新規事業コンサルの完全ガイド

新規事業コンサルは、新しい事業を外部の専門家と一緒に形にしていくサービスです。支援の範囲、支援会社の種類、費用の幅から見ると、自社に合った使い方を判断しやすくなります。

なお、各テーマの詳しい内容は、下の関連記事にまとめています。

▼関連記事一覧
・新規事業コンサルの進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・新規事業コンサルでおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・新規事業コンサルの見積相場や費用/コスト/値段について
・新規事業コンサルの発注/外注/依頼/委託方法について

新規事業コンサルの全体像

新規事業コンサルは、戦略の策定から実行の支援まで一貫して伴走する専門サービスです。

支援メニューは幅広く、市場調査や競合分析、ビジネスモデル設計、MVP検証や事業計画書の作成などがあります。

自社の課題や段階に応じて、活用する範囲を選べます。

新規事業コンサルが担う支援内容

支援内容は、戦略、検証、実行の3つのフェーズに分けて考えると整理しやすくなります。フェーズごとに、コンサルタントの担う役割が変わるからです。

  • 戦略フェーズ:自社のリソースや市場環境を踏まえ、事業領域の設定とビジネスモデル仮説の立案を行う。
  • 検証フェーズ:PoC(概念実証)やMVP(最小限の製品)を使い、市場の反応を確かめながら仮説を磨き込む。
  • 実行フェーズ:事業計画の詳細化や組織体制の構築、パートナー開拓や資金調達の支援まで踏み込むコンサルタントもいる。

支援の範囲はファームや担当者によって異なるため、依頼の前に、どのフェーズを任せたいかを決めておくことが出発点になります。

新規事業コンサルの種類と特徴

新規事業コンサルは、支援主体によって大きく4種類に分けられます。自社のフェーズや予算に合う種類を選ぶことが、成功への近道となります。

  • 大手戦略コンサルティングファーム:市場分析や経営戦略の立案に強く、グローバルな事例やナレッジを生かした高品質な支援が期待できる。
  • 中堅・専門特化型コンサル:特定の業種やテーマに深い知見を持つ。
  • デジタル・IT系コンサル:DXや新規デジタルサービスの立ち上げに特化し、技術面も含めた包括的な提案が可能。
  • スタートアップ出身者・個人コンサル:現場感のある実行支援や少人数チームとの伴走が得意。

▶ 詳細はこちら:新規事業コンサルの進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

新規事業コンサルの進め方

現状分析とテーマ設定から事業計画の策定と実行までを5段階で示した図。
仮説を確かめながら、事業計画へつなぐ順序が見渡せます。

新規事業コンサルの進め方は、大きく5つの段階に分かれます。まず現状分析とテーマ設定を行い、次に市場調査と仮説構築を進めます。そのあと、ビジネスモデル設計、検証・ピボット、事業計画の策定と実行へと続きます。段階を一つずつ丁寧に踏むことが、事業の成功確率を高めることにつながります。

現状分析・テーマ設定フェーズ

最初のフェーズでは、自社の強みや資産、リソース、競合環境を一覧にしたうえで、取り組む領域とテーマを絞り込みます。

特に押さえたいのは、なぜ新規事業が必要かという目的です。

この目的が曖昧なまま進むと、後のフェーズで方向性がぶれやすくなります。現状分析では、次のフレームワークを使って市場を整理します。

  • SWOT分析
  • 3C分析
  • PESTEL分析

コンサルタントが加わると、社内の思い込みや見落としを客観的に補えます。

テーマが決まったら、次の市場調査のフェーズに進みます。

仮説検証・ビジネスモデル設計フェーズ

市場調査では、顧客インタビューやデスクリサーチ、競合調査を通じて、市場の実態を把握します。

そのうえで、「誰に・何を・どうやって届けるか」というビジネスモデルの仮説を立てます。そこから、次の流れで検証を回していきます。

  1. MVP(最小限の製品・サービス)を設計する
  2. 市場に出して、顧客の反応を確かめる
  3. 反応をもとに、仮説を修正する

検証の結果をもとにビジネスモデルを洗練させたら、収益計画、コスト構造、KPI設定を盛り込んだ事業計画書を策定します。

この段階で投資対効果(ROI)を明確に示せるかどうかは、社内承認や資金調達の成否を左右します。

計画書の説得力を高める場面でも、コンサルタントは重要な役割を担います。

▶ 詳細はこちら:新規事業コンサルの進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

ポイント

進め方を見るときは、各段階で何を決めるかが明確かどうかが目安になります。現状分析から仮説の検証、事業計画の策定まで、段階を飛ばさずに進められるかを確かめておくとよいでしょう。

新規事業コンサルにおける支援会社の選び方

支援会社の実績を業種・市場領域、過去の支援事例、担当者の経歴の3点で確認する図。
事例と担当者まで見ると、自社との適合性を判断しやすくなります。

支援会社を選ぶときは、実績の有無や知名度だけで決めず、自社の課題・フェーズ・業種の特性に合うかを確かめます。この確認を省くと、依頼内容と支援会社の強みが噛み合わず、高い費用を支払っても期待する成果が得られないおそれがあります。

業種・テーマ別の専門性と実績確認

まず確かめたいのは、支援の実績の中身です。同じ「新規事業コンサル」でも、ファームによって知見の深さは大きく違います。

  • 業種・市場領域の実績:自社と近い業界や、参入先の市場での支援実績。
  • 過去の支援事例:具体的な成果や、支援後の事業継続率を確かめる。
  • 担当者の経歴:新規事業の経験者か戦略コンサルタントかで、実行支援の質が変わる。

たとえば、製造業のDX新規事業を得意とするファームと、消費財・EC分野に強いファームでは対応力が異なります。そのため、自社の状況に近い案件への対応力を確かめることが大切です。また、提案の段階で、担当者のスタンスやコミュニケーションの取り方も直接確かめておくとよいでしょう。

伴走スタイルと支援体制の評価

新規事業コンサルの支援スタイルは、大きく2つに分かれます。自社のリソースがどれだけあるかで、選ぶスタイルが変わります。

  • 成果物納品型(アドバイザリー型):戦略文書や調査レポートの提供が中心で、実行は自社が担う。
  • 実行伴走型:コンサルタントが社内メンバーと並んで動き、プロジェクトの推進を実務面で支える。

特に、定例ミーティングの頻度や意思決定の速さ、中間成果物の確認の時期は、発注前に確かめておきたい点です。

新規事業は先が読みにくいため、状況の変化に柔軟に対応できるファームかどうかを、提案の内容や担当者の話し方から見極めます。

▶ 詳細はこちら:新規事業コンサルでおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

ポイント

支援会社は、実績の有無や知名度だけでなく、自社の課題・フェーズ・業種の特性に合うかで判断するのが目安です。担当者の話し方や定例ミーティングの頻度も、発注の前に確かめておくとよいでしょう。

新規事業コンサルの費用相場

スポット相談、戦略策定、中規模プロジェクト、長期伴走支援の費用と期間を示した4つのパネル。
支援期間が長いケースでは、月額と総額の両方を見ておく必要があります。

新規事業コンサルの費用は、依頼するファームの規模や支援範囲、期間、担当者のクラスによって大きく変わります。小規模な単発の支援から数か月にわたる伴走型まで幅が広いため、まず自社に必要な支援の範囲を決めることが、費用を考える出発点になります。

規模・支援内容別の費用目安

費用は依頼内容によって大きく変わり、月額の相談から長期の伴走支援まで、区分ごとに目安が違います。

  • スポット的なアドバイザリー(月1〜2回の相談・レビュー):月額30〜100万円程度。
  • 戦略策定フェーズのみ(2〜3ヶ月):総額200〜500万円程度。
  • 市場調査から事業計画策定・MVP検証までの中規模プロジェクト:総額500万〜1,500万円程度。
  • 大手戦略ファームへの長期伴走支援(6ヶ月〜1年):月額300〜500万円以上、総額2,000万円を超えるケースも。

中堅・専門特化型のコンサルや個人コンサルタントの場合は、同程度の支援内容でも費用を抑えられることがあります。そのため、複数社から見積もりを取って比べてみるとよいでしょう。

費用を左右する主な要因

見積もりの金額は、人員の階層や調査の範囲、契約の期間や報酬の仕組みが重なって決まります。

  • コンサルタントのランクと稼働時間:パートナー、マネージャー、アナリストなど、シニアクラスの関与が多いほど1人月あたりの単価が高くなる。
  • 調査・分析の深度と市場の複雑さ:海外市場の調査や専門性の高い業界への参入分析では、リサーチコストが加算される。
  • 支援期間の長さと関与頻度:週次で密にやりとりする伴走型は、月次レポート型より費用が高くなる傾向がある。
  • 成果報酬型の採用有無:事業化の成功時に追加の報酬を設定するタイプもあり、初期コストを抑えながら実効性の高い支援を受けられる。

▶ 詳細はこちら:新規事業コンサルの見積相場や費用/コスト/値段について

ポイント

費用は、依頼する規模や支援範囲、期間、担当者のクラスで大きく変わるため、まず必要な支援の範囲を決めてから見積もりを比べるのが目安です。

新規事業コンサルの発注・外注方法

新規事業コンサルを外部に発注する際は、依頼先の選び方から契約の形まで、事前に押さえておくことがトラブル回避につながります。適切な手順で発注すれば、双方の期待のずれを防ぎ、プロジェクトを滑らかに始められます。

発注先の種類と特徴

発注先は主に4種類に分けられ、それぞれ強みと注意点が異なります。

  • 大手戦略コンサルティングファーム:分析力、ネットワーク、ブランド力に優れるが、費用は高額になりやすい。
  • 中堅・専門特化型コンサル会社:特定の業種やテーマ(EC・SaaS・製造業DXなど)に深い知見を持つ。
  • デジタル・DX特化型コンサル:ITや技術を生かした事業創出に強く、プロトタイプ開発まで含めた支援も可能。
  • フリーランス・個人コンサルタント:費用を抑えながら、特定領域で豊富な経験を持つ人材を活用できる。

フリーランスの場合は、サポート体制やリスク管理の面を、法人ファームより慎重に評価する必要があります。

発注前に準備すべきドキュメント

発注先に正確な提案や見積もりを依頼するには、自社の情報をまとめた依頼書(RFP)を事前に作っておくのが理想です。

  • 新規事業に取り組む背景・目的・経営課題
  • 参入を検討している市場・領域
  • 社内の推進体制・予算感・希望する支援期間・優先順位

RFPが整うと、複数のファームから比べやすい提案を受け取れます。発注先の選定では、提案の中身と担当者の質を中心に評価します。さらに、費用やスケジュール感、やりとりの進め方も見ておくと、提案を並べて比べられます。

少なくとも3社以上から提案を受け、比べたうえで発注先を決めるとよいでしょう。

▶ 詳細はこちら:新規事業コンサルの発注/外注/依頼/委託方法について

ポイント

発注では、依頼先の種類ごとの強みと注意点を比べ、RFPを用意したうえで、少なくとも3社以上の提案を比べて決めるのが目安です。

新規事業コンサルで失敗しないためのポイント

新規事業コンサルを活用したプロジェクトの失敗は、コンサルタントの質や提案内容より、発注側の準備に原因があることが多いです。具体的には、準備不足や目的の曖昧さ、社内連携の欠如が挙げられます。

よくある失敗パターンと対策

新規事業コンサルの失敗には、典型的なパターンがいくつかあります。

  • 丸投げ発注:コンサルタントにすべてを任せ、自社の関与が薄くなって、提案内容が現実から離れてしまう。
  • 成果物で満足してしまう:戦略文書や調査レポートが完成したことで満足し、実行に移らない。
  • 経営層の巻き込み不足:経営トップのコミットがなく、推進力が出ない。

丸投げ発注では、実行の段階で「誰がやるのか」が曖昧になり、社内に知見が残らないという問題が起きます。

コンサルとの協働では、自社の担当者が主体的に関わり、知見を吸収していく姿勢が不可欠です。

成果物を受け取ったあとに、社内で誰も実行を主導しない状態に陥るケースは珍しくありません。だからこそ、契約の前に、納品後の動き方や実行支援まで含めるかを決めておくことが大切です。

経営層の巻き込みが不十分だと、既存事業との利害調整や資源配分、組織変更が滞り、プロジェクトが頓挫しやすくなります。そのため、キックオフの段階から経営層を意思決定者として位置づけておく必要があります。

成功確率を高めるための実践的な取り組み

成功確率を高めるには、次のような取り組みが役立ちます。

  • 仮説検証を素早く回す文化の醸成:小さく試して学びを積み重ねるアプローチを、社内に根付かせる。
  • 定期的な振り返りと柔軟なピボット:市場の反応に応じて方向修正を厭わない姿勢を持つ。
  • 成功・撤退基準の事前合意:何をもって結果を良しとするか、どの状況で撤退や方向転換をするかを、コンサルタントと決めておく。

コンサルタントとのワークショップは、報告だけで終わらせず、仮説を実験に変える行動を決める場として活用しましょう。

ポイント

失敗を防ぐには、丸投げにせず自社の担当者が主体的に関わり、経営層を意思決定者として早い段階から位置づけることが目安です。

まとめ

新規事業コンサルは、自社だけでは見えにくい市場の実態やリスク、成功パターンを、専門家の知見を借りて素早くつかむ有効な手段です。成功させるには、明確な目的を置くことと、経営層のコミットが欠かせません。また、適切なコンサル会社や担当者を選ぶこと、自社が主体的に協働すること、仮説検証を素早く回す文化を育てることも大切です。

費用の概算は、依頼先の規模や支援範囲によって大きく変わります。まずは複数のファームに相談し、自社のフェーズに合った提案を比べてみることをお勧めします。各テーマの詳しい内容は、下の関連記事で確認できます。

この記事が、新規事業コンサルのプロジェクトを着実に成功へ導くための参考になれば幸いです。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。