浄水場監視システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

浄水場監視システムの開発会社は、監視と制御の対応範囲と、施設規模や既設設備との適合性を比べて選びます。保守体制も、長期運用を左右する大切な観点です。

6社の得意領域を紹介したうえで、会社選びの判断材料と発注前の確認事項を順に見ていきます。

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・浄水場監視システム開発の完全ガイド

浄水場監視システムの開発会社の選び方

専門知識、総費用の範囲、稼働後のリスク、契約前の確認を並べた浄水場監視システムの選定条件図。
価格以外の観点も同じ条件にそろえると、提案の違いを見比べやすくなります。

浄水場の監視制御は、OT(制御技術)の安全性を保つことや、施設を止めずに更新する制約が伴います。そのため、価格だけで決めず、実績・対応範囲・保守体制を同じ条件で比べて選びます。

適切なパートナー選定が成否を分ける理由

一般的な紹介記事は「実績ある会社に相談を」といった抽象的な説明にとどまりがちで、浄水場固有の論点までは踏み込まないことがあります。そのため、浄水場では次の論点まで比べて選ぶ必要があります。

  • 専門知識:PLCや計装、水質、制御安全、既設からの切替
  • 総費用の範囲:センサーや盤、PLC、UPS、通信回線、現地施工、停止切替、FAT・SAT、24時間保守までを含めた費用
  • 稼働後のリスク:既設設備との相性問題や、保守窓口が曖昧になること
  • 契約前の確認:現地対応の体制と、類似規模の実績

総費用は、ソフトウェアだけの開発費とは桁が異なります。だからこそ、これらを契約前に確認しておくと、長期的な安定運用につながります。

発注前に確認すべきポイント

発注側は、各社の提案を同じ前提で比べるために、発注前に条件をそろえておく必要があります。

  • 監視と制御の範囲:監視のみか、制御まで必要か
  • 対象施設数:更新する施設の数
  • 既設設備:どこまで流用するか
  • 接続と保守:クラウド接続の可否、保守年数

条件を整理しないまま相談すると、各社が異なる前提で提案することがあり、価格や機能を単純に比べられなくなります。

ポイント

迷ったときは、知名度よりも、監視と制御の範囲や既設設備との適合性を各社と同じ前提で比べてください。保守体制の具体性も、長期運用を左右する要素です。

株式会社ripla|コンサルから開発まで一気通貫で支援

riplaはコンサルティングから開発まで一貫して支援します。IT事業会社として社内DXを進めた経験を生かし、ビジネスの成果づくりとシステムの定着を支援します。

営業や顧客の領域から、生産・販売管理まで、幅広い基幹システムの構築と導入の実績があります。こうした実績があるため、企業の業務要件に応じて柔軟に対応できる体制です。

特徴と強み

浄水場では、現場のPLCやSCADAを扱うOT専門会社と、情報系システムの要件がかみ合わないことがあります。

riplaが担うのは、水道情報活用システムへの対応や、監視データを使う保全計画・電力分析・帳票効率化など、情報系システムの企画・開発です。監視制御の設計・施工は、riplaの担当範囲には含まれません。

要件定義では、現場担当者と情報システム部門の双方に聞き取りを行い、監視制御の専門会社と役割を分けて進めます。

得意領域・実績

riplaは基幹システムの構築・導入経験を生かし、既存の監視制御システムのデータを保全計画や経営判断に使いたい水道事業者・施設運営会社の相談に対応できます。

監視制御の現地工事はOT専門会社と連携します。そのうえで、要件整理からRFP作成、ベンダー比較、データ活用部分の開発まで一貫した支援を求める企業に向いています。

ポイント

情報系システムの企画・開発を任せたい場合は、監視制御の現地工事をOT専門会社と連携する前提で比べてください。要件整理からデータ活用部分の開発まで一貫して頼めるかも判断材料になります。

株式会社日立製作所|広域運転監視とOT/IT基盤に強み

株式会社日立製作所は、広島県の県営浄水場9カ所を対象に、広域運転監視・制御システムを設計・構築したと公表しています。また、クラウド共通基盤やLumadaを活用し、複数施設を横断する監視・制御基盤を得意としています。

特徴と強み

広島県の案件は、契約金額が約10億円で、期間は2022年6月から2025年3月まででした。

複数浄水場を1つの基盤で広域監視・制御する構成です(出典: 株式会社日立製作所「広島県の浄水場9カ所の広域運転監視・制御システムを受注」、2022年)。そのため、個別施設ごとの監視盤更新より、複数施設をまとめて標準化する広域化のニーズに対応できる体制が強みです。

得意領域・実績

OT(制御技術)とIT(情報技術)を統合した提案力があるため、大規模・複数施設の案件に向いています。一方で、小規模な単一施設の部分改修では、体制や費用が過剰になる可能性があります。

発注側は、対象施設数と更新範囲を明確にしたうえで見積もりを依頼します。また、複数自治体・事業体で広域化や共同化を検討する場合は、構成だけでなく、異なる運用ルールの標準化から相談できます。

メタウォーター株式会社|設備一体型のエンジニアリングに強み

メタウォーター株式会社は、浄水場の設備を、機械や電気、ICTから運転維持管理まで一体で扱う水・環境エンジニアリング企業です。監視制御システム「SOARERA」を展開しています。

2025年には埼玉県の大久保浄水場監視制御システム更新工事を受注しました(出典: メタウォーター株式会社「大久保浄水場監視制御システム更新工事」、2025年)。

特徴と強み

SOARERAは、複数画面を自由に分割表示できます。また、暗号化通信を使うWEBシステムとして、複数拠点からの遠隔監視にも対応します。

ホワイトリスト形式のウイルス対策や、ユーザーごとのアクセス制限も備えます(出典: メタウォーター株式会社「監視制御システム(SOARERA)」、2026年)。加えて、クラウド環境「WBC」と連携し、ICTとエンジニアリングを組み合わせた運用も可能です。

得意領域・実績

設備更新と運転維持管理をまとめて発注したい水道事業者に向いています。監視制御の更新に加え、機械・電気設備の老朽化対応も、設計から施工、保守まで一体で担える点がメリットです。

分離発注と比べると、設備間のインターフェース調整を発注者側で行う負担を減らせる点も、検討材料になります。

ポイント

設備更新と運転維持管理をまとめて任せたいか、監視制御だけを更新したいかで、一体型の提案が合うかを判断してください。分離発注の場合は、設備間の調整をどこが担うかを比べてください。

東芝インフラシステムズ株式会社|大量点数を高速収集するSCADA製品

東芝インフラシステムズ株式会社は、上下水道監視制御システム「TOSWACS-V」を提供しています。46,400点の入力信号を最短0.5秒周期で収集でき、安定した監視制御を行えます。

TOSWACS-Vは、統合化・広域管理・無人化対応を想定した製品です(出典: 東芝インフラシステムズ株式会社「上下水道監視制御システム TOSWACS-V」、2026年)。

特徴と強み

高速トレンド表示やリプレイ機能で、プラントの稼働状況を解析できます。また、最大9画面のマルチウィンドウ表示にも対応します。

信号の検索・抽出やユーザーごとの画面管理など、監視操作を効率化する機能があります。さらに、クラウドサービスに対応し、遠隔から監視画面を表示できます。

得意領域・実績

東芝系設備を導入済みの施設では、既存資産との適合性や長期保守の面で候補になります。また、場外IP網を介した遠隔監視や、監視サーバへの複数プロトコル実装による他システムとの統合にも対応します。

画面設計はISO13407の人間中心設計プロセスに基づいています。こうした設計は、長時間監視を行う運転員の負担軽減を重視する施設で評価されやすい要素です。

西菱電機株式会社|クラウド型テレメータと中央処理装置

西菱電機株式会社は、自社開発の中央処理装置「GOKU AQUA」を中心に、上下水道水処理施設向けの監視制御システムを提供します。

2026年、京都府木津川市上下水道部の吐師受水場へ同製品を納入しました(出典: 西菱電機株式会社「木津川市上下水道部『吐師受水場』の監視制御システムを更新」、2026年3月)。

特徴と強み

GOKU AQUAは、浄水場やポンプ場、取水場の水位・流量・水圧・ポンプ運転状況をサーバに集約します。集めた情報は解析・可視化され、監視モニターでリアルタイムに確認できます。

木津川市の案件では、地域の水量調整を担う中枢施設の監視制御を更新しました。同社は視認性向上と判断迅速化を訴求しています。

得意領域・実績

クラウド型テレメータも展開し、遠隔地の取水場や配水池など、複数拠点の監視に対応します。また、既設の遠隔監視ノウハウを生かし、中央処理装置を中心とした段階的な更新を相談できます。

中規模〜小規模の事業体で、設備更新を段階的に進めたい場合に候補となります。既存の遠隔監視を生かし、中央処理装置だけを刷新したい場合にも検討できます。

株式会社日立システムズ|クラウド活用の水質監視サービス

株式会社日立システムズは「CYDEEN 水インフラ監視サービス(水質監視)」を提供しています。また、クラウドを活用した水質監視の自動化事例を公開しています(出典: 株式会社日立システムズ「CYDEEN 水インフラ監視サービス」、2025年)。

特徴と強み

中央監視制御を全面更新する案とは別に、末端の水質を遠隔監視するサービス型の導入を検討する際の比較対象になります。段階的に監視を強化する場合にも、比較の候補に入ります。

クラウドサービスなので、大規模な設備更新を伴わずに、水質監視の自動化から着手できます。

得意領域・実績

中央監視制御をすぐに全面更新するのが難しい事業者が、水質データの遠隔監視を自動化し、将来の全面更新に備える場合は、検討しやすい候補です。また、監視範囲を絞った小規模導入にも向いています。

浄水場監視システムパートナー選びのポイント

対象と接続、データと運用、保存と継続性、引き継ぎの4領域を並べたRFPの確認項目図。
接続仕様から契約終了時の移管までを一つの依頼条件にまとめられます。

6社は得意領域がそれぞれ異なるため、知名度だけで順位をつけることはできません。施設規模や監視範囲を整理したうえで、既設設備と保守体制も含めた同じ条件で提案を受けます。

実績と経験の確認方法

実績を比べるときは、施設の規模と、監視のみか制御まで含むかを、発注側が確かめます。

神戸市、名張市、広島県、木津川市などの公開案件が参考になります。そのうえで、自社に近い施設規模の実績を持つ会社を候補にすると、費用感のずれを減らせます。

技術力と専門性の評価

ベンダー固有の仕様に閉じないよう、RFPには接続・運用・引き継ぎに関する仕様を記載しておきます。

  • 対象と接続:施設数、監視範囲、PLC・SCADAとの接続方式
  • データと運用:データ項目、通信プロトコル、アラーム条件、権限管理
  • 保存と継続性:ログ保存期間、バックアップ・冗長化の方式
  • 引き継ぎ:水道情報活用システムへの対応、契約終了時のデータ・仕様移管

プロジェクト管理体制の確認

現地工事を伴う更新では、施設を止められる時間帯の調整や、FAT・SATの実施体制を確認します。切替後の障害窓口や、夜間・休日の対応可否も欠かせません。

提案時には、プロジェクトマネージャーと現場責任者の顔ぶれを確認し、下請け・再委託の範囲や緊急時の連絡体制も押さえます。こうした確認は、稼働後のトラブルを防ぐうえで役立ちます。

ポイント

6社は得意領域が異なるため、まず施設規模と監視範囲を決め、その条件に合う候補から相談を進めてください。接続や引き継ぎの仕様も同じ書式で依頼すると、提案を比べやすくなります。

よくある質問(FAQ)

浄水場監視システムの開発会社を比べる担当者から、選定時によく寄せられる質問に回答します。

浄水場監視システムの開発費用はいくらですか?

既設を活用した部分改修は500万〜3,500万円程度が目安です。PLC・HMIを含む中央監視更新は1,000万〜1億円程度です。

1浄水場を含む標準化アプリまでの更新は5億〜15億円程度です。複数浄水場の広域運転監視基盤は10億〜30億円以上が目安です。

金額は、現地工事や保守年数など、含まれる範囲によって大きく変わります。そのため、内訳をそろえて比べる必要があります。

監視制御の実績がある会社かどうかは、どこで確認できますか?

各社のプレスリリースや公式サイトの導入事例、自治体の入札・契約公表資料で確認できます。ここまでの紹介でも、広島県、埼玉県、京都府木津川市などの公開実績を挙げました。

公開実績は、全体の一部にすぎません。そのため、商談時には、非公開の類似案件についても匿名化した範囲で確認するとよいでしょう。

1社に発注を集約するとベンダーロックインのリスクはありますか?

長期間使う監視制御システムは、特定ベンダー固有の仕様に閉じてしまうと、更新時に再び競争しにくくなるリスクがあります。

そのため、発注前に、データ項目・通信プロトコル・APIの仕様が公開されているかを確かめます。さらに、契約終了時にデータや設定値を引き継げるかも確認が必要です。

ポイント

費用は含まれる範囲で大きく変わるため、金額だけで候補を絞らないでください。実績は公開情報で確かめ、特定ベンダーに閉じない仕様かも併せて見てください。

まとめ

浄水場監視システムの開発会社・ベンダーとして6社を取り上げました。

株式会社ripla、株式会社日立製作所、メタウォーター株式会社の3社と、東芝インフラシステムズ株式会社、西菱電機株式会社、株式会社日立システムズの3社です。

各社の得意領域は異なります。広域運転監視に強い会社や、設備一体型のエンジニアリングに強い会社がある一方で、大量点数を扱うSCADA製品や、クラウド型テレメータ、クラウド活用の水質監視を提供する会社もあります。

同じ条件での相見積もり

監視のみか制御まで含めるかをはじめ、対象施設数、既設流用範囲、保守年数をそろえて、複数社に見積もりを依頼します。

金額だけでなく、現地工事や保守、教育、データ引き継ぎをどこまで含むかも比べます。内訳をそろえておくと、発注後の想定外の追加費用を避けられます。

次のアクションは仕様書の整理

まず現状の設備を一覧にし、監視範囲や保守年数、既設の流用範囲を整理した仕様書の草案を作ります。

開発の進め方、費用相場、発注方法については、それぞれ別の記事で解説しています。あわせて読みながら進めてください。

▼全体ガイドの記事
・浄水場監視システム開発の完全ガイド

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。