セキュリティ情報イベント管理(SIEM)開発の見積相場や費用/コスト/値段について

セキュリティ情報イベント管理(SIEM)開発の費用は、クラウドSIEMの導入支援で初期50万〜300万円、月額10万〜50万円程度が一つの目安です。ただし、ログ量、保存期間、検知ルール、24時間監視の有無で金額は大きく変わります。

この記事では、セキュリティ情報イベント管理(SIEM)の開発費用について、初期費用と月額費用の内訳、製品の料金体系、開発期間、見積もりが高くなる要因、コストを抑える進め方まで解説します。予約・会員サービスを想定し、不正ログインや管理者権限の悪用、個人情報を含むログの扱いも具体的に説明します。

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セキュリティ情報イベント管理(SIEM)とは何ですか?

セキュリティ情報イベント管理(SIEM)の全体像

セキュリティ情報イベント管理(SIEM)は、サーバー、ネットワーク、クラウド、認証基盤、エンドポイント、業務アプリケーションなどのログを集約し、複数の情報を相関分析して、攻撃や不正操作の兆候を検知する仕組みです。ログを保管するだけではなく、検知、調査、対応、監査報告までをつなぐ運用基盤と考えると、開発範囲と費用を整理しやすくなります。

ログを集めるだけではなく相関分析と対応まで行う仕組みです

SIEMの基本機能は、Syslog、Windowsイベント、クラウド監査ログ、API、エージェントなどからの収集、時刻や項目をそろえる正規化、複数のログを組み合わせる相関ルール、アラートの優先順位付け、ケース管理、検索、ダッシュボード、脅威ハンティングです。さらに、脅威インテリジェンスやUEBA(ユーザー・エンティティ行動分析)、SOARとの連携を加えると、チケット起票、アカウント停止、通信遮断などの自動化も可能になります。

Microsoft Learnの公式説明でも、Microsoft Sentinelはマルチクラウド・マルチプラットフォームのデータ収集、脅威検知、調査、ハンティング、プレイブックによる対応自動化を提供するクラウドネイティブSIEMとされています(出典: Microsoft Learn、2026年5月更新)。このように、製品の画面を用意することだけでなく、どの事象を誰が何分以内に調査するかまでが開発・導入の対象となります。

予約・会員サービスでは認証と業務操作のログが優先されます

予約・会員サービスで最初に対象にするログは、会員登録、ログイン、MFA、パスワードリセット、予約変更・キャンセル、管理画面操作、決済連携、APIゲートウェイ、WAF、データベース、クラウド管理操作です。たとえば、短時間に多数の会員アカウントへログインを試みた後、同じIPアドレスから予約変更が続く場合は、認証ログと業務ログを組み合わせることで単体の監視よりも判断しやすくなります。

ただし、氏名、メールアドレス、予約履歴などの個人データをログへそのまま出力すると、SIEMの検索者や保管先が新たなリスクになります。ログのマスキング、トークン化、アクセス権分離、改ざん困難な保管領域、検索履歴の監査を要件に含めることが重要です。個人情報保護委員会のガイドラインを参照し、ログに何を残し、何を残さないかを業務部門と決める必要があります。

SIEM開発・導入はどのように進めますか?

SIEM開発・導入の進め方

SIEM開発は、いきなり全システムのログを取り込むのではなく、守るべき資産と検知したい業務リスクを決め、少数のログで検証してから拡張する進め方が現実的です。製品を先に決めると、不要なログまで収集して費用とアラートが膨らみやすいため、要件、PoC、本番設計、試運転の順に判断します。

要件定義で守る資産と検知ユースケースを決めます

最初に、守るべき資産、想定する脅威、ログの保存期間、個人情報の範囲、既存のWAF・EDR・ID基盤・チケット管理との連携、一次対応と二次対応の担当者を棚卸しします。予約・会員サービスなら、不正ログイン、管理者権限の異常利用、短時間の大量予約・キャンセル、決済APIの異常、WAF検知後のデータベースアクセスなど、業務に直結する5〜10個の検知ユースケースから始めると評価しやすくなります。

ここで「すべてのログを保存する」という要件にすると、費用の見積もりが不安定になります。セキュリティ上必ず必要なログ、調査時だけ参照できればよいログ、SIEMへ送らず原本保管するログに分け、重要度と保存期間を決めます。業務部門が求める監査証跡と、セキュリティ担当者が必要とする分析用データを分けて整理することがポイントです。

PoCでログの有効性と運用負荷を測定します

PoCでは、認証ログ、WAFログ、クラウド監査ログなど2〜3種類を取り込み、実際のサンプルログで正規化、検索、相関ルール、通知、ケース管理を確認します。評価指標は、検知できたユースケース数だけでは不十分です。アラートの有効率、誤検知の割合、平均検知時間(MTTD)、平均復旧時間(MTTR)、一件の調査にかかる時間、担当者が一日に処理できる件数も測定します。

PoCの結果、アラートが多すぎる場合は、ルールの条件、除外対象、重大度、通知先を調整します。自動でアカウント停止や通信遮断を行う場合も、最初から完全自動にせず、人が承認してから実行するHuman-in-the-Loop方式で安全性を確認します。PoCを合格条件付きの意思決定工程にすると、本番後の手戻りを抑えられます。

本番設計では運用手順とチューニングを成果物に含めます

本番フェーズでは、ログ収集経路、障害時の再送、権限、暗号化、保存先、検索権限、バックアップ、検知ルール、通知経路、インシデントのエスカレーション手順を固めます。導入会社へ依頼する場合は、基本設計書、ログ一覧、ルール一覧、チューニング履歴、運用手順書、試運転結果、教育資料を納品物として明記します。

NTTデータのSIEM構築支援でも、企画、リスク分析、構築、運用導入までを支援し、導入後はシステム変更や攻撃手法の変化に応じたチューニングが必要と説明されています(出典: NTTデータ公式、2026年確認)。SIEMは納品日に完成するシステムではなく、運用開始後に検知精度を育てるサービスであると理解することが大切です。

SIEM開発の費用相場とコストの内訳

SIEM開発の費用相場とコスト内訳

SIEMの費用は、製品やクラウドの利用料だけでなく、要件定義、ログ接続、正規化、検知ルール、ダッシュボード、テスト、教育、運用監視を合算して考えます。以下の金額は2026年時点で公開されている比較情報とリサーチノートをもとにした目安であり、ログ量、システム数、監視時間、契約範囲によって変わるため、固定価格として扱わないでください。

クラウドSIEM導入支援は初期50万〜300万円、月額10万〜50万円が目安です

クラウドSIEMの導入支援は、初期50万〜300万円、月額10万〜50万円程度が目安です。初期費用には、対象ログの整理、テナントやワークスペースの初期設定、ログ収集設定、基本ルール、通知先、ダッシュボード、テストが含まれることが多くなります。独自の業務アプリケーションからログを取り込むコネクタやパーサを作る場合は、標準設定だけの案件より高くなります。

月額費用には、製品のデータ取り込み・保存・検索料金、クラウド基盤の関連サービス、ルール実行、バックアップ、保守、定例報告などが含まれます。Microsoft Sentinelの公式料金ページでは、分析対象データ量を軸に従量課金し、Pay-As-You-Goとコミットメント階層を選べる構成が示されています(出典: Microsoft Azure公式料金ページ、2026年確認)。したがって、月額を見積もるときは一日のログ量をGBで計測する必要があります。

オンプレミス型は初期300万〜800万円、月額30万〜100万円が目安です

オンプレミス型の構築支援は、初期300万〜800万円、月額30万〜100万円程度が目安です。サーバーやストレージ、ネットワーク、冗長化、閉域接続、バックアップ、ライセンス、設計、構築、保守を自社側で用意するため、初期工数が大きくなりやすい方式です。金融、公共、医療など、ログの保管場所や外部送信に強い制約がある場合は候補になりますが、ハードウェア更新や障害対応も長期費用に含める必要があります。

クラウドとオンプレミスの選択は、初期費用だけで決めてはいけません。5年程度の利用期間で、機器の更新、データセンター、バックアップ、運用担当者、容量追加、障害復旧を含めた総保有コストを比較します。閉域要件を満たすクラウド構成や、ログを別の保管領域に置いて分析対象だけをSIEMへ送る方式もあるため、要件を確認してから方式を決めます。

マネージドSIEM・SOCは初期0万〜200万円、月額50万〜200万円が目安です

マネージドSIEMやSOC運用を外部委託する場合は、初期0万〜200万円、月額50万〜200万円程度が目安です。初期費用が低くても、監視対象機器の追加、ルール設計、月次報告、緊急遮断、脅威ハンティング、インシデント対応をオプションとして分けている場合があります。24時間365日の有人監視に加え、インシデント対応や脅威ハンティングまで含めると、月額150万〜500万円程度まで上がるケースもあります。

SCSKセキュリティの公式サービスでは、24時間365日のリアルタイム分析、セキュリティインシデント管理、月次レポート、SIEMの運用管理を基本メニューとして示し、任意ログの分析、ログ検索、ルールチューニング、緊急遮断などをメニュー化しています(出典: SCSKセキュリティ公式、2026年確認)。このように、監視時間と対応範囲を分けて確認することが、月額費用の比較では重要です。

SIEMの料金体系と開発期間はどのくらいですか?

SIEMの料金体系と開発期間

SIEMの料金は、製品のライセンス形態によって、ユーザー数、ノード数、データ量、保存容量、分析量、監視対象機器数などを基準に算出されます。開発期間は、ログの種類と運用設計の深さで変わるため、見積書では初期設定の納期だけでなく、PoC、ルールチューニング、試運転、本番移行の期間を分けて確認します。

従量課金は一日のログ量と保存期間を掛け合わせて考えます

従量課金型では、一日に取り込むログ量、分析対象にする割合、保存期間、検索頻度、クエリ結果の保存、バックアップを分けて試算します。たとえば、平常時と繁忙期でログ量が大きく変わる予約サービスでは、平均値だけでなくピーク時のデータ量を確認しないと、契約したコミットメント階層を超えて追加料金が発生する可能性があります。

Amazon Security Lakeの公式料金では、初期費用のない従量制で、データの取り込みと正規化を軸に課金し、Amazon S3の保存、AWS GlueやEventBridgeなどの関連サービス、クエリ、データ転送は別途費用になると説明されています。公式例では、CloudTrailなど合計1,536GBのデータについて、取り込みと正規化の料金だけで月額693.76米ドルとなっています(出典: AWS公式料金ページ、2026年確認)。実際の見積もりでは、SIEM本体以外の費用を必ず加算します。

PoCは4〜8週間、標準導入は2〜4か月、大規模導入は6〜12か月が目安です

ログ2〜3種類と基本ルールだけで始めるPoCは4〜8週間、認証、WAF、クラウド、データベース、業務アプリケーションなど5〜10種類を取り込む標準導入は2〜4か月が目安です。複数拠点、オンプレミスとの接続、20種類以上のログ、高度なSOAR、24時間運用、既存SOCとの統合まで含める場合は6〜12か月を見込むと安全です。

期間を短くしたい場合でも、ログ接続と検知ルールを同時に増やしすぎると、試験不足のまま本番化する危険があります。まず重要な認証・管理者操作・WAFなどで運用を開始し、月次で対象ログとユースケースを追加する段階導入の方が、費用と品質のバランスを取りやすくなります。

大規模事例でもログを選別することが費用管理につながります

AWS公式のSiemens事例では、Amazon Security Lakeを使って800超のAWSアカウントのセキュリティデータを集約し、日々5〜7TBを取り込んだうえで、Splunkへ詳細分析用として送るデータを600GBに絞っています。その結果、データ量を90%削減し、年間130万ドルを削減したと報告されています(出典: AWS公式導入事例、2026年確認)。これは大規模企業の事例であり、そのまま予約サービスの費用に当てはめられませんが、すべてのログを同じ粒度で分析しない考え方は参考になります。

自社で同じ効果を目指す場合は、ログを捨てるのではなく、原本保管とSIEM分析を分け、検知に必要な項目だけを正規化して送ります。個人情報や決済情報をマスキングしながら、調査に必要な識別子と時系列を残す設計が、セキュリティとコストを両立させる方法です。

SIEMの見積もり費用が変動する5つの要因

SIEMの見積もり費用が変動する要因

同じ製品を使っても、SIEMの費用は企業ごとに大きく異なります。特に、取り込むログの量、連携するシステム数、検知ルールの作り込み、監視と対応の時間帯、個人情報や閉域環境などのガバナンス要件が、初期費用と月額費用の両方に影響します。

ログ量と保存期間が従量課金とストレージ費用を左右します

ログ量が増えるほど取り込み、正規化、分析、保存、検索の費用が増えます。アクセスが集中する繁忙期、キャンペーン、障害発生時は平常時よりログが増えるため、1日平均だけでなく最大値を把握します。90日、1年、3年などの保存期間をすべて高性能な分析領域に置くのか、古いログを安価なアーカイブへ移すのかでも月額費用は変わります。

ログの種類と独自コネクタの数で開発工数が変わります

標準コネクタがある認証基盤やクラウドサービスは設定中心で進めやすい一方、独自開発の予約システム、古い業務アプリケーション、特殊なネットワーク機器は、ログ形式の解析、パーサ開発、エラー時の再送、仕様変更への対応が必要になります。ログ源が10種類から20種類に増える場合は、単純に接続数が2倍になるだけでなく、相関ルールとテストパターンも増えるため、見積もりの前提を明確にします。

検知ルールとダッシュボードを業務専用にするほど初期費用が増えます

製品に標準搭載されたルールだけを使う場合と、自社固有の不正パターンを数十個設計する場合では、要件定義、実装、テスト、チューニングの工数が異なります。予約・会員サービスでは、同一会員への多数のログイン失敗、異常な地域からのログイン、管理者による営業時間外の大量操作、決済APIの連続失敗などを、通常の業務パターンと区別する必要があります。

ダッシュボードも、単なる件数表示なら設定で済みますが、会員、端末、IP、予約、決済、管理者権限を時系列で追える画面にすると設計工数が増えます。見積もりでは「標準ルールの適用」と「業務ユースケースの新規作成」を分け、ルールごとのテスト件数とチューニング回数を確認すると比較しやすくなります。

監視時間とインシデント対応の範囲で月額費用が変わります

平日の日中だけ通知する運用と、24時間365日リアルタイムで分析し、重大インシデントの一次判定、緊急遮断、端末隔離、顧客連絡まで行う運用では、必要な人員と契約責任が異なります。SOCやMDRを利用する場合は、監視対象、一次通知、封じ込め、復旧支援、報告書、再発防止提案のどこまで含むかを明記します。

閉域環境や個人情報対策が必要な場合は設計範囲が広がります

ログを社外へ出せない、特定リージョンに保管する、担当者ごとに検索権限を分ける、操作履歴を改ざん困難に保つといった要件は、ネットワーク、暗号鍵、認証、監査、バックアップの設計に影響します。会員情報や予約内容を含む場合は、マスキング・トークン化の実装と、マスキング後でも調査できる相関IDの設計が必要です。

SIEM開発・運用のコストを最適化するポイント

SIEM開発・運用のコスト最適化

SIEMのコスト最適化は、安い製品を選ぶことではなく、検知に有効なデータへ予算と運用工数を集中することです。ログを減らしすぎると調査に必要な証拠を失うため、原本保管、分析対象、短期・長期保存を分け、セキュリティ水準を下げずに無駄な取り込みを抑えます。

重要なログとユースケースから段階的に始めます

初期リリースでは、会員認証、管理者操作、WAF、クラウド監査など、被害の大きい領域へ対象を絞ります。最初から全サーバー、全アプリケーション、全ネットワーク機器を取り込むと、月額の従量費用だけでなく、アラートを読む人の工数も増えます。4〜8週間のPoCで有効な検知を確認し、KPIを満たしたログだけを拡張する方法が堅実です。

ログを選別しマスキングすることで費用とリスクを同時に抑えます

同じログでも、検知に必要な項目と、調査時の補助情報は分けて扱えます。分析用には認証結果、ユーザー識別子のハッシュ、IPアドレス、端末識別子、操作種別、時刻、相関IDを送り、氏名やメールアドレスなどはマスキングする設計が一例です。高頻度で発生する正常イベントをまとめたり、原本を低コストのストレージへ置いたりすることで、SIEMの分析量を適正化できます。

標準コネクタと既存ルールを使いフルスクラッチ開発を避けます

SIEMの相関エンジンやケース管理をゼロから開発すると、検知ロジック、検索性能、権限、監査、アップデート、障害対応を長期的に保守する必要があります。クラウドSIEMやパッケージのコネクタ、標準ルール、SOAR、ダッシュボードを活用し、業務固有のコネクタ、マスキング、承認フローだけを追加開発する方が、初期費用と将来の保守費用を抑えやすくなります。

自動対応は承認付きから始めて誤操作の損失を避けます

SOAR連携でアカウント停止や通信遮断を自動化すると、対応時間を短縮できる一方、誤検知で正規会員や業務担当者を止めるリスクがあります。最初はアラートからチケットを自動起票し、担当者が内容を確認して承認した場合だけ隔離や停止を行う設計にします。検知精度と対応時間が安定してから、低リスクの処理だけを完全自動化する段階が安全です。

MTTD・MTTRと誤検知率を月次で測り運用費を管理します

導入後は、検知件数だけでなく、有効アラート率、誤検知率、MTTD、MTTR、未処理件数、ルール別の調査時間、ログ源別の費用を月次で確認します。使われていないルール、同じ内容を重複して通知するルール、分析費用に対して成果が低いログ源を見直すと、セキュリティ水準を維持しながら運用負荷を下げられます。

SIEMの見積もりを取る際のポイント

SIEMの見積もりを取る際のポイント

SIEMは、製品価格だけを並べた見積もりでは比較できません。発注前に、ログ量、保存期間、検知ユースケース、監視時間、一次対応、データ保管場所、既存システムとの連携、納品物を整理し、初期費用、月額費用、追加費用、将来拡張費用を同じ条件で提示してもらいます。

RFPにはログ一覧と検知シナリオを具体的に書きます

RFPには、システム名、環境、ログ形式、1日平均とピークのログ量、送信頻度、保存期間、個人情報の有無、保管リージョン、想定する攻撃、必要な通知先、対応時間、既存のチケット・チャット・ID管理との連携を記載します。検知シナリオは「不正ログインを検知する」だけでなく、「同一IPから一定時間内に複数会員へログイン失敗が続き、成功後に予約変更が発生した場合」のように、使うログと判定条件を示します。

また、PoCの合格条件も書きます。たとえば、指定した5〜10個のユースケースが再現できること、重大アラートが担当者へ届くこと、検索に必要な相関IDが確認できること、誤検知の調整方法が残ること、個人情報がマスキングされることを確認項目にします。

複数社の見積もりは同じ作業範囲で比較します

比較する会社は、製品を提供するメーカー、導入・構築を担うSIer、監視・分析を担うSOCやMDR事業者を分けて考えます。製品ベンダーの見積もりが安く見えても、ログの接続、ルール作成、運用設計、24時間監視が別契約である場合があります。逆にマネージドサービスは月額が高く見えても、専任人材、監視基盤、定例報告、インシデント判定まで含む可能性があります。

見積もり比較では、初期費用、製品・クラウド費用、ログ課金、保守、監視、ルール追加、ルールチューニング、緊急対応、教育、データ移行を同じ項目に分解します。ITreviewの2026年公開情報でも、オンプレ構築支援型、クラウドSIEM導入支援型、マネージドSIEM運用型で初期費用と月額費用の相場が異なると整理されています(出典: ITreview、2026年確認)。

契約前に責任分担と個人情報の取り扱いを確認します

重大アラートが出たときに、誰が一次判定し、誰が顧客や経営層へ報告し、誰がアカウント停止や通信遮断を承認するのかを決めます。SIEM事業者が検知しても、業務システムの停止判断まで請け負うとは限らないため、SLA、連絡手段、対応時間、休日対応、証跡、再発防止報告の範囲を契約書へ記載します。

会員情報や予約情報を含むログを外部のSOCへ送る場合は、データの保管場所、アクセスできる担当者、再委託先、暗号化、削除方法、事故時の連絡、監査方法を確認します。外部送信が難しい場合は、ログを自社環境に保持したまま分析基盤を運用するサービスや、機密項目をマスキングして送る構成も候補になります。

よくある質問

セキュリティ情報イベント管理(SIEM)のよくある質問

SIEMの費用を検討するときは、製品価格だけでなく、必要なログ、運用体制、対応範囲、保存要件を一緒に考える必要があります。ここでは、導入前に特に質問されやすい点を、費用と実装の観点から回答します。

中小規模の予約・会員サービスにもSIEMは必要ですか?

中小規模のサービスでも、個人情報、認証情報、決済連携、管理者権限を扱うなら、重要ログに絞ったSIEMを検討する価値があります。全システムを対象にする必要はなく、クラウドSIEMの小規模構成やマネージドサービスで、認証・WAF・管理者操作から始めると費用を抑えやすくなります。

月額10万円程度でSIEMを運用できますか?

小規模なクラウドSIEMで、対象ログ、保存期間、検索頻度、ルール数を限定すれば、月額10万円台から始められる可能性があります。ただし、24時間365日の有人監視、ルールの継続チューニング、緊急対応、脅威ハンティングまで含める場合は、月額50万〜200万円程度、対応範囲が広い場合はさらに高いレンジを見込みます。

クラウドSIEMとオンプレミス型はどちらを選ぶべきですか?

クラウドSIEMは短期間で始めやすく、ログ量に応じて拡張しやすい一方、従量課金とデータ保管場所の確認が必要です。オンプレミス型は閉域や自社保管の要件に対応しやすい一方、初期300万〜800万円程度の構築費用に加え、機器、保守、容量追加、障害対応の費用が発生するため、5年程度の総額で比較します。

SIEMを導入すればSOCや専門人材は不要になりますか?

SIEMを導入しても、アラートの業務影響を判断し、対応を承認する担当者は必要です。社内に専門人材が少ない場合は、マネージドSIEMやSOCへ一次監視・分析を委託できますが、緊急時の連絡先、停止判断、復旧責任、報告先を社内で決めておく必要があります。

まとめ

SIEM開発の費用相場まとめ

セキュリティ情報イベント管理(SIEM)の開発費用は、クラウドSIEM導入支援で初期50万〜300万円、月額10万〜50万円、オンプレミス型で初期300万〜800万円、月額30万〜100万円、マネージドSIEM・SOCで初期0万〜200万円、月額50万〜200万円が公開情報に基づく目安です。24時間365日の有人対応、脅威ハンティング、インシデント対応まで含めると、月額150万〜500万円程度まで上がる場合があります。

費用は製品料金と開発・運用人件費を分けて見積もります

金額を比較するときは、ログ量、保存期間、コネクタ、検知ルール、ルールチューニング、監視時間、インシデント対応、教育、個人情報対策を分解します。製品の従量課金だけで判断せず、導入後にアラートを分析する人の工数と、障害・攻撃時に対応する契約範囲まで含めて総額を確認することが重要です。

まずは5〜10個の検知シナリオとログ量を整理します

最初の一歩は、守るべき資産、認証・WAF・管理者操作などの優先ログ、5〜10個の検知シナリオ、平均・ピークのログ量、保存期間、一次対応者を整理することです。4〜8週間のPoCで有効性と運用負荷を測り、段階的に対象を広げることで、不要なログ課金と誤検知による人件費を抑えながら、実際に使えるSIEMへ育てられます。

SIEMは導入すれば自動的に安全になる製品ではなく、検知後に誰が何をするかまで設計して初めて効果を発揮します。自社のクラウド構成、個人情報の扱い、運用人材、事業継続要件をもとに、製品ベンダー、構築会社、SOC事業者の役割を整理して見積もりを依頼してください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。