけでなく、予測モデルの構築、システム開発、運用までを状況に応じて支援する点が特徴です。
特徴と強み
需要予測やデータ分析をもとに、電力削減のアクションを決めたい企業に適しています。NTT-ATの公式情報では、Spotfireを約10年取り扱い、顧客要望に応じたテンプレート作成のノウハウを蓄積していると説明されています。WinActorなどのRPAを使ったデータ自動収集や、既存システムとの連携も相談できます。(出典: NTTアドバンステクノロジ公式、2026年8月確認)
得意領域・実績
工場、商業施設、オフィスなどのデータを集め、拠点比較や生産計画との関係を見たい企業に向いています。なお、公式ページでは電力データの測定は顧客側で用意する前提とされています。したがって、現地の計測器や既設メーターの仕様確認を先に行い、データ収集部分を別の電気設備会社と分担するのか、まとめて依頼できるのかを確認することが重要です。
富士電機株式会社|EMS・デマンド予測・最適制御まで視野に入る

富士電機株式会社は、コンポーネント、エンジニアリング、サービス、最適制御を組み合わせたIoTシステムソリューション「Promizer」を展開しています。工場EMSやビルのEMS、変電監視制御、蓄電池・VPP、スマートメーターの遠隔検針など、エネルギー設備の範囲を広く検討できます。
特徴と強み
単なる監視ではなく、デマンド予測や設備制御まで含めてエネルギー運用を改善したい企業が候補にしやすい会社です。公式サイトでは、工場EMS、エネルギー監視、異常兆候監視、監視制御などのソリューションが紹介されています。太陽光発電、蓄電池、空調など複数設備を連携させる場合は、監視と自動制御の境界や、異常時に安全側へ動く仕組みを具体的に確認してください。(出典: 富士電機公式、2026年8月確認)
得意領域・実績
大規模工場や複数設備を持つ施設で、電力・熱・発電・蓄電をまとめて最適化したい企業に向いています。一方、数回路の見える化だけを短期間で始めたい場合は、機能や導入体制が過剰になる可能性があります。制御機能を含む見積もりでは、機器費、現地エンジニアリング費、試運転費、保守費を分け、どの設備を自動制御するのかを図面で確認してください。
三菱電機エンジニアリング株式会社|SCADAと工場SIで監視制御を構築

三菱電機エンジニアリング株式会社は、三菱電機製SCADA「GENESIS64」を使った監視制御システムの構築を支援しています。PLCや計測機器からデータを集め、電力監視の画面表示、計測機器の状態監視、異常時のアラーム表示まで含めた工場SIを相談できる会社です。
特徴と強み
生産ラインや受配電設備のデータを、現場の制御機器と上位の監視画面につなげたい企業に適しています。三菱電機エンジニアリングの公式情報では、汎用PLCとSCADAソフトを組み合わせ、計測機器の状態監視や異常アラームを行う構成が紹介されています。画面設計まで支援できるため、現場担当者が異常の場所と対応内容を把握しやすい画面にしたい場合に確認しやすい候補です。(出典: 三菱電機エンジニアリング公式、2026年8月確認)
得意領域・実績
既存のPLCや制御盤を活用し、電力監視を工場の自動化・設備保全の仕組みへ組み込みたい案件に向いています。反対に、経営層向けの拠点比較やCO2報告が主目的なら、分析・帳票機能の標準範囲を確認してください。電力監視から制御へ拡張する場合は、通信断、計測異常、サーバー停止、手動操作への切り替え手順を含めて試験計画に入れることが重要です。
セイコーソリューションズ株式会社|既設計器を活用し拠点横断の見える化を実現

セイコーソリューションズ株式会社は、エネルギー監視・制御ソリューション「GreenTALK」を提供しています。電力・ガス・水道、CO2排出量、設備稼働状況、空調・照明などのデータを収集・蓄積し、グラフ表示、目標値との比較、警報出力、設備や生産情報との連携を実現する構成です。
特徴と強み
新しい計測器をすべて入れ替えるのではなく、既設の電力計やセンサーを活かして段階的に監視したい企業に向いています。GreenTALKは、リアルタイム収集、時・日・月単位の記録、管理ポイントごとのグラフ表示、本社から分散拠点を一元管理する機能を案内しています。省エネ対策の実施前後を比較し、原単位や設備稼働との関係を追いたい場合にも適しています。(出典: セイコーソリューションズ公式、2026年8月確認)
得意領域・実績
工場や店舗など複数拠点のエネルギーを本社で確認したい企業、将来はガス・温度・湿度・生産情報にも広げたい企業が比較しやすい会社です。相談時には、既設電力計のメーカー・型式・通信プロトコル、データの取得周期、無線LANや閉域網の利用可否を伝えてください。既設機器を使える範囲が広いほど、工事の停止時間と初期費用を抑えられる可能性があります。
電力監視システムのパートナー選びのポイント

6社は同じ種類のサービスを同じ条件で販売しているわけではありません。パッケージ導入、現場の計測・制御、分析基盤、業務向けの個別開発では、初期費用も導入期間も異なります。次の3点を確認し、候補を2〜3社に絞って同じRFPで相談すると比較しやすくなります。
実績と経験の確認方法
導入実績の社名や件数だけで判断せず、自社に近い条件を確認します。たとえば、工場かビルか、受電点だけか設備別か、回路数はいくつか、既設メーターを流用したか、工事を夜間に行ったか、導入後に誰が警報対応を担ったかを質問します。公開事例の数値は、設備構成や稼働時間が異なれば結果も変わるため、削減率の再現性よりも、効果検証の方法を確認することが大切です。
費用面では、エム・システム技研の公式事例で、受電点とフィーダ72回路の計測に関するハード・ソフト費が約300万円と示されています。ただし、工事費とエンジニアリング費は別です。NTT-ATの資料にあるSpotfireテンプレートの価格や、アイリスオーヤマのENEverseの月額料金も、計測器・施工・通信を含むかが異なります。公開価格は比較の起点に使い、最終判断は同じ内訳の見積もりで行います。(出典: エム・システム技研公式、2026年8月確認)
技術力と専門性の評価
技術評価では、対応プロトコルやクラウド名だけでなく、データ欠損時の扱い、通信断時の一時保存、計測値の補正、時刻同期、権限管理、CSVエクスポート、バックアップを確認します。制御まで行う場合は、監視専用システムよりも安全設計と責任分界が重くなります。自動制御の対象、手動復帰の条件、停電時の動作、異常時の連絡先を仕様書に書いてもらうことが重要です。
自家用電気工作物の遠隔監視・制御が関係する場合は、IT担当者だけで決めず、電気主任技術者や保安担当者を初期検討に加えます。経済産業省は、自家用電気工作物についてサイバーセキュリティの確保と保安規程への記載を求め、対象システムに応じた対策を示しています。工場ネットワークとクラウドの接続では、資産台帳、認証、閉域網やVPN、ログ、脆弱性対応、復旧手順も要件に含めてください。(出典: 経済産業省「自家用電気工作物におけるサイバーセキュリティの確保について」、2026年8月確認)
プロジェクト管理体制の確認
現地調査から本稼働までは、要件定義、計測器の選定、電気工事、ネットワーク設定、画面開発、受入試験を複数の担当者が進めます。発注先には、全体責任者、電気設備会社、クラウド・アプリ担当、保守窓口の役割を示してもらいます。拠点ごとの工事日程や、停止できない設備の切り替え方法も、契約前に工程表で確認するとトラブルを防ぎやすくなります。
初回は全拠点を一度に対象にせず、主要な受電点と改善余地の大きい設備でPoCを行う方法が現実的です。PoCでは、データ取得率、警報の到達時間、現場が対応できるか、施策前後の最大需要電力や原単位を確認します。グラフが表示された時点を完成とせず、月次の省エネ会議で使える帳票と運用ルールまで決めてください。
よくある質問(FAQ)

電力監視システムを初めて導入する際は、費用、開発期間、既存設備との接続、監視と制御の違いについて質問が集まりやすくなります。ここでは、会社へ相談する前に押さえたい代表的な疑問に回答します。
電力監視システムの導入費用はいくらですか?
小規模なクラウド型見える化は初期費用0円や月額数千円から始められるサービスがある一方、工場の回路別計測、工事、連携、制御を含めると数百万円から数千万円になる場合があります。公開事例では、72回路のハード・ソフト費約300万円、遠隔監視の個別開発約5,200万円という差がありますが、含まれる範囲が異なるため、金額だけでは比較できません。
既設の電力計やPLCはそのまま使えますか?
通信仕様、出力形式、計測精度、設置場所、データ取得周期が合えば、既設機器を活用できる可能性があります。ただし、古いメーターで通信機能がない、回路情報が不足している、工場ネットワークへ接続できないといった場合は、ゲートウェイや追加センサーが必要です。現地調査で型式と配線を確認し、使える機器と交換対象を分けて見積もってもらいます。
電力監視とEMS・自動制御は何が違いますか?
電力監視は、電流・電圧・電力・電力量・デマンドなどを計測し、画面や警報で状態を把握する仕組みです。EMSは電力だけでなく、ガス・水・温度・生産量などを組み合わせて分析し、目標設定や制御まで行う場合があります。自動制御を加えると、異常時の安全動作、手動復帰、責任分界、法令・保安上の確認が必要になるため、段階導入が適しています。
導入や開発にはどれくらいの期間がかかりますか?
数回路のPoCや小規模パッケージなら、現地調査から試験運用まで1〜3か月程度が一つの目安です。工場の数十〜100回路、既存設備連携、複数拠点、制御を含めると3〜12か月以上になることがあります。公開されているエネルギー事業者向け遠隔監視システムの事例には、約12か月で開発したものがありますが、これは監視業務を含む個別開発の一事例であり、すべての電力監視案件に当てはまる期間ではありません。
まとめ|目的と現場条件に合う電力監視システム会社を選びましょう

電力監視システムの開発会社は、価格や企業規模だけでなく、目的と現場条件の組み合わせで選びます。株式会社riplaは業務要件の整理から開発・定着までを相談したい場合、日立産機システムは受配電・絶縁監視や保全まで含めたい場合、NTTアドバンステクノロジは可視化・需要予測・既存システム連携を重視する場合に候補となります。富士電機はEMSや最適制御、三菱電機エンジニアリングはSCADA・工場SI、セイコーソリューションズは既設計器活用・拠点横断管理を重視する場合に適しています。
この記事の要点
選定前に、対象回路・拠点数・計測周期・既設機器・連携先・警報対応者・制御の有無を決めます。見積もりは機器、工事、通信、クラウド、開発、試験、保守に分け、初期費用と月額費用を同じ条件で比較します。導入後は最大需要電力、kWhあたりの生産量、CO2排出量、データ欠損率、警報から対応までの時間などをKPIとして追跡します。
次に取る行動
まずは単線結線図、既設メーターの一覧、対象設備、直近の電力使用量、困っている警報や停止事例をそろえます。そのうえで、数回路のPoCから始めるのか、工場全体のEMSを構築するのかを決め、目的の異なる会社へ同じ条件で相談してください。電力監視は見える化して終わるのではなく、現場の改善行動と効果検証が続いて初めて投資価値を発揮します。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
