研修管理システム開発の完全ガイド

研修管理システムは、研修の募集から修了までを一つにまとめ、自社に合った人材育成の仕組みづくりを支えます。

業務の全体像から構築方式、導入手順、費用、開発会社の選び方までを、順に見ていきます。

▼関連記事一覧
・研修管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・研修管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・研修管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・研修管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

研修管理システムの全体像

研修管理システムを中心に、受講者・組織管理、研修運営、学習管理、修了・通知・レポートを示した図解。
学習の前後にある運営業務も同じ管理範囲に含まれます。

研修管理システムは、動画配信だけでなく、集合研修、オンライン研修、eラーニングを横断して扱う仕組みです。対象者、申込時期、教材、修了条件を記録しておくと、研修の運営を一つの流れで見渡せます。

人事部門のほか、研修担当者、現場管理者、講師、受講者、監査担当者も、それぞれ必要な情報を確認できます。

研修管理システムとLMSの違い

両者の違いは、学習基盤と研修運営のどこまでを扱うかにあります。

  • LMS:学習コンテンツの配信、進捗、テスト、成績を管理する基盤を指すことが多いです。
  • 研修管理システム:募集、上長承認、会場、定員、講師、出欠、キャンセルまでの業務を扱います。
  • 学習前後の運営:修了証の発行や、未受講者への督促も含みます。

機能が重なる製品も多いため、製品の名称ではなく、管理したい業務の範囲で比べます。

主な機能と管理できる業務

研修担当者の作業を減らすには、対象者の管理や通知を自動で行えるかが判断材料になります。

  • 受講者・組織管理:社員情報や組織の情報を扱います。
  • 研修運営:コースの設定、申込、承認、出欠の記録。
  • 学習管理:教材、テスト、課題、アンケートの管理。
  • 修了・通知・レポート:判定や受講状況の共有に使う機能です。

人事マスタから、社員番号、所属、役職、入社日、雇用区分などを取り込めます。必須、推奨、任意の研修を対象者へ自動で割り当てると、対象者ごとの登録作業を省けます。

異動や退職に伴う更新、未申請者へのリマインド、期限前の通知も自動化できます。そのぶん、研修担当者は企画や改善に時間を振り向けやすくなります。

導入で期待できる効果

導入によって期待できる効果は、作業の削減、受講状況の把握、人材育成への活用です。

  • 定型作業の削減:案内、出欠確認、修了証の発行、集計を効率化します。
  • 受講漏れの把握:必須研修の受講漏れや未修了者を早期に確認し、監査やコンプライアンス対応に使う記録を残せます。
  • 履歴の活用:スキルマップ、キャリア開発、配置、次の学習提案につなげます。

受講率を上げるには、システムの導入に加えて、対象者に合う内容、受講しやすい導線、管理者が確認する運用まで、あわせて設計する必要があります。

研修管理システムの種類と構築方式の比較

クラウドSaaS型、パッケージ導入・追加開発型、スクラッチ開発型の3方式を並べた図解。
標準機能を使う範囲と個別設計の範囲が方式ごとに異なります。

利用目的と構築方式を分けて考えると、研修管理システムを選びやすくなります。教材配信が中心か、集合研修の事務局業務まで管理するかで必要な機能は変わり、社外向けの講座も販売する場合は、さらに機能と費用が変わります。

優先順位は、機能の多さよりも、現在の業務で時間がかかる部分から決めます。

クラウドSaaS型

クラウドSaaS型は、標準機能を月額または年額で利用する方式です。

  • 導入しやすさ:初期費用を抑えやすく、短期間で試せます。
  • 保守負担:サーバー保守や脆弱性対応を自社で抱えにくい方式です。
  • 独自要件:独自の承認ルールや複雑な組織階層は、標準機能では再現できない場合があります。

業務を標準化できる範囲を見極めたうえで、API、CSV、SSO、データのエクスポートに対応しているかを確認します。

パッケージ導入・追加開発型

既存の機能を活用しながら、標準機能で足りる部分と追加開発する部分を分けて検討します。

  • 方式:人事システム、認証基盤、帳票に合わせて、設定や連携を加えます。
  • 導入負担:標準機能を使うため、ゼロから作るより期間とリスクを抑えやすい方式です。
  • 独自要件:一定程度対応できますが、追加開発が多いと、更新のたびに検証が必要です。

この方式では、標準機能に合わせて運用を変える部分と、追加する価値が高い部分を分けます。

スクラッチ開発型

スクラッチ開発は、自社の要件への適合が欠かせない業務を中心に検討します。

  • 設計範囲:業務フロー、画面、データモデル、権限、連携を設計します。
  • 適する業務:独自制度、資格認定、研修販売、複雑なスキル判定が競争力に直結する場合に候補になります。
  • 開発負担:企画、要件定義、開発、テスト、運用保守がすべて必要になります。
  • 予算・納期:要件が固まらないまま始めると、予算超過や遅延につながります。

独自の業務だけを作り、一般的な機能は外部サービスと連携させる構成も有効です。

規模別に考える優先順位

優先する機能は、組織の規模だけでなく、年間の研修数や受講者の勤務形態によっても変わります。

  • 小規模組織:登録、教材配信、テスト、修了確認を、低い負担で始めます。
  • 中堅企業:部署別権限、承認、集合研修、通知、人事マスタ連携を加えます。
  • 大企業・グループ企業:複数法人、兼務、委託先、言語、SSO、監査ログ、API、保管方針を確認します。

年間の研修数、必須研修の厳格さ、受講者の勤務形態を基準にすると、機能の過不足を抑えられます。

ポイント

標準機能で足りるか、独自要件が競争力に直結するかで方式を絞り、規模に応じて優先する機能を決めます。迷ったときは、業務で時間がかかる部分を起点に比べます。

研修管理システムの導入・開発の進め方

現状業務の整理から要件定義、小規模PoCと受入テスト、データ移行・本番展開・定着改善へ進む流れ図。
試行と受入テストを経てから本番展開へ進みます。

導入を終えるには、契約や画面設定に加えて、対象者のマスタ、研修データ、権限、通知、現場の役割を整える必要があります。そのうえで、受講者が迷わず使える状態まで検証し、稼働後の改善も含めて計画します。

▶ 詳細はこちら:研修管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

現状業務の整理と目的設定

導入目的をはっきりさせるには、現在の研修の流れと課題を整理する必要があります。

  • 研修の流れ:年間研修カレンダーを作り、企画から報告までを一覧にします。
  • 現状の課題:Excelやメールが残る箇所、二重入力、担当者しか分からない判断を洗い出します。
  • 目標:作業時間や修了率など、改善したい数値を定めます。

たとえば、管理者の月間作業時間を何時間減らすか、必須研修の期限内修了率を何%にするか、受講履歴の確認に何分以内で答えるかを決めます。

要件定義と優先順位付け

初期リリースで何を入れるかを決めるため、要件を優先度ごとに分けます。

  • MUST:社員マスタ取込から修了までの流れ、未完了者への通知、履歴出力。
  • SHOULD:あると便利な要件を整理します。
  • WANT:高度なレコメンドや細かな分析など、将来検討する要件です。

退職、異動、休職、兼務などの例外データも定義します。派遣やグループ会社に関するデータも、あわせて定義します。

小規模PoCと受入テスト

全社に広げる前に、小規模な試行と受入テストを行い、導入するかどうかを判断します。

  1. 1部門または必須研修1種類でPoCを行います。
  2. 社員マスタ取込からログイン、申込、承認まで試します。さらに、受講、修了、督促、レポートまで確かめます。
  3. 受講者と管理者の両方から意見を集めます。
  4. 期限切れ、定員超過、キャンセル、異動後の履歴を受入テストで確認します。
  5. 同じ人が複数の役割を持つ場合も試します。

判断を迷わないよう、成功条件を先に決めておくと、導入を続けるか要件を修正するかを判断しやすくなります。

データ移行・本番展開・定着改善

本番展開から定着までは、移行の準備、利用者への支援、稼働後の改善を続けて行います。

  1. 社員マスタ、受講履歴、コース情報、修了条件を整理します。
  2. 移行対象と保持期間を決め、受講者へ告知します。
  3. 管理者研修、問い合わせ窓口、障害時の連絡手順を用意します。
  4. 稼働後は受講率、督促回数、問い合わせ件数、管理者工数、修了日数を確認します。

通知文や研修の設計を見直しながら、定着した状態をシステムの完成と考えます。

ポイント

要件は必須の範囲と将来の範囲に分け、試行の成功条件を先に決めておきます。試行の結果が条件を満たすかで、展開を進めるか要件を見直すかを判断します。

研修管理システムの費用相場とコストの内訳

費用は、利用者数や教材の量、集合研修の有無で変わります。さらに、データ移行や人事連携、個別開発を加えるかどうかでも変わり、SSOや導入支援の範囲も費用に影響します。

利用料は公開価格で比べられる一方、導入や連携の費用は見積もりで決まります。そのため、分けて考えます。下の金額は、2026年時点で確認できる公開価格と、近接する人事労務系業務システムの工数から整理した実務上の目安です。

▶ 詳細はこちら:研修管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

クラウド型の月額料金

公開価格は利用人数や契約条件によって異なるため、単価と総額を併せて見ます。

  • ライセンス単価:教材配信中心のLMSで、初期費用0円、1ライセンス月額200〜360円程度の例があります。
  • 100人規模:月額2万〜3.6万円程度の公開価格例があります。
  • 1,000人規模:月額10.8万〜30万円程度のプラン例があります(出典: クラウド型LMSの公式料金ページ、2026年8月確認)。

総額は、最低利用人数や年契約の割引、動画容量で変わります。加えて、受け放題教材やサポートの内容も見ます。休眠制度と従量課金の有無も、総額に関わります。

導入支援・連携・データ移行の費用

導入支援費は設定の範囲によって変わるため、作業ごとの見積もりで比べます。

  • 標準設定:初期費用0〜100万円程度が目安です。
  • 支援・連携込み:組織・社員マスタ整備、移行、SSO、人事連携、運用設計を含めると初期100〜500万円程度が比較の起点です。

この金額は、公開料金と導入工数からの実務上の推定で、製品横断の公表相場ではありません。

見積書では、初期設定、アカウント発行、教材登録の費用を分けてもらいます。移行、連携、テストの費用も、項目ごとに示してもらいます。また、マニュアル作成や教育の費用も別に記載してもらいます。

スクラッチ開発の費用と期間

費用と期間は、MVPとして始めるか全社向けにするか、そして含める機能や連携によって変わります。

  • MVP:研修カタログ、申込、履歴、通知、簡易レポートに絞ると1,000万〜2,500万円が仮置きの目安です。
  • 全社向け:複数法人、多言語、高度な権限、SSO、人事マスタの双方向連携を含むと2,500万〜5,000万円超です。
  • 追加機能:標準規格への対応、スキル分析、監査ログも、全社向けの規模に含まれます。
  • 開発期間:MVPで4〜8か月、大規模開発で6〜18か月程度を想定します。

下の金額は、近接する人事労務系業務システムの開発規模からの推定で、研修管理だけの統計ではありません。要件定義、移行、並行運用も含めて見積もります。

ランニングコストと助成金の確認

月額以外の支出や助成金の要件も確かめ、総額で判断します。

  • 追加費用:教材制作、動画撮影、ストレージ、サポートが発生する場合があります。アカウント追加、API、保守、更新対応も、費用の対象になります。
  • 総保有コスト:3年間の初期費用、利用料、教材、運用人件費、連携・保守費を計算します。
  • 助成金:訓練内容によって人材開発支援助成金の対象となる可能性があります。

助成金を使うなら、訓練計画と支給要件を押さえたうえで、申請時期と対象経費も確認する必要があります。

2026年度は書類の追加など制度の変更もあるため、厚生労働省の最新の案内と管轄の窓口で確かめます(出典: 厚生労働省「人材開発支援助成金」、2026年度)。

ポイント

費用は、利用料と導入・連携費を分けて見積もり、3年間の総額で比べます。公開価格は目安として使い、見積もりの前提条件を確かめます。

研修管理システムの開発会社/ベンダーの選び方

選定では、まず完成品サービスの導入か、自社専用の開発かを分けて考えます。そのうえで、機能や連携、導入支援を同じ条件で比べます。セキュリティや料金、将来のデータ移行も、並べて確かめます。

デモの印象だけで決めず、実際の業務で試せるかを見ます。管理者と受講者の双方が使いやすいかも、合わせて確かめます。

業務フローで見る必要機能

自社の研修を一件登録し、対象者の割り当てから修了まで操作して確かめます。

  • 基本管理:受講者・組織、研修カタログ、対象者の自動割当。
  • 集合研修:申込、承認、定員、会場、出欠、講師。
  • 学習機能:動画・資料、テスト、課題、アンケート、修了証。
  • 通知・分析:通知やレポートを確認します。

集合研修では、欠席や振替まで扱えるかを見ます。キャンセル待ちや会場変更への対応も、あわせて確認します。

eラーニングでは、視聴履歴や再生制限、テストの再受験を確認します。標準教材の取り込みや、スマートフォンへの対応も見ておきます。

連携・権限・データの出口

導入前に、連携の仕組み、閲覧権限、契約終了後のデータ利用を確かめておきます。

  • システム連携:人事データの入社・異動・退職反映、SSO、会議、動画配信、BIとの連携。
  • 閲覧権限:本人、上長、研修担当、人事、監査担当の範囲を分け、兼務やグループ会社にも対応します。
  • データ出力:契約終了時の履歴形式と保持期間を確認します。
  • 仕様公開:APIやCSVの仕様を導入前に調べます。

導入支援と運用体制の評価

契約の前に、担当者とベンダーの役割、導入後の支援範囲を確かめておきます。

  • 社内の役割:研修の登録や教材の更新を担う人と、問い合わせや未受講者のフォローを担う人を決めます。
  • 導入支援:業務整理や移行が含まれるかを確認します。管理者研修や操作マニュアルも対象か、見ておきます。
  • 継続支援:問い合わせ対応や利用状況の分析も範囲に含むか確認します。

複数の部署に管理者がいる企業では、運用ルールへの支援が不足すると、Excel管理に戻るリスクがあります。

見積書と提案内容の比較方法

提案と見積もりを同じ条件で比べるには、まず要件と評価軸をそろえることが必要です。

  • 対象規模:対象人数や組織数、研修数に加えて、集合研修の有無もRFPに記載します。
  • 機能と運用の条件:教材形式や連携、SSO、権限に加えて、履歴の保持、希望時期、運用担当者も記します。
  • 見積もりの内訳:初期費用と月額、オプションを分け、移行や教材登録、連携、保守、追加ユーザーにかかる費用も項目ごとに見積もってもらいます。
  • 条件の明示:見積もりの前提条件と除外項目を、提案者に示してもらいます。

価格のほか、要件への適合度や導入期間で評価します。サポートやセキュリティ、データの持ち出しやすさも、評価の観点にします。

▶ 詳細はこちら:研修管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

▶ 詳細はこちら:研修管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

ポイント

完成品か自社専用かを先に分け、同じ条件で操作と見積もりを比べます。要件への適合度や導入支援の範囲、データの持ち出しやすさで評価します。

導入で失敗しやすいポイントと成功のための運用設計

導入の失敗は、機能の不足より、業務や運用の設計不足から起こりやすいです。

導入目的がシステムを使うことだけになったり、現場の例外をすべて個別開発したりすると、費用ばかりが増え、定着しません。そのため、導入前の段階から、使う人と使い続ける仕組みを設計します。

最初から作り込みすぎる失敗

導入範囲は段階的に広げ、利用者に必要な機能と追加の投資を見極めます。

  1. 初回から全社、全研修、全連携を対象にすると要件が膨らみ、必要機能も見えにくくなります。
  2. 必須研修や一部門で、対象者登録から修了確認までを整えて利用データを集めます。
  3. 標準機能で効果が出た領域を広げ、独自性が明確な領域だけ追加開発します。

利用データがそろえば、追加投資の判断もしやすくなります。

社員マスタと権限の後回し

社員情報と閲覧権限を先に定めておくと、割り当てや承認の不具合を防げます。

  • 情報の基準:人事システムを正とするか、研修管理側で補正するかを決めます。
  • 例外の扱い:退職、異動、休職、兼務の取り決めを明文化します。
  • 閲覧範囲:本人、上長、研修担当、人事、監査担当ごとに定義します。

所属や役職が正しく反映されないと、対象者の割り当ても上長の承認も機能しなくなります。あわせて、個人情報を必要以上に共有しない設計にします。

受講者と管理者への定着施策の不足

受講者がログインしないのは、機能より運用に原因がある場合があります。

  • 受講者側:案内が届かない、スマートフォンで操作しにくい、目的が分からない、期限が現実的でないといった点です。
  • 事前案内:短い操作の手引きを用意し、メールや社内ポータルから進める導線を作ります。
  • 管理者研修:登録、対象者変更、未修了者確認、レポート出力を、実データを使って練習します。
  • マニュアル:問い合わせの多い操作を、記載に反映します。

ポイント

社員マスタと権限、定着施策が導入前に決まっているかを見ます。段階的に広げ、利用データを集めてから追加投資を判断します。

研修履歴は、氏名や所属、役職と結び付くことで、個人の情報になる場合があります。受講状況やテスト結果、アンケート、スキル情報も、その対象です。そのため、単なる教材データとして扱えない場合があります。

クラウドを利用する場合は、アクセス制御、暗号化、バックアップを確認します。ログと障害対応も見ておきます。さらに、再委託先、データ保管国、契約終了後の削除と返却も確かめます。

データの保護と、必要なときの取り出しやすさは、機能と同じ重みで評価します。

個人情報と委託先の管理

委託先と個人情報を管理するため、契約前に安全管理の確認項目を整理します。

個人情報保護委員会は、人事労務管理クラウドの安全管理措置や委託先の監督について注意喚起しています(出典: 個人情報保護委員会「人事労務管理のためのサービスをクラウド環境で利用する場合等の注意喚起」、2024年)。

  • 委託先の確認:監督の状況を確かめます。
  • 契約前の整理:利用者、権限、保存データ、再委託、事故時の報告、ログ確認方法。
  • 運用管理:管理者権限を最小限にし、退職者のアカウントを停止して、権限を定期的に見直します。

SSO・人事マスタ・学習データの連携

連携の目的に応じて必要な仕組みを選び、記録データをどう使うかも決めます。

  • SSO:受講者が別のIDとパスワードを覚える負担を減らします。
  • 人事マスタ:入社、異動、退職の情報を自動で反映できます。
  • 学習データ:SCORM、xAPI、cmi5、LRSなどへの対応を確認します。

規格に対応していれば、それだけで分析できるとは限りません。記録するイベントと、誰がどの判断に使うかを先に決めておくと、データを活かしやすくなります。

生成AI活用の考え方

2026年時点では、教材作成や学習支援に生成AIを使う案が検討されています。

  • 活用案:教材の草稿、要約、質問への回答、学習内容の検索、個別の学習提案。
  • 入力情報:社外秘情報や個人情報を入れてよいかを決めます。
  • 生成結果:確認を担う人と、誤回答の訂正方法を決めます。
  • 利用範囲:人事評価に自動で直結させず、学習支援の補助として使います。

生成AIを使う場合も、結果を説明できる状態を保ち、人が確認する工程を残しておくと安全です。

受講率以外のKPI設計

受講率に加えて、修了や学習の状況を確かめられる指標も設けます。

  • 学習状況:期限内修了率、テスト正答率、アンケート回答率。
  • 運用状況:開始・修了までの日数、督促回数、管理者工数。
  • 支援状況:問い合わせ件数、再受講率。

業務改善が目的であれば、手順の遵守や資格の取得、事故やミスの減少も測れます。また、上長が確認した行動の変化など、業務に近い指標も一つ以上置きます。

指標を増やしすぎず、研修の目的ごとに重要な数値を選びます。

よくある質問(FAQ)

導入の判断で多い疑問に答えます。最適な形は受講者数や研修の運用で変わるため、回答は要件整理の起点として使うとよいでしょう。

研修管理システムとLMSは同じものですか?

両者は機能が重なる部分もありますが、完全に同じものではありません。LMSは、学習コンテンツや進捗の管理を中心とします。

研修管理システムは、集合研修の募集や出欠、会場、講師なども扱います。承認や修了証も含みます。製品によって機能の範囲が重なるため、名称ではなく必要な業務を確認します。

研修管理システムの導入費用はいくらですか?

方式ごとの初期費用と利用料を比べ、3年間の総額で判断します。

  • クラウド型:教材配信中心なら初期費用0円、月額数万円からの公開価格例があります。
  • 導入支援・人事連携:加える場合は初期100〜500万円程度が目安です。
  • 独自開発:MVPは1,000万〜2,500万円、全社向けは2,500万〜5,000万円超が実務上の仮置きです。

総額には、利用料のほかに、移行、教材、運用、保守の費用も含めて考えます。

小規模企業でも研修管理システムは必要ですか?

研修数や受講者数が少なくても、必須研修の期限管理や履歴の保存、集計に時間がかかっているなら、導入の効果を見込めます。一度にすべての機能を使う必要はなく、登録や教材配信、テスト、修了確認から始められます。

無料試用や小規模プランで業務を試し、運用に合うかを確かめてから、範囲を広げます。

スクラッチ開発とSaaSはどちらがよいですか?

重視する導入条件と、標準機能では代替できない業務を分けると、方式を選べます。

  • 標準SaaS:短期導入、初期費用の抑制、保守負担の軽減を重視する場合に候補です。
  • 追加開発・スクラッチ:独自資格、複雑な組織、研修販売、学習データ活用が競争力に直結し、標準機能で代替できない場合に検討します。

標準機能で実現できる範囲を確かめ、差別化に直結する部分だけを作れば、過剰な投資を抑えられます。

まとめ

研修管理システムは、集合研修を含む研修の企画から効果測定までを、一つの仕組みにまとめます。募集や承認、出欠、学習、修了も、その流れに含まれます。

導入前には業務を洗い出し、MUSTとWANTを分けたうえで、社員マスタ、権限、連携、履歴の扱いを定めます。

この記事の要点

短期導入を重視するならクラウドSaaS、標準機能と独自要件の両立を目指すならパッケージ追加開発、独自業務が競争力になるならスクラッチを中心に比べます。

費用は、導入支援や連携、移行を含めて見積もります。教材や保守の費用も含め、公開価格と推定開発費は分けて判断します。

セキュリティでは、権限と暗号化、ログを確認します。再委託、データ保管、契約終了時の削除と返却も、あわせて確かめます。

最初に取り組む手順

まずは小さく試し、効果を測ってから展開範囲を広げます。

  1. 必須研修や一部門を対象にします。
  2. 社員マスタの取込から受講、修了、督促、レポートまで試します。
  3. 受講率、期限内修了率、管理者工数、問い合わせ件数、研修後の行動変化を測ります。
  4. 効果が確認できた領域から展開し、学びを業務とキャリアの改善につなげます。

▼関連記事一覧
・研修管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・研修管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・研修管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・研修管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

 

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。