園児管理システムの発注は、現状把握、RFP作成、候補会社への説明の順で始めます。その後は、提案と見積を比べて契約します。次に、試行導入、データ移行、全園展開へと段階を踏みます。
特に、業務整理、要件整理、試行導入の順を守ると、現場に合う運用につながります。
▼全体ガイドの記事
・保育園・幼稚園向け園児管理システム開発の完全ガイド
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保育園・幼稚園向け園児管理システムを発注する前に知る全体像

園児管理システムは、園児・保護者・職員が同じ情報を立場に応じた画面で扱う業務システムです。そのため、発注時は機能数だけでなく、園児台帳の情報が連絡帳、出欠、健康記録、帳票、請求に再利用される設計かを、発注側が確かめます。
園児台帳を中心に業務をつなぐ構成
園児台帳には、氏名、生年月日、家族・緊急連絡先、認定区分、保育時間を登録します。さらに、アレルギー、服薬、既往歴、配慮事項、写真、同意履歴も含めます。
- 情報の再利用:連絡帳、健康記録、事故報告、自治体提出帳票に反映します。
- データの分離:園児、きょうだい、保護者、クラス、年度、職員をそれぞれ個別に管理します。
- 変更履歴の保存:お迎え予定者やアレルギーの変更者と、変更時刻を記録します。
必要な職員だけが最新情報を見られるよう権限を設計しておくことは、安全面で欠かせません。また、情報を再利用すると、転記の手間と入力ミスを減らせます。
機能一覧より、データのつながりを見る視点
「登降園管理あり」「保護者アプリあり」と書かれていても、園児台帳と別のシステムになっていると、二重入力が起きる場合があります。そのため、RFPでは業務シナリオを使って、機能同士の連携を確かめます。
- 延長保育と請求:登園時刻から延長時間を集計し、請求へ反映できるか。
- 欠席連絡:担任と管理者が同じ履歴を確認できるか。
- 日常記録:連絡帳、日誌、個人記録、指導計画、要録、写真、午睡チェック、事故・ヒヤリハットを扱えるか。
すべてを初期導入すると、研修と移行の負担が重くなります。そこで、園児台帳、登降園、保護者連絡から始め、請求や帳票を段階的に加える方法もあります。
保育園・幼稚園・認定こども園の要件の違い
施設種別や運営規模によって、重視する機能と発注条件は異なります。そのため、問い合わせの際は施設の情報と既存環境を伝え、比較しやすい提案を受けます。
- 保育園:登降園、延長保育、欠席、保育時間の集計が中心になります。
- 幼稚園:預かり保育、行事、写真、保護者連絡、園児募集との接点を重く見ます。
- 認定こども園:認定区分、教育・保育の記録、請求、自治体帳票が複雑になりやすいです。
- 公立園:ネットワーク、監査、指定帳票、複数園の一括管理が選定条件です。
問い合わせでは、施設種別、定員、在籍園児数、園数、職員数を伝えます。また、会計・決済・勤怠の既存システムと、自治体とのデータ連携の有無も整理しておきます。
発注形態の違い:SaaS・パッケージ・独自開発
標準業務を短期間で整えたいならSaaS、標準機能を使いながら独自帳票を調整したいならパッケージやローコードが候補になります。固有要件が大きい場合は、カスタム開発を検討します。
費用の安さだけで決めず、園の業務を製品に合わせるか、製品を業務に合わせるかで判断します。
SaaSの発注が向くケース
SaaSは、ベンダーのクラウドサービスを月額または年額で使う形態です。サーバー構築や大規模開発が要らず、標準機能を短期間で始められます。
- サービス側の更新:法改正や機能更新をベンダー側に任せられる点です。
- 導入対象:初めてICT化する園や、園児台帳、連絡帳、欠席連絡、登降園を早く整えたい園が候補です。
- 契約前の確認:CSV出力、解約時のデータ返却、停止後の保存期間、追加オプションを確かめます。
- 運用の確認:保護者アプリのアカウント管理と、障害時の連絡手段。
独自帳票、複雑な料金計算、特殊な承認フローは、標準機能に合わない場合があります。そのため、必要な業務が標準機能で実現できるかを、デモで確かめます。
パッケージとローコードの使いどころ
パッケージは、保育施設向けの機能を導入し、設定や一部カスタマイズで自園に合わせる形態です。一方、ローコードは既存の開発基盤を使い、画面やデータ項目を比較的短期間で組み立てる形態です。
- パッケージ:園児台帳、出欠、保護者連絡、帳票などを使いながら、独自項目や帳票を追加できる場合があります。
- 互換性と保守:SaaSより自由度が高い一方、更新時の互換性と保守費用の確認が要ります。
- ローコード:独自の児童票、健康項目、CSV出力を作りやすい方法です。
- 継続性:担当者退職後の保守、ライセンス継続性、障害対応、将来の仕様変更を、見積もりに含める対象です。
見積では、初期開発費に加えて、基盤ライセンスと保守担当も確かめます。障害対応まで含めた継続体制が要ります。
フルスクラッチを固有要件と長期運用で選ぶ判断材料
フルスクラッチは、要件定義から設計、開発、テスト、運用基盤まで個別に作る方法です。既製サービスでは業務を変えにくい場合に、検討の対象になります。
- 法人・自治体要件:複数法人の権限や自治体の指定帳票に対応します。
- 深い連携:会計・給与・決済との連携や独自の保育記録を設計できます。
- 発注者側の運用:法改正、脆弱性、バックアップ、障害復旧、開発会社との契約更新も管理します。
初期費用と期間は大きくなります。一方で、特殊な業務が一部だけなら、標準SaaSと外部連携を組み合わせて、リスクを抑えられる場合があります。
標準サービスと追加開発の組み合わせ
園児台帳と保護者連絡はSaaSで、独自請求や自治体帳票は別システムに分けて、CSVまたはAPIで連携する方法もあります。
システムごとに園児情報の正本を決め、同じ情報を複数の画面で編集しない設計にします。そのうえで、連携方式、更新頻度、エラー時の再送、担当会社をRFPに記載します。
園児管理システムの発注・外注の進め順序

発注は、現状把握、RFP作成、候補会社への説明の順で始めます。その後は、提案と見積を比べて契約します。次に、試行導入、データ移行、全園展開へと段階を踏みます。現状把握の段階では、現場の困りごとと成功指標を先に言語化しておきます。
紙・Excel・電話の業務の棚卸し
最初の2〜4週間で、業務と情報の流れを記録します。誰が、いつ、どの端末で入力し、どの帳票や連絡に使うかも、あわせて確かめます。
- 棚卸し対象:園児台帳、登降園、欠席・遅刻、連絡帳、午睡、健康、事故、請求、帳票、写真、バス。
- 参加者:主任、担任、事務、法人本部から代表を選び、必要に応じて自治体担当者も加えます。
- 例外処理:入力が増えないか、通信断時の対応、卒園・退園後の保存を確かめます。
園長だけで決めると、現場の例外が抜けやすくなります。そこで、現場代表を要件定義に加えておくと、トップダウン導入の失敗を減らせます。
RFPに入れる対象範囲と比較条件
RFPでは、必須機能と将来機能を分け、「必須」「望ましい」「提案に任せる」の優先順位を付けます。対象園数、定員、在籍園児数、職員数、施設種別も記載します。
RFPには、利用端末、ネットワーク、既存システム、移行対象データも記載します。
- 要件の範囲:移行対象データ、機能、権限、帳票、外部連携を記します。
- 運用条件:セキュリティ、サポート、スケジュール、予算の考え方を示します。
- 見積の項目:初期費用、設定・開発、移行、研修、端末、通信、月額、保守、決済手数料、追加改修をそろえます。
公開SaaSと受託開発を比べる場合は、3年間の総額と導入できる業務範囲を、別々に評価します。条件を統一しておくと、価格を比較しやすくなります。
試行導入での使いやすさの測定
契約前または本稼働前に、1園または1クラスで4〜8週間試行します。優先度の高い業務に絞り、入力時間や利用状況を測ります。
- 試す業務:登降園、欠席連絡、連絡帳、園児台帳。
- 測定項目:入力時間、保護者利用率、電話件数、誤入力、紙との二重管理件数。
- 障害時の備え:紙との併用範囲、通信・端末障害時の代替、一次窓口、修正依頼の締切。
特に、忙しい時間帯に片手で入力できるかは、デモで見た操作性からは判断しにくいです。
試行の結果に応じて要件を直してから全園に広げると、負担を見ないまま高額な追加開発を決めるリスクを抑えられます。
移行・研修・定着の発注範囲
紙やExcelからの移行では、表記の揺れ、きょうだいの重複、旧住所、退園者、緊急連絡先、アレルギー情報の欠落が起こりやすいです。
- 移行の分担:対象・対象外の履歴、データ整備、テスト移行、本番移行を決めます。
- 受入確認:バックアップと照合を含め、担当と確認方法をRFP・契約書に記します。
- 職員研修:管理者、担任、事務担当に分け、実データ演習、マニュアル、問い合わせ期間、入職者教育を定めます。
- 保護者説明:登録方法、通知設定、写真・個人情報の同意、障害時の連絡方法を案内します。
RFPと要件整理で決める項目

RFPは、発注者と受託者の認識をそろえて提案を比べるための比較資料で、開発会社に丸投げする依頼書とは性質が違います。
RFPには、画面の希望に加えて、業務目的と利用者を記載します。さらに、データの流れ、例外処理、運用、非機能要件、受入条件も書きます。
データ項目と業務フローの具体化
園児基本情報、保護者・家族、緊急連絡先、認定区分、保育時間を、必須項目として整理します。そのうえで、アレルギー、服薬、既往歴、配慮事項、入退園日、同意履歴も必須項目に含めます。
- 園ごとの項目:独自項目の追加と未入力警告ができるか。
- 履歴と閲覧:変更履歴を見られるか、卒園後も閲覧できるか。
- 通常業務:欠席連絡や担任確認、未対応一覧、延長時間の集計を、動詞で書き表します。
- 例外処理:お迎え変更、アレルギー更新、午睡中の異常、緊急連絡を含めます。
通常処理に加えて、例外時に誰が何を確認するかも記載します。業務の流れを具体化しておくと、提案と見積の差が小さくなります。
権限・ログ・バックアップの非機能要件
園児情報には、健康、アレルギー、服薬、発達、家庭状況など、慎重な扱いが必要な情報が含まれます。そのため、職種や立場ごとに権限を分け、異動・退職時にはアカウントを止める手順を決めておきます。
- 権限:園長、主任、担任、看護師、事務、法人本部、保護者の閲覧・登録・承認・出力・削除。
- システム対策:多要素認証、通信時・保存時の暗号化、IP制限、操作ログ。
- 継続と委託先:バックアップ頻度、復旧目標、障害通知、脆弱性対応、再委託先、海外拠点・クラウド。
- 契約終了時:データ削除・返却の方法を定めます。
委託先に対する必要かつ適切な監督は、通則ガイドラインでも求められています(出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」)。そのうえで、認証マークだけで判断せず、園のリスクに合った証跡を確かめます。
外部連携とデータ移行の責任分界
会計、給与、勤怠、決済などとの連携では、接続先と方式、項目、更新時期、エラー処理を整理します。写真販売、バス運行、自治体帳票との連携も、同じ観点で扱います。
- CSV連携:ファイル形式と文字コードを決めます。
- API連携:認証と利用制限を定めます。
- 移行範囲:過去何年度分か、写真・添付ファイルを含むかを決めます。
- 責任分担:抽出支援、変換、取込、照合、誤り修正、仕様変更対応ごとに担当を明確にします。
移行範囲は費用に影響します。そのため、園側のサンプル確認件数と承認者も決めておきます。
業務単位の受入テスト
受入条件は、ログインできるかだけでなく、業務シナリオで作ります。さらに、繁忙時間帯、複数クラス、スマートフォン、タブレット、通信が弱い場所でも試します。
- 欠席連絡:保護者が送り、担任が確認し、管理者が未対応一覧を見られる。
- 延長時間:登降園データから時間を集計し、請求データへ渡せる。
- 障害時:通知不達、端末停止、アレルギー情報の訂正時に、記録と再入力を確かめられる。
障害時の代替運用も受入条件に含めておくと、開発完了と現場で使える状態のずれを小さくできます。
契約形態と責任分界の設計
要件が固まった開発と、相談しながら進める企画・改善では、契約形態を分けることがあります。名称だけで決めず、成果物、作業時間、品質責任、変更、検収を確かめます。さらに、再委託、知的財産、個人情報の扱いも確認します。
請負契約の成果物と検収条件
請負契約は、決めた成果物を完成させ、発注者が検収する形にしやすい契約です。そのため、納品物と完成基準を明確にします。
- 成果物:画面一覧、機能仕様、テスト仕様書、移行結果、操作マニュアル、納品ソースコード。
- 検収:期間、修正の扱い、瑕疵対応、不合格時の再実施、遅延時の連絡を定めます。
- 責任範囲:第三者サービス障害や、発注者のデータ提供・確認の遅れが納期に与える影響。
完成基準が曖昧だと、追加要望が仕様変更となり、納期と費用の調整が頻発します。一方で、請負契約であっても、すべての結果をベンダーが保証するわけではありません。
要件整理や継続改善に向く準委任契約の使いどころ
準委任契約は、専門家が善管注意義務をもって要件定義、プロジェクト管理、調査、改善、運用支援などを行う形で使われます。
- 要件が未確定:現場ヒアリングや試行導入を準委任で進めます。
- 要件確定後:固まった機能を請負で開発する組み合わせも選べます。
- 契約条件:作業時間、体制、定例会、報告、意思決定者、時間超過の承認方法を決めます。
完成保証や納期保証を期待する場合は、目的と責任範囲が合っているかを、法務担当者に確かめます。また、契約形態については、システム開発に詳しい専門家へ相談する方法もあります。
契約に入れるデータ返却・再委託・知的財産の条項
契約には、データの管理者、利用目的、アクセス担当、再委託先を定めます。さらに、事故報告期限、監査協力、バックアップ、終了時の返却形式と削除証明も定めておきます。
- 知的財産:独自画面・帳票の著作権、汎用部品の利用権、ソースコードの開示範囲を確認します。
- SaaSの資料:利用規約、個別契約、仕様書、セキュリティ資料、障害対応方針を読みます。
- 終了・事業譲渡:園児台帳、添付ファイル、操作ログを、いつ、どの形式で取得できるか確認します。
データの取り出し条件が分からない契約では、価格が安くても、長期利用の不確実性が残ります。
保守・SLAと運用窓口の取り決め
本稼働後は、問い合わせ、障害、改善、アカウント発行、年度更新が発生します。さらに、自治体帳票変更や端末交換も発生します。そのため、保守費の範囲と窓口を契約時に確かめておきます。
- 受付と初動:問い合わせ時間と重大障害の初動時間を定めます。
- 復旧と変更:復旧目標、定期保守、軽微な修正と有償改修の境界を確認します。
- 現場運用:電話窓口、メール・管理画面の通知、紙での代替、復旧後の照合を決めます。
保育中の停止は、安全確認や保護者連絡に影響します。そのため、SLAの数値に加えて、現場が取る行動まで運用手順に含めます。
費用相場と見積書の読み方
費用は、園児数や園数に加えて、機能、端末、ネットワーク、移行、帳票で変わります。連携、研修、保守、決済、個別開発も費用を左右します。
ここで示す金額は、2026年時点の公開料金と民間概算で、個別案件にそのまま当てはまる金額ではありません。
SaaSの費用の目安:月額数千円から数万円程度
公開料金は、定員、利用機能、支援内容によって異なります。
- CoDMON:定員30名まで3,300円、31〜60名は5,500円、61〜100名は8,800円(税込・月額)。
- ルクミー:園児台帳・成長記録を含む月額5,000円プランと、月額30,000円の伴走支援プラン(税抜)。
- 公開例の比較レンジ:園児台帳・保護者連絡中心は月額3,000〜10,000円、複数機能は1万〜4万円程度。
CoDMONの金額は2026年8月確認の公開料金です(出典:株式会社コドモン「CoDMONご利用料金」、2026年8月確認)。また、登降園、帳票、請求、健康記録などは、機能やパックによって追加料金が発生します。
ルクミーの各プランも2026年8月に確認した公開例です(出典:ユニファ株式会社「ルクミー料金プラン」、2026年8月確認)。なお、比較レンジは市場平均ではなく、公開価格から整理した初期目安です。
カスタム開発の費用の幅(数百万円から数千万円)
民間概算は、搭載する機能範囲によって段階的に変わります。
- 園児管理・登降園:300万〜600万円。
- 保護者アプリ追加:600万〜1,200万円。請求管理まで含む場合は1,200万〜2,000万円。
- フルスペック:写真・指導計画・行政連携を含み、2,000万〜4,000万円程度。
上記は、民間企業が公開する2026年時点の概算です(出典:GXO「保育園・幼稚園ICTシステム開発の費用相場」、2026年確認)。正式な見積ではありません。
園児数や対象園数、複数法人の権限、独自帳票が増えるほど、費用は上がります。データ状態や外部連携、監査ログも、費用を押し上げます。さらに、端末・通信、研修、保守も、費用に響く要素です。
標準SaaSを使い、CSV移行と基本設定で始める場合は、独自開発より初期費用を抑えられる可能性があります。ただし、見積額に加えて、利用できる業務範囲も確かめます。
公的調達の金額と補助金の読み分け
公的調達の契約額と補助基準額は、それぞれの前提を分けて読みます。
- 江戸川区の令和7年度契約上限:総額897万6,000円。初期費用27万5,000円、利用料870万1,000円。
- 機能数別の補助基準額:1施設あたり20万円、40万円、60万円、80万円。
- 端末購入などを含む場合:70万円、90万円、110万円、130万円。
江戸川区の契約上限は複数の公立園が対象で、1園の開発費には単純換算できません。また、初期準備、利用料、運用保守を分けて調達する視点を示しています(出典:江戸川区「保育園業務支援システム導入および運用保守業務 実施要領」、2025年)。
補助基準額は、こども家庭庁のICT化推進事業に関する資料に記載されています(出典:こども家庭庁「令和7年度保育関係補正予算の概要」)。ただし、対象経費、補助率、申請時期、自治体の上乗せ、既存補助との重複可否は、制度ごとに異なります。そのため、補助金だけで無料になると考えず、自己負担と月額利用料も確かめます。
3年間の総保有コストによる見積比較
3年TCO(総保有コスト)には、初期費用、月額・年額、オプション、端末、Wi-Fiを含めます。さらに、通信費、移行、研修、保守、決済手数料も含めます。
- 追加費用:追加改修、年度更新、データ出力も足します。
- SaaS:初期費用が小さくても、園児数や機能追加で月額が積み上がります。
- 独自開発:初期費用に加え、運用保守と法改正対応を確保します。
入力、電話対応、帳票作成、請求修正、紙の保管、データ確認といった内部コストも見ます。
削減時間は断定せず、現状を1週間測って試行後の実績と比べます。そのうえで、必要な範囲と運用負担を説明できる見積を選びます。
委託先の選定と見積比較のポイント
委託先は、知名度や営業資料だけでなく、保育業務の理解、移行、現場定着、セキュリティ、障害対応、将来の連携を同じ基準で評価します。
標準SaaSの導入会社と独自システムの受託開発会社では得意な領域が違います。そのため、発注形態を決めてから候補を絞ります。
保育施設とシステム両方の実績
実績については、導入社数に加えて、施設種別、園数、利用機能、導入後の定着、サポート体制を尋ねます。同じ規模や種別の導入先から注意点を聞けると、参考になります。
- 導入施設:保育園、幼稚園、認定こども園、公立園、企業主導型の対応状況。
- 利用範囲:1園か複数園か、園児台帳から請求・帳票まで使われているか。
- デモ内容:兄弟登録、アレルギー更新、担任交代、未確認連絡、延長料金、年度更新、退園、自治体帳票。
デモでは、架空の整ったデータではなく、実際の業務シナリオを操作してもらい、職員が迷わず扱えるかを確かめます。
見積書の含むものと含まないものの区別
要件定義、画面設計、開発、テスト、移行を、行ごとに分けてもらいます。研修、マニュアル、初期設定、管理、保守も、行を分けて示してもらいます。「一式」と書かれた項目は、人数、期間、作業、成果物、前提条件を確かめます。
- 追加料金:帳票追加、CSV整形、写真移行、端末設定、保護者登録支援、年度更新。
- 比較条件:園数、園児数、同時接続数、端末、移行件数、保護者数、帳票数、保守時間。
- 比較する金額:初期費用と3年TCOを同じ条件で比べます。
特に、安い会社の機能不足や過剰な提案は、業務シナリオで見極めます。
委託先に事前に聞く質問
委託先には、園児台帳を正本とした連携と、全データのCSV・API出力について質問します。さらに、再委託先、退職者の権限停止、障害時の一次連絡を聞きます。法改正・帳票変更費用の扱いも確かめます。
- 回答の記録:口頭で終わらせず、提案書や契約書に残します。
- AI・センサー:誤出力時の確認責任、入力データの学習利用、機器停止時の代替を聞きます。
- 安全の説明:AIやセンサーで安全を保証する会社は避け、保育者の判断を補助する位置付けを明確にする会社を選びます。
午睡センサーやスマート検温、写真整理、多言語翻訳の機能も、便利さだけでなく、人の確認責任を確かめます。
小さく試してからの最終発注
候補を2〜4社程度に絞り、同じ業務シナリオでデモ、試行、見積説明を受けます。また、評価には現場職員と事務担当も加えます。
- 評価項目:業務適合性、使いやすさ、移行、セキュリティ、連携、サポート、費用、契約の柔軟性。
- 継続利用:現場が毎日使えるか、情報を正しく保てるかを見ます。
- 契約終了後:データを利用できるか確認します。
- 導入後の評価:月次レビューで入力時間、電話件数、帳票作成、請求修正、保護者利用率を見ます。
改善計画まで提示できる委託先であれば、発注後の定着も進めやすくなります。
よくある質問(FAQ)
費用、導入期間、データ、セキュリティについて回答します。金額や期間は、対象園、機能、移行範囲、既存システムによって変わります。
保育園の園児管理システムはSaaSと開発のどちらがよいですか?
標準的な園児台帳、登降園、保護者連絡を早く始めるならSaaSが向きます。独自帳票や複雑な自治体連携が中心なら、カスタム開発を検討します。
標準SaaSのデモで業務をどこまで合わせられるかを確かめ、合わない部分だけ追加開発するという方法も有効です。
園児管理システムの外注費用はどのくらいかかりますか?
公開SaaSの例では、基本機能が月額3,000〜10,000円程度です。複数機能を追加すると、月額1万〜4万円程度が初期比較の目安になります。
カスタム開発は園児管理と登降園で300万〜600万円、機能や連携が増えると600万〜4,000万円程度まで幅があります。公開料金や民間概算に基づく目安で、正式見積ではありません。
発注前に園側で準備しておく資料は何ですか?
まず、施設種別、園数、定員、在籍園児数、職員数を準備します。現行帳票、紙・Excel台帳、端末、ネットワークも用意します。さらに、既存システム、移行データ、連携先、希望時期、予算の考え方も整理します。
現場の1日の流れと例外処理は、図や文章で示します。必須機能と将来機能を分けておくと、提案を比較しやすくなります。
園児情報を外部会社に預けるとき何を確認しますか?
閲覧権限、認証、操作ログ、暗号化、バックアップを確認します。さらに、障害通知、再委託、保管場所、削除・返却、契約終了後の保存期間も確かめます。
セキュリティ資料を受け取るだけでなく、園のリスクに対して対策が十分かを確かめます。事故時の報告窓口と連絡期限も、契約に記載します。
まとめ
発注では、まず園の業務とデータを洗い出し、SaaS、パッケージ、ローコード、独自開発から適した形態を選びます。RFPには、機能、権限、移行、連携を記載します。
さらに、セキュリティ、保守、受入条件も記載します。そのうえで、複数社から同じ条件の見積を取り、比較します。
発注前に確認するポイント
比較では、初期費用や月額に加えて、3年TCOを見ます。その中には、移行、端末、研修、帳票が入ります。さらに、決済、保守、解約時のデータ返却も含めます。
- 安全管理:権限、操作ログ、バックアップ、障害時の代替、再委託先の監督を確認します。
- 試行導入:現場の入力負担を測定してから全園展開を判断します。
自園に合う委託先と運用までの見通し
よい委託先は、現場の例外処理、職員研修、保護者説明、導入後の改善まで一緒に設計します。園側も責任者と現場代表を置き、成果指標を継続して確かめます。
この進め方は、園児情報を安全に活用しながら、紙・Excel・電話による二重管理を段階的に減らすことにつながります。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
