スタッフ管理システムの開発は、勤務ルールと既存データを整理したうえで、要件整理から定着化まで6段階で進めると、手戻りと運用停止のリスクを抑えられます。
店舗・多拠点のシフト管理と、人材派遣・紹介会社のスタッフ管理では必要な機能が異なります。そのため、最初に対象業務を分けて整理します。
- スタッフ情報・勤務可能日・シフト:関連付けて、一つのデータとして扱う
- 勤怠・契約:給与・請求の業務へつなぐ
- 店舗運営・派遣業務:どちらかに応じて必要機能を定める
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スタッフ管理システム開発の全体像

スタッフ管理システムは、シフトと勤怠を中心に、関連する情報を一つの仕組みでまとめて管理するものです。シフトや勤怠を支える情報として、スタッフの情報や勤務可能日、契約、給与や請求に関わる情報も、同じ仕組みで扱います。
- スタッフの情報:氏名、連絡先、雇用区分、時給などの基本情報
- 勤務可能日:希望シフトを集める前提になる日程
- 契約:契約期限や契約内容の管理
- 給与や請求に関する情報:給与計算や請求・入金の管理に使う情報
ただし、店舗のアルバイト管理と派遣会社の業務基盤では、必要な機能も法令対応も異なります。そのため、開発の最初に「誰を、どの業務まで管理するのか」を明確にしておく必要があります。
店舗・多拠点型と派遣管理型の分け方
店舗・多拠点型では、希望シフトの収集と、必要人数を満たすシフトの作成が中心になります。そのほか、確定通知や欠勤時のヘルプ募集、出退勤の打刻、人件費の確認も扱います。
現場で使い続けるには、スタッフがスマートフォンから迷わず希望を提出できることと、店長が勤務可能時間や資格、連勤などの条件を見ながら修正できることが欠かせません。
派遣・紹介会社向けでは、応募者や登録スタッフ、案件、就業先の管理に加えて、契約や派遣帳票も対象になりやすいです。また、勤怠承認から給与・請求・入金までも含まれやすいです。さらに、契約更新日や抵触日、資格の有効期限、本人確認書類やマイナンバーへのアクセス権限まで扱うなら、単純なシフト管理ではなく業務基盤として要件を定める必要があります。
共通機能と業態別機能の設計
共通の基本機能には、スタッフマスタの管理、勤務可能日と希望シフトの収集、シフトの作成と通知があります。さらに、打刻や残業の集計も含みます。休暇や深夜勤務の集計、権限設定と操作履歴、CSVやAPI連携も、共通機能として整理しておく項目です。
マスタ項目は後から増やすと移行や画面改修が生じるため、誰がいつ何を更新するかも最初に決めておきます。
業態ごとの追加機能は、店舗型では売上予測や人時売上の把握、店舗間ヘルプ、労務アラートが中心になります。一方、派遣管理型では、次の機能が必要になります。
- 案件とのスキルマッチング:スタッフのスキルを案件の条件と照合する
- 契約書・派遣帳票の作成:派遣に関わる書類を作る
- スタッフマイページ:スタッフ自身が勤務や情報を確かめる画面
- 勤怠承認:勤怠の内容を承認する
- 給与計算と請求・入金管理:給与、請求、入金までを一つの流れでつなぐ
AIによる自動シフト作成を検討するなら、休み希望・必要人数・資格・夜勤明け・勤務間隔といった制約条件を登録できることが前提になります。さらに、作成結果を管理者が説明し、修正できることも基本要件にします。
スタッフ管理システムの進め方

開発は、要件整理から定着化まで、6つのフェーズを順に進みます。途中の4フェーズは、選定、設計・開発、テスト、稼働です。
各フェーズで成果物と次に進む判断基準を決めておくと、「作ったものの現場で使えない」「連携仕様が最後に発覚して予算を超える」といった失敗を避けやすくなります。
1. 要件整理:現行業務と例外ルールの洗い出し
まず、店長やエリアマネージャー、コーディネーター、給与担当、スタッフなどの利用者を洗い出し、現行業務を一つの流れとして書き出します。たとえば、「希望シフトの提出」「未提出者への催促」「必要人数の確認」「仮配置」の単位に分けます。さらに、「管理者承認」「確定通知」「変更・欠勤対応」「勤怠締め」も、同じように単位に分けます。
そのうえで、Excelや紙、LINE、メールのどこで情報が生まれ、誰が転記しているかを記録します。次に、要件をMustとWantに分けます。
Mustは、欠けると業務や監査に影響する要件で、法令対応と勤怠の正確な記録が特に重要です。そのほかに、契約期限、資格期限、権限も含まれます。さらに、バックアップや既存給与・会計との連携も入ります。
Wantは、AI提案、ダッシュボード、チャット、詳細な需要予測など、効果を見ながら追加できる要件です。
要件定義を急いで例外ルールが後から発覚すると、リサーチノートの業務システム一般の整理では工数・費用が1.3〜1.5倍に膨らむ可能性があります。そのため、夜勤明け、資格必須、店舗間ヘルプ、掛け持ち、急な欠勤などを先に確認します。成果物には、業務フローと機能一覧を中心に、次のものがあります。
- 権限一覧:誰がどの情報を見て、どこまで操作できるか
- データ項目定義:スタッフや勤怠などの項目の意味と形式
- 外部連携一覧:給与・会計などとつなぐ相手と方式
- 非機能要件:利用可能時間、同時利用者数、バックアップなど
- 優先順位と受け入れ条件:先に作るものと、完成と認める条件
受け入れ条件は、判定できる文で書きます。たとえば、「シフトを作成できる」とするのではなく、「休み希望を無視せず、店舗ごとの最低人数と資格条件を満たし、承認者が理由を確認して確定できる」のように書きます。
2. 選定:SaaS・パッケージ・スクラッチの比較
選定では、業態やスタッフ数、拠点数、管理者数、必要な連携、給与・請求までの範囲をそろえて比べます。候補の方向は、店舗の規模と必要な機能の広さによって分かれます。
- 1〜数店舗で希望シフトの収集と通知が中心:クラウドSaaSが始めやすい
- 派遣法に関する帳票や契約・勤怠・給与・請求まで必要:業界パッケージが候補
- 独自の配置ルールや基幹連携が競争力に直結:スクラッチやハイブリッドを検討
クラウドSaaSは、アップデート、バックアップ、脆弱性対応をサービス提供者に寄せやすい一方、料金の課金単位、無料トライアルの条件、データ返却、解約後の保持期間を確認します。パッケージは、標準機能を活かすFit to Standardを基本にし、独自要件をアドオンし過ぎないことが大切です。
ローコード・ノーコードは台帳、申請、簡易通知の試作に向きますが、大量の組み合わせ最適化や複雑な給与計算は事前に限界を検証します。
比較検証では、営業資料だけでなく、代表的な3パターンを実際に操作して、通常月のシフト作成、急な欠勤の補充、退職者のアカウント停止と履歴確認を確かめます。
スタッフ側のスマートフォン画面も確認します。自動作成の速さだけでなく、結果を手動修正できるか、修正理由が残るか、条件違反を警告できるかも評価します。
たとえば、らくしふは2026年1月に公式アプリを正式リリースし、カレンダー・リスト表示、プッシュ通知、欠員募集、店舗やチームのチャットなどを案内しています(出典: 株式会社クロスビット「クラウドシフト管理『らくしふ』、公式アプリを正式リリース」、2026年1月)。現場定着の観点では、使い慣れた連絡手段と専用画面をどのように組み合わせるかも確認します。
新機能の多さではなく、自社スタッフが提出・確認・変更を完了できるかを、トライアルで確かめます。
3. 設計・開発:MVPから始める段階的な構築と連携確認
設計では、スタッフとシフトを中心に、データ同士の関係を定義します。ほかのデータも、スタッフを軸にして関係を決めます。
- 所属・店舗・就業先:スタッフがどこに属し、どこで働くか
- 案件・契約:派遣の案件とスタッフの契約を結びつける
- 勤務希望:希望シフトをスタッフと結びつける
- 打刻:出退勤の記録をスタッフと結びつける
- 給与・請求:勤怠の結果を給与と請求につなげる
スタッフの氏名や連絡先だけでなく、雇用区分や時給まで項目を決めます。そのほかに、スキル、資格と有効期限、契約状態、連絡可否も持たせます。
同じ人が複数拠点や複数案件に登録されても重複しないよう、識別ルールも作ります。
技術面では、Web管理画面とスマートフォンまたはPWAを中心に、RDB、REST API、SSOや多要素認証、役割別アクセス制御を基本設計に含めます。さらに、通信・保存データの暗号化、監査ログ、バックアップも含めます。
特に、マイナンバーや本人確認書類は、通常のスタッフ情報と同じ画面・同じ権限で扱わず、閲覧者、保存期間、ダウンロード可否、操作記録を分けて設計します。
全機能を一度に完成させるより、スタッフ台帳、希望シフト、シフト作成・通知、承認、簡易レポートをMVPとして先に作り、少数拠点でPoCを行います。給与や請求まで同時に作り込むと業務ルールの違いが複雑化しやすいため、勤怠連携や会計連携はデータ項目とエラー時の扱いを先に確定し、段階的に追加します。
4. テスト:通常業務と例外業務の検証
テストは、画面が表示されるかだけでなく、業務が正しい結果になるかを確認する工程です。スタッフ登録から締め処理までを一つのシナリオで通し、同じスタッフが複数店舗に所属する場合や、資格が期限切れの場合、最低人数を満たせない場合も試します。
例外テストでは、次の場面を確認します。
- 希望シフトの未提出と提出後の変更:提出の前後で、作成結果がどう変わるか
- 急な欠勤と管理者の差し戻し:補充と再確認の流れ
- 通信切断と二重打刻:打刻のデータが正しく残るか
- 連携先のエラー:給与や会計の側で失敗したときの扱い
- 退職者のログイン試行:退職後にアクセスできないか
給与や請求へ連携する場合は、端数、休日、深夜、残業、締め日を含む計算結果を既存業務と突合します。
受け入れテストの合格条件は、「担当者が使える」ではなく、何件中何件が一致し、どの警告が表示され、誰が承認するかまで数値や記録で決めます。厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」は、使用者が労働時間を適正に把握する責務を示しています。
そのため、打刻方法、修正申請、承認者、修正履歴、実労働時間と自己申告の差異を確認できるテストケースを用意し、打刻ボタンがあるだけでは運用要件を満たしたとは見なしません。
5. 稼働:少数拠点からの段階的な切り替え
本稼働では、全社一斉に切り替えるより、業態・店舗規模・管理者の習熟度が異なる少数拠点をパイロットにすると進めやすくなります。1か月分のシフト作成、1回の締め処理、欠勤対応を経験してから対象を広げると、現場の不満とデータ不備を早期に見つけられます。
旧システムやExcelは、すぐに廃止せず、照合期間と停止条件を決めておくことも大切です。切り替え前には、スタッフマスタの重複と退職者を中心に、時給、所属、資格期限、契約状態、連絡先の欠損を確認します。
移行件数だけでなく、移行元と移行先で項目の意味が一致しているかを確認し、誰がデータの整備を担当するかも決めます。スタッフへの案内は、ログイン方法、希望提出の締切、通知の見方、欠勤・変更の申請先を短い手順にまとめ、紙の掲示や説明会も併用します。
6. 定着化:KPIと改善会議による運用の継続
稼働後は、システムを導入したかどうかより、業務がどう変わったかを測ります。KPIには、シフト作成時間、希望シフトの回収率、欠員が埋まるまでの時間、転記ミス、勤怠締めにかかる日数を置きます。さらに、未提出者への催促回数、人件費率、スタッフの利用率も見ます。導入前の代表的な1か月を基準値として残し、同じ条件で比べます。
月1回の改善会議では、現場から上がった要望を「法令・安全」「業務継続」「時間短縮」「利便性」に分け、優先順位を付けます。AI自動シフトの精度を上げる場合も、どの制約で手動修正が発生したかを記録し、ルールを見直してから機能を調整します。
AIにスタッフの個人データを学習利用させない設定、誤配置時の責任者、最終承認者を決めておくことが、導入判断の土台になります。
スタッフ管理システム開発の費用相場とコストの内訳

費用は、既製サービスの利用料と独自開発費を柱に、次の内訳に分けて考えます。
- パッケージの設定・連携費:既製サービスに設定や連携を加える費用
- データ移行費:過去のデータを移す費用
- 教育費:利用者への研修にかかる費用
- 保守費:導入後の保守にかかる費用
費用は、スタッフ数と拠点数によって変わります。さらに、権限数、連携先、法令・帳票も費用に関わります。また、過去データの移行量や例外ルールも影響します。そのため、単一の金額を開発費として断定できません。ここに示す金額は、リサーチノートと公式公開料金を基にした検討レンジです。
公開料金のあるSaaSの利用料と導入費
小規模な店舗型であれば、初期費用0〜20万円程度、月額はスタッフ課金または数万円から始まるケースがあります。たとえばAirシフトの公式料金ページでは、無料体験期間の後、連携スタッフ1人あたり月額330円(税込)と案内されています。スタッフ数が2人以下の場合は、一律月額990円(税込)とされています(出典: 株式会社リクルート「Airシフト 費用・料金」、2026年確認)。
この金額はサービス利用料であり、独自のデータ移行や連携開発の費用までは含みません。派遣管理SaaSの例では、STAFF EXPRESSが公式料金ページで、スモールプラン月額25,000円以上、買い切り40万円以上、ライトプラン月額30,000円以上、買い切り50万円以上などを公開しています(出典: 株式会社エスアイ・システム「STAFF EXPRESS 料金」、2026年確認)。
プランによって給与、請求、入金、実績管理などの範囲が異なるため、料金と機能一覧を同じ資料で確認し、自社の業務が標準機能に収まるかを見ます。
独自開発は300万円台から数千万円までの幅
金額は、機能範囲によって大きく変わります。範囲ごとに見ると、検討レンジは次のように分かれます。
- パッケージ導入に設定やAPI連携を加える場合:100万〜500万円程度が一つの検討レンジ
- スタッフ台帳、シフト、権限、通知を中心にした小規模スクラッチ:300万〜800万円程度
- 複数拠点で勤怠・給与連携、データ移行、監査ログまで含む場合:800万〜2,000万円程度が目安
- 派遣スタッフのマッチングから総合基盤まで含む場合:1,500万〜5,000万円超となる可能性
これらはスタッフ管理だけの公的な統計値ではなく、リサーチノートにある業務システム一般の相場と要件範囲から整理した推定レンジです。開発会社の人月単価も、中小規模会社で月80万〜120万円、大手SIerで月150万〜200万円程度という目安がある一方、体制、工程、専門性で変わります。
要件定義、設計、実装、テスト、移行、教育の工数を分けて提示してもらい、金額の根拠を確認します。
3年TCO(総保有コスト)の見積もり
比較時は、初期費用と月額料金だけでなく、3年間の総保有コストで見ます。合計には、初期設定とデータ移行に加えて、次の項目を入れます。
- 追加ユーザーとスタッフ向けアプリ:利用者が増えたときの費用
- API連携と外部サービス利用料:連携や外部サービスにかかる費用
- 研修と問い合わせ対応:導入後の教育とサポートにかかる費用
- 保守・法改正対応・脆弱性対応:保守と制度・セキュリティへの対応にかかる費用
- 解約時のデータ出力:解約するときにデータを取り出す費用
月額が安くても、Excelとの二重入力や手作業の請求が残れば、人的コストが大きくなる場合があります。
スクラッチの場合は、初期開発費の年15〜25%程度を保守・運用費として予算化する考え方があります。ただし、この比率は一般的な予算計画の目安であり、契約で保証される数字ではありません。
法改正、OSやミドルウェア更新、監視、バックアップ復旧、追加開発をどこまで含むか、見積書と保守契約の両方で確認します。
スタッフ管理システムの見積もりを取る際のポイント

見積もりの精度は、発注側が現行業務と完成条件をどこまで整理できているかで変わります。
見積書を受け取ってから比べるより、同じ前提条件、同じ業務シナリオ、同じデータ件数で複数社に依頼することが大切です。
RFPに書く業務・データ・連携・受け入れ条件
RFPには、対象業態とスタッフ数を中心に、次の条件を書きます。
- 拠点数と管理者数:利用する拠点の数と、管理する人の数
- 月間のシフト件数:作成するシフトの量
- 雇用区分・勤務ルール・資格条件:スタッフの扱いと、勤務や資格の条件
- 既存システムと移行対象期間:つなぐ相手と、移すデータの期間
- 希望する稼働時期:いつから使い始めたいか
特に、給与・会計・POS・勤怠との連携方式、CSVの入出力、APIの有無、連携失敗時の再送や通知まで指定します。
機能一覧には、スタッフ台帳と監査ログを中心に、スキル・資格期限、欠勤補充、労務アラートを含めます。さらに、契約・帳票、給与・請求、マイナンバー権限も含めます。
非機能要件は、利用可能時間と同時利用者数を中心に定義します。そのうえで、レスポンスやバックアップ頻度、復旧目標を定めます。さらに、認証方式とログ保存期間、障害時の連絡窓口も決めておきます。
見積もりは「導入支援一式」とせず、要件定義と保守の金額を分けてもらいます。そのうえで、設計、実装、テスト、移行、教育の費用も区切って示してもらいます。
候補会社の担当範囲と相性の比較
開発会社を比べるときは、同業・同規模の導入事例と、要件定義とデータ移行の担当範囲を中心に確認します。加えて、連携やセキュリティ、サポートの面も見ます。
- APIやCSVの連携実績:既存システムとつないだ経験
- 権限・監査ログ・バックアップ:データを守る仕組みがあるか
- 法改正対応:制度が変わったときの対応
- サポート時間:問い合わせに応じてもらえる時間帯
- 解約時のデータ返却:解約後にデータを受け取れるか
実績は導入社数だけでなく、どの業務を何時間短縮し、現場の利用率がどう変わったかで聞きます。
たとえば、オーエムネットワークのR-Shift導入事例では、数百名規模のチームでシフト作成が9日から1日に短縮されたと紹介されています(出典: R-Shift公式「導入事例」、事例は2023年7月時点)。これはベンダー掲載の自己申告事例であるため、そのまま自社の効果と見なさず、同じデータ件数・制約条件で自社PoCを行い、改善幅を検証します。
契約・セキュリティ・責任分界の確認
個人情報を扱うスタッフ管理では、機能の価格だけでなく、データの管理責任を契約で明確にします。個人情報保護委員会の「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(2026年6月、令和8年6月一部改正)では、安全管理措置の考え方が示されています。それは、事業規模や取り扱うデータの性質・量に応じて、必要かつ適切な内容にするというものです。
契約では、データの所有権と利用範囲を中心に確認します。加えて、委託先の範囲や事故時の対応、データの扱いの終わり方まで確認します。
- 委託先・再委託先:データを扱う先が増えないか
- 保存場所とバックアップ:データをどこに置き、どう複製するか
- 漏えい時の報告:事故が起きたときに誰へどう知らせるか
- 監査:外部から確認できる仕組みがあるか
- データ削除・返却と解約後の保持期間:解約後にデータをどう扱うか
スクラッチ開発では、ソースコード、設計書、翻案・二次利用の権利、第三者ライブラリのライセンスも確認します。
AI機能がある場合は、個人データを学習に使うか、入力データがどこへ送られるか、出力の誤りを誰が承認するかを質問します。
よくある質問(FAQ)

費用、期間、既存システムとの連携、AIの使い方は、発注前に質問が多く寄せられる項目です。各質問の答えは、発注前に判断しやすいよう、結論を先に示します。
スタッフ管理システムの開発費用はいくらですか?
店舗のシフト管理をSaaSで始めるなら、初期費用0〜20万円程度、月額330円をスタッフ単位で課金するサービスから数万円程度のサービスまであります。
独自開発では、機能範囲により300万〜2,000万円程度、派遣業務全体を統合すると1,500万〜5,000万円超の検討レンジになります。いずれも相場の目安であり、移行、連携、研修、保守を含むかで変わるため、内訳を分けた見積もりで判断します。
スタッフ管理システムの開発期間はどのくらいですか?
小規模なSaaS導入は即日から1か月、派遣管理SaaSやパッケージ導入は1〜3か月、設定やAPI連携を含む導入は2〜6か月が目安です。
小規模スクラッチは3〜6か月、複数拠点で勤怠・給与連携や監査要件まで含むと6〜12か月程度が一つの目安になります。要件整理、データ移行、現場研修を期間に含めるかを確かめ、開発だけの短い日程で判断しないことが大切です。
AI自動シフトを最初から導入したほうがよいですか?
AI自動シフトは、最初から必須にするより、スタッフ台帳、希望回収、必要人数、承認、通知のデータを整えてから、需要予測や配置提案を追加する進め方が安全です。
AIの結果を人が修正・承認でき、休み希望、資格、連勤、夜勤明け、最低人数などの制約条件と違反理由を確認できることを受け入れ条件にします。個人データをAIの学習に利用しない設定と、誤配置時の責任分界も契約前に確認します。
既存の勤怠・給与・POSシステムと連携できますか?
連携できるかは、既存システムが提供するAPIやCSVの項目、更新頻度、認証方式、エラー処理によって決まります。
連携先の担当会社にも仕様を確認し、スタッフIDと締め日を中心に、項目対応表を作ります。項目対応表では、所属から時給まで、同じ意味の項目を対応させます。
- 所属・勤務日:どこで、いつ働いたか
- 打刻・休暇:出退勤と休みの記録
- 残業:時間外の集計
- 時給:給与計算の基礎
APIがない場合はCSV連携で始める選択肢もありますが、二重登録を防ぐ正となるシステムと、取込失敗時の再処理手順を先に決めます。
まとめ

スタッフ管理システムの開発では、店舗・多拠点型か派遣管理型かを明確にし、現行業務、例外ルール、データ、連携先を整理してから、SaaS、パッケージ、スクラッチを選びます。
要件整理から選定、設計・開発、テスト、稼働、定着化までを6フェーズに分け、各段階の成果物と合格条件を決めることが、手戻りを抑える基本です。
最後に確認したいチェックポイント
発注前には、次の5点を確認します。
- 対象と要件:対象業態と利用者が明確か、MustとWantが分かれているか
- IDとマスタ、連携:スタッフIDとマスタの正が決まり、シフト・勤怠・給与・請求の連携範囲も決まっているか
- 例外:資格・契約期限・欠勤などの例外が要件に入っているか
- 契約:権限、監査ログ、バックアップ、データ返却が契約に入っているか
- PoC:少数拠点でPoCする計画があるか
開発のゴールは、現場に定着し改善を続けられる状態
機能の完成だけでなく、管理者が判断でき、スタッフが迷わず使え、データが次の給与・請求・経営判断につながる状態を目指します。小さく始めて利用状況を測り、例外ルールや現場の声を次の改善に反映する運用をあらかじめ決めておくと、導入効果を継続的に高められます。
費用は、公開料金、導入支援、移行、連携、研修、保守を含む3年TCOで比較します。導入後は、シフト作成時間、希望回収率、欠員充足時間、転記ミス、勤怠締め日数、利用率などをKPIに置き、現場の声と数値を見ながら改善します。
システムを納品して終わりにせず、スタッフと管理者が使い続けられる運用まで設計することが成功の条件です。
▼全体ガイドの記事
・スタッフ管理システム開発の完全ガイド
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・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
