重量管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

重量管理システムの発注は、業務とデータの流れを整理し、契約と委託先を比べ、現場で検収する順に進めます。この順で進めると、追加費用や二重入力を抑えやすくなります。

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重量管理システムを発注する前に整理すべき全体像

計量器からゲートウェイ、サーバーを経て業務システムへつながる4層の図。
計量値の受け渡し場所を層ごとに整理できます。

重量管理システムは、計量器が測った質量を業務データとして記録し、後工程の判断や処理に使う仕組みです。体重管理アプリや重量物の保管管理とは異なります。

計量の値には正確さに加えて、誰がいつ何を計量し、どの在庫・車両・ロットに結び付けたかを追跡できる設計が求められます。そこで、用途とデータの流れを先に決めておくと、必要な機能と不要なカスタマイズを分けやすくなります。

工場・物流・在庫の3類型による目的の違い

用途ごとに必要な機能を分けておくと、発注時に決める計量器の仕様や現場端末がはっきりします。

  • 工場:目標重量の上下限判定、配合順序、ロット、品質結果、ラベル発行を扱う用途です。
  • 物流・資源リサイクル:車番、入退場、積載量、伝票、ゲート制御、取引先別履歴。
  • IoT在庫:重量を個数や残量に換算し、発注点や棚卸に反映します。

用途が変わると、必要なひょう量や最小表示、処理速度、通信環境、現場端末も変わります。

計量器から業務システムまでのデータの流れ

発注前に、計量器から業務システムまでの経路と通信条件を決めておきます。

  • データ経路:計量値の取得元、保存先、連携先。
  • 接続方式:RS-232C、RS-485、LAN、Wi-Fi、4G、API、CSVから、現場に合う方式を選びます。
  • 通信障害:通信断中も現場で計量を続けられるか、復旧後にデータを重複なく再送できるか。

計量器、ロードセル、トラックスケール、PLCから値を取得し、ゲートウェイやエッジ端末で整形したうえで、クラウドまたは社内サーバーに保存します。あわせて、在庫管理・生産管理・販売管理・ERPへ連携する経路を図にします。

経路が曖昧なまま画面開発を発注すると、機器ドライバー、配線、データ変換、帳票の追加見積が発生します。

重量管理システムの発注形態の選び方

発注形態は、標準業務への適合、既存設備との連携、将来の拠点展開を基準に選びます。短期で導入するならクラウド型、特殊設備や判定処理が必要ならカスタム開発、判断材料が足りない案件では小規模なPoCが候補になります。

初期導入の費用に加えて、現場運用と保守の責任分界も比べる必要があります。

SaaS・パッケージ型の特徴と向いている企業

発注側は、標準機能で対応できる範囲と、追加費用が生じる範囲を分けて確かめます。

  • 向いている用途:数拠点の在庫可視化や、紙・Excelの棚卸削減には、IoT重量計とクラウド在庫管理の組み合わせが向きます。
  • 導入しやすさ:サーバー調達、バックアップ、一般的なセキュリティ対策をサービス側に寄せられるため、初期構築の期間も短くしやすい方式です。
  • 追加費用:複雑な配合判定や既存ERP連携の制約。

ZAICOの公式発表によると、proプランは月額49,800円(税込54,780円)からで、IoT重量計ZAICONはオプションです(出典:ZAICO公式「proプランの提供開始」、2025年4月)。

公開価格の金額には、重量計本体、設置、連携、教育費が含まれません。

カスタム開発・SI型の特徴と向いている案件

計量器やPLC、搬送設備を業務に合わせる場合は、計量機器メーカーとSIerによるカスタム開発が候補になります。業務に合わせる対象は、ゲートや車番認識のような現場の設備から、生産管理やERPのような業務システムにまで広がることがあります。

株式会社TCCの公開事例のように、合否判定、工程飛び判定、データベース保存、帳票出力を一連で設計する場合は、現地機器と業務システムの両方を扱う会社が適します。

日本製衡所のNIKKO Cloud RSのような計量管理クラウドでも、既設はかり、ゲート、運行管理APIとの接続範囲を確かめる必要があります。

PoC・段階導入型が有効な不確実性の高い案件

不確実性が残る案件では、全社導入の前に小さな範囲で検証するのが有効です。機器の出力や通信環境、換算係数のように前提が読めない箇所を検証の対象にし、確かめる内容と合否の基準もあわせて決めておきます。

  • 機器出力:既存機器の出力仕様が分からない場合。
  • 通信環境:現場の通信環境が不安定な場合。
  • 換算係数:重量から個数へ換算する係数が定まらない場合の検証単位は、1ライン、1倉庫、1台のトラックスケールなど。
  • 検証内容:計量値の取得、在庫反映、帳票、通信断からの復旧を試す項目。
  • 合否基準:欠損率、手入力回数、処理時間、操作ミス、再送の成否。

残った課題を本開発の見積条件に反映しておくと、想定外の追加費用を抑えやすくなります。

ポイント

標準業務で足りるか、独自設備や基幹連携が要るか、判断材料が足りないかで発注形態を選びます。判断材料が足りない案件は、小規模なPoCで確かめてから本開発に進むと、不確実性を減らせます。

RFPと要件整理に盛り込む内容

RFPの要件を現行業務、計量器と通信、法的用途、セキュリティの4項目に分けた図。
4つの確認領域をそろえると提案条件を統一できます。

RFPは比較のための資料です。現状や目的、対象範囲を示したうえで、前提条件、納品物、評価方法もそろえて書きます。同じ情報を候補会社に渡すと、提案と見積を比べやすくなります。

RFPでは、細部まで決め切らず、固定する条件と提案を求める条件を分けて書きます。

現行業務と達成したい効果の数値化

導入後に達成したい効果は、現行業務の流れと工程を洗い出したうえで、数値の目標として決めます。

  • 業務フロー:計量開始、容器風袋の登録、計量値の確定、再計量、承認、ラベル・計量票の発行、在庫引当、出荷実績の登録、請求までの図。
  • 工程の記録:担当者、端末、入力項目、所要時間、例外処理、紙やExcelへの転記。
  • 削減目標:1件あたりの入力回数、棚卸時間、計量待ち、誤入力や訂正を、どれだけ減らすかの目標。
  • KPI:省人化だけでなく、正確性、稼働率、監査証跡も対象です。

計量器・通信・マスタの条件の明記

計量器については、メーカー、型式、台数、ひょう量、最小表示、検定の有無、出力仕様を記載します。既設機器なら通信ログや取扱説明書を添え、接続できない場合の代替案も求めます。

マスタは、品目や原料、容器をはじめ、情報ごとに正とするシステムを決めます。

  • 車両・取引先・拠点:計量データと結び付ける、基本の登録情報。
  • ロット:品質記録を追跡するときの単位。
  • 単位・換算係数:重量を個数や残量に換算するときの前提。
  • 許容差:計量値が判定の範囲に収まるかを見る基準。

現場登録と管理者承認の対象を分けると、誤登録を防ぎつつ、運用の負荷も抑えられます。

用途と障害時の記録方法は分けて、RFPに記載します。

  • 法定計量:計量の法的な用途と、必要な機器要件。
  • 記録の訂正:訂正申請や変更履歴を残し、確定記録は上書きしない設計。
  • セキュリティと障害対応:認証、バックアップ、通信断、機器故障への対策を要件に含める。

取引・証明に使う用途と、社内の工程管理に使う用途は、分けて書きます。

特定計量器で取引・証明を行う場合は、検定証印または基準適合証印付きの機器が必要です。種類ごとに有効期限もあります(出典:経済産業省「特定計量器を利用する場合」、2026年6月更新)。

非自動はかりなどは、定期検査が必要かどうかも確かめます。

訂正の記録には、訂正申請、変更前後の値、操作者、時刻、理由を含めます。

加えて、セキュリティでは権限管理と暗号化、多要素認証、バックアップを中心に要件へ入れます。障害時の備えとしては、通信断時のローカル保存と復旧後の再送、機器故障時の代替手順も含めます。

ポイント

RFPは、固定する条件と提案を求める条件を分けて書きます。計量器やマスタ、計量法、セキュリティ、障害時の扱いまで含めておくと、候補会社の提案と見積を同じ条件で比べられます。

重量管理システムの契約形態と請負・準委任の使い分け

契約形態は、成果物と仕様が固まっているか、検証を一緒に進めるかで選びます。そのうえで、責任範囲と検収の進め方を確かめ、残りの取り決めも契約書に明記しておきます。

  • 成果物:納品する範囲と内容。
  • 変更と追加費用:仕様変更の手続きと、費用の負担区分。
  • 知的財産:開発したものの権利の帰属。
  • データ返却:契約が終わったときのデータの扱い。
  • 保守:稼働後の対応範囲と窓口。

機器や現地工事が絡む場合は、機器メーカー、工事会社、SIerの契約関係も整理しておく必要があります。

請負契約の完成条件と検収基準

請負契約は、合意したシステムや機能を完成させて検収する契約です。そのため、納品物は事前に書き出しておきます。中心になるのは画面、データ連携、帳票で、ほかにも納品物に含めるものがあります。

  • マスタ:登録しておく基本情報。
  • 権限:誰が何を操作できるかの設定。
  • ログ:操作や処理の記録。
  • テスト結果:検証で確かめた内容と結果。
  • 操作マニュアル:現場の担当者が使うための手順書。

受入シナリオには、許容差外、停電、通信断、二重送信、確定後の訂正を含めます。あわせて、ソフトだけで検収するのか、現地工事を含む総合試運転まで待つのかも明記します。

要件定義やPoCに向く準委任契約

準委任は、専門家の作業や支援を頼む契約です。要件定義、現場調査、機器接続検証、PoC、プロジェクト管理などが対象になります。

要件が固まっていない案件を請負にすると、受託側は不確実性を見込んで予備費を積むことがあります。一方で、準委任では担当者、稼働時間、会議、報告書、成果確認を決め、作業範囲を毎月見直します。

準委任が長期化するのを防ぐため、要件定義書や課題一覧、次月の判断事項を残しておきます。

要件定義は準委任、本開発は請負に分ける進め方

現場調査とPoCは準委任で行い、仕様、機器接続、移行範囲が決まった段階で本開発を請負にする方法が、実務に合います。

会社を分ける場合は、機器購入と配線をメーカーや工事会社、クラウド設定と画面をSIer、保守と一次窓口を代表会社が受け持つ形もあります。

分担する場合は、障害連絡先、計量値欠損の責任(機器・通信・アプリ)、データ所有者を責任分界表にまとめます。会社を分けても安くなるとは限らないため、調整役と運用窓口の費用も比べます。

ポイント

要件や仕様が固まっているかで契約形態を選びます。固まっていない段階は準委任で調べ、仕様が決まってから本開発を請負にすると、受託側の予備費を抑えやすくなります。

重量管理システムの費用相場と見積内訳

価格は、計量器の台数や既設機器によって変わります。ほかにも、現場の条件や機能の範囲が価格に響きます。

  • 計量器の種類:機器の仕様によって変わる接続や対応の範囲。
  • 拠点数・連携先:拠点と連携先が増えるほど広がる作業の範囲。
  • 屋外工事・防水・防爆:設置場所の環境から加わる工事や機器の条件。
  • 検定対応:取引・証明に使う場合に必要になる対応。
  • 帳票の複雑さ:帳票の種類や形式の多さによる開発の範囲。

次の金額は、2026年時点の公開価格と、在庫管理・機器連携・業務システムの類似案件をもとにした目安です。重量管理専用の確定価格ではないため、RFPを示して個別見積を取ります。

導入パターン別の予算レンジ

規模と方式ごとの予算幅をつかんでおくと、個別見積を比べる際の起点になります。

  • IoT在庫:数拠点の管理で、初期は0〜50万円程度、月額は数千円から10万円前後です。
  • トラックスケール連携:既設機器とクラウド計量の接続は、初期50〜300万円程度です。
  • 1工場のカスタム開発:計量、合否判定、帳票、在庫・生産連携の範囲で、300〜1,000万円程度です。
  • 複数ライン等:ERP・複数拠点・車番認識を含む場合は、1,000〜4,000万円程度以上です。

IoT在庫では、機器本体、受信機、電池、設置、初期マスタが別見積になることがあります。一方、トラック連携の金額には、ゲートウェイ、通信、車番認識、ゲート、帳票、現地調整を仮に含めています。

各レンジは、公開価格や類似業務システムからの推定です。要件や現地条件によって上下します。

機器・工事・ソフトウェア・連携ごとの内訳

見積は機器、工事、ソフトウェア、導入作業に分けて、含むものと含まないものを確かめます。

  • 機器:計量器、ロードセル、表示器、ラベルプリンター。
  • 工事:電源、配線、ネットワーク、屋外設置、ゲート。
  • ソフト:画面、API、データベース、帳票。
  • 導入:初期設定、データ移行、教育、立会い、試運転。

ERP・WMSとの連携本数やCSV形式、API認証、マスタ移行件数、拠点ごとの設定差も、見積に明記してもらいます。機器費や現地調整費が「別途」となっている見積は、そのままでは比較できません。

見積の依頼では、含むものと含まないもの、前提条件、追加単価を必須項目として記載します。

保守・校正・通信・機器交換のランニング費用

月額利用料や年保守料に加えて、SIMやネットワーク、クラウド保存容量の費用も洗い出します。

  • 日常の費用:通信、クラウド容量、監視、問い合わせ窓口、現地駆け付け、バックアップ、OS・ブラウザ更新まで。
  • 機器の維持:校正・定期検査、電池交換、ラベルなどの消耗品費。
  • 保守費の目安:スクラッチ開発では初期開発費の10〜20%程度を年間保守費に仮置きすることがあります(一般的な目安で、契約により異なります)。
  • 相場情報:公開価格と重量管理システムの総額を区別して見ます。

2026年版の公開情報によると、在庫管理クラウドの初期費用は0円から数十万円、月額は数千円から10万円前後です(出典:SmartMat「在庫管理システムの費用・料金相場 2026年版」)。

在庫管理全般の相場は、重量計や工事、API連携を含めた発注額ではありません。

屋外や粉じん・水濡れのある工場では、故障時の現地対応にかかる時間と代替の計量手順が、事業の継続に響きます。判断は、自社の機器・拠点・連携条件を含んだ見積をもとに行います。

ポイント

費用は公開価格や類似案件から幅をつかみ、確定額は個別見積で取ります。見積を比べるときは、機器・工事・ソフト・連携・保守の内訳ごとに、含まれる範囲を確かめます。

重量管理システムの委託先選定と見積比較のポイント

委託先は、知名度や価格だけでなく、計量器、現場設備、業務システムをまとめて理解できるかで選びます。

通信、設置、運用、法定計量が成否を左右します。そこで、同じRFPをもとに、提案の前提、標準機能、カスタマイズ、除外範囲、導入体制、保守窓口を各社で比べます。

自社に近い導入事例の確認

「在庫管理を導入した」という紹介だけでなく、自社の業務に近い実績を確かめます。

  • 工場:既設はかり、合否判定、ラベル発行、ERP・WMS連携、通信断からの復旧。
  • 大型計量:車番認識、トラックの入退場、ゲート、計量票、取引先への証明、屋外保守。
  • IoT在庫:重量から個数への換算、設置環境、電池寿命、通信、アラート、棚卸。

工場の場合は、食品・化学・製造などの業種に加えて、配合、ロット、品質記録、工程飛びについても質問します。

総額より前提条件と単価で見る見積比較

要件ごとの対応方法を同じ分類で並べ、数量をそろえたうえで、各社の工数差を比べます。

  • 対応区分:標準、設定、追加開発、対象外。
  • 数量:画面、帳票、API、計量器、利用者、拠点。
  • 作業規模:テストケース、訪問回数、教育時間。

たとえば、計量値の保存は標準、既存のはかりとの接続は設定、ERPとの双方向APIは追加開発、電源工事は対象外のように分類できます。

値引き後の総額だけで決めると、追加開発の単価が高いことを見落とすおそれがあります。

保守に機器が含まれない場合や、データエクスポートが有料になる場合もあります。

提案面談で確認する障害時と運用後の対応

通常時のデモに加えて、例外処理も説明してもらいます。

  • 通信断:30分切れた場合も計量できるか。
  • 二重受信:同じ計量値が二度届いた場合どうなるか。
  • 訂正と故障:元の値と理由が残るか。代替入力と復旧後の照合はどうするか。
  • 担当者の退職:マスタと権限を誰が引き継ぐか。

プロジェクトマネージャーや機器・連携・保守の担当者が本番まで関わるかも確かめます。別の会社へ引き継ぐ場合は、設計書、接続仕様、データ辞書、テスト結果、運用手順書を納品物に含めます。

発注後の導入・検収の進め方

発注後の導入工程を要件定義から現地試運転、稼働判定まで4段階で示す図。
各工程の完了を確かめながら稼働判定へ進みます。

委託先が決まったあとは、要件定義から始め、稼働判定で締めくくります。その間の工程は、順番どおりに進みます。

  1. 基本設計:業務の流れと計量器の条件を、設計に落とし込みます。
  2. 機器接続・画面・帳票開発:計量器との接続と、画面や帳票の作り込みを行います。
  3. 移行・結合テスト:既存データの移行と、連携を含めた動作の確認。
  4. 現地試運転:実際の現場で、計量から後工程までつながるかを確かめます。
  5. 教育:現場の担当者が使えるよう、操作を伝えます。

ソフトが完成していても、計量値が安定しない、電波が届かない、風袋の登録が難しいといった理由で、稼働できないことがあります。

PoCの評価方法:実データと例外処理

PoCでは、正常なサンプルだけでなく、例外条件も試します。

  • 計量の例外:空容器、風袋違い、許容差外、再計量。
  • 変更と障害:品目変更、ロット変更、通信断、電源断。
  • 再送と機器交換:同一データの再送、機器交換。

表示値と保存値、単位、小数桁、在庫残数を突き合わせます。

現場の代表者に実際に操作してもらい、説明を受けていない担当者でも使えるかを確かめます。

残課題や対応策、追加費用、納期への影響まで、議事録に残します。

本番展開とKPIの段階的な確認

展開の前に、切り替え時の運用条件と導入効果の測り方を決めておきます。

  1. 段階展開:重要な1拠点か1ラインから始め、安定したら広げます。
  2. KPI測定:入力回数、棚卸時間、計量待ち、手戻り、在庫差異、欠品、過積載、廃棄量、監査対応時間の各項目で効果を測ります。
  3. 報告への備え:法令上の報告対象と重量実績の確認。

段階展開では、旧運用との並行期間や、障害時の紙伝票、手入力の承認者、移行の締め時間、問い合わせ窓口を決めます。

重量データを取る仕組みは、業務改善だけでなく、報告用の実績把握にも関わります。

改正物流効率化法により、2026年4月からは、一定規模以上の特定荷主に中長期計画、定期報告、物流統括管理者の選任などが求められます。

取扱貨物重量9万トン以上は、その指定基準の一つです(出典:国土交通省・経済産業省「物流効率化法」理解促進ポータル、2026年度施行情報)。

ポイント

検収は、現場で計量から後工程までつながるかを基準にします。PoCで例外処理まで試し、段階展開の並行期間を決めておくと、切り替えの混乱を減らせます。

重量管理システムの発注・外注でよくある質問

個別の機器仕様、計量法上の扱い、既存の契約によって答えは変わります。候補会社や現場、法務、情報システム部門と、最終的に確かめてください。

既存のはかりを残してシステムだけ外注できますか?

外部出力機能があり、メーカー、型式、通信仕様が分かっていれば、ゲートウェイや通信アダプターを追加して活用できる場合があります。

古い機器には、出力仕様が非公開だったり、安定するまでの時間が機種ごとに異なったり、通信断後に再送できなかったりといった制約があります。

発注前に実機のログを取り、PoCで値、単位、小数桁、再送を確かめます。検定や定期検査については、計量器の専門家の確認も必要です。

重量管理システムの開発費用はどのくらいですか?

小規模なIoT在庫は初期0〜50万円程度、月額は数千円から10万円前後、既設トラックスケール連携は初期50〜300万円程度が起点になります。

1工場のカスタム開発は300〜1,000万円程度、複数ラインやERP連携を含む案件は1,000〜4,000万円程度以上を見込みます。

これらは公開価格と類似案件に基づく幅で、重量計やゲート、配線を含むとは限りません。そのため、同じRFPで機器・工事・ソフト・連携・保守を分けて見積もってもらいます。ほかにも、含まれるかどうかを確かめたい項目があります。

  • 検定:検定に関わる対応の範囲。
  • 移行:既存データの移行作業。
  • 教育:操作を教える作業。
  • 保守:稼働後の保守の範囲。

重量管理システムの発注で計量法を確認する必要はありますか?

取引・証明に重量を使う場合は、特定計量器の検定証印や基準適合証印、定期検査、有効期限、計量記録を確かめます。

社内工程や在庫の目安では、同じ要件がそのまま当てはまるとは限りません。そのため、用途を業務ごとに分けてRFPに記載します。

法令の扱いは用途、機器、地域によって異なるため、計量行政の窓口や計量器メーカーに相談してください。

RFPを作れない状態でも開発会社へ相談できますか?

相談できます。現場観察、業務フロー、機器・通信の調査、課題の優先順位付けは、要件定義の支援として依頼できます。

まず準委任で現状調査やPoCを発注し、その成果をもとに本開発のRFPと見積を作れば、不確実性を減らせます。

計量器一覧と連携先を渡すと、提案の精度が上がります。ほかにも、現場の資料や記録を添えると役立ちます。

  • 現行帳票:今使っている帳票の様式。
  • Excel:転記や集計に使っている表。
  • 現場写真:計量の現場の様子が分かる写真。
  • 計量件数:処理している計量の件数。
  • 困っている例外処理:現場で手間になっている例外の扱い。

まとめ

発注時には、計量値を業務データに変換し、在庫・出荷・生産・請求へつなぐ責任範囲を決めておきます。

工場、トラック、IoT在庫の用途を分けたうえで、業務と機器、通信の条件をRFPにまとめます。残りの条件は、RFPの中で項目ごとに書き分けます。

  • マスタ:基本情報の持ち方。
  • 連携:計量値を送る先と経路。
  • 法的用途:取引・証明に使うかどうか。
  • セキュリティ:権限と認証の扱い。
  • 障害対応:通信断や機器故障のときの手順。

発注時に優先する判断ポイント

発注は、方式、契約、費用、現場検証の順に整理します。

  • 発注方式:標準業務はSaaS・パッケージ、独自設備や複雑な連携はカスタムSI、不確実性が高い場合はPoCから始めます。
  • 契約:要件定義・検証は準委任、本開発は請負を軸にし、成果物、検収、追加費用、責任分界を文書化します。
  • 費用比較:公開価格、類似案件の推定、個別見積を分け、機器・工事・ソフト・連携・移行・教育・保守を含む総額で比べます。
  • 導入確認:通信断、再計量、訂正、機器故障、法定計量を現場で確認し、導入効果をKPIで測定します。

最初に作る資料:現行業務と計量器の一覧

候補会社と相談する前に、業務の流れと計量器の条件を資料にまとめておきます。

  • 業務資料:計量開始から在庫・出荷実績までの業務フローを一枚にまとめたもの。
  • 機器一覧:メーカー、型式、台数、設置場所、出力方式、検定の有無を記載。
  • 委託先比較:同じRFPを複数社に渡し、実績、接続力、提案の具体性、保守、データの持ち出しやすさを比べる。

重量管理システムは、データが正しく残り、現場が止まらず、後工程で使われてこそ投資効果を生みます。要件整理が、納期・費用・運用定着を安定させます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。