OpenAI DevDay 2026を解説|GPT-6.1 Solと開発基盤

OpenAIは2026年9月29日のDevDay 2026で、ChatGPT、Codex、モデル、AIとの協働方法にまたがる20件超の発表を行いました。開発者向けには、GPT-6.1 Sol、Codex Cloud、Codex Security Cloud、Ultrafast、Agents APIのコンピュータ操作が示されています。

GPT-6.1 SolはGPT-6 Astraに近い知能を、標準の入力・出力トークン価格の5分の1で提供するモデルです。Codex CloudやAgents APIは、モデルだけでなく、クラウドの実行環境、ツール、マルチエージェント、UI操作まで開発組織の運用を変える発表です。

Ultrafastには料金とレート制限があります。Codex CloudとAgents APIではGitHub、シークレット、ネットワーク、承認、レビューの責任分界が残ります。機能一覧ではなく、モデル・実行場所・速度・権限の設計として整理する記事です。

※本記事は2026年10月14日時点の情報です。

OpenAI DevDay 2026の発表をGPT-6.1 Sol・Ultrafast・Codex Cloud・Codex Security Cloud・Agents APIの5層で整理した図
発表の中心はモデルから開発の実行基盤へ広がった

DevDay 2026の全体像|「モデル」から「開発の実行基盤」へ

今回の発表は単一の新モデルに限りません。GPT-6.1 Sol、Codex Cloud、Codex Security Cloud、Ultrafast、Agents APIの5項目が同時に示されました。

開発責任者が見るべき変化は、モデル単価、クラウド実行、検査と修正、レイテンシー予算、権限と承認の5つです。

GPT-6.1 Solはモデル単価、Codex Cloudはクラウド実行、Security Cloudは検査と修正、Ultrafastは速度階層、Agents APIはUI操作の承認境界を担います。

なお、Decisions APIはLunaを分類やルーティング、次の行動の選択に使うパブリックベータです。GPT-6.1 Solや開発環境とは役割が異なります。

ポイント

DevDay 2026は、モデルの性能競争だけでなく、実行環境・検査・速度・UI操作を含む開発基盤の発表として読むと、自社の検討箇所を切り分けやすくなります。

GPT-6.1 Sol|Astraの5分の1価格をどう使い分けるか

GPT-6.1 SolはGPT-6 Solのアップグレード版です。エージェント型コーディング、コンピュータ操作、専門業務を強化しています。

短いコンテキストの標準API価格は、100万トークンあたり入力2ドル(約300円)、キャッシュ入力0.10ドル(約15円)です。キャッシュ書き込みは2.50ドル(約375円)、出力は10ドル(約1,500円)です。※1ドル=150円で換算しています。

GPT-6 Astraの短いコンテキストは入力10ドル(約1,500円)、キャッシュ入力1ドル(約150円)、キャッシュ書き込み12.50ドル(約1,875円)、出力50ドル(約7,500円)です。Solは入力と出力がAstraの5分の1、キャッシュ入力は10分の1です。

モデル入力(100万トークン)キャッシュ入力(100万トークン)キャッシュ書き込み(100万トークン)出力(100万トークン)主な位置付け・利用先
GPT-6 Astra10ドル(約1,500円)1ドル(約150円)12.50ドル(約1,875円)50ドル(約7,500円)最上位。API、ChatGPT Work、Codex
GPT-6.1 Sol2ドル(約300円)0.10ドル(約15円)2.50ドル(約375円)10ドル(約1,500円)コーディング・UI操作・専門業務。API、ChatGPT Work、Codex

表は短いコンテキストの標準料金です。272K超では入力・キャッシュ料金が2倍、出力が1.5倍になります。

利用先も確認が必要です。2026年10月14日時点で、GPT-6.1 SolはAPIのモデル名 gpt-6.1-sol で利用できます。ChatGPT WorkとCodexではPlus、Pro、Business、Enterprise、Eduに提供されています。Chatではまだ利用できません。

性能についてOpenAIは、DeepSWE v1.1でGPT-6 Astraとおおむね5分の1のコストで同等の結果だったと報告しています。OSWorld 2.0のオフラインセットではGPT-6 Solを7ポイント上回り、Astraとの差を2.1ポイント以内にしました。いずれもOpenAIが示す評価条件の数値であり、自社リポジトリやツール構成で同じ結果になる保証ではありません。

コード生成や長時間エージェントはSolを標準候補にします。失敗時の損失が大きい処理だけAstraで比較する運用です。GPT-6 Astraの位置付けは、GPT-6 Astraの性能・料金、AstraとSolの使い分けも参照してください。

ポイント

GPT-6.1 Solの5分の1価格は、全処理を安いモデルへ移す話ではありません。失敗コスト、ツール呼び出し回数、レビュー工程から担当範囲を決めます。

Codex CloudとSecurity Cloud|実行と検査をクラウドへ移す

Codex Cloudは、バグ調査から機能開発までのタスクをクラウドで実行します。Web・モバイル・デスクトップから変更を確認でき、専用ワークスペースでスリープ中も継続可能です。

GitHubリポジトリ、依存関係、ツールを準備して公開し、複数タスクで再利用できます。ネットワーク、シークレット、環境変数も設定対象です。接続するリポジトリと資格情報の範囲を先に決める設計です。

Codex Security Cloudは、GitHubリポジトリをオンデマンドまたは継続的にスキャンします。検出結果の影響コード、検証の証拠、修正案を確認でき、Fix with Codexで提案パッチを作成した後、レビューしてドラフトプルリクエストにできます。検出から修正までを自動で本番反映する機能ではありません。

GitHubリポジトリから専用ワークスペースでの検査、検出結果、提案パッチ、ドラフトプルリクエストまでの流れ
提案パッチはドラフトプルリクエストとして人がレビューする

導入時は、Codex Cloudの変更とテスト結果、Security Cloudの検証証拠と提案パッチを担当者が確認する流れを作ります。

低リスクのリポジトリで、ネットワーク許可とシークレットの範囲、レビュー担当を試してください。

ポイント

Codex Cloudは環境とタスク、Security Cloudは検査結果と修正レビューを整理するサービスです。GitHub接続、ネットワーク、シークレット、PR承認を導入計画で確認してください。

Ultrafast|速度と費用を同時に管理するプレミアム階層

UltrafastはOpenAI APIの最速サービス階層です。GPT-6 AstraとGPT-6.1 Solに対応し、APIでは service_tier に ultrafast を指定します。StandardやFastとは別のレート制限が適用されるため、速度だけでなく利用上限の確認が必要です。

2026年10月14日時点では、GPT-6.1 SolのUltrafastはAPI、Codex、ChatGPT Workでサポートされています。APIの短いコンテキストでは、Solが入力12ドル(約1,800円)、キャッシュ入力0.60ドル(約90円)、キャッシュ書き込み15ドル(約2,250円)、出力60ドル(約9,000円)です。標準価格と比べると、速度のための追加コストが発生します。

CodexとChatGPT Workでは、UltrafastはPro $500(約7万5,000円)、対象Enterprise、Eduで利用できます。購入クレジットとEnterpriseの従量課金はStandardの6倍、含まれるサブスクリプション枠は8倍です。Enterpriseは初期状態で無効です。

待ち時間が業務停止に直結する同期処理を候補にします。バッチや夜間処理はStandardやFastと比較し、多数のツール呼び出しではWebSocketを使います。プラン、レート制限、Enterpriseの管理者設定も確認が必要です。

DevDay発表時はSol Ultrafastが「近日提供」でしたが、10月8日のAPI変更履歴と現行ドキュメントで提供開始が確認できます。発表当日の表現と現在の提供状況は分けて記録してください。

ポイント

Ultrafastは「速いから常に使う」階層ではありません。同期処理のレイテンシー予算と、API料金またはサブスクリプション枠の上限を並べ、対象処理を限定してください。

Agents APIのコンピュータ操作|自社アプリにCodex型ハーネスを組み込む

Agents APIは、Codexの実行ハーネスとインフラを開発者向けに公開するパブリックベータです。OpenAIがハーネスをホスト・保守し、開発者はOpenAI管理サンドボックス、自社インフラ、提携サンドボックスから実行環境を選択できます。利用に追加料金はなく、エージェントが使ったトークンとツールが課金対象です。

長時間セッションのコンテキスト自動圧縮、Tool search、プログラムによるツール呼び出し、MCP・カスタム関数・組み込みツール、マルチエージェントの並列実行に対応しています。ツールの実行権限は別途設計が必要です。

Agents APIのコンピュータ操作で、アプリケーションとOpenAIホストのブラウザの間にサイトアクセス承認とサインインの境界を置き、結果を確認する構成
操作先のサイトとサインインの境界を、自社アプリ側で管理する

コンピュータ操作では、Agents APIがOpenAIホストのブラウザでWebサイトやUIを操作します。アプリケーションはセッションを開始し、イベントを追跡し、サイトアクセスやサインインなどの承認要求を処理します。テスト、情報収集、限定した社内業務UIから始め、対象サイトとアカウントを絞る設計です。

設計時は、OpenAI管理環境と自社環境の責任境界、ログと承認の保存先、シークレットの渡し方、失敗時の再実行、結果を人が確認する地点を定義します。購入や削除などの重大な操作は委ねません。

Agents APIの全体像は、OpenAI Agents APIのマネージドなエージェント実行基盤の解説も参考になります。モデル性能より先に、承認・監査・再実行の責任者を決めてください。

ポイント

Agents APIは実行基盤を短縮できますが、業務上の承認や監査を代替しません。UI操作を許す範囲、シークレット、ログ、失敗時の停止条件を小さな検証環境で確かめてください。

よくある質問

Q. GPT-6.1 SolのAPI料金はいくらですか?

短いコンテキストの標準API価格は、100万トークンあたり入力2ドル(約300円)、キャッシュ入力0.10ドル(約15円)です。キャッシュ書き込みは2.50ドル(約375円)、出力は10ドル(約1,500円)です。272K超では入力・キャッシュ料金が2倍、出力が1.5倍になります。

Q. GPT-6.1 SolはGPT-6 Astraとどう使い分けますか?

コード生成や長時間エージェントの標準候補はSolです。失敗コストが大きい処理や高い判断精度が必要な処理はAstraと比較します。

Q. Codex CloudとCodex Security Cloudは何ができますか?

Codex Cloudはタスクをクラウドで実行し、Security CloudはGitHubリポジトリをスキャンします。検証結果や提案パッチを確認し、ドラフトプルリクエストの作成が可能です。

Q. Agents APIのコンピュータ操作はどこで動きますか?

Agents APIはOpenAIホストのブラウザでWebサイトやUIを操作します。アプリケーションがセッション、イベント、サイトアクセスやサインインの承認を処理します。

まとめ

OpenAI DevDay 2026は、モデルだけでなく開発基盤を広げる発表でした。

処理ごとにSolとAstraを比較し、低リスクのリポジトリでCloud製品を試します。Ultrafastは待ち時間に見合う処理だけに限定し、Agents APIは承認・監査・シークレットの境界を定義してから使います。

ポイント

評価はベンチマークだけでなく、リポジトリ、ツール、ネットワーク、シークレット、レビュー、承認を含む自社フローで行ってください。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。