給食管理システムの発注は、献立作成だけでなく、食数、発注、検収までを一つの業務として整理してから進めます。あわせて、次の業務も同じ流れで整理します。
- アレルギー対応:対象者の登録から提供結果の記録まで、一連の状態として追跡する
- 給食費:喫食者情報や欠食、減免を含めて、請求から未納管理までを扱う
- 帳票:発注書や検食関連の帳票を、システムから出力する
- 既存システムとの連携:学齢簿や会計システムと、データ項目や更新タイミングを決める
まず、施設規模と運営主体に合う発注形態を選び、RFPで必須要件と追加要件を分けて示します。
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給食管理システム発注の全体像

給食管理システムの外注では、最初から「どの製品を買うか」を決めるのではなく、誰のどの作業をつなげるかを明確にします。
たとえば、献立作成と栄養計算だけを効率化したい施設と、学校・調理場・教育委員会をまたいで発注や給食費まで管理したい自治体とでは、必要な製品も予算も異なります。
発注前に整理する業務範囲
まずは現場の一日を時系列で書き出し、献立の作成から食数の確定、発注までを一つの流れにまとめます。この流れを追うと、食材の計算から納品、調理現場での確認、記録まで、発注の周辺にも作業が続いていることが分かります。
- 必要量の計算:献立と食数から食材の必要量を出し、変更後の発注量も再計算する
- 納品時の検収:納品された食材を、発注の内容と照らして確かめる
- 調理・配膳時のアレルギー対応:除去・代替食を、対象者ごとに照合しながら提供する
- 検食・温度・残食の記録:検食や温度、残食を、献立と合わせて残す
給食費も扱う場合は、業務がさらに広がります。喫食者情報や予定・実績の食数、欠食と減免の扱いに加えて、請求、収納、未納管理まで含まれます。
紙やExcelのまま残す箇所と、システムで管理する箇所を分けておきます。たとえば、献立と食数を連動させるだけでも、変更後の発注量を再計算しやすくなります。また、既存の学齢簿や会計システムと連携する場合は、データ項目、更新タイミング、エラー時の再送方法まで要件に含める必要があります。
運営主体ごとの違い
運営主体が違えば、求められる機能や確認点も変わります。4つの運営主体ごとに、優先される内容を見ておくと、要件の優先順位を決める材料になります。
- 保育園・こども園:離乳食や年齢別の食種、個別アレルギーへの対応、原価計算や監査帳票の扱いやすさが優先されます。
- 小中学校・給食センター:統一献立を複数の調理場へ配信し、学校ごとの食数を集めて納入業者へ一括で発注します。教育委員会による承認も必要です。
- 給食委託会社:複数の受託先をまたいでマスタを管理できるか、施設ごとに異なる帳票の差を吸収できるかを確認します。
- 自治体(給食費の公会計化まで行う場合):献立管理製品だけでは完結しないことがあります。
文京区の公表資料でも、喫食者情報、給食回数の予定・実績、徴収管理状況を区と学校間で共有する給食費管理システムを導入すると説明されています。
具体的には、2025年8月中旬から2026年3月末までを構築期間とし、2026年4月から5年間を運用・保守期間とする計画です。構築費は6,622,000円、5年保守は19,522,800円という提案見積金額が示されています(出典:文京区「給食費管理システム構築及び運用保守委託事業者の選定結果」、2025年)。
給食管理システムの発注形態の選び方

標準的な献立、栄養計算、発注を早く使いたい場合は、クラウドやパッケージを優先するのが現実的です。ただし、自治体独自の給食費や基幹連携が差別化要件になる場合にだけ、個別開発を組み合わせます。
全面的なスクラッチ開発は自由度が高い一方で、安全要件や制度改正への対応を長く自社で管理する負担が大きくなります。そのため、業務のどこを標準機能に寄せるかを先に決めておきます。
クラウド型を外注する場合
クラウド型は、サーバーの設置やバージョンアップを自社で抱えずに、献立や栄養計算、発注などの機能をすぐに使い始められる形態です。そのため、保育園や小規模施設、まず1施設で試したい法人に向いています。
導入前に確認したいのは、複数施設で同じマスタを使えるか、管理者権限を分けられるか、データ移行や帳票変更が料金に含まれるかです。
- 食らぼキッズ:公開料金の例では、初期費用49,800円(税抜)を案内し、データ移行などの初期作業もその内数に含めています。
- ジーシーシーのミールくん:保守料込みで、1年契約が月額6,930円、5年契約が月額6,600円(税込)です。
上の金額は、各サービスの公式料金ページに示された値です(出典:各サービス公式料金ページ、2026年8月確認)。税区分、対象施設、利用者数、帳票の追加、個別連携の条件が異なるため、発注側は金額だけを横に並べて比べるのは避けます。
パッケージ型を導入する場合
パッケージ型は、給食業務で共通する機能を使いながら、帳票やマスタを自施設向けに設定する方法です。
この方式では、食品成分表の更新や栄養計算などをベンダーの知見に任せやすく、ゼロから作るより導入期間を抑えられる可能性があります。
既存業務をすべて再現しようとするとカスタマイズ費が膨らむため、「法令・安全上変えられない業務」と「慣習として残っている業務」を分けます。また、選定時は、製品のデモで標準機能を見るだけでは不十分です。
- 選定時のデモ:実際の献立を一つ登録して食数を変え、アレルギー対象者向けの除去・代替食を確認してもらいます。
- 帳票と連動の確認:発注書と検食関連の帳票まで出力し、献立変更が栄養価、食材量、発注、請求にどこまで連動するかを、操作シナリオで確かめます。
個別開発を組み合わせる場合
個別開発は、給食費の公会計、独自の保護者申請、学校・園・調理場の複雑な権限、既存の住民情報・会計・口座振替との連携など、標準製品では埋まらない部分に限定すると効果的です。
献立や栄養計算まで全面的に作るより、実績ある給食パッケージを中核にして、周辺業務をAPIやCSVで拡張する方が、リスクと費用を管理しやすくなります。
自治体の事例では、岡崎市が学校給食の発注、給食費・学校諸会費の徴収、給食費の債権管理をまとめて扱うシステムをプロポーザルで調達しています。
- 提案金額:2022年度から2028年度までの提案金額は税込99,220,000円です。
- 契約金額:2022・2023年度の契約金額は34,760,000円でした。
この事例は、献立機能だけの価格とは違い、発注・請求・債権管理と運用保守まで含めたライフサイクルの事例として比較します(出典:岡崎市「学校給食費等管理システム構築業務簡易型プロポーザル方式の結果」、2026年1月更新)。
給食管理システムのRFPと要件整理

RFPは、業務の前提と評価基準を各社に同じように示す資料で、提案の土台になります。価格の比較は、その土台のうえで行います。
現行業務、対象施設、利用者、データ量、連携先を先に示します。希望時期、予算区分、保守条件も加えて、提案の範囲を同じ土俵にそろえます。
要件が曖昧なまま相見積もりを取ると、各社が異なる前提で見積もるため、安い会社が本当に安いのかを判断できません。
必須要件と追加要件の分け方
必須要件には、献立作成、栄養価計算、食数を置きます。ほかに、次の項目も必須要件に含めます。
- マスタ管理:食品、料理、アレルゲンの情報を登録し、献立と発注で使えるようにする
- 食材の必要量と発注:必要量の算出から発注、納品・検収までを一つの流れで扱う
- 帳票:献立や発注に関わる帳票を、システムから出力する
- 権限と操作ログ:利用者ごとに権限を分け、誰が何を操作したかを記録する
- バックアップ:データを保存し、復元テストで戻せることを確かめる
アレルギー対応は、対象者の登録だけでなく、医師の指示や保護者同意の確認までを、一連の状態として追跡できることが必要です。追跡は、除去・代替食の決定、調理・配膳時の照合、提供結果の記録まで続けます。
追加要件には、給食費の請求・収納、残食分析、保護者向けの公開、AIによる献立案、需要予測、外部の学齢簿・会計システムとの連携などを置きます。AI機能を採用する場合も、提案や下書きにとどめ、栄養士や管理者が承認してから確定する仕組みにします。とくに、誤った案内が健康被害につながり得る領域では、Human-in-the-Loopと変更履歴が必須です。
RFPに入れる現場シナリオ
RFPには、現場で実際に行う操作を、次のようなシナリオとして入れます。
- 月間献立の作成:一か月分の献立を作り、栄養価と食材量への影響を見る
- 児童数の変更:在籍の増減に合わせた、食数と発注量の変化
- アレルギー対象者の代替食の登録:代替食を献立と調理指示に反映させる
- 食材の納品数量の修正:納品数量が違ったときの、修正から検収までの流れ
- 欠食の反映と給食費の再計算:欠食の日を反映して、給食費を計算し直す
各社には、同じシナリオに対して、デモか画面キャプチャを使い、標準対応か追加開発かの区分を付けて回答してもらいます。
特に確認したいのは、献立変更が栄養価・食材量・発注・帳票へどの範囲で反映されるかです。変更が自動で反映される場合でも、誰が承認し、いつ確定し、元に戻せるかを確認します。
現場の抵抗を抑えるには、業務を一気に変えるのではなく、紙やExcelで残す暫定手順と、本稼働後にそれを廃止する時期を設計します。
非機能要件とデータ移行の明文化
給食管理では、機能が動くことに加えて、運用を支える条件も決めておく必要があります。利用端末とブラウザ、通信できない場合の代替運用、クラウドのデータ保管場所を、RFPに記載します。さらに、バックアップ頻度と復元テスト、障害時の連絡体制も含めます。性能や記録に関する条件は、機能の一覧とは別に、RFPで比べられる形にしておきます。
- 稼働率:システムが止まらずに使える割合の条件
- 応答時間:画面の操作から反応までの待ち時間
- ログ保存期間:操作ログを残しておく期間
- 権限分離:閲覧、登録、変更、出力を、利用者ごとに分ける
- CSV・API連携の仕様:外部とやりとりするデータの形式と、更新のタイミング
自治体の場合は、LGWAN接続や個人情報を扱う委託先の管理、監査対応も評価の対象になります。データ移行では、まず移行対象を洗い出します。食品や料理、栄養成分、アレルゲン、献立のほか、利用者、食数、業者、単価も対象になり、重複や古い表記は整理しておきます。
移行対象、移行回数、変換作業の担当、移行後の検算方法を、見積に分けて書いてもらいます。そのうえで、移行後の栄養価やアレルゲン判定が旧システムと一致するかを、サンプルだけでなく代表的な献立を複数選んで確認します。
給食管理システムの契約形態と進行方法

契約は、製品を利用する契約、設定・導入支援の契約、個別開発の契約、運用・保守の契約を分けて考えると整理しやすいです。
契約書では、名称よりも中身を見ます。何を成果物とするか、どの時点で受け入れるか、仕様変更をどう扱うか、障害やデータ漏えい時に誰が何をするかを確認します。
請負契約と準委任契約の使い分け
一般に、完成したシステムや定めた成果物の納品を目的とする部分は請負契約、要件定義や伴走支援、専門家の作業遂行を目的とする部分は準委任契約が検討されます。給食管理システムでは、要件が固まらないまま全工程を一括の固定価格にすると、後から必要になった安全要件や連携要件が変更費用になりやすいです。
現実的には、現状調査と要件定義を準委任型の支援で進め、仕様を確定したあとに設定・開発・テストを請負で発注するなど、工程に応じて契約を分ける方法があります。
契約の適否は案件と契約書の内容によって変わります。そのため、発注者側の法務や専門家にも確認し、成果物、検収、知的財産、再委託、秘密保持、個人情報の取扱いを明記します。
発注から本稼働までの工程
工程は、現状調査、RFP作成、提案・見積比較の順に進め、契約のあとに要件定義へ入ります。要件定義のあとは、設計・設定から効果測定まで、順を追って進みます。
- 設計・設定:要件をもとに、画面や帳票、マスタを整える
- データ移行とテスト:既存データを移し、移行後の栄養価やアレルゲン判定を確かめる
- 研修と並行稼働:利用者に操作を覚えてもらい、旧システムと並べて使う
- 本稼働:食数や発注、請求の区切りを見て日を決め、リリース判定をする
- 効果測定:稼働後に、導入の効果を測る
小規模なクラウド導入なら初期設定と移行を含めて数週間から2か月程度、複数施設へのパッケージ展開なら3〜6か月、自治体の新規構築なら調達を含めて6〜12か月以上が、検討時の目安です。ただし、実際の期間は施設数、連携、データ品質、調達手続きで変わります。
本稼働日は、献立を切り替える日だけでなく、食数の確定、発注の締切、納品、請求、年度更新の境目を見て決めます。たとえば、年度初めに給食費を公会計化する場合は、前年度の未納や減免情報をどう引き継ぐかを先に検証します。また、障害時に紙へ戻す場合の様式、入力再開後の二重登録防止、問い合わせ窓口もリリース判定に含めます。
変更管理と検収の決め方
給食現場では、自治体帳票の変更や食品成分表の更新、学校行事、アレルギー対応の追加などによって、要件が動きます。そのため、変更を受けてから開発に入るまでの進め方を先に決めておきます。決めておく点は5つです。
- 受付者と影響範囲の確認者:変更依頼の入口と、影響の大きさを見る人を決める
- 承認者:変更を開発に進めてよいかを判断する人
- 費用と納期の伝え方:変更にかかる金額と期間を、依頼した側へどう伝えるか
- 口頭の追加要望の扱い:そのまま開発に流さず、変更依頼の形に直してから扱う
- 変更の優先度:安全性、法令・監査、業務継続、効率化の順で評価する
検収では、画面が表示されるかだけでなく、代表献立の栄養価やアレルゲン帳票、食数変更後の発注量などを確認します。さらに、納品実績、欠食・減免、権限、ログ、バックアップの復元も対象にします。
発注側は、RFPに書いた操作シナリオを受入テスト項目へ変換し、栄養士、調理場、学校事務、教育委員会など実際の利用者が確認した記録を残します。
給食管理システムの費用相場と見積の内訳

給食管理システムの費用は、施設数、食数、利用者数で大きく変わります。そのほかに、次の点でも費用が変わります。
- 標準機能の範囲:標準の機能で足りる部分と、個別に作る部分の境目
- 帳票変更:施設や自治体ごとに、帳票の形式を合わせる作業
- データ移行:既存データをどこまで移し、どこを整理するか
- 連携・セキュリティ:外部システムとの接続と、セキュリティ対策の範囲
- 保守期間:運用・保守をどの期間まで契約するか
公開価格がある小規模クラウドと自治体の調達事例は、同じ相場として扱わないようにします。初期費用、月額・年額、追加開発、5年総額を分けて比較します。
小規模クラウドの公開価格の目安
保育園・こども園向けの小規模クラウドは、公開価格を初期検討の下限として使えます。2つのサービスの公開料金を並べて見ます。
- 食らぼキッズ:初期費用は約5万円で、年額は公開料金表の条件に応じた価格帯を案内しています。
- ミールくん:月額6,600〜6,930円(税込・保守料込み)を掲載しています。
前者は税抜の初期費用、後者は税込の月額であるため、契約期間と税をそろえて比較します(出典:食らぼキッズ、ミールくん公式料金ページ、2026年8月確認)。公開価格から見ると、単一施設のクラウド利用は初期約5万円、月額約6,000〜7,000円程度が一つの参考になります。
ただし、複数施設の管理、本部アカウント、独自帳票、外部連携、個別のデータクレンジングが加わると、別見積になる可能性があります。価格表を見つけたら、含まれる作業と含まれない作業を質問票で確認します。
パッケージと個別開発の費用レンジ
施設単位のパッケージ導入は、端末設定、マスタ整備、帳票追加、研修、サーバーやバックアップを含めると、初期50万〜300万円程度、保守・利用料は年10万〜100万円程度が検討時の推定レンジです。
これは、給食管理パッケージと類似業務システムの価格水準から整理した目安で、全案件に当てはまる公定相場ではありません。そのため、見積書には、標準設定と追加開発を分けて記載してもらいます。
自治体全体で発注、給食費、徴収、債権管理、複数施設、外部連携まで新規構築する場合は、初期3,000万〜1億円超、運用保守を含む5〜7年総額で5,000万〜1億円超になる可能性があります。ただし、岡崎市の7年間提案99,220,000円や、文京区の構築・5年保守の公表金額は、規模と対象業務が異なるため、あくまで業務範囲を読み解くベンチマークとして使います。
見積書で分けるべき費用
比較用の見積書では、ライセンスまたは月額利用料と、初期設定の費用を分けます。ほかに、次の費用も項目ごとに分けます。
- マスタ登録と移行:食品・料理のマスタ登録と、既存Excelからの移行の費用
- 帳票とAPI・CSV連携:帳票のカスタマイズと、外部とのデータ連携の費用
- 認証・権限と端末・ネットワーク:利用者の認証と権限、端末や通信環境の整備
- 研修と問い合わせ対応:利用者への研修と、問い合わせ窓口を運用する費用
- 保守:バックアップ、法改正対応、障害対応を含む、5年分の保守料
一式表記がある場合は、作業内容、数量、単価、担当範囲、前提条件を確認します。
安い見積でも、データ移行や研修が別料金になっていたり、問い合わせ時間が限られていたり、帳票変更が有料だったりすることがあります。
反対に、高い見積には、手厚い移行・研修、冗長化、24時間監視、複数回のリハーサルが含まれる場合があります。初期価格ではなく、導入から5年間の総支払額と発注者側の人件費で判断します。
給食管理システムの委託先選定と見積比較

委託先は、開発会社の知名度だけでなく、給食業務への理解、現場支援、制度改正、セキュリティ、連携、障害時の対応まで含めて選びます。
提案書の見栄えや初期価格を評価の中心にすると、導入後に現場が使えない、追加費用が続く、担当者が変わって引き継げないといった問題が起きます。
給食業務の実績と対象規模の確認
実績は「導入件数」だけでなく、保育園、学校、給食センター、自治体、委託給食のどこに強いかを確認します。そのうえで、事例ヒアリングでは5つの点を質問します。
- 導入の経緯と対象規模:導入前の困りごとや、施設数と食数
- 利用者と現場研修:現場で操作する人の職種と、研修の進め方
- 移行データと稼働までの期間:既存データをどこまで移したか、契約から本稼働までにかかった時間
- 障害件数:稼働後に起きた障害の数
- 追加開発の有無:後から個別開発が必要になったか
株式会社日立産業制御ソリューションズの「給食マイスター」は、複数施設の統一献立や一括見積・発注、任意のアレルゲン50項目などを案内しています。プライベートクラウドやLGWAN導入実績も示されています(出典:同社公式製品情報、2026年8月確認)。
自社と同じ運営形態の事例を、担当者の許可を得て具体的に確認できるかを見ます。また、公開されている自治体事例でも、構築費だけでなく保守期間やライフサイクルコストを含めて評価しているケースがあります。自社だけでなく、近い規模の導入先で同じ課題が解決されているかを確かめます。
提案と見積の比較基準
各社の回答は、機能適合と業務理解を含む項目で採点します。残りは、導入の進め方から保守の体制まで、同じ基準で比べます。
- 導入体制:導入を進める担当者と、現場への支援の範囲
- セキュリティ・継続性:個人情報の扱いと、運用を続けられるかどうか
- 連携性:既存の学齢簿や会計システムとつながるか
- 費用透明性:見積の内訳や前提が分かるか
- 保守・サポート:問い合わせや法改正への対応が続くか
機能適合では、必須要件への対応を「標準」「設定」「追加開発」「対応不可」に分けます。価格は、初期費用、年額、追加費用、5年総額、発注者側の作業に分けて見ると、前提の違いが見えます。
デモには、営業担当だけでなく、導入後のプロジェクト責任者やサポート担当にも参加してもらいます。その場で質問への回答が曖昧な場合は、提案書の前提条件に残してもらいます。
担当者の経験に頼った説明ではなく、標準手順書や問い合わせ窓口、SLA、障害報告、法改正時の更新手順が文書で示されるかを確認します。
個人情報と衛生管理の責任分界
アレルギー情報、園児・児童情報、給食費の収納情報などは、アクセス権限と利用目的を厳格に管理します。個人情報保護委員会が示す要配慮個人情報の考え方を踏まえ、誰が閲覧・登録・変更・出力できるか、ログをどの期間保存するか、委託先や再委託先がどう扱うかを、契約と運用手順に落とし込みます。システムで制御できない運用は、現場の注意に任せきりにせず、手順に組み込みます。
衛生管理では、帳票の出力に加えて、点検の記録と改善の流れも必要です。厚生労働省は、集団給食施設について、HACCPの考え方に基づく重要管理事項の点検・記録と必要な改善措置を求めています。
検収、温度、加熱、配膳、検食、異常時の是正履歴を電子化する場合は、入力者、承認者、変更履歴を委託先と確認します。また、未入力アラートや通信障害時の代替方法についても、委託先と取り決めておきます(出典:厚生労働省「食品等事業者の衛生管理に関する情報」、2026年8月確認)。
給食管理システム発注でよくある質問

給食管理システムの発注では、費用のほかに、既存業務への適合、アレルギー対応、データ移行、保守の範囲についての質問が多く寄せられます。発注前に特に確認したい疑問に、直接答えます。
給食管理システムはクラウドとスクラッチのどちらがよいですか?
標準的な献立、栄養計算、食数、発注、帳票を早く導入したい場合は、クラウドやパッケージが適しています。
自治体独自の給食費や基幹連携、複雑な権限が中心になる場合は、標準製品を使いながら周辺機能を個別開発する構成を優先します。
スクラッチを選ぶ場合は、食品成分表やアレルギー、帳票などに加え、法改正と保守を長く担える体制まで評価します。
給食管理システムの見積は何社から取るべきですか?
要件をそろえたうえで、少なくとも複数社から同じ条件の提案を取り寄せます。
社数だけを増やすより、給食業務に実績がある会社、標準パッケージに強い会社、連携や個別開発に強い会社など、異なるタイプを比較するほうが有効です。
各社には、見積の前提、標準と追加開発の区分、5年総額、発注者側の作業を、同じ様式で回答してもらいます。
アレルギー対応はどこまで要件に含めるべきですか?
要件には、登録だけでなく、情報の承認、除去・代替食の決定、献立・発注・調理指示への反映までを含めます。加えて、配膳時の照合や提供結果、変更履歴の保存も求めます。
食品ごとのアレルゲン、コンタミネーション、含有量を管理できるか、対象者別の帳票を出せるか、誤登録時に承認者へ通知できるかを、操作シナリオで確認します。なお、最終的な判断は、栄養士や責任者が行える業務設計にします。
導入後の保守費用は何を確認すべきですか?
問い合わせ窓口と受付時間、障害の優先度や復旧目標を確認します。あわせて、バックアップと復元が保守に含まれるかも見ます。次の対応も含まれるかを確かめます。
- OSやブラウザの更新:使う環境が変わったときの対応範囲
- 食品成分表や帳票の改定:成分表の更新と、帳票の形式変更が含まれるかどうか
- 法改正への対応:制度の変更に伴う対応が、保守料に入っているかどうか
軽微な設定変更と追加開発の単価も確認します。
保守は、範囲の広さよりも、現場が必要な変更を依頼できるか、料金と納期が事前に分かるかで見ます。また、5年分の更新費用と、契約終了時のデータ返却方法も確認します。
まとめ

給食管理システムの発注・外注・委託では、施設規模と運営主体に合わせて、クラウド、パッケージ、個別開発の範囲を決めます。
RFPには、献立から連携・セキュリティまでを業務シナリオで記載し、標準対応と追加開発を分けて提案してもらいます。
発注前の最終確認
最終比較では、初期費用だけでなく、ライフサイクルコストを確認します。月額・年額、追加開発、データ移行も含めて見ます。ほかに、次の項目も比べます。
- 研修:利用者が操作を覚えるまでの支援の範囲
- 保守:問い合わせや修正への対応の期間と範囲
- 法改正対応:制度の変更に、契約内でどう応じるか
- 障害時の代替運用:システムが使えないときに、紙やExcelで回す方法
発注側は、実際の献立と食数を使ったデモ、アレルギー帳票の確認、権限・ログ・バックアップの検証を行い、担当者が変わっても支援が続く体制かを見極めます。
安全性と説明責任を価格より先に評価することが、給食現場に定着する発注につながります。
次に行うアクション
まず、現行の業務の流れを一枚に整理し、必須要件と追加要件を分けます。流れの中心は、献立、食数、発注の3つです。さらに、アレルギー対応と給食費を加え、帳票と連携も同じ一枚に入れます。
次に、同じ操作シナリオと見積フォーマットを複数の候補へ渡し、導入費と5年総額、現場支援、セキュリティ、契約条件を比較します。
最後に、要件定義から伴走できる開発会社へ相談すると、標準機能を生かしながら必要な個別開発だけに投資しやすくなります。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
