EXPLANNERは、日本電気(NEC)が提供する中堅・中小企業向けの統合基幹業務パッケージ(ERP)です。財務会計・販売管理・購買管理・在庫管理・生産管理を一元的に管理できる国産ERPとして、多くの製造業・流通業・サービス業に導入されています。しかし、ERPの導入は複雑なプロジェクトであり、適切な進め方を理解せずに取り組むと、費用超過や機能不足、現場への定着失敗といった問題が生じます。
本記事では、EXPLANNER導入を成功させるための具体的な進め方・手順・フェーズを詳しく解説します。導入を検討している中堅・中小企業の担当者・経営者の方がスムーズにプロジェクトを進められるよう、実務に即した情報をお届けします。
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・EXPLANNER導入の完全ガイド
EXPLANNER導入の全体像と基本的な考え方

EXPLANNERの導入プロジェクトは、一般的に6か月〜18か月程度かかる大規模な取り組みです。単にソフトウェアを導入するのではなく、業務プロセスの見直しや組織変革を伴うため、経営トップのコミットメントと現場の協力が不可欠です。導入前に「何のために導入するのか」「どの業務課題を解決したいのか」を明確にすることが、プロジェクト成功の第一歩となります。
EXPLANNERにはオンプレミス型とクラウド型(EXPLANNER/Ai)の2種類があります。オンプレミス型は自社サーバーへのインストールを伴い、高いカスタマイズ性が特徴です。一方、EXPLANNER/Aiはクラウドサービスとして提供され、初期投資を抑えながら最新機能を活用できます。導入方式の選択も、プロジェクト全体の進め方に影響するため、早期段階で検討しておく必要があります。
オンプレミス型とクラウド型(EXPLANNER/Ai)の違い
オンプレミス型のEXPLANNERは、自社のサーバーに導入するため、業務要件に合わせた細かいカスタマイズが可能です。既存の基幹システムとの連携や特殊な業務フローにも対応しやすい反面、サーバーの調達・構築・保守が必要となり、初期費用やIT人材の確保が課題となることがあります。一方、EXPLANNER/Aiはクラウドサービスとして提供され、月額費用で最新バージョンを利用できます。初期コストを抑えたい中小企業や、IT部門のリソースが限られている企業に適しています。
導入成功のための3つの前提条件
EXPLANNER導入を成功させるには、①経営トップのリーダーシップ、②現場キーユーザーの巻き込み、③明確なプロジェクト管理体制の3点が特に重要です。ERPは部門横断的なシステムであるため、各部門の調整が必要です。経営トップが積極的に関与することで、部門間の利害調整がスムーズになります。また、現場のキーユーザーを早期から参加させることで、業務要件の見落としを防ぎ、現場への定着も促進されます。
EXPLANNER導入の進め方:5つのフェーズ

EXPLANNERの導入プロジェクトは、大きく5つのフェーズに分けて進めるのが一般的です。各フェーズを丁寧に進めることで、品質の高いシステムを計画通りに稼働させることができます。フェーズごとの成果物(ドキュメント)をしっかりと残すことも、後工程での手戻りを防ぐために重要です。
フェーズ1:現状分析・構想策定
最初のフェーズでは、現在の業務プロセスの課題を洗い出し、ERP導入によって解決したい目標を明確にします。具体的には、業務フロー図の作成、課題ヒアリング、費用対効果の試算などを実施します。このフェーズでは、経営層・業務部門・IT部門が連携して取り組むことが重要です。期間の目安は1〜2か月程度です。現状分析が不十分だと、後工程での要件漏れや仕様変更が多発し、プロジェクト全体のコスト増加につながります。
フェーズ2:要件定義・ベンダー選定
フェーズ2では、EXPLANNERに求める機能要件・非機能要件を文書化し、RFP(提案依頼書)を作成してベンダーへの提案を依頼します。EXPLANNERはNECが提供するため、NECおよびNEC認定パートナー(NECネクサソリューションズ、大塚商会、TISなど)に対して提案を依頼することが多いです。複数のパートナーから提案を受け、費用・体制・実績を比較した上でパートナーを選定します。期間の目安は1〜2か月です。
フェーズ3:基本設計・詳細設計
ベンダーが選定されたら、EXPLANNERの標準機能と自社業務のギャップを分析するFit&Gap分析を実施します。標準機能で対応できない部分はアドオン開発やパラメータ設定でカバーするか、業務プロセスをERPの標準に合わせるかを判断します。カスタマイズが多いほどコストと期間が増大するため、なるべく標準機能を活用する方針が推奨されます。基本設計では画面・帳票の仕様、データ移行の方針なども決定します。期間の目安は2〜3か月です。
フェーズ4:開発・テスト・教育
設計書に基づいて、アドオン開発・パラメータ設定・データ移行ツールの開発を進めます。開発と並行して、単体テスト・結合テスト・総合テストを実施し、品質を確認します。また、エンドユーザー向けの操作研修やキーユーザー研修も重要です。研修の質がシステムの定着率に大きく影響するため、マニュアルの整備とあわせて丁寧に対応します。期間の目安は3〜5か月で、開発規模によって変動します。
フェーズ5:本番移行・運用定着
最終フェーズでは、旧システムからEXPLANNERへのデータ移行を実施し、本番稼働を開始します。本番移行は業務への影響が大きいため、週末・連休などを活用して実施するケースが多いです。本番稼働直後は問題が発生しやすいため、ベンダーによる集中サポート期間を設けることが重要です。稼働後3〜6か月は運用定着フェーズとして、現場からの問い合わせ対応や業務改善活動を継続して行います。
EXPLANNER導入でよくある失敗と対策

ERPの導入プロジェクトは、成功率が高くないとも言われています。実際、大手調査会社の調査では、ERP導入プロジェクトの約30〜40%が予算超過や期間遅延を経験しているという報告もあります。EXPLANNERの導入においても、典型的な失敗パターンがあり、事前に把握しておくことが大切です。
失敗例1:要件定義の不足
要件定義が不十分なままプロジェクトを進めた結果、後工程での仕様変更が多発し、開発費用が当初見積の150〜200%に膨らんだケースがあります。対策としては、現状業務を網羅的に可視化した上で、EXPLANNERの標準機能とのFit&Gap分析を丁寧に行うことが重要です。また、要件定義書はユーザー企業側でもレビューし、合意した内容を文書化して承認するプロセスを設けましょう。
失敗例2:現場の巻き込みが不十分
IT部門主導でプロジェクトを進め、現場の業務担当者の声が反映されなかった結果、稼働後に「使いにくい」「実際の業務と合わない」という問題が発生するケースが多くあります。対策としては、各部門からキーユーザーを選定し、要件定義・テスト・研修の各フェーズで積極的に関与させることです。キーユーザーは本番稼働後の社内サポート役としても機能するため、早期からの参加が重要です。
失敗例3:カスタマイズの過剰
「今の業務を変えたくない」という理由でEXPLANNERに対して多数のカスタマイズを行った結果、開発費用が増大し、バージョンアップ時に大規模な改修が必要になるケースがあります。EXPLANNERの標準機能は中堅・中小企業の業務をカバーするよう設計されているため、まず標準機能での業務対応を検討し、どうしても必要な場合のみカスタマイズを行う「フィットtoスタンダード」の考え方を取り入れましょう。
EXPLANNER導入の期間・体制の目安

EXPLANNERの導入期間は、企業規模やカスタマイズ量によって異なりますが、中小企業(従業員100名以下)の場合は6〜10か月、中堅企業(従業員100〜500名)の場合は12〜18か月が一般的な目安です。複数の事業所や海外拠点がある場合はさらに長期化することがあります。
プロジェクト体制としては、ユーザー企業側にプロジェクトマネージャー(PMO)・業務担当者(各部門キーユーザー)・IT担当者を配置します。ベンダー側にはプロジェクトリーダー・業務コンサルタント・開発エンジニア・インフラエンジニアが参画するのが標準的な体制です。ユーザー企業のPM(またはPMO)を誰が担うかがプロジェクト成功の鍵となります。社内にプロジェクト管理の経験者がいない場合は、外部のITコンサルタントに支援を依頼することも有効です。
まとめ:EXPLANNER導入を成功させるために

EXPLANNER導入を成功させるためのポイントを改めて整理します。①現状分析・構想策定→②要件定義・ベンダー選定→③基本設計・詳細設計→④開発・テスト・教育→⑤本番移行・運用定着という5フェーズの流れを理解し、各フェーズに適切な工数と体制を確保することが重要です。
また、「要件定義の徹底」「現場の早期巻き込み」「カスタマイズの最小化」という3つの原則を守ることで、多くの失敗を回避できます。導入パートナーの選定にあたっては、EXPLANNER導入実績があるかどうかを必ず確認し、業務コンサルティング能力とプロジェクト管理能力の両方に優れたパートナーを選ぶことをお勧めします。EXPLANNERの導入検討や進め方についてお困りのことがあれば、ぜひ専門家への相談をご検討ください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
