IFS Cloud(IFS)の導入を社内で実施するか、外部の専門会社に委託するかを検討している企業の担当者の方も多いでしょう。IFSはグローバルERP専門のプラットフォームであり、認定コンサルタントによる高度な設計・実装スキルが必要なため、実質的には外部パートナーへの発注(外注)が前提となります。しかし、外注の仕方を誤ると「言った・言わない」のトラブル、スコープ拡大による費用超過、品質不足による手戻りなどが発生しやすくなります。
本記事では、IFS導入の外注・発注・依頼・委託を検討している企業の担当者向けに、外注するメリット・外注先の種類・発注プロセス・注意点を体系的に解説します。
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・IFS導入の完全ガイド
IFS導入を外注するメリット

①IFS専門知識・認定資格保有者を即座に活用できる
IFS Cloudの導入には、IFS認定コンサルタント(IFS Certified Professional)の知識が不可欠です。自社でIFS専門家を採用・育成することは時間もコストもかかります。外注することで、豊富な実装経験を持つIFS認定コンサルタントのスキルをプロジェクト期間中に即座に活用でき、学習コストと試行錯誤の時間を大幅に削減できます。
②同業種のベストプラクティスを取り込める
実績あるIFSパートナーは、過去の導入事例から蓄積した業種別のベストプラクティスを持っています。製造業・航空宇宙・フィールドサービスそれぞれの業務プロセスにおいて「IFSのどの機能をどう活用するか」という知見が、自社だけでは得られないインサイトをもたらします。これにより、要件定義段階での見落とし・設計ミスを防ぎ、プロジェクトの品質を高めることができます。
③スケジュール・品質・コストの管理責任を明確にできる
外注契約(固定費用契約または準委任契約)を締結することで、スコープ・スケジュール・品質の管理責任をパートナーに明確に負わせることができます。特に固定費用契約(一括請負)では、契約したスコープの成果物をパートナーが責任をもって提供する義務があるため、コスト超過リスクをある程度ヘッジできます。一方で準委任契約(時間材)は柔軟性が高い反面、スコープ拡大によるコスト超過のリスクがあるため、変更管理プロセスの整備が必要です。
IFS導入の外注先の種類と特徴

①IFS Japan(製品ベンダー直接発注)
IFS Japanはライセンス提供だけでなく、プロフェッショナルサービス(実装支援)も直接提供しています。製品知識は最も深く、グローバルのベストプラクティスに直結した支援を受けられます。ただし費用は比較的高めで、グローバル対応が中心となるため、日本特有の業務要件への細かい対応は限定的な場合があります。グローバル展開を含む大規模案件での発注先として適しています。
②IFS公認パートナー(SIer・コンサルティング会社)
IFS公認パートナーはIFS Japanから認定を受けた国内外のSIer・コンサルティング会社です。IFS認定コンサルタントを保有し、IFS製品の設計・設定・開発・移行・トレーニングを包括的に提供します。大手SIer(TIS、NTTデータ等)から中堅・専門SIerまで幅があり、自社の規模・業種に合ったパートナーを選択することが重要です。複数パートナーからの競合見積によって価格交渉ができる点も利点です。
③ERP特化コンサルティング会社・DX支援会社
ripla(株式会社ripla)のようなDX推進・ERP導入特化のコンサルティング会社は、大手SIerよりも少人数・機動力が高く、業務改革から技術実装まで一気通貫でサポートする強みを持っています。コンサルタント主導の業務プロセス改革と、IFSの技術実装を組み合わせた支援が受けられるため、「システム導入だけでなく業務変革も実現したい」という企業に適しています。費用も大手SIerと比べて抑えられる傾向があります。
IFS導入の発注プロセス:ステップ別解説

ステップ1:導入目的・スコープの明文化
発注前に自社内で「IFS導入で何を達成したいか」「どの業務範囲を対象とするか」を明確化します。経営レベルで合意した目的・KPI・優先度・予算の上限を文書化することで、パートナーへの正確な要件伝達と、複数パートナー間での横断比較が可能になります。この段階でコンサルタントに相談支援を依頼する「フィジビリティスタディ(FS)」を実施することも効果的です。
ステップ2:RFP(提案依頼書)の作成と候補先への送付
RFP(Request for Proposal)は、パートナーに対して「自社の要件に対してどのようなアプローチで対応するか」「費用はいくらか」を提案してもらうための文書です。RFPに含める主な項目は、①会社概要・導入背景、②現状の業務課題と目標、③導入スコープ(モジュール・ユーザー数・拠点数)、④希望スケジュール、⑤予算の目安(任意)、⑥提案内容の評価基準(IFS実績・費用・体制・アフターサービス等)です。2〜3社への競合発注を推奨し、提案内容の比較・検討を十分に行います。
ステップ3:提案評価・デモ実施・パートナー選定
受領した提案書を評価基準に沿って比較します。費用だけでなく、①提案の業種理解度・深度、②担当コンサルタントのIFS認定資格・実績、③プロジェクト管理手法・リスク対応計画、④アフターサービス・保守体制、⑤参照先顧客インタビューの可否などを総合評価します。最終候補2社にIFS Cloudのデモ(製品デモ・PoC)を依頼し、実際の操作性と業務フィットを確認した上でパートナーを決定します。
ステップ4:契約締結(SOW・NDA・SLA)
パートナーが決定したら、プロジェクト開始前に以下の契約を締結します。①NDA(秘密保持契約):情報開示前に締結。②SOW(作業範囲記述書):プロジェクトのスコープ・成果物・スケジュール・費用・変更管理手続きを詳細に規定。③SLA(サービスレベル協定):稼働後の保守・サポートの応答時間・解決時間・品質基準を規定。SOWのスコープ定義が曖昧だと、後から「これは仕様外」「追加費用が発生する」というトラブルになりやすいため、成果物・受け入れ基準・変更管理プロセスを明確に記述することが重要です。
IFS導入を外注する際の注意点

注意点①:「丸投げ」による主体性の喪失
IFS導入を外注する際によく見られる失敗が「全てをパートナーに任せる丸投げ」です。システム導入は技術面をパートナーが担当しますが、業務要件の定義・業務変革の推進・変更管理は発注者(自社)が主導すべき役割です。社内プロジェクトマネージャーを専任または高稼働で確保し、意思決定の迅速化と情報共有を徹底することが、プロジェクトを成功に導く最重要条件です。
注意点②:担当者のアサイン変更リスク
プロジェクト途中でパートナー側の担当コンサルタントが交代すると、知識の引き継ぎに工数がかかり、品質低下や遅延のリスクが生じます。契約交渉の段階で「主要担当者の変更には発注者の承認を要する」という条項を盛り込むことや、プロジェクト全体を通じてキーメンバーを固定することを要求することが重要です。
注意点③:知識の社内移転(ナレッジトランスファー)
IFS Cloudの操作・設定・運用管理の知識をプロジェクト終了後も社内に蓄積することが、長期的な運用コストの削減につながります。契約に「知識移転(ナレッジトランスファー)セッション」を明示的に含め、システム管理者の育成を計画的に実施することをパートナーに求めます。IFSが提供するIFS Universityの認定トレーニングプログラムを社内キーパーソンに受講させることも有効な手段です。
まとめ:IFS導入の発注を成功させるための3つのポイント
IFS導入の発注・外注を成功させるための3つのポイントをまとめます。①発注前に目的・スコープを明確化し、RFPに落とし込む:あいまいな要件での発注は後々のトラブルの温床になります。②自社PMを専任配置し、主体的にプロジェクトを推進する:丸投げにせず、発注者として意思決定の場に積極的に参加します。③長期的な関係を築けるパートナーを選ぶ:IFS Cloudはバージョンアップが継続されるため、稼働後も信頼できるパートナーとの関係を維持することが重要です。
信頼できる発注先の詳細についてはIFS導入でおすすめの開発会社・ベンダーを、導入費用の目安についてはIFS導入の費用相場を参照してください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
