ゼロトラストのシステム開発は、認証製品を導入して終わるのではなく、利用者・端末・業務アプリ・データ・通信を対象に、アクセスを都度判断できる仕組みを段階的に整える取り組みです。成功のポイントは、要件整理から選定、設計開発、テスト、稼働、定着までを一つの計画として進めることです。
「VPNをすぐ廃止する必要があるのか」「MFAだけで十分なのか」「費用はいくらかかるのか」と悩む担当者に向けて、本記事ではゼロトラストのシステムの全体像と具体的な進め方を解説します。50〜300人規模の企業でも使える判断基準、各フェーズのチェックリスト、費用相場、見積書の比較ポイント、導入後の運用まで整理します。
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ゼロトラストのシステム開発の全体像

ゼロトラストのシステムは、特定の製品名ではありません。社内ネットワークにいることや一度ログインしたことを理由に利用者を信頼せず、利用者、端末、アプリケーション、データ、場所、時刻、リスクなどの情報を組み合わせて、必要な範囲だけアクセスを許可するセキュリティアーキテクチャです。開発では、既存の業務システムを止めずに安全なアクセスへ移行する視点が重要です。
ゼロトラストのシステムとは何ですか?
結論から言うと、ゼロトラストのシステムとは、認証、端末管理、アプリケーション接続、データ保護、ログ監視を連携させ、アクセスのたびに信頼度を評価する基盤です。基本原則は「明示的に検証する」「最小権限を付与する」「侵害を前提に設計・監視する」の3点です。NISTの「SP 800-207」が示すゼロトラストの考え方を具体化した「SP 1800-35」では、2025年6月の最終版で、オンプレミスと複数クラウド、ハイブリッド勤務、外部パートナーを想定した19の実装例が紹介されています(出典: NIST SP 1800-35、2025年)。
構成要素は、IDaaS・IAMによるSSOや多要素認証、MDM・UEMによる端末管理、EDRによる脅威検知、ZTNA・SASEによるアプリ単位の接続、ポリシーエンジンによる条件判定、SIEM・SOCによるログ監視です。業務システム側にもロール別権限、API認証、操作ログ、データ分類を実装する必要があります。MFAを追加しただけでは、端末の状態や過剰権限、異常操作まで確認できないため、ゼロトラストのシステム全体とは言えません。
VPNやMFAだけでは不十分なのはなぜですか?
VPNは、遠隔地から社内ネットワークへ接続するための手段です。一度ネットワークに入ると広い範囲へ到達できる構成では、認証情報が漏えいした場合に被害が横へ広がるリスクがあります。ゼロトラストでは、ネットワークに入れたかではなく、誰が、どの端末から、どのアプリへ、どの操作を行うかを細かく制御します。
したがって、既存VPNを初日に廃止する必要はありません。まず重要なSaaSや業務アプリをZTNA経由に移し、利用状況と障害対応を確認しながらVPNの対象範囲を縮小するのが現実的です。MFAも重要な土台ですが、端末の暗号化、OSの更新、管理者権限の制限、ログの保存、ブレークグラス用の緊急手順まで含めて設計します。
国内の実装でも、ネットワークだけを置き換えるのではなく、クラウドツール、端末、認証、アクセス制御を組み合わせる形が見られます。ユニアデックスが公開する埼玉県朝霞市教育委員会の事例では、教職員数588人の環境でゼロトラストの考え方に基づく教育ネットワークを整え、2024年9月から市内の小中学校で運用を開始しています(出典: ユニアデックス「校務ネットワークのゼロトラストモデル化事例」、2025年公開)。規模が大きくても、利用者の業務と運用開始後の利便性を見ながら移行する点が参考になります。
ゼロトラストのシステム開発の進め方6フェーズ

進め方は、要件整理、製品・サービス選定、設計開発、テスト、稼働、定着の6フェーズに分けると管理しやすくなります。各フェーズで成果物と判断基準を決め、前の工程に戻る条件も明記しておきます。全社一括導入ではなく、20〜100ユーザー・1〜3アプリ程度のPoCから始め、問題がなければ対象を広げる進め方が基本です。
デジタル庁の標準ガイドラインにDS-210「ゼロトラストアーキテクチャ適用方針」が公開されているように、ゼロトラストは製品の導入手順だけでなく、クラウド利用やサプライチェーンを含むシステム方式の検討事項です(出典: デジタル庁「デジタル社会推進標準ガイドライン」、2026年確認)。民間企業にそのまま一律適用される法律ではありませんが、委託先や外部利用者を含めたアクセス条件を整理する際の参考になります。
フェーズ1:要件整理で資産・リスク・対象範囲を決めます
最初に、ユーザー、端末、SaaS、オンプレミスの業務アプリ、クラウド、管理者アカウント、委託先、重要データ、現在のVPN経路を棚卸しします。台帳には資産名だけでなく、所有者、利用者、認証方式、保存データ、外部接続、停止時の業務影響、ログの有無、廃止予定日まで記録します。特に退職者アカウント、共有アカウント、長期間使われていない特権ID、インターネット公開システムを優先して確認します。
要件は機能だけでなく、MFA方式、端末未準拠時の挙動、ログ保存期間、RPO・RTO、可用性、暗号化、鍵管理、API連携、障害時の代替認証、緊急アクセスの承認者まで決めます。個人情報を扱う場合、個人情報保護委員会はアクセス制御、アクセス者の識別・認証、外部からの不正アクセス防止、漏えい防止を技術的安全管理措置として示しています(出典: 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、2026年確認)。
このフェーズのチェック項目は、(1)守るべきデータと業務を重要度順に並べたか、(2)利用者・端末・アプリの所有者を決めたか、(3)現在の例外運用を洗い出したか、(4)PoCの対象ユーザー・対象アプリ・成功条件を数値化したか、(5)対象外にする範囲と理由を残したか、です。ここが曖昧なまま製品を選ぶと、後から対象範囲が広がり、費用と工期が膨らみます。
フェーズ2:製品・サービスを機能ではなく運用条件で選びます
選定では、IDaaS、MDM・UEM、EDR、ZTNA・SASE、SIEM・SOCを一つの製品でそろえるか、既存ライセンスと複数製品を連携するかを比較します。Microsoft 365を利用している企業はEntra ID、Intune、Defenderを中心に検討し、Google Workspaceや他のID基盤を使っている企業は既存契約、API、端末対応、ログ連携、将来の乗り換えやすさを確認します。製品名の多さより、現在の資産と運用体制に無理なく組み込めるかを重視します。
RFPには、対象ユーザー数、端末数、OS、業務アプリ数、拠点数、同時接続数、ログ保管日数、監視時間帯、ヘルプデスクの範囲、設定変更の単価、契約終了時のデータ返却を記載します。候補先には「古いオンプレミスアプリへ接続できるか」「端末が故障したときの代替手段は何か」「MFAを使えない現場や委託先をどう扱うか」「誤検知の調整を誰が何時間で行うか」を質問します。
PoCの合格条件も選定前に決めます。例えば、対象アプリへの接続成功率、認証にかかる平均時間、未管理端末の遮断率、管理者の権限付与・剥奪時間、ログの検索可否、問い合わせ件数、障害時の復旧時間を計測します。使いやすさを測らずにセキュリティ機能だけで決めると、稼働後に現場が回避策を使い、設計した制御が形骸化します。
フェーズ3:設計開発でポリシーと連携を実装します
設計では、利用者、端末、場所、時刻、アプリ、データ分類、リスクに応じたアクセス条件をポリシーへ落とし込みます。例えば、管理端末からの通常業務は許可し、OSが未更新の端末は追加認証、海外からの特権操作は遮断、外部委託先は指定アプリだけ許可、というように、許可・追加認証・読み取り専用・遮断の動作を具体化します。条件が複雑になりすぎる場合は、最初は重要なルールに絞り、ログを見ながら段階的に増やします。
開発・設定作業では、認証基盤と業務アプリのSSO、ユーザー属性の連携、端末証明書、MDMポリシー、EDR、ZTNAコネクター、SIEMへのログ転送、管理者の操作記録を構築します。既製品の標準機能を優先し、独自開発は業務固有の申請フローやAPI連携に限定します。認証、暗号、監査ログをゼロから自社実装すると、脆弱性対応や仕様変更の負担が大きくなるためです。
設計書には、正常系だけでなく例外系も書きます。端末を紛失したとき、スマートフォンを交換したとき、認証サービスが停止したとき、通信障害で現場が孤立したとき、管理者が退職したとき、緊急に特権操作が必要になったときの手順を決めます。緊急用アカウントは常用せず、利用理由、承認者、利用時間、操作ログ、事後レビューを必須にします。
フェーズ4:テストで安全性と業務継続性を同時に確認します
テストは、機能テスト、連携テスト、権限テスト、負荷テスト、障害テスト、利用者受入テストに分けます。機能テストではSSOやMFAが動くかだけでなく、退職・異動時にアカウントが無効化されるか、端末の条件違反を検知できるか、許可されていないアプリへ到達できないかを確認します。権限テストでは、一般利用者、部門管理者、システム管理者、委託先の各ロールで、見えるデータと実行できる操作が仕様どおりかを確認します。
業務継続性のテストでは、IDaaS、ZTNA、ネットワーク、端末管理、ログ基盤のどれかが止まった場合に、業務をどこまで継続できるかを検証します。代替回線や復旧用端末を用意し、問い合わせ窓口とエスカレーション先を実際に使います。特に現場では、認証アプリを使えない夜間や、共有端末からの作業、工場・店舗など通信が不安定な場所をテスト対象から外さないことが重要です。
受入基準には、セキュリティと利便性を両方入れます。例として「重要アプリの許可・遮断が仕様どおりであること」「高リスク操作が追加認証になること」「ログから利用者・端末・時刻・操作を追えること」「通常ログインが現行手順より大きく複雑にならないこと」「重大障害から目標時間内に復旧できること」を合格条件にします。未解決の例外は一覧化し、責任者と期限を決めてから稼働へ進みます。
フェーズ5:稼働では段階移行と利用者支援を行います
稼働は、部門・拠点・アプリの単位で順番を決めます。最初はIT部門や協力的な部門でパイロットを行い、次に業務影響が比較的小さいSaaS、最後に基幹システムや工場など停止できない領域へ広げます。各波の前に対象者、切替日時、事前準備、戻し方、問い合わせ窓口、責任者を明記した切替計画を配布します。既存VPNは、新しい経路での接続が安定するまで併用し、段階的に対象を減らします。
利用者には、なぜ確認が増えるのか、どの端末が使えるのか、MFA端末を紛失したときにどうするのかを、切替前に伝えます。短い操作動画、1枚の手順書、よくある質問、有人窓口を用意すると、現場の不安を減らせます。初日の問い合わせ件数が増えることを前提に、切替時間帯の応援要員と、認証できない場合の安全な代替業務を確保します。
フェーズ6:定着ではログ・権限・ポリシーを継続改善します
ゼロトラストのシステムは稼働日が完成日ではありません。人の異動、端末の更新、クラウドサービスの追加、委託先の変更、脅威の変化に合わせて、ポリシーと権限を見直す必要があります。月次で退職者・異動者・休眠アカウント・特権ID・共有アカウントを確認し、四半期ごとに重要アプリの権限レビューと例外ポリシーの期限確認を行います。
運用KPIは、MFA適用率、管理対象端末率、未管理端末数、過剰権限数、異常検知から遮断までの時間、重大アラートの未対応件数、認証関連の問い合わせ件数などを設定します。数字が悪化したときに誰が何を変えるかまで決めると、監視が報告だけで終わりません。SOCを外部委託する場合も、検知後の一次切り分け、顧客への連絡、遮断判断、復旧支援、月次報告の分界を明確にします。
ゼロトラストのシステム開発費用相場と内訳

ゼロトラストのシステムに一律の公定価格はありません。ユーザー数、端末数、アプリ数、拠点数、オンプレミス連携、ログ保管、SOCの有無、移行対象の複雑さで変わるため、下記は公開価格と一般的な業務システム開発工数を組み合わせた編集上の目安です。特定企業への発注金額を保証するものではなく、初期費用、ライセンス、運用費を分けて比較してください。
規模別の費用相場はどのくらいですか?
20〜100ユーザー、対象SaaSが1〜3個の小規模PoCなら、初期50万〜300万円、期間1〜2か月程度が目安です。既存のID基盤を利用し、SSO・MFA、条件付きアクセス、基本的なログ確認に絞る想定です。100〜500ユーザーを対象にID、端末管理、EDR、複数SaaS、運用設計まで含める場合は、初期300万〜1,000万円、期間2〜6か月程度が目安になります。いずれも対象端末の棚卸しや利用者教育が多いほど上振れします。
拠点・リモートアクセス、オンプレミス業務アプリ、既存VPNからの移行まで含むZTNA・SASE導入では、初期1,000万〜3,000万円、期間4〜12か月程度が一つの目安です。複数クラウド、マイクロセグメンテーション、SIEM・SOC、数千ユーザー、サプライチェーン連携を含む全社基盤では、初期3,000万円〜1億円超、12〜24か月以上になる場合があります。これはリサーチノートに基づく推定レンジで、要件や契約条件によって変わります。
公開価格は、ライセンス費用を把握する補助材料になります。Cloudflareの公開料金では、50ユーザーまでのFreeプランと、Pay-as-you-goの7米ドル/ユーザー/月、フル機能のSASEやワークスペース保護を含む個別見積もりのプランが示されています(出典: Cloudflare Zero Trustの料金ページ、2026年確認)。1ドル150円と仮置きすれば7米ドルは約1,050円ですが、為替、税、契約条件を含まない概算です。ライセンスが安くても、設計、移行、端末整備、教育、監視を加えた総額は別に考えます。
費用は初期・月額・隠れコストに分けて考えます
初期費用は、現状診断、要件定義、基本設計、製品設定、既存アプリとの連携、端末登録、ポリシー作成、データ移行、テスト、切替、教育で構成されます。月額費用は、ユーザー・端末・通信量に応じたライセンス、ログ保管、SOCやMSS、問い合わせ対応、設定変更、バックアップで構成されます。見積書では「ゼロトラスト導入一式」とせず、ユーザー数、端末数、アプリ数、作業時間、試験数を分けてもらいます。
見落としやすい費用は、未対応端末の交換、OS更新、ネットワーク回線、アプリ改修、証明書発行、ログ保存容量、休日の切替支援、利用者研修、ヘルプデスク、監査対応、契約更新です。NTTドコモソリューションズの公開資料には、導入支援や各種設定、SOC定期レポート、ユーザー単位のライセンスなどを分けた参考価格が掲載されています。これは個別案件の見積ではありませんが、費用項目を分解して確認する際の実例になります(出典: NTTドコモソリューションズ「ゼロトラスト型セキュリティサービス」資料、リサーチノート確認)。
比較時は初期費用だけでなく、3年間の総保有コストを試算します。例えば、ライセンスの値上げ、ユーザー増加、ログ容量の増加、SOCの監視時間、端末更新、運用担当者の工数を含めます。逆に、既存のMicrosoft 365や端末管理契約に含まれる機能を二重購入しないよう、現在の契約と追加契約の境界を確認します。
ゼロトラストのシステム開発で見積もりを取るポイント

ゼロトラストの見積は、製品の価格表だけを比べても適正か判断できません。自社の業務、資産、例外、運用担当者のスキルを前提条件としてそろえ、同じ対象範囲で複数社から提案を受けます。特に「何を導入するか」より「どの状態まで責任を持って移行するか」を見積の中心に置きます。
見積前に対象範囲と成果物を仕様書へ書きます
RFPや依頼書には、ユーザー数・端末数・拠点数・OS・業務アプリ・SaaS・認証方式・対象データ・現在のネットワーク・既存ライセンスを記載します。対象外にするシステム、既存VPNを残す期間、利用者教育の範囲、ログの保存期間、監視の時間帯、障害時の目標復旧時間、納品する設計書や運用手順書も明記します。
提案依頼時には、成果物を「設定完了」だけにしないことが大切です。資産台帳、権限マトリクス、アクセス制御ポリシー、連携設計書、テスト結果、切替計画、ロールバック手順、利用者向け手順書、運用フロー、ログの確認方法、残課題一覧まで含めます。成果物の粒度が会社ごとに違うと、安い見積に見えても、発注後に別料金の作業が増える可能性があります。
複数社は価格だけでなく体制と分界を比較します
発注先を比較するときは、同規模・同業種の導入実績、現状診断とPoCの範囲、マルチベンダー連携、オンプレミスアプリへの接続、運用設計、SOC・ヘルプデスクの体制を確認します。営業担当の説明だけでなく、設計責任者、移行責任者、運用責任者が打ち合わせに参加するかも判断材料です。
質問例として、「PoCは何ユーザー・何アプリで行うか」「MFA失敗時の代替手段は何か」「端末未準拠時に業務を止めるか、読み取り専用にするか」「ログは何日保存し、誰が分析するか」「月額費用に設定変更、チケット、SOC、休日対応が含まれるか」「契約終了時にポリシーとログを返却できるか」を用意します。回答は口頭で済ませず、提案書や契約書に反映してもらいます。
ベンダーが「ゼロトラスト対応」とだけ記載し、対象アプリ数や端末条件、監視範囲を示していない場合は注意が必要です。製品販売会社、導入SIer、SOC事業者、業務アプリ開発会社の役割を分け、障害やセキュリティインシデントが起きたときの一次窓口と最終責任者を決めます。
費用と工期が膨らむリスクを先に管理します
主なリスクは、資産台帳が不完全なまま始めること、全社一括切替を急ぐこと、例外ポリシーを期限なしで増やすこと、現場の共有端末や古いOSを対象外にすること、ログを集めても見る人がいないことです。対策として、発注前に資産の不明項目を一覧化し、PoCの対象と対象外を分け、移行波ごとの撤退条件を決めます。
要件定義が不十分だと、途中で対象アプリや例外条件が増え、工数・費用が1.3〜1.5倍に膨らみやすいという一般的な業務システム開発の注意点があります(出典: リサーチノート内の業務システム一般Q&A、2026年確認)。ゼロトラストでは、例外ポリシーの追加、端末交換、アプリ改修、ログ保管容量の増加もスコープクリープになりやすいため、変更管理の承認者と追加費用の算定方法を契約前に確認します。
導入効果は、製品数や設定数ではなく、業務リスクがどれだけ下がったかで測ります。未管理端末、過剰権限、休眠アカウント、外部公開経路、ログ未取得の重要アプリを減らせたかを、導入前後で比較します。セキュリティを強くした結果、現場が業務を止めたり抜け道を使ったりしないよう、利用者体験と業務継続性も同じ評価表に入れます。
ゼロトラストのシステム開発に関するよくある質問

ゼロトラストのシステム開発では、製品選定よりも導入範囲、既存環境との接続、利用者への影響、運用体制について質問が寄せられます。ここでは、発注前に特に確認しておきたい疑問へ直接回答します。
50〜300人程度の企業でもゼロトラストのシステムを導入できますか?
導入できます。最初から全機能をそろえるのではなく、既存のID基盤を使ってSSO・MFAと端末の基本管理から始め、1部門・1〜3アプリのPoCで効果と運用負担を確認します。情シスの人数が少ない場合は、設定変更、ログ監視、問い合わせ対応を外部のマネージドサービスへ委託する方法もあります。
ゼロトラストへ移行すると既存VPNはすぐ廃止しますか?
すぐに廃止する必要はありません。重要アプリをアプリ単位の接続へ移し、利用者の接続成功率、障害時の復旧、運用担当者の対応を確認しながら、VPNの対象を段階的に減らします。古い業務アプリや工場・拠点の機器など、すぐにZTNAへ移せない対象は、期限付きの例外としてリスクと代替計画を管理します。
MFAを導入すればゼロトラストのシステムは完成しますか?
MFAだけでは完成しません。MFAは本人確認を強化する重要な要素ですが、端末が管理されているか、OSが最新か、利用者に必要最小限の権限だけが付いているか、許可されたアプリへ接続しているか、異常操作を検知できるかまで組み合わせる必要があります。認証、端末、アプリ、データ、ログを一つのアクセス判断へつなげることが重要です。
ゼロトラストのシステム開発費用を抑えるにはどうすればよいですか?
既存のID・端末管理ライセンスを確認し、最初は重要度の高い部門とアプリに絞ってPoCを行うと、不要な購入と手戻りを減らせます。標準機能を優先し、独自開発は業務固有の連携に限定することも有効です。ただし、監視、教育、端末整備、ログ保管を削りすぎると運用できなくなるため、初期費用だけでなく3年間の総保有コストで判断します。
まとめ:ゼロトラストのシステムは段階導入で定着させます

ゼロトラストのシステム開発は、製品を一つ導入するプロジェクトではありません。利用者・端末・アプリケーション・データ・通信を都度検証し、必要最小限のアクセスを許可し、侵害を前提に監視と復旧を行う業務基盤です。VPNの置き換えやMFAの追加だけで終わらせず、既存の業務と運用を含めて設計します。
6フェーズを成果物と判断基準でつなぎます
進め方は、要件整理で資産・リスク・対象範囲を明確にし、選定で製品と運用条件を比較し、設計開発でポリシーと連携を実装し、テストで安全性と業務継続性を確認し、稼働で段階移行し、定着で権限・ログ・ポリシーを継続改善します。各段階で成果物、責任者、合格条件、次へ進まない条件を決めると、セキュリティ部門だけの導入にならず、現場で使える仕組みになります。
最初の一歩は資産台帳と小さなPoCです
まずはユーザー、端末、SaaS、業務アプリ、管理者権限、重要データ、現在のVPN経路を一覧化し、守る対象と優先順位を決めてください。そのうえで、20〜100ユーザーと1〜3アプリを対象に、認証、端末条件、ログ、利用者体験、障害時の代替手段を検証します。見積を依頼する際は、初期費用だけでなくライセンス、監視、教育、移行、端末整備を含む3年総額と、導入後の責任分界まで比較することが大切です。
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
