IFS導入の完全ガイド

IFS導入は、IFSの特徴、導入の進め方、開発会社の選び方、費用相場、発注方法の5つに分けて考えると、自社に合った導入計画を立てやすくなります。

IFSの特徴から発注方法まで、テーマごとに順にたどります。詳しい内容は、下の関連記事もご覧ください。

▼関連記事一覧

・IFS導入の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・IFS導入でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・IFS導入の見積相場や費用/コスト/値段について
・IFS導入の発注/外注/依頼/委託方法について

IFSとは:特徴・強み・他のERPとの違い

IFS Cloudを中心に、業種特化の標準機能、コンポーザブルアーキテクチャ、イベント駆動型設計、強力なFSM、年2回のバージョンアップを配置した図。
機能の幅と運用面の特徴を一枚で見渡せます。

IFS(Industrial and Financial Systems)は、1983年にスウェーデンで創業したERPベンダーです。現在はグローバルで10,000社以上の顧客を持っています。

主力製品のIFS Cloudは、SaaS(クラウドサービス)として提供されています。製造管理、フィールドサービス管理、保全管理(MRO)などに加え、プロジェクト管理や財務管理まで一つに統合した、業種特化のプラットフォームです。

IFS Cloudの主な強みと特徴

IFS Cloudの主な強みは、業種特化の標準機能や柔軟な設計など、次の5点に整理できます。

  • 業種特化の標準機能:製造(受注製造等)・航空宇宙・防衛・フィールドサービス・エネルギー・建設をカバーし、カスタマイズを抑えたまま活用できます。
  • コンポーザブルアーキテクチャ:必要なモジュールを選び、段階的に機能を広げられる柔軟な設計です。
  • イベント駆動型設計:業務イベントをトリガーに自動処理が動くため、手作業を大きく減らせます。
  • 強力なFSM(フィールドサービス管理):保守員スケジューリング、予知保全、モバイル現場作業支援で業界最高水準です。
  • 年2回のバージョンアップ:SaaS型のため、最新機能が継続的に提供されます。

IFS導入が特に向いている企業・業種

IFSの効果が特に出やすい業種・業態は、次の4つです。

  • 複雑な製造プロセスを持つ製造業:受注製造・プロジェクト型・航空宇宙・防衛で、部品のシリアル管理・BOM管理・工程管理・品質管理(AS9100対応)に強いです。
  • フィールドサービス・保全業務を主体とする企業:設備点検・修繕・緊急対応の管理と、モバイル現場作業支援に特化しています。
  • エネルギー・石油・ガス・電力会社:資産管理・設備保全・コンプライアンス対応を担えます。
  • 建設・エンジニアリング会社:長期プロジェクトのコスト・スケジュール・資源管理に強みがあります。

一方、小売・人材・サービス業のように製造や保全の業務がない業種では、IFSの強みが生かしにくい傾向があります。そのため、導入の前に自社の業務と合うかを確かめておく必要があります。

▶ 実際の進め方はIFS導入の進め方で解説しています。

ポイント

IFSを検討するときは、自社の業種がIFSの得意分野に当たるかを先に確かめます。標準機能で業務をどこまでカバーできるかも、判断の目安になります。

IFS導入の進め方:5フェーズの流れ

IFS導入の5フェーズを、構想策定・プロジェクト組成、要件定義・F&G分析・パートナー選定、設計・設定・開発、テスト・ユーザー教育、本番移行・運用定着の順に矢印でつないだ図。
各段階の作業を順番に追える構成です。

IFS導入プロジェクトは、一般的に次の5つのフェーズで進みます。

  1. 構想策定・プロジェクト組成:導入目的・KPI・スコープを明確にし、経営コミットメントを確立します。
  2. 要件定義・F&G分析・パートナー選定:現行業務を洗い出し、IFS標準機能とのフィット&ギャップ(F&G)分析を行います。
  3. 設計・設定・開発:To-Be業務プロセス設計書を作成し、IFS Cloudの設定・追加開発とマスターデータ整備を行います。
  4. テスト・ユーザー教育:結合テストとユーザー受入テスト(UAT)、ユーザートレーニングに取り組みます。
  5. 本番移行・運用定着:データ移行とカットオーバーを経て、ハイパーケア期間の運用とKPIのモニタリングを行います。

フェーズ1では、PM・業務リーダー・ITリーダー・データ管理担当などからなるプロジェクトチームを組みます。続くフェーズ2では、RFPを作成して複数のパートナーに提案を求め、選定を進めます。

導入期間の目安は、中堅製造業(単一拠点)で9〜15カ月、大企業・複数拠点で18〜30カ月です。特に、期間とコストを管理するうえで要になるのは、マスターデータ整備の早期着手とカスタマイズの最小化です。

▶ 詳細はIFS導入の進め方で解説しています。

ポイント

導入は5つのフェーズで進むため、各フェーズで何を決めるかを先に押さえると計画の見通しが立ちます。期間は規模や拠点の数で大きく変わります。

IFS導入でおすすめの開発会社・ベンダー6選

IFS導入を成功させるには、パートナー選びが特に大切です。IFS認定コンサルタントを保有し、自社と同業種の実装実績を持つ会社かどうかを確かめます。

国内でIFS導入を支援する主要6社を紹介します。

①株式会社ripla

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援するIT事業会社です。自社でDXを推進してきた経験を生かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みを持ちます。

riplaは、現場目線のコンサルティングと少数精鋭の実装体制により、業務改革と技術実装を同時に進められる点が特徴です。

②IFS Japan株式会社

IFS Japan株式会社は、IFS本社の日本法人です。グローバルサポートと直結しているため、最新の技術情報やベストプラクティスに最も早くアクセスできる点が強みです。

グローバル展開や複数国へのロールアウトを含む大規模案件では、直接の導入支援に適しています。

③TIS株式会社

TIS株式会社は、国内大手のSIerです。製造業・エネルギー分野でのIFS導入実績があり、MES・IoTプラットフォームとの連携ソリューションを一体で提供できる総合力が強みです。

デジタルファクトリー構想に沿って、包括的なDXを求める企業に適しています。

④株式会社NTTデータ

株式会社NTTデータは、国内トップクラスのSIerです。グローバルIT企業としての信頼性と、海外拠点との連携によるグローバルデリバリー体制が強みです。

同社は、航空宇宙・防衛向けの規制対応(ITAR/EAR等)の実績もあり、大企業やグローバル案件に最適です。

⑤伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)

伊藤忠テクノソリューションズ株式会社(CTC)は、伊藤忠グループのIT専業会社です。製造業・商社・流通向けのERPとクラウドインフラを組み合わせた総合力を持ちます。

同社は、オンプレミスからIFS Cloudへの移行や、PLM・CAD連携を含む製造DX支援に強みがあります。

⑥株式会社日立製作所(日立ソリューションズ)

株式会社日立製作所(日立ソリューションズ)は、重工業・エネルギー・インフラ産業向けのITソリューションに豊富な経験を持ちます。強みは次の2点です。

  • OT・IT統合力:制御系(OT)と情報系(IT)を統合したソリューションを提供できる点が強みです。
  • IFS×Lumada連携:IFS CloudとLumada(IoTプラットフォーム)を組み合わせた、デジタルツイン・予知保全のソリューションです。

大規模な設備管理やアセットマネジメントの案件に適しています。

▶ 詳細な選び方・比較ポイントはIFS導入でおすすめの開発会社・ベンダー6選と選び方で解説しています。

ポイント

開発会社は、IFS認定コンサルタントの有無と同業種の実装実績で絞り込むと選びやすくなります。6社は得意分野が異なるため、業種や規模に合わせて比べてください。

IFS導入の費用相場

IFS導入費用の内訳として、年間ライセンス費用1,000万〜3,000万円、実装・コンサル費用6,000万〜1億5,000万円、追加開発・教育費用1,000万〜5,000万円を3枚のカードに示した図。
初期費用を構成する項目ごとに金額幅を確認できます。

IFS導入費用は「ライセンス費用」「コンサルティング・実装費用」「カスタマイズ・開発費用」「教育・トレーニング費用」の4要素で構成されます。内訳は次の3つにまとめて示します。カスタマイズ・開発費用と教育・トレーニング費用は、あわせて「追加開発・教育費用」として扱います。

規模別の費用目安

中堅製造業(従業員100〜500名・単一拠点・50ユーザー規模)の初期導入費用は、総額で8,000万〜2億円程度が相場です。内訳の中心は実装・コンサル費用で、これにライセンス費用と追加開発・教育費用が加わります。

  • 年間ライセンス費用:1,000万〜3,000万円
  • 実装・コンサル費用:6,000万〜1億5,000万円
  • 追加開発・教育費用:1,000万〜5,000万円

稼働後も、年間2,000万〜5,000万円のランニングコスト(ライセンス更新と保守・運用費)が継続的にかかります。なお、大企業や複数拠点、グローバル展開を含む場合は、費用が2億〜10億円以上になるケースもあります。

コストを抑えるうえで効果が大きいのは、カスタマイズの最小化と社内リソースの最大限の活用です。

▶ 詳細はIFS導入の費用相場・コスト・値段で解説しています。

ポイント

費用は4つの要素で構成され、規模によって大きく変わります。稼働後のランニングコストも継続してかかるため、初期費用だけで判断しないようにします。

IFS導入の発注・外注方法

IFS Cloudの導入には高度な専門知識が必要なため、外部パートナーへの発注が実質的な前提になります。外注先は、大きく次の3種類に分けられます。

  • IFS Japan:製品ベンダーへの直接発注。
  • IFS公認パートナー:SIer・コンサルティング会社。
  • DX特化コンサルティング会社:ripla等。

発注プロセスの4ステップ

IFS導入の発注プロセスは、次の4ステップで進みます。

  1. 目的・スコープの明文化:導入目的・KPI・業務範囲・予算上限を経営レベルで合意し、文書に残します。
  2. RFP作成・候補先への送付:2〜3社に提案依頼書を送り、競合見積を集めます。
  3. 提案評価・デモ・パートナー選定:費用・実績・体制・サポート力を総合評価し、デモを経てパートナーを決めます。
  4. SOW・NDA・SLA締結:契約書で、作業範囲・納品物・変更の進め方・保守SLAを明確にします。

発注でとくに注意したいのは、丸投げにしないことです。社内PMを専任で置き、業務要件の定義と変更管理を自社主導で進めることが、プロジェクトを成功に導く鍵です。

▶ 詳細はIFS導入の発注・外注・委託方法で解説しています。

ポイント

IFS導入は外部への発注が前提のため、発注前に目的とスコープを文書で固めておくことが大切です。丸投げにせず、社内PMを置いて自社主導で進める点も欠かせません。

まとめ:IFS導入を成功させるための5つの鉄則

IFS導入を成功に近づけるために押さえたい点は、次の5つです。

  • 経営コミットメントとスポンサーシップ:IFS導入を経営変革として位置付け、標準機能に合わせる方針を経営主導で推進します。
  • Fit to Standardの徹底:カスタマイズを抑えて初期費用とバージョンアップ費用を削減し、標準機能を最大限に活用します。
  • マスターデータへの早期投資:品目・BOM・工程マスターの品質確保が、導入成功の土台です。
  • 適切なパートナー選定:実装実績・同業種経験・日本語サポート・変更管理支援力で評価し、長期的に組める会社を選びます。
  • 変更管理と定着化への投資:ユーザートレーニングとキーユーザー育成を計画的に実施します。

マスターデータの整備は、プロジェクトの開始前からデータクレンジング専任チームを設けて、早めに取り組みます。加えて、操作マニュアルの日本語化も計画に入れておきます。

導入後も現場でのシステム活用を支え続けることで、IFS導入の効果を引き出せます。

IFS導入を検討するなら、まず信頼できるパートナーへの相談から始めるとよいでしょう。

riplaは、コンサルティングから開発・定着支援まで一気通貫で対応しています。IFS導入に関する初回のご相談も受け付けています。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。