EXPLANNER導入のパッケージ/クラウド製品一覧

EXPLANNERは、対象業務、対象業種、原価管理の粒度によって製品ラインが異なるため、自社の最優先課題に合う製品を選ぶことが大切です。

パッケージ型とクラウド型の違い、比べる観点を押さえたうえで、主要な5つの製品ラインを課題別に見比べると、候補を絞りやすくなります。

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パッケージ型とクラウド型、EXPLANNERの提供形態の位置づけ

オンプレミス中心の導入で確認する長期利用の設計、運用とTCO、費用、ライセンス体系を4枚のカードで示した図。
費用と運用の両面から導入後を見通せます。

パッケージ型は、自社サーバーへの導入や専用環境での構築も含めて、広い意味で使われる言葉です。一方、クラウド型は、ベンダーが運用するサービスをインターネット経由で利用する方式を指します。

EXPLANNERの各製品ラインは、オンプレミスとクラウド環境のどちらかを選べると案内されています。ただし、汎用クラウドSaaSが月額プランで完結するのに対し、EXPLANNERは、業務要件に応じた構築やカスタマイズを伴う導入が中心です。

オンプレミス中心の導入は、自社運用と長期利用が前提

オンプレミス中心の導入では、自社で運用する負担と長期利用時の費用を、導入前に比べておく必要があります。判断を左右する要素は4つあり、いずれも導入後の費用や運用に直結するため、契約前に確かめておきます。

  • 長期利用の設計:導入では、業務仕様に合わせて作り込み、ミドルウェアの変化を吸収する開発基盤を使うため、長期利用に向きます。
  • 運用とTCO:自社のサーバーや保守の負担は大きい一方、業務ロジックを深く作り込めます。5〜10年の利用では、TCO(総保有コスト)で有利になりやすいです。
  • 初期費用と長期費用:サーバー構築やライセンスの費用が先にかかる一方、クラウド型は月額課金が続きます。
  • ライセンス体系:拠点や事業部門を増やす予定があるなら、拠点数とユーザー数のどちらに連動するかを確かめておきます。

クラウド選択肢と段階的な移行

次世代版のEXPLANNER/NXなども、オンプレミスとクラウドを選べると案内されています。

サーバーを持たずに始めたい企業や、複数拠点からのアクセスを重視する企業は、クラウド提供の状況を確かめておくとよいでしょう。

ただし、クラウドを選んでも、法改正への追随や原価計算ロジックの調整は、自社の業務ルールに合わせて設計する必要があります。導入しただけで自動的に最適化されるわけではありません。

ポイント

自社で運用する負担と長期利用時の費用を比べてから、オンプレミスかクラウドかを決めると判断がぶれにくくなります。5年・10年の利用を想定しているなら、総保有コストも見比べておくとよいでしょう。

製品ラインを比較するときの共通軸

製品ごとの対象範囲を中心に、業務領域、対象業種、企業規模、原価管理の粒度を共通軸として配置した図。
比較の前に観点をそろえると、候補間の差が見えます。

製品紹介ページの機能一覧の文言だけでは、自社業務への適合を判断しにくいものです。そこで、次の観点で質問をそろえると、候補を同じ条件で比べられます。

対象業務領域と対象業種・企業規模をそろえた比較

まず、標準機能で扱いたい業務と、自社の業種・規模が製品の想定導入先に合うかを確かめます。その際は、4つの観点を製品ごとに同じ条件で並べると、対象範囲の違いが見えやすくなります。

  • 業務領域:販売、生産、原価、会計、人事給与、ワークフロー
  • 対象業種:製造業向けか建設業向けか
  • 企業規模:年商規模や拠点数が想定導入先と合うか
  • 原価管理の粒度:どの単位まで細かく管理できるか

対象範囲を先にそろえておけば、比べる製品ラインを早い段階で絞り込めます。

連携・提供形態・料金の確認方法までそろえた比較

周辺システムとの連携範囲、提供形態、料金の確認方法も、製品ごとに同じ条件で確かめます。たとえば、会計・勤怠管理・電子契約との連携や、オンプレミスとクラウドの選択可否を比べます。

料金が公式ページで開示されているか、問い合わせが必要かも、あわせて見ておきます。詳しい評価手順は、EXPLANNER導入の選定ポイントで扱っています。

ポイント

候補を比べる前に、共通軸となる対象範囲をそろえておくと、比較の土台が同じになります。大きく合わない製品は、早い段階で候補から外してかまいません。

EXPLANNERの主要製品ライン5選

2026年7月時点で現行の公式ページと対象業務を確認できた、主要な製品ライン5件を紹介します。掲載順はランキングではありません。

対象業務や対象業種は製品ごとに異なるため、自社の課題と照らし合わせて比べます。

EXPLANNER/Ax(NEC)

EXPLANNER/Axは、販売から人事管理までの業務を対象にするNECの製品です。部門をまたいで業務の流れを見たい企業は、この製品を比較の起点にすると判断しやすくなります。

  • 機能:販売、売掛金管理、買掛金管理、会計、給与計算、人事管理の6モジュールです。
  • 導入方法:NEC公式サイトによると、単体での導入と、複数モジュールの組み合わせを選べます。
  • 対象業務:生産管理よりも、見積・受注から会計・決算までを管理部門をまたいで扱いたい企業に向いています。
  • 料金:公式ページに具体的な記載はなく、問い合わせか資料ダウンロードで確認します。

EXPLANNER/J(NECネクサソリューションズ)

EXPLANNER/Jの概要は次のとおりです。対応業務や機能、料金の面から、自社との適合性を見極めます。

  • 対応業務:販売・生産・購買・工程・在庫・原価を支援する生産管理システムです。
  • 対象企業:多品種少量生産を行い、原価差異を製番単位で追いたい製造業が候補になります。
  • 生産・原価管理:公式サイトは、マルチプラント対応、製番・MRP管理、標準原価と実際原価の差異分析を案内しています。
  • 進捗・平準化:オーダー別・製番別の進捗管理や、ネック工程分析による生産平準化を支援します。
  • 料金:公式ページに記載がなく、個別見積もりが必要です。

EXPLANNER/NX(NECネクサソリューションズ)

EXPLANNER/NXは次世代ERPで、EXPLANNER/Zからの刷新を考える企業が対象になります。導入では提供形態と対象業種・業態を、乗り換えでは移行パスと既存データの扱いを、それぞれ個別に確かめる必要があります。

  • 機能:次世代ERPとして、販売管理、複数の生産モデルに対応する生産管理、6種類の原価計算方式、債権・債務管理、会計を備えます。
  • 提供形態:公式サイトではオンプレミスとクラウドを選べると案内されています。幅広い業種・業態を想定しています。
  • 比較候補:EXPLANNER/Zからの刷新や、複数の原価計算方式の使い分けを検討する企業が対象です。
  • 料金とURL:料金は公式ページに記載がありません。URLには旧製品名「explanner_z」が残っています。
  • 乗り換え:旧製品名のURLは、名称変更後も既存顧客やパートナーからの参照を保つためとみられます。移行パスや既存データの引き継ぎは個別に確認します。

EXPLANNER/FLⅡ(NECネクサソリューションズ)

EXPLANNER/FLⅡは、社内の申請・承認業務を電子化したい企業に向いたワークフロー製品です。判断では、利用する端末と承認ルートの組み方、電子帳簿保存法への対応の要否を確かめます。

  • 利用方法:スマートフォンとPCから申請・再申請・承認できます。
  • 対象業務:社内の申請・承認業務を電子化したい企業が候補です。
  • 承認ルート:公式サイトでは、プログラミングなしでマウス操作により複雑なルートを設定できると案内されています。
  • 対応・連携:電子帳簿保存法対応はオプションです。ERP、クラウドサービス、Teams・Slackなどと連携できます。
  • 導入と料金:デモ、提案・見積り、導入支援の順に進みます。料金は公式ページに記載がありません。

EXPLANNER/C(NECソリューションイノベータ)

EXPLANNER/Cは、建設業の会社を対象にした製品です。比べる際は、受注から支払いまでの管理範囲と、工事進行基準などの完成売上管理、JVや労災保険の扱いを見ておくと判断の材料になります。

  • 製品と対象:NECソリューションイノベータが提供する建設業向けの基幹業務システムで、引合いから完成までの状況を追えるようにします。
  • 管理業務:営業・受注、実行予算・工事原価、発注・請求・支払を扱います。
  • 会計・専門機能:工事進行基準などの複数基準による完成売上管理、JV管理、労災保険管理を備えます。
  • 実績と料金:公式サイトでは40年以上の実績が案内されています。料金は非公開のため、問い合わせが必要です。

対象は、工事原価をリアルタイムに把握したい建設業です。製造業向けの製品ラインとは区別して検討します。

自社の課題別に製品ラインを絞る方法

5つの製品ラインを細部まで一度に比べるより、最大の課題を決め、必須要件で候補を減らす方が効率的です。課題によって、適した製品ラインは変わります。

原価管理と多品種少量生産を重視したい場合

原価管理と生産計画の確認点は、デモで具体的に試します。

  • 候補製品:製番ごとの原価差異や多品種少量生産の切り替えが課題なら、Jを中心に検討します。EXPLANNER/Zや旧式システムの刷新なら、NXも比べます。
  • 原価差異:標準原価と実際原価を、製番・工程・品目のどこまで細かく比べられるかを見ます。
  • 生産計画:仕様変更や短納期の際に、計画をどれだけ組み替えられるかを実際に試して確かめます。カタログの記載では判断しにくい点です。

管理部門業務の統合や申請・承認の電子化を重視したい場合

課題ごとに、候補となる製品ラインは次のように分かれます。

  • 管理部門の統合:販売から会計・人事給与まで扱うEXPLANNER/Ax
  • 申請・承認の電子化:スマートフォン対応のEXPLANNER/FLⅡ
  • 建設業の工事原価:業種特化のEXPLANNER/C

複数の課題がある場合は、優先度の高い業務を標準機能で扱えるかを先に確かめます。また、周辺業務は連携で補う設計も、あわせて検討しましょう。

ポイント

最大の課題を先に決めると、候補の製品ラインを絞り込みやすくなります。課題が複数あって決めきれないときは、業務の優先順位を先に付け、最上位の業務を外さない製品を残すのが現実的です。周辺業務は連携で補えるかを、残った候補ごとに比べるとよいでしょう。

料金・契約前の確認事項

今回確認した5製品は、いずれも公式ページに具体的な金額がありません。そのため、問い合わせや資料請求を通じて、個別に見積もりを取る方式になります。

比較サイトの推測値を頼りに決めず、初期費用、保守・運用費用、アドオン開発費用を含めた総保有コストを確かめましょう。

標準機能とアドオン範囲を分けた見積もりの依頼

料金が非公開の製品では、見積もりを依頼する際に、年商規模、拠点数、対象モジュール、想定するカスタマイズ範囲を伝えます。

標準機能で扱える部分と、独自帳票や特殊な原価計算ロジックなどのアドオン開発部分は、金額を分けてもらいましょう。そうすれば、後から想定外の費用が発生しにくくなります。また、契約前には、無料の検証環境や貸出期間があるかも確かめておきます。

保守契約とバージョンアップ時の費用の確認

保守契約には、法改正への対応、インフラ保守、アドオン保守、運用サポート・ヘルプデスクなどが含まれるのが一般的です。ただし、アドオン部分は、将来のバージョンアップ時に動かなくなるリスクがあります。そのため、保守範囲に含まれるかを確かめ、対象外なら改修費用の目安はいくらかを契約前に聞いておきましょう。

最新の料金と契約条件は、各社への問い合わせ時点の情報で確かめてください。

ポイント

料金が公開されていない製品は、標準機能とアドオン開発の金額を分けて見積もってもらうと、後から想定外の費用が出にくくなります。保守契約の範囲も、契約書で確かめておく必要があります。

デモとPoCによる最終候補の絞り込み

受注・生産・原価データを中心に、処理速度、操作性、既存データとの連携を確認するデモまたはPoCの図。
実データを通すと、資料では見えにくい適合性を確認できます。

資料で比べて1〜2件に絞ったら、実際の受注・生産・原価データを使って、デモまたはPoCを行います。そのとき、現場、経理、情報システムの担当者が参加すると、導入後の行き違いを減らせます。

1製品ライン×1工程の通しテスト

1製品ライン・1工程について、典型的な受注から最後までを通して確かめると、運用上の適合性を判断できます。

  • 処理速度:実際の部品点数・データ量で、処理速度が落ちないかを確かめます。
  • 操作性:現場担当者が、マニュアルなしで直感的に操作できるかを見ます。
  • 既存データ:Excel帳票やBOMと、スムーズに連携できるかが焦点です。

契約前に1ヶ月程度の無料貸出や検証環境を用意しているベンダーも多いため、有無を確認します。その無料貸出や検証環境で、自社メンバーが主導してテスト運用すると、契約後のミスマッチによる追加コストを防ぎやすくなります。

導入効果の実測値と稟議での活用

PoCの前に、原価差異を把握するまでの時間、マスタ整備にかかる工数、月次の原価集計にかかる時間を記録しておきます。そのうえで、一般的な導入効果の目安は参考にとどめ、自社の件数と人件費から削減見込みを算出します。そうすると、稟議の説得力につながります。

ポイント

候補が多いうちは比較表で判断し、最後の1〜2件は自社データで試すと、ミスマッチを早めに見つけられます。試す場では、現場と経理、情報システムの担当者をそろえておくと確かめやすくなります。

EXPLANNER製品比較で押さえておきたいポイント

自社の業務範囲と対象業種を同じ条件で比べることが、製品選びの出発点です。選定時に判断が分かれやすい点も、あわせて確かめておきます。

複数の製品ラインを組み合わせる構成

生産管理にはEXPLANNER/J、申請・承認にはEXPLANNER/FLⅡというように、複数ラインを組み合わせる構成も考えられます。その場合は、どちらの製品を正のデータとするか、連携範囲と担当窓口を先に決めておきます。そうすると、導入後の役割分担が明確になります。

おすすめの製品ラインと最優先課題の関係

全企業に共通する1位の製品はありません。課題に応じて、原価管理や管理部門の統合、申請・承認の電子化などから最優先課題を決め、それに合う製品を選びます。そのうえで、必須要件で1〜2件に絞り、実データを使ったデモまたはPoCで比べてください。

まとめ

EXPLANNERは、統合基幹業務のAx、生産管理のJとNX、ワークフローのFLⅡ、建設業向けのCで、それぞれ対象業務が異なります。知名度よりも、自社の最優先課題から候補を絞りましょう。

課題診断から1〜2製品ラインへの絞り込み

原価の把握不足や管理部門業務の分散、申請・承認の属人化などを並べて、最優先課題を決めます。建設業の場合は、工事原価管理の課題も同じ基準で比べます。

対象業務領域と原価管理の粒度、連携・提供形態、料金の確認方法を、同じ質問で比べます。そうすれば、知名度に左右されず候補を選べます。

実データによるPoCでの最終確認

PoCでは、標準機能が自社業務に適合するかを実データで確かめます。

  • 機能適合:自社のBOMや原価計算ロジックを、標準機能で扱えるかを見ます。
  • 実データと負荷:関係者が実データを使い、マスタ整備の負担も確かめます。

既製パッケージで独自の原価計算ロジックや基幹システム連携を扱えない場合は、個別開発やハイブリッド構成も検討対象になります。

riplaは、フルスクラッチ開発の立場から、製品比較で見えた不足機能の整理や、自社業務に合わせたシステム構築を支援しています。

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株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。