システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

システム開発は、企画と要件定義から始めて、設計・開発・テスト・導入を順番につなぎ、各工程の成果を確かめながら進めます。

手法の選び方、工程ごとの判断、費用と見積もりの確認点は、発注側が打ち合わせで押さえておきたい論点です。全体像はシステム開発の完全ガイドもご覧ください。

システム開発の全体像と主な手法

システム開発とは、業務上の課題を解決したり新しいサービスを提供したりするために、ソフトウェアやWebシステムを設計・構築するプロセス全体を指します。プログラムを書くのは、その一部にすぎません。

まず、何を作るかを決めるのが「要件定義」で、次に、どう作るかを決める「設計」を行い、実際に作る「開発・実装」へ進みます。その後、品質を確かめる「テスト」と、本番環境へ出す「リリース」を経て、継続して維持管理する「運用・保守」まで、多くの工程が連携して初めて成り立ちます。

工程の進め方は、採用する開発手法によって大きく変わります。

ウォーターフォール型開発の特徴と適した場面

ウォーターフォールは、要件定義から設計・開発・テストへと、前の工程を終えてから次の工程へ順番に進む手法です。

  • 向く案件:要件が明確な基幹・社内システム
  • 利点:全体の費用と日程を見通しやすい
  • 注意点:後工程での仕様変更は手戻りが大きい

アジャイル・スパイラル型開発の特徴と適した場面

アジャイルは、1〜4週間ほどの短い単位で設計・開発・テストを繰り返しながら進める手法です。

  • 向く案件:利用者の反応を見ながら改善するサービス
  • 利点:優先度や仕様の変化を取り込みやすい
  • 注意点:最終費用と期間を固定しにくい
  • スパイラル:機能単位で計画と検証を繰り返す中間的な進め方

ポイント

企画から導入・運用まで、各工程の判断をつないで進めます。開発手法は、要件の確定度と変化の大きさに応じて選ぶと、工程の進め方を見通しやすくなります。

システム開発の進め方・工程と手順

システム開発を上流工程・中流工程・下流工程の3層に分け、それぞれの役割を示した図解。
工程ごとの役割を上から順にたどれます。

システム開発の工程は、大きく「上流工程」「中流工程」「下流工程」の3つに分けられます。上流工程では何を作るかを決め、中流工程では設計と実装を行い、下流工程では品質確認とリリースを進めます。各工程で何をアウトプットするかを明確に意識することが、プロジェクト全体のスムーズな進行につながります。

要件定義・企画フェーズ

要件定義では、作る機能より先に、解決したい課題と達成したい成果を揃えておきます。機能から決めてしまうと、課題に合わない作業が増えかねません。

  • 現状整理:現在の業務と課題、利用者を整理する
  • 要件の分類:機能要件と、性能・セキュリティなどの非機能要件を切り分ける
  • 対象の線引き:対象範囲と優先順位を決め、対象外も明記する
  • 合意事項:予算、期限、成果指標を関係者の間で合意しておく
  • 提案の条件:同じ条件で提案を受けられるよう、RFPを準備する

設計・開発フェーズ

設計では、利用者の目に見える仕様と、内部の処理をどう実装するかを、段階を追って具体化します。

  • 基本設計:画面、帳票、データ、外部連携の定義
  • 詳細設計:処理ロジック、例外、エラー対応の定義
  • レビュー:発注者による画面と業務フローの確認
  • 開発:設計に沿った実装と、機能単位のテスト

運用とのずれは、見つかるのが遅いほど直しの手間がかかります。そのため、発注者は基本設計の段階で現場担当者を交え、早めに見つけます。

テスト・リリースフェーズ

テストは、機能単体から実際の業務まで、確認する範囲を少しずつ広げていきます。

  • 単体テスト:各機能が設計どおりに動くか
  • 結合テスト:機能間や外部システムとの連携に問題がないか
  • システムテスト:性能・負荷・セキュリティを含め、全体要件を満たすか
  • 受入テスト(UAT):発注者が実業務のシナリオで確認
  • リリース:移行・切り戻し・初期サポートの手順の実行

ポイント

要件定義で課題と範囲を揃え、設計では現場の確認を入れ、テストは受入まで確認範囲を広げます。節目ごとに、次の工程へ渡せる状態かを見極めるのが目安です。

費用相場とコストの内訳

システム開発費用の人件費と工数、クラウド・サーバー費、更新費用、保守・運用費を4つのパネルで整理し、本文にある費用目安を添えた図解。
初期の開発費に加え、継続して発生する費用も並びます。

システム開発の費用は、規模や複雑さによって大きく幅があり、開発手法や発注先によっても変わります。小規模な業務支援ツールなら数十万円から始められる一方で、大規模な基幹システムや複数部門をまたぐ統合型システムでは数千万円に達することもあります。そのため、適切な予算を立てるには、費用の内訳を正しく理解しておくことが欠かせません。

人件費と工数の考え方

開発費の中心は人件費で、基本の式は「人月単価 × 工数」です。

  • 単価の相場:SEの人月単価は80万〜150万円程度が目安
  • 工数の例:3人が4か月稼働すると12人月
  • 試算の例:人月単価100万円なら、人件費は1,200万円
  • 比べ方:画面・帳票・機能・外部連携の数を揃えると、工数を比べやすい

初期費用以外のランニングコスト

予算は、初期開発費だけでなく、リリース後の継続費用まで含めて考えます。

  • クラウド・サーバー費:月額数万〜数十万円程度
  • 更新費用:ライセンス、SSL証明書、ドメインなどの更新
  • 日常の対応:監視、問い合わせ、不具合修正、セキュリティ対応
  • 保守・運用費:初期開発費の年10〜20%程度が目安

たとえば、1,000万円のシステムであれば、年間100万〜200万円程度の保守費を見込んでおきます。

ポイント

費用は、規模や複雑さに加えて開発手法や発注先でも変わります。人件費は人月単価と工数で考え、初期費用以外に保守・運用費も予算に含めます。

見積もりを取る際のポイントと発注先の選び方

見積もりを比べて発注先を選ぶ際の評価基準として、前提の明確さ、開発実績、進め方、担当者の対応を並べたチェックリスト図解。
4つの観点を揃えると、提案内容を横並びで見られます。

同じ機能を依頼しても、会社によって2〜3倍の価格差が出ることも珍しくありません。そのため、費用が妥当かを判断するには、複数社から見積もりを取り、比べるのが基本です。ただし、価格だけで決めず、見積もりの根拠、品質管理体制、実績を合わせて評価します。

要件の明確化と仕様書の準備

各社の見積もりを同じ条件で比べるには、RFPまたは要件概要書を用意しておきます。

  • 背景の整理:目的、現状業務、解決したい課題を書く
  • 規模と機能:利用者数、データ量、必要機能と優先順位を明記する
  • 技術面の条件:外部連携、性能、セキュリティの要件を挙げておく
  • 納期と予算:希望納期、予算上限、保守の希望を伝える
  • 既存資料:現行の画面・帳票・業務マニュアルを添える

複数社比較と発注先の選び方

比較の対象を3社程度に絞ると、相場と提案の違いが見えてきます。

  • 前提の明確さ:見積もりの内訳と前提条件を明示しているか
  • 開発実績:類似の業界や規模の案件を手がけているか
  • 進め方:プロジェクト管理と報告の方法が決まっているか
  • 担当者の対応:説明力とレスポンスを確かめる
  • 長期の支援:保守・改善を含む支援体制が整っているか

特に長期のプロジェクトでは、問題が起きたときに率直に相談できる担当者かどうかも見ておきたいところです。

注意すべきリスクと対策

契約の前にリスクと対応ルールを決めておくと、費用と日程が膨らむのを抑えられます。

  • スコープ拡大:変更時の見積もりと承認の手順を定める
  • 認識のずれ:週次の定例、議事録、設計レビューを習慣にする
  • 進捗遅延:マイルストーンと課題ごとの責任者を明らかにする
  • 契約リスク:著作権、個人情報、再委託、保守範囲の確認

ポイント

RFPや要件概要書で条件を揃え、複数社を比べて判断します。価格だけでなく、見積もりの根拠や品質管理体制、実績も見ます。

まとめ

システム開発を成功させるには、5つの点を押さえることが大切です。まず、要件定義で目的と機能を明確にし、プロジェクトに合った開発手法を選びます。

そのうえで、設計・開発・テストの各工程を丁寧に進め、費用の内訳とランニングコストを把握して予算を立てます。

最後に、複数のベンダーを比べ、信頼できるパートナーを選びます。

特に要件定義は、全工程の土台となる最も重要なフェーズです。ここに時間と労力を惜しまないことが、プロジェクトを成功させる近道になります。

ウォーターフォール、アジャイル、スパイラルのどれが正解かは一概に決まらず、最適な手法は、要件の確定度合いと仕様変更の頻度によって変わります。さらに、リリースまでの期間や組織の体制も条件になります。

費用は、初期開発費だけでなく保守・運用コストまで含めた総所有コスト(TCO)の視点で検討することが大切です。

ベンダー選びでは、価格の安さだけで判断せず、同業種の実績、コミュニケーション能力、変更管理の仕組みを総合して評価してください。riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。

IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネス成果の創出とシステムの定着支援に強みがあります。

進め方でお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。