スキルマッチングシステムは、人材のスキルや経験と案件要件を照らし合わせ、候補の検索から承認、アサインまでを支える業務システムです。
用途は社内型、人材事業型、外部マーケット型の三つに分かれ、型ごとに必要な機能と運用範囲が変わります。詳しくは下の関連記事もご覧ください。
▼関連記事一覧
・スキルマッチングシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・スキルマッチングシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・スキルマッチングシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・スキルマッチングシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
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スキルマッチングシステムの概要

スキルマッチングシステムは、人材のプロフィールと案件要件を共通のデータ構造で扱い、検索・推薦から応募、承認、アサイン後の評価まで支援する業務システムです。Excelの一覧を検索画面に置き換えるのは出発点です。さらに、情報を活かすには、情報を更新し続け、判断結果を次の推薦に反映できる状態を作る必要があります。
スキルと要件を共通の言葉で照合する仕組み
照合の対象とマッチ率の役割を先に定めると、候補を人が確認しながら選べる仕組みになります。
- 登録情報:人材と案件、それぞれの情報を別々に登録
- 照合方法:完全一致だけでなく表記ゆれやスキルの親子関係も考慮し、候補一覧とマッチ率を表示
- 人による確認:マッチ率は補助情報として扱い、候補の理由は人が確かめる
人材の情報は、職種、経験年数、資格などを登録します。さらに、レベルや担当業務、成果、希望条件、稼働時間も入力します。
案件では、必須と歓迎のスキル、経験年数、開始日、稼働率を登録します。また、勤務地、単価帯、契約条件も登録します。
マッチ率は、必須条件の確認と類似経験の発見を助ける補助情報です。合否を自動で決める点数として使わないことで、AIへの過信や現場との摩擦を抑えやすくなります。
社内型、人材事業型、外部マーケット型の三つの型
人材と案件をどこで結び付けるかによって、必要な機能と運用範囲が変わります。
- 社内型:社員配置、社内公募、副業、案件へのアサインを支援
- 人材事業型:候補者の経歴、稼働状況、単価、紹介履歴を管理
- 外部マーケット型:スキルを提供する個人・事業者と発注者をつなぐ
社内型では、人事マスタや組織、SSO、勤怠や案件管理との連携、部門ごとの閲覧権限が重要になります。
人材事業型では、求人や案件への候補提案を扱います。
外部マーケット型では、本人確認、契約、決済の機能が必要です。さらに、会員登録、メッセージ、レビュー、通報、退会処理も作る必要があり、検索だけを作る場合と比べて開発範囲が広がります。
まず型を決めることが、過不足のない見積もりの出発点になります。
スキルマッチングシステムに必要な主な機能

必要な機能は、利用者と業務の流れから逆算して決めます。検索だけを作る構成と、応募から契約、稼働、評価まで管理する構成では、データ設計、権限、テストの量が変わります。
プロフィールとスキルマスタの整備
プロフィールとスキルマスタは、候補提示の質と入力のしやすさを両立させるように整えます。
- プロフィール:実務期間、担当業務、成果物、資格、研修、第三者評価、更新日を備える
- 入力項目:項目過多による入力率の低下を避けるため、利用状況を見て追加
- 編集権限:本人が編集する項目と、管理者や評価者だけが更新する項目を分ける
- スキルマスタ:スキルを共通の辞書にまとめる
- 証跡:資格の有効期限や、スキルを裏付ける案件・成果物も関連付ける
たとえば「フロントエンド開発」の下に複数の技術を置き、同義語を同じ概念にまとめます。また、レベル1から5までの判定基準も文章で定めます。
検索・推薦で扱う必須条件と相性
検索・推薦では、複数の条件を照合しながら、まず必須要件を満たすかを確かめます。
- 検索条件:職種、スキル、レベル、経験年数、稼働率、勤務地、開始時期、契約条件を組み合わせる
- 必須要件:候補が必要条件を満たすかを先に判定
- 加点条件:歓迎条件、経験、希望、直近の稼働状況を評価
- 順位付け:キーワードの類似度だけで、必須要件に届かない候補を上位に出さない設計にする
生成AIは、案件要件からのスキル抽出や表記ゆれの吸収に加え、類似経験の検索や推薦理由の要約からも使えます。たとえば、「必須スキルAを実務で3年使い、開始希望日も一致」と根拠を表示すると、現場が候補を確かめやすくなります。
応募から監査までの業務連携
候補の表示後も、紹介から応募、面談、承認、アサインまでの状態を管理し、そのあとは契約、稼働実績、終了後の評価まで追えるようにします。また、運用の中では、通知やコメント、差し戻しに加えて、重複応募や候補者の非公開設定も必要になりやすい機能です。
既存システムと連携する場合は、人材番号と案件番号を共通のキーにし、CSVかAPIかを決めておきます。社員の異動・退職、案件終了、資格期限、アカウント削除などを同期できないと、古い情報が推薦され続ける可能性があります。
閲覧範囲は、管理者、本人、現場責任者、取引先など役割ごとに分けます。さらに、変更履歴と推薦ログも残します。
導入のメリットと限界
導入の狙いは、判断に必要な情報を早く同じ基準で見られるようにすることです。候補者を機械的に決めるためのものではない点も押さえておきます。
効果を得るには、データの品質、現場の入力負担、判断プロセスの透明性を一緒に設計する必要があります。
候補探しの時間と属人的な判断の削減
複数のExcel、メール、チャットから候補を探していた業務は、共通データの検索で置き換えられます。その結果、候補提示までの時間や紹介漏れ、重複提案を減らし、要員の充足率を把握しやすくなります。
社内型では、特定の管理者だけが知っていた人材情報を、部門をまたいで活用できる可能性もあります。また、スキル不足が見えるようになると、採用に加えて育成計画にもつながります。
案件の要件と人材構成を比べることで、研修や経験の機会を設計できます。ただし、登録人数やプロフィール件数だけでは業務の成果を測れないため、実際のアサインや成約まで追う必要があります。
古いデータによる推薦精度の限界
自己申告だけのプロフィールや、曖昧なレベル基準、更新日の分からない資格情報では、高精度の推薦は作れません。
社員や登録者の情報が配置や報酬、案件提案に使われなければ、更新する意欲は下がります。そこで、入力率、更新率、推薦採用率を見て、項目数や運用ルールを調整します。
AI推薦では、偏りや誤情報に備えた管理が欠かせません。
- 学習の偏り:過去のアサイン実績を学習すると、部署や属性に候補が偏り、選ばれなかった人を見落とすことがあります。
- 判断と例外の窓口:推薦理由の説明や誤情報の修正に備えて、最終判断者、例外処理、結果のフィードバック方法を決めておきます。
スキルマッチングシステム開発の進め方

まず対象業務とスキル体系を定め、小さなデータで検証してから本番の範囲を広げていきます。最初から全社展開まで固定してしまうと、評価基準や入力の負担が後になって分かり、手戻りや追加費用が膨らみやすくなります。
手順の詳しい内容はスキルマッチングシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順もご覧ください。
1. 目的、対象部門、KPIの設定
対象業務に合わせてKPIと現場調査をそろえておくと、要件定義に判断基準を反映できます。
- 社内要員探索:誰がどの場面で何を判断するかを定める
- 人材事業:提案から稼働までの進捗を定義
- 外部マーケット:登録者数以外の成果も測る
- 現場調査:対象部門を絞り、業務の現状を記録
- 要件定義:調査内容を判断基準と運用ルールに反映
社内の要員探索では、候補提示時間、アサイン率、プロフィール入力率、推薦候補の採用率をKPIにします。一方、人材事業では、提案から面談、成約、稼働継続までを一連の状態として定義します。
外部マーケットでは、登録者数に加えて、案件成立率、取引完了率、キャンセル率、問い合わせ対応時間を見ます。
対象は一つの部門や案件種別に絞り、現場担当者へのヒアリングで業務の流れを図にします。そのうえで、候補探しの時間、不足している情報、承認者、例外の頻度を記録します。
2. スキル体系の作成と小規模データでのPoC
まず、職種、業務、スキル、レベル、資格、実績を分けて整理し、必須と歓迎の条件、評価者、更新頻度、証跡を定義します。標準的な体系を参考にする場合も、そのままコピーせず、自社の業務で「できる」と言える状態を、具体的な行動や成果で書き表します。
たとえば、「レベル3なら一人で定型業務を完遂できる」と判定基準を定めておくと、評価者間の差を減らせます。次に、過去案件や匿名化したプロフィールを使い、検索とルールベース推薦を試します。
担当者には、候補の妥当性や取りこぼし、推薦理由の説明可能性を確かめてもらいます。生成AIも、要件文の構造化や類似検索などに使いどころを限り、採否は人が判断します。
3. 権限、連携、画面の設計と開発・テスト
設計、連携、テストの順に確かめると、権限や推薦の問題を本番前に見つけられます。
- データと権限、通知、履歴、退職・退会時の処理を設計する
- 検証段階ではCSVで連携し、本番要件が固まってから自動連携に進む方法もあります。最初からAPIを作る必要がない場合に使えます。
- 画面の動作に加えて、必須条件を満たさない候補や権限外の情報、古い資格や終了案件が不適切に推薦されないかを確かめる
- 推薦精度の評価観点を、正解率以外も含めて定める
設計では、検索条件と推薦スコアも決めておきます。既存の人事・勤怠・案件管理との連携では、どの情報を正とするか、連携の頻度、エラー時の再送方法も確かめます。
推薦精度については、候補の取りこぼし、属性ごとの結果の差、担当者が推薦理由を理解できるかどうかを見ます。
公開事例では、約280万円で開始し、追加後は約500万円となり、開発期間は6か月でした(出典: 公開されたスキルマッチングサイト開発事例、2026年確認)。
4. 限定導入から全体展開まで
限定導入から始め、期間や現場の声を見ながら全体へ広げていきます。
- 限定導入:業務指標を測り、効果と課題を確かめる
- 期間の見積もり:方式や準備範囲に応じて期間を見込む
- 現場の声:利用者の課題をもとに設計を見直す
- 継続改善:判断結果を記録し、運用ルールを更新する
利用部門を限定し、入力率、更新率、候補提示時間、推薦採用率、アサイン後の継続率を測ります。業務とスキルの定義には、導入初期で4〜8週間程度が目安になります。
SaaSの設定は1〜2か月、独自開発のMVPは3〜6か月程度が目安です。ただし、移行や権限調整、利用者教育を含めると、暦上の期間は長くなります。
「候補が違う」「入力が重い」「理由が分からない」といった声が上がったら、モデルを変える前に、辞書、要件の粒度、重み付け、入力画面を見直します。
採用と不採用の理由を記録し、月次または四半期ごとにルールを更新すると、業務に合わせてシステムを育てていけます。
スキルマッチングシステムの費用相場と開発期間
費用は、利用者数、対象業務、検索・推薦の複雑さ、外部連携、セキュリティ、決済、AIの使い方によって変わります。ここで示す金額は要件定義前の概算で、個別案件の確定価格ではありません。
標準機能の利用可否やデータ整備の支援範囲によっては、同じ人数でも金額が変わります。詳しくはスキルマッチングシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段についてをご覧ください。
構成別の初期費用の幅(300万円未満〜3,000万円超)
初期費用と開発期間は、導入方式や実装する業務機能によって異なります。
- スキル管理SaaS:初期設定・データ移行込みで0〜300万円程度、最短数日から1〜2か月程度。
- 小規模Web型MVP:300〜800万円程度、3〜6か月程度。
- 外部マーケット型:800〜2,000万円程度、6〜12か月程度。
- 社内人材配置基盤:1,000〜3,000万円以上になる可能性があります。
小規模なMVPは、プロフィール、案件登録、条件検索を軸に作ります。さらに、応募・承認、管理画面、通知も入れます。決済や高度なAIは、後から追加する考え方です。
外部マーケット型には、本人確認、契約、決済が含まれます。さらに、メッセージ、レビュー、通報、負荷対策、セキュリティも含まれます。
社内基盤では、人事・勤怠・案件・認証連携、複雑な権限、履歴・監査、移行、全社展開によって、費用が増える場合があります。上記の金額は、公開価格や業務システムの相場から整理した目安です。
見積もりに含めるデータ整備と運用費
見積もりでは、初期開発、AI固有の作業、継続運用の費用を分けて確かめます。
- 開発費:要件・業務設計、スキル辞書、画面・データベース、検索・推薦、外部連携、権限・監査、テスト、移行、教育、リリース支援
- AI関連費:モデル・API利用料に加え、匿名化、評価データ作成、誤推薦の検証、説明文の確認にも工数がかかります。
- 運用費:クラウド、ストレージ、検索基盤、AI推論、監視、バックアップ、脆弱性対応、問い合わせ、辞書更新
社内担当者の月ごとの更新時間や、推薦ルールの承認者も予算に組み込みます。初期費用だけで比べると安く見えても、運用開始後に高くなることがあります。
開発会社・ベンダーの選び方
候補を探す前に、外部マーケット型、社内配置、既製サービスのどれを目指すかを決めておきます。そのうえで、技術力に加えて、スキル定義、ヒアリング、データ移行、運用、個人情報保護について相談できるかを確かめます。
用途に近い実績と対応範囲の確認
候補企業の実績、対応範囲、運用体制は、自社の用途に照らして確かめます。
- 実績の近さ:「作った」という説明だけでなく、社内配置、要員提案、外部取引のどれに当たるか、利用者数、案件数、契約・決済の有無を確かめる
- 説明できる資料:公開実績が少なくても、匿名化した画面や要件、テスト観点、運用後の改善例を示せるかを見る
- 提供方式と保守:SaaSやパッケージでは標準機能と追加開発の範囲、独自開発では検索、認証、監査ログ、通知、バックアップの保守体制を確かめる
どの方式を選ぶかは、差別化したい業務がどこにあるかで変わります。
業務成果で比べる提案内容
業務成果に結び付く提案かどうかを、費用や契約条件も含めて比べます。
- 依頼条件:対象人数・案件数、外部公開、利用者の役割、必須スキル数、既存システム、SSO・API、AI利用、希望時期、予算上限を記載
- 提案範囲:辞書の作成者、データ移行の範囲、推薦精度の検証方法、導入後の更新支援
- 比較条件:初期・月額費用、追加開発単価、保守、契約期間、データの返却・削除、障害・脆弱性対応、再委託、AI入力データの扱い
- 契約方式:不確実さに応じて、範囲を固定する請負か、準委任やアジャイルで検証するかを選び、変更時の費用と責任分界も比べる
契約前に確認するセキュリティと導入後の支援
機密情報の保護と、リリース後の更新や定着の支援は、契約前に確かめておきます。
- 情報保護:職務経歴、評価、給与・単価、稼働状況の閲覧範囲を分け、権限、暗号化、操作ログ、バックアップ、退職・退会時の削除、事故時の連絡体制を設ける
- 運用支援:認証規格だけでなく、自社の情報分類に合った運用、辞書や推薦ルールの更新、管理画面の利用、利用率が低い部門への定着支援
- 継続改善:業務や組織の変化に応じ、半年後・1年後の改善方法まで提案に含まれるか
開発会社選びはスキルマッチングシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方、発注方法はスキルマッチングシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法についてもご覧ください。
AI・個人情報・法務で注意するポイント
スキルマッチングシステムでは、職務経歴、評価、資格、稼働条件などの個人情報を扱います。外部人材を雇用や契約に結び付ける場合は、情報提供にとどまるのか、雇用関係の成立をあっせんするのかによって、確認すべき事項が変わります。そこで、企画の段階から法務、情報セキュリティ、現場責任者を交えて設計を進めます。
説明可能な補助機能としてのAI設計
2026年3月31日に公表された「AI事業者ガイドライン第1.2版」は、企画、開発、提供、運用の各段階でAIのリスクを管理する考え方を示しています(出典: 経済産業省・総務省・IPA・AISI、2026年)。
入力範囲、出力を使う人、誤推薦を修正する人、ログの保存期間を決めておくと、運用時の責任が明確になります。推薦結果には、参照したスキルや経験、条件、データの更新日も表示します。
- 推薦の確認:除外理由を確かめ、人が直した結果を次回に反映する
- 公平性の検証:過去データの偏りと、部門や属性による推薦率・採用率の差を定期的に確かめる
こうした検証が、説明可能性と公平性を実務で確かめる出発点になります。
個人情報の入力範囲と委託先の管理
外部AIへ送る情報、利用者ごとの閲覧範囲、退職・退会時の扱いは、あらかじめ決めておきます。
- AIへの入力:個人データを入力する場合は、提供者の利用条件を確かめる
- 委託先の管理:匿名化、保存場所、再利用、学習利用、削除方法、委託先の監督を、契約と設定の両面で確かめる
- 閲覧範囲:本人は自分の情報と公開範囲、管理者は業務上必要な情報だけ。社外利用者には給与や社内評価を見せず、画面保存やCSV出力も制限する
- 保存・削除:退職・退会時の基準を、本人確認情報、プロフィール、メッセージ、契約記録ごとに分け、法令や契約上の保存義務と整合させる
個人情報保護委員会は、生成AIに個人データを入力する際、提供者の学習利用や利用目的を確かめるよう注意を呼びかけています(出典: 個人情報保護委員会「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」、2023年)。
特に、職務経歴書や評価コメントを外部のAIに送る場合は、送信する項目を絞っておきます。
外部人材を扱う場合の職業紹介との区分
外部人材の扱い方や契約内容によって、確認すべき法務上の要件が変わります。
- 職業紹介との区分:求人と求職を受けて雇用の成立をあっせんすれば該当し、情報提供だけなら該当しない場合があります。
- サービス実態の確認:実態を踏まえ、企画の段階で所管窓口や専門家に確かめる
- 外部マーケットの要件:契約・決済を含む場合は、規約、キャンセル、返金、本人確認、通報、禁止行為、紛争時の責任分界を要件に入れる
- 契約形態:フリーランスや業務委託は、雇用、請負、準委任で必要な情報と契約の流れが違うので、機能より先に法務を確かめる
情報提供先の選別や情報の加工、当事者間の意思疎通の中継などを含め、サービスの実態で判断されます(出典: 厚生労働省「募集情報等提供と職業紹介の区分」、2026年確認)。
導入後のKPIとよくある失敗
導入効果は、稼働したかどうかではなく、業務判断がどれだけ改善したかで測ります。登録者数だけでは、プロフィールの質は把握できません。
入力、検索、推薦、判断、成果の各段階に指標を置き、運用を定期的に見直します。
候補提示時間とマッチ後の成果の測定
各指標は、部門や属性による結果の差も含めて確かめます。
- 入力:プロフィール完成率、スキル更新率、資格情報の有効率を見る
- 検索・推薦:候補提示時間、詳細閲覧率、推薦理由の確認率、取りこぼし、応募・面談への移行割合を見る
- 業務成果:目的に応じて、アサイン率、成約率、稼働継続率、案件完了後の満足度、育成期間の短縮を測る
- 結果差:入力率の低い部署や特定の職種・経験年数への推薦の偏りを見つけたら、データ量とルールを分けて分析する
原因をAIの性能だけに求めず、要件の入力、辞書、評価基準、承認フローのどこに問題があるかを切り分けます。
項目の増やしすぎ、AIへの任せすぎ、権限の後回しという失敗
細かなスキルを最初から大量に登録すると、利用者が入力しきれなくなることがあります。また、入力する情報は、実績や評価と結び付けておきます。
- 項目を増やしすぎない:入力可能な範囲から始め、定期更新を業務に組み込む
- AIに判断を任せない:自己申告情報を検証し、マッチ率だけで決めず、推薦理由と誤推薦の修正窓口を設ける
- 権限を後回しにしない:設計時に閲覧範囲を定め、開発終盤の作り直しを防ぐ
評価、配置、案件提案に使われない情報は、定着しにくくなります。そこで、誰にどの価値を返すかを決め、導入後の改善責任者を置いておきます。
よくある質問(FAQ)
導入前によく出る疑問に、用途、費用、AI、既存データの観点から答えます。自社の人数や業務フローに照らして、要件定義に活用してください。
スキルマッチングシステムはSaaSとスクラッチ開発のどちらがよいですか?
標準的なスキル管理や社内検索が中心であれば、短期間で始めやすいSaaSが向いています。一方、独自評価、外部会員、契約・決済、複雑な権限、既存業務との差別化が重要な場合は、パッケージ連携やスクラッチ開発も比べます。
PoCで必要な差分を確かめ、その差分が小さければ標準機能に寄せることで、初期費用と保守の負担を抑えやすくなります。
AIのマッチ率が高ければ、最適な人材を自動で決められますか?
自動では決められません。マッチ率は、登録情報と設定条件への適合度を示す補助情報です。面談の結果や業務上の相性、本人の希望、契約条件、将来の成長可能性までは保証しません。
必須条件のルールや推薦理由の表示、人による確認、結果のフィードバックを組み合わせれば、AIを判断支援として使えます。
小さく始める場合の予算と期間はどの程度ですか?
Web型MVPの場合、初期費用は300〜800万円程度、開発期間は3〜6か月程度が一つの目安です。対象の機能は、プロフィール、案件登録、条件検索のほか、応募・承認と管理画面です。
公開事例には、最小構成を約280万円で始め、追加後に約500万円となり、6か月で開発した例があります。ただし、金額や期間は、対象人数、移行、連携、デザイン、セキュリティ、AIの範囲によって変わり、同じ金額になるとは限りません。
Excelで管理しているスキル情報を移行できますか?
移行はできますが、そのまま取り込めるとは限りません。列名、スキル表記、公開範囲を整理したうえで、重複や古い情報を除外します。ほかに整理する項目は三つあります。
- 社員・案件番号:社員と案件を見分けるための番号
- レベルの意味:スキルのレベルが何を指すかの基準
- 更新日:各情報をいつ更新したかの記録
まず対象部門のデータで試し、検索結果と権限を確かめてから全体へ広げると、移行後の混乱を抑えられます。
まとめ
このシステムは、スキル、経験、案件要件、稼働条件を共通のデータで扱い、検索・推薦から応募、アサイン、契約、評価までの判断を支援します。
社内型、人材事業型、外部マーケット型では、機能と法務の要件が異なります。そのため、利用者と対象業務を先に定めることが欠かせません。
成功の要点:スキル辞書、根拠、人の判断、運用KPI
登録の前に、スキルレベルと証跡を定め、必須条件と歓迎条件を分けておきます。AIは要件の整理、表記ゆれの吸収、候補の発見、推薦理由の要約に使い、最終的な判断は人が行います。
入力や更新の率に加えて、候補提示時間、アサイン率、成約率、継続率、満足度も測ります。そして、その結果を辞書とルールの改善に戻します。
最初の一歩:対象業務と小さな検証範囲の決定
相談の際は、対象人数、既存システム、予算を伝えます。ほかに、利用の範囲に関わる条件も伝えます。
- 案件数:扱う案件の件数
- 外部公開:社外に公開するかどうか
- 権限:閲覧や編集を許す範囲
- AI利用:AIを使う範囲
- 希望時期:導入を望む時期
各社の提案は、辞書作成、移行、PoC、テスト、教育、保守まで含むかどうかで比べます。
大規模な自動化を最初から目指すのではなく、成果を測れる範囲で始めます。利用者の声と実績データをもとに広げていくことが、定着につながります。
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▼開発を相談する前に読みたい無料ホワイトペーパー
・Webサービス開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
