ソーシャルコマースシステムは、SNSでの商品発見から購入後の業務までをつなぐ販売基盤です。SNS内購入、自社EC送客、独自基盤の3方式から、業務規模に合わせて選びます。
方式と機能、開発の進め方、費用、ベンダー選定、導入後の評価の順に、発注前に押さえたい点を並べています。
▼関連記事一覧
・ソーシャルコマースシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・ソーシャルコマースシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・ソーシャルコマースシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・ソーシャルコマースシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
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ソーシャルコマースシステムの概要
ソーシャルコマースシステムは、SNSを販売チャネルとして使うための連携基盤です。投稿や配信だけでなく、商品・注文・顧客・在庫のデータも業務システムと連動させます。
ソーシャルコマースとSNS運用の違い
SNS運用とソーシャルコマースは、目的と扱う業務の範囲が違います。
- SNS運用:認知の獲得、コミュニティの形成、投稿・配信の改善を主な目的とします。
- 商取引の範囲:商品発見から購入、受け取り、返品までを成立させる範囲です。
- 必要機能:商品カタログ、SKU、価格、在庫、決済を備えます。受注、出荷、返品、顧客対応、売上計測も扱います。
- 在庫管理:在庫が反映されていなければ、動画の再生数が伸びても売り越しが起きます。
- 購入後の業務:注文後に物流や返金が遅れると、顧客体験が悪くなります。
在庫や購入後の業務も関わるため、ソーシャルコマースは販促施策というより、販売業務を含むシステムとして捉える必要があります。
ソーシャルコマースが注目される背景
従来型ECと比べると、購入までの流れが大きく違います。
- 従来のEC:検索や広告、メールで購入意欲が生まれた人を商品ページへ案内します。
- ソーシャルコマース:動画やライブ配信で商品を知り、そのまま購入を検討できます。
ソーシャルコマースには、偶然の商品発見を購入へつなげやすいという特徴もあります。
日本では2025年6月30日、ショート動画やLIVEから商品発見、購入までをアプリ内で進める機能が提供開始されました(出典:主要ショート動画プラットフォームの公式ニュースリリース、2025年)。
機能は段階的に導入されるため、利用できるショップ・広告機能、決済方式、出店条件は提案の時点で確認が必要です。
流行の機能だけで選ぶのではなく、自社の受注や物流に耐えられる構成かどうかも検討します。
ソーシャルコマースシステムの種類と選び方

導入方式は、購入の場所とシステムの担当範囲で分けると違いが分かります。
少数の商品で反応を確かめたい企業と、複数ブランドや倉庫を統合する企業では、適した方式が異なります。そのため、独自アプリを最初から作るのではなく、売り方と業務量に合う方式を選びます。
SNS内で購入を完結させる方式
SNS内で購入を完結させる方式では、販売導線と運用上の注意点を一緒に押さえておく必要があります。
- 販売導線:SNS内ショップ、商品タグ、ショッピング動画、LIVEの中で商品を表示します。
- 購入体験:アプリ内か連携した決済画面で購入できます。画面遷移が短いため、動画を見ているときの意欲を活かせます。
- 確認事項:商品審査、販売手数料、返品・返金の担当範囲、顧客データの取得範囲です。
- 変更への備え:APIや規約の変更に備えて、商品マスタと在庫の正本をSNS側だけに置かないようにします。
自社ECや商品管理システムを正本とし、SNSへ配信する商品、価格、販売期間、安全在庫はそこから管理します。
売上が伸びたあとに販路を切り替えられるよう、注文、顧客、クリエイター実績を自社側へ保存できるかも確かめておきます。
SNSから自社ECへ送客する方式
自社ECへ送客する場合は、EC側の購入体験と流入後の計測まで含めて設計します。
- 購入経路:SNSに投稿や商品リンクを載せ、購入は自社ECで済ませてもらう流れです。
- 既存機能の活用:自社ECの決済、会員、受注、在庫、物流をそのまま使えます。インアプリ型より小さく始めやすい方式です。
- 効果測定:識別パラメータやクーポンコードを使い、SNS別・投稿別・クリエイター別に売上を計測します。
- 離脱対策:SNSからECへ移る途中で離脱する可能性があるため、スマートフォン表示とログイン・会員登録の負担を確かめます。
- 別途見積もる費用:送料表示、決済手段、返品条件を見直し、商品フィードや計測の開発費を見積もります。
独自のライブ・動画コマース基盤を構築する方式
独自基盤は自由度が高い一方、必要機能と運用規模に応じた設計が求められます。
- 設計範囲:会員、配信、商品表示、コメント、注文を独自に設計します。クリエイター報酬と分析も含みます。
- 適する目的:独自の接客体験、会員データの活用、複雑な報酬ルールを競争優位にしたい場合です。
- 必要な運用基盤:配信、モデレーション、負荷対策、決済、脆弱性対応、24時間に近い監視が必要です。初期費用と運用費も大きくなります。
- 規模の比較:対象SNS、購入導線、SKU数、月間・ピーク注文数を数値で比べます。物流拠点、既存EC、クリエイター数も見ておきます。
- 段階的な導入:1SNS・少数SKU・既存ECありなら標準連携から始めます。複数ブランドや倉庫、独自報酬、大量配信の段階で、拡張や独自開発を検討します。
主要機能とシステム構成の設計

要件定義でSNSの画面だけを見ていると、注文、在庫引当、出荷、返品・返金といった業務が抜けるおそれがあります。商品登録から分析まで、販売業務の流れ全体を要件に含めることが必要です。
商品・コンテンツ・クリエイターを管理する機能
商品情報の配信から紹介成果の精算まで、運用に必要な管理対象を一覧にします。
- 商品カタログ:商品コード、SKU、価格、在庫、画像、動画を管理します。バリエーション、販売期間、年齢制限も扱います。
- チャネル別配信:SNSごとの項目や審査ルールに合わせて、共通商品マスタからフィードを生成します。
- 配信承認:配信前に価格、在庫、表現、リンク先を確かめる承認フローを設けます。
- 成果と報酬の追跡:紹介者ID、対象商品、報酬率、成果条件、承認状態を記録します。投稿、クリック、注文、返品、確定報酬も記録の対象です。
- 確認記録:返品前の仮報酬と返品後の確定報酬を分けます。生成AIの動画や台本は、商品根拠と広告表示を人が確認した記録を残します。
注文・在庫・物流を連携する機能
注文・在庫・物流の連携では、購入方式による違いと例外時の処理も含めて設計します。
- 注文の担当範囲:情報の取得方法と責任は、SNS内購入か自社EC送客かで分けて決めます。
- 共通注文データ:注文番号、商品コード、数量、価格、決済状態を揃えます。配送先、キャンセル、返品・返金の状態も揃えます。
- システム連携:OMS、WMS、3PL、POS、基幹システムの接続方法を決めます。API、Webhook、CSVのどれで接続するかを選びます。
- 再処理と在庫管理:再送、重複受信、障害時の再処理の扱いを決めます。在庫は正本を基準に、販売可能、安全在庫、引当済み、出荷済み、返品予定に分けます。
- 在庫反映遅延:数分の遅延を許容できる商品だけSNSへ出すか、販売数に上限を設けます。
ライブ中の同一SKUへの注文集中、在庫切れ直後のキャンセル、配送の遅延も試験の対象にします。
分析・権限・セキュリティを実装する機能
販売の成果と運用リスクを把握できるように、分析指標や権限、セキュリティを設計します。
- 分析指標:再生数、商品クリック率、コンテンツ経由CVR、注文数、GMVを見ます。客単価、粗利、返品率、広告費、報酬、リピート率まで追います。
- データ接続:投稿、ライブ、広告、クリエイター、商品、注文を共通IDでつなぎ、利益と返品後の実績を追います。
- 個人情報:視聴から購入までの接触履歴を、どこまで取得するかを利用目的と合わせて決めます。
- 権限と記録:操作、商品審査、注文変更、報酬確定のログを残し、不正の検知に使います。
- 決済対策:カード決済では、3-Dセキュアなどの不正利用対策を確かめます。
カード決済では、委託先との担当範囲も確かめておく必要があります(出典:経済産業省「クレジットカード・セキュリティガイドライン6.0版」、2025年)。
権限は、商品登録者、配信担当者、CS担当者、物流担当者、経理、外部クリエイターといった役割ごとに分けます。
ソーシャルコマースシステム開発の進め方

開発は、SNS機能の調査からではなく、販売する商品と業務フローを整理するところから始めます。小さな検証範囲を決めたうえで、商品表示から注文、在庫引当、出荷、返品、計測までを一通り通して確かめます。
効果を確かめた機能から広げれば、初期投資が過剰になるのを防げます。
▶ 詳細はこちら:ソーシャルコマースシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
要件定義で決める項目
要件定義では、販売規模と通常時・例外時の業務を具体的に決めます。
- 販売規模:対象SNS、地域、商品カテゴリ、SKU数、月間注文数、ピーク時の同時注文数を数値で整理します。
- 既存環境:EC、OMS・WMS・POS、倉庫数、返品率、クリエイター数、ライブ頻度を書き出します。
- 購入・管理主体:SNS内購入か自社EC送客かを決め、決済、顧客データ、返品の管理主体を定めます。
- 例外時の機能:通常時に加えて、API停止、在庫切れ、注文重複、決済失敗、キャンセル急増を機能一覧に含めます。
- 障害対応:返品、返金、アカウント凍結、コメント削除を想定します。そのうえで、販売停止の判断者、顧客への連絡、データ再送の手順を決めます。
方式選定と連携設計
導入方式と連携範囲は、検証期間、独自業務、将来の移行を踏まえて選定します。
- 短期検証・既存EC活用:短期検証にはクラウドやSaaSと標準コネクター、既存ECにはAPI・OMS連携が候補です。
- 独自業務への対応:固有業務が競争優位ならパッケージをカスタマイズし、独自配信・会員・報酬・精算にはスクラッチを検討します。
- 総コスト比較:初期費用だけでなく、3〜5年後の機能追加、データ移行、契約終了時の返却まで比べます。
- 構成の分割:SNS・動画・ライブ配信、商品フィード・API、EC・OMS・決済、在庫・物流、CRM・CDP・分析を層に分け、担当範囲をはっきりさせます。
- データの保全:規約、アルゴリズム、API制限に備えて、SNSだけを正本にしません。商品・注文・顧客・クリエイター実績を自社に保存し、別チャネルへ展開します。
テスト・公開・改善
公開前後の検証では、注文や連携の異常を確かめ、運用指標を見ながら段階的に広げます。
- 同時注文:通常注文に加えて、ライブ中の注文集中と同一SKUの同時購入を試験します。
- 報酬と連携:クリエイター報酬の確定、広告計測、API障害、不正ログインを確かめます。
- 検証期間の指標:公開後2〜3か月を検証期間とし、再生数、商品クリック率、購入率、粗利、返品率を週ごとに見ます。
- 処理能力:問い合わせ数、出荷遅延、在庫反映時間も追い、CSと物流が処理できる上限を確かめます。
在庫反映遅延、キャンセル、返品、返金も確かめます。負荷試験は、セールや配信直後のピークを基準に行います。成功条件を満たした機能から広げます。
ソーシャルコマースシステムの費用相場と内訳
公的な開発費の統計はないため、以下の金額はEC方式、既存連携、運用作業を踏まえた2026年時点の推定です。見積もりは、SNS数、SKU・注文数、既存ECの3点で変わります。さらに、連携先の範囲や機能の有無、求める対策の水準も、費用を動かす条件になります。
- 物流:物流との連携範囲
- 配信機能:配信機能の有無と範囲
- セキュリティ要件:求める対策の水準
動画・ライブ制作、広告費、クリエイター報酬は、システム開発費とは別に管理します。ほかに、次の費用も開発費とは分けて管理します。
- 商品原価:商品にかかる原価
- 物流費:出荷や配送にかかる費用
- CS費:問い合わせや顧客対応にかかる費用
▶ 詳細はこちら:ソーシャルコマースシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
導入方式別の初期費用と期間
導入方式と連携範囲によって、初期費用と開発期間が変わります。
- 既存ECとSNS連携:初期30万〜150万円、期間1〜3か月が目安です。
- 出店・OMS連携:商品登録、在庫、注文、計測を含み、初期100万〜500万円、2〜5か月程度です。
- 複数システム連携:複数SNS、POS、WMS、CRMをつなぐ場合、初期500万〜2,000万円、4〜10か月程度になる可能性があります。
- 独自ライブ・動画基盤:初期2,000万〜8,000万円、期間8〜18か月程度が予算の起点です。
- 大規模再構築:複数ブランド、店舗、倉庫、海外、会員統合を含む場合、8,000万円〜2億円超、12〜24か月以上になることもあります。
比較対象のEC構築ガイドは、2026年5月に公開されたものです。その中で、ASP・SaaS型の初期費用目安は0〜30万円とされています(出典:EC構築費用の完全ガイド、2026年)。
パッケージ型は初期300万〜1,500万円、フルスクラッチ型は1,000万円〜です(出典:EC構築費用の完全ガイド、2026年)。
見落としやすい継続費用
継続費用は、毎月発生する固定費と、売上に応じて増える費用の両面から把握します。
- 月額費用:プラットフォーム、サーバー・インフラ、API・コネクター、保守・監視、決済手数料が毎月かかります。分析基盤やセキュリティ対応も含めて見ます。
- 売上連動費:動画・ライブ制作、配信者・クリエイター報酬、広告、物流、梱包は売上に応じて増えます。返品、CS、商品審査費も、売上とともに増えます。
- 中長期のTCO:3年または5年で、販売手数料、外部アプリ、個別連携、手作業、返品処理、データ抽出費を比べます。
- 自動化の効果:初期費用が高くても、受注や在庫の自動化で毎月の作業時間を減らせる可能性があります。
- 費用表の区分:初期、月額、売上連動、繁忙期の追加費用、契約終了時の移行費を分けます。
費用を抑えながら検証する方法
検証範囲を絞り、必要な業務と安全性を保ちながら、費用を抑えます。
- 初期範囲:1SNS、少数SKU、1物流拠点で始め、既存ECを活用します。
- MVPの必須機能:商品表示、購入、在庫引当、出荷、返品、基本計測を含めます。
- 後回しにする機能:独自配信画面と複雑な報酬精算は、後の段階に回します。
- 検証期間と基準:2〜3か月を目安に、粗利、CVR、返品率、CS負荷が基準を満たすかで判断します。
MVPでも、セキュリティ、注文の冪等性、監査ログ、データ返却、障害時の販売停止は省きません。必須の基盤を後から直すと、データ移行や業務停止が起こり得るためです。
機能と基盤を分けて検討すれば、安さだけを追って再開発する事態を避けられます。
ソーシャルコマース開発会社・ベンダーの選び方
開発会社やベンダーは、SNSのフォロワー数や動画の制作実績だけで比べるものではありません。そのため、コマース基盤、SNS・クリエイター運用、在庫・物流の3領域を中心に見ていきます。残りの2領域は、売上の計測と、法務・セキュリティの確認にあたります。
- データ分析:分析指標と計測の設計
- セキュリティ・法務:表示責任、データの取扱い、セキュリティ対策
各領域を一社で担うのか、別の事業者と分担するのかも、はっきりさせておきます。
業務フローで見る実績
ベンダーの適性は、業界名よりも、必要な業務フローをどこまで担えるかで判断します。
- 業務フローの実績:「SNS連携」だけで判断せず、商品フィード、SKU・価格・在庫の同期、注文取込、OMS・WMS、出荷通知の範囲を確かめます。
- 追加機能の実装:返品・返金、クリエイター報酬、売上計測について、どこまで実装したかを聞きます。
- 同条件での確認:同じ商品数、注文数、連携先、ライブ頻度を前提に、画面やデータフローを見せてもらいます。
- 会社の役割:運用支援会社とシステム開発会社では、役割が異なる場合があります。
- 機能ごとの担当:提案書で、機能ごとの担当範囲を示してもらいます。
動画制作や広告運用が得意でも、受注・在庫・物流まで担えるとは限りません。また、EC連携が得意でも、配信者管理やコンテンツ審査は担えない場合があります。
提案書では、開発、設定、運用代行、CS、物流、障害対応のそれぞれについて、担当者と対象時間を分けて示してもらいます。
同じ条件のRFPによる比較
各社の提案を比べるには、同じ条件を示したうえで、費用や技術、責任範囲の基準を揃えます。
- 共通の前提条件:対象SNS、SKU数、月間・ピーク注文数、既存EC、在庫の正本、物流拠点をRFPに記載します。
- 依頼先の条件:ライブ頻度、クリエイター数、必要なKPI、保守時間もそろえ、少なくとも3社程度へ依頼します。
- 費用と技術比較:初期・月額・売上連動の費用、追加開発、テスト、移行、教育、障害対応を比べます。データ返却やAPI制限、再送、在庫反映、注文重複防止を質問します。
- 責任とデータ:返品・返金、顧客データの所有権、広告・アフィリエイト計測、ピーク時SLAを確かめます。
- 見積範囲:「連携一式」「運用一式」とだけある場合は、作業範囲と前提条件を分けてもらいます。
このほか、個人情報の再委託、コンテンツ審査、契約終了時のデータ返却も確かめます。
提案段階でのセキュリティと法務の確認
法務やセキュリティの確認を開発の終盤に回すと、リリースの延期や設計変更が起きがちです。
法務とセキュリティでは、購入時の表示責任と、データやアクセスの管理を提案の段階で確かめます。
- 購入画面の表示:数量、販売価格、支払時期・方法、引渡時期、返品・解約条件、申込期間を最終確認できるようにします。
- 法令上の確認:最終画面で契約事項を確認・訂正できないと、特商法上の問題になり得ます。
- 表示責任:SNS内購入と自社EC送客のどちらでも、表示責任者を契約と画面仕様で確かめます。
- データの取扱い:個人情報、購買・視聴履歴、広告識別子、成果報酬データを扱います。その目的、利用者、保管期間、委託先を整理します。
- セキュリティ対策:多要素認証、権限分離、操作ログ、脆弱性診断、バックアップ、インシデント連絡網を比べます。
通信販売の最終確認画面の扱いは、消費者庁の案内で確認できます(出典:消費者庁「通信販売における最終確認画面について」)。
▶ 詳細はこちら:ソーシャルコマースシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
▶ 詳細はこちら:ソーシャルコマースシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
導入後に見るべきKPIと失敗例
ソーシャルコマースの評価は、再生数だけでは判断が偏ります。そのため、マーケティング、EC、物流、CSの担当者が同じ指標を見られるようにしておくことが、導入の成果を続けるうえで欠かせません。
再生数から粗利・返品までの指標のつながり
成果を判断するには、認知から利益や返品までをつなぐ指標を設計しておきます。
- 上流指標:再生数、視聴維持率、ライブ参加者数、商品クリック率を追います。
- 中流指標:カート投入率、購入率、客単価、GMV、広告費、クリエイター報酬を確認します。
- 下流指標:出荷遅延、欠品率、返品率、返金額、問い合わせ件数を見ます。返品後の粗利とリピート率も追います。
- 利益での評価:GMVが伸びても、広告費・報酬・返品・物流費を引いた粗利が減れば、成功とはいえません。
国内事例では、特定ブランドが広告運用でROAS4.2倍、GMV45倍超を達成したと公表されています。ただし、これは個別条件の事例値です。
商品や価格、広告予算、配信者、時期が異なるため、そのままの再現は前提にできません。物流体制も条件に含まれます。
事例を見るときは、売上に加えて、測定期間、費用範囲、返品後の利益、運用人数を確かめます。
よくある失敗と対策
失敗を避けるには、販売が急増したときの在庫、採算、データ管理に備えて、運用を整えます。
- 在庫切れと注文集中:話題になった後に、在庫切れや注文集中で販売機会を失う失敗です。
- 利益の見落とし:再生数だけでなく粗利・返品・CSを追い、広告と報酬を含む収支を確かめます。
- データの保全:コンテンツ別の利益と返品後の数字を確認します。規約変更やAPI制限に備えて、商品・注文・顧客・クリエイター実績を自社に保存します。
- 精算の明確化:CSVやAPIでデータを出力できるようにし、成果の状態を分けて監査ログを残します。
安全在庫、販売上限、注文キュー、在庫監視、販売停止の手順を用意します。
ソーシャルコマースシステムのよくある質問
導入を検討する際によくある質問に答えます。SNSの機能や料金、規約は変わるため、利用するチャネルの公式情報と契約条件を確かめてください。
ソーシャルコマースシステムの導入費用はいくらですか?
既存ECへのSNS連携は初期30万〜150万円、SNSとOMS連携は100万〜500万円が目安です。
複数チャネル・基幹連携は500万〜2,000万円、独自ライブ・動画基盤は2,000万〜8,000万円程度です。
動画制作、広告、クリエイター報酬、物流、CS、決済手数料は別費用として扱い、3〜5年のTCOで比べます。
既存ECがあってもソーシャルコマースを始められますか?
始められます。既存ECを商品・注文・顧客の正本とし、SNSへの商品フィード、流入計測、クーポン、注文連携を追加します。
独自基盤を新設する場合より、小さく検証しやすい方式です。ただし、在庫反映時間、SNS側の注文取得、返品・返金の管理主体、顧客データの扱いは先に確かめておく必要があります。
ショート動画やライブ配信だけでも効果を測れますか?
測れます。ただし、再生数だけでは販売効果を判断できません。
投稿、配信、広告、クリエイターごとに、商品クリック、購入率、GMV、広告費をつなぎます。報酬、返品率、粗利も加えます。
視聴から購入までの計測ルールを決めます。自社ECへ送客する場合、流入パラメータや専用クーポンで比べられます。
ソーシャルコマースで特に注意すべき法務・セキュリティは何ですか?
購入直前の画面で、数量、価格、支払方法・時期を分かりやすく表示します。契約事項を最終画面で確認・訂正できないと特商法上の問題になり得るため、引渡時期や返品・解約条件も同じ画面で確かめられるようにします。
- 引渡時期:商品が届く時期
- 返品・解約条件:返品や解約の条件
カードや個人情報の保護、不正ログインや注文への対策に加えて、権限管理、操作ログ、委託先管理、データ削除・返却も要件に入れます。
SNS内購入と自社EC購入で責任の主体が変わるときは、顧客への案内と社内の窓口を分けずに設計します。
まとめ
購入導線と業務フローの決定
3方式のどれを選ぶかで、必要な開発範囲が見えてきます。そのうえで、商品発見から購入後の在庫引当、出荷、返品・返金、報酬精算、分析までを一連の業務フローとして書き出します。
小さな検証と自社でのデータ保持
導入の判断では、費用、検証範囲、ベンダー選定、データの保全を合わせて考える必要があります。
- 費用の決定要因:既存ECと標準連携で始めるか、複数システムや独自配信まで構築するかで費用が変わります。
- TCOで比較:初期費用だけでなく、利用料、決済、広告、クリエイター報酬を含めます。物流、CS、保守も合わせて比べます。
- 小規模な検証:1SNS・少数SKU・1物流拠点で試し、粗利、返品率、在庫反映時間、CS負荷を見てから拡張します。
- ベンダー選定:フォロワー数や制作実績だけでなく、データ設計、在庫・物流連携、障害対応、セキュリティ、法務を確かめます。
- データ継続性:規約変更に備えて重要データを自社にも持ち、将来のチャネル追加や移行に生かします。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
