情報系システム開発の完全ガイド

情報系システムは、社内データを判断や業務改善に結び付けるための基盤です。データを正確かつ速やかに集めて分析できれば、経営や現場の意思決定を支えられます。

一方で、定義や開発の進め方、費用、依頼先の選び方に迷う担当者も少なくありません。検討段階に合わせて、必要な項目を確認してください。

関連記事も参考になります。

・情報系システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順もご覧ください。
・情報系システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方もご覧ください。
・情報系システム開発の見積相場や費用/コスト/値段についてもご覧ください。
・情報系システム開発の発注/外注/依頼/委託方法についても参考になります。

情報系システムの概要

情報系システムを中心に、レポート作成と分析、意思決定の支援、情報共有の3つの目的を示す図。
3つの目的を手がかりに、活用する場面を整理できます。

情報系システムは、企業や組織が情報を集めて処理・蓄積し、共有や活用につなげるITシステムの総称です。データを業務や経営の判断に役立てる役割を担います。

情報系は、販売管理や生産管理、会計などを扱う基幹系と対比される言葉です。また、情報系システムの主な目的は、レポート作成と分析、意思決定の支援、情報共有です。

情報系システムの定義と基幹系システムとの違い

基幹系と情報系は、どちらもデータを扱いますが、役割が違います。

  • 基幹系システム:受発注や在庫管理、会計処理など、日々の取引を正確に処理する
  • 情報系システム:基幹系に蓄積されたデータを分析や報告に使い、判断を支える

たとえば、販売管理システムが売上を記録し、BIシステムがそのデータを集計・分析してダッシュボードに表示します。記録と分析では、役割が異なります。

両者は互いに補い合う関係で、情報系は基幹系のデータを使うことで、分析や判断に役立つ情報を提供できます。そのため、開発では基幹系とのデータ連携方法を早い段階で設計しておくことが大切です。

情報系システムの具体的な種類

種類は複数あり、役割ごとに分けられます。

  • BIシステム(ビジネスインテリジェンス)・経営ダッシュボード・KPI管理システム:データを集計・分析し、重要指標を見える形にして経営判断を支える
  • データウェアハウス(DWH):複数システムのデータを統合して蓄積する基盤
  • 文書・ナレッジ管理システム:社内の資料や知識を蓄積し、検索・共有する仕組み
  • CRM(顧客管理)・マーケティングオートメーション(MA):顧客情報や商談、対応履歴を管理して営業活動を支え、施策の自動化や効果測定にも使われる
  • タレントマネジメントシステム:人材情報・スキル・評価をまとめて管理するHRシステム

開発の形は、単独で作る場合もあれば、複数を統合したプラットフォームとして作る場合もあります。

情報系システム導入のメリット

情報系システムの効果は、複数の業務場面に表れます。導入の目的に照らして、どの効果を狙うのかを先に確認しておくと、要件を絞る手がかりになります。

  • 意思決定の向上:根拠のあるデータで判断でき、経営判断の質が上がる。
  • 業務効率化:手作業によるデータ集計やレポート作成の工数が減る。
  • 組織横断の共有:部門ごとに分かれた情報がまとまり、部門間の連携が強まる。
  • 問題の早期発見:KPIの変動を監視し、業績悪化の兆候に早く気づく。
  • 競争力の強化:自社に合った分析の切り口で、他社との差別化につながる。

ポイント

情報系システムかどうかは、データを分析や報告に使う目的があるかで判断します。基幹系との違いを押さえておくと、開発範囲を線引きする際に手がかりになります。

情報系システム開発が必要な場面

社内で次のような課題が見られる場合、情報系システムの導入が改善につながる可能性があります。解決したい業務と必要なデータを先に洗い出しておくと、検討の筋道が見えてきます。

・月次の経営レポート作成に多くの工数がかかり、データ集計の効率化が急務になっている。

・複数の基幹システムにデータが分散し、横断的な分析ができていない。
・Excelによる管理から抜け出し、データをリアルタイムに見える形にしたい。

・経営層がKPIをタイムリーに確認できる環境を整えたい。

・営業・マーケティング活動の効果測定を、より高度に行いたい。
・顧客データをまとめて管理し、一人ひとりに合った対応を実現したい。

・社内の知識やノウハウを体系的に蓄積し、共有する仕組みが必要。
・人材データを生かし、人材の育成や配置を戦略的に進めたい。
・データに基づいて意思決定する文化を、組織に根付かせたい。

当てはまる課題があれば、現状の業務と期待する効果を書き出し、導入の必要性を検討します。

要件がまとまらないときは、専門家への相談も選択肢になります。

ポイント

導入の必要性は、解決したい業務と必要なデータが具体的に挙がるかで判断します。挙がらない場合は、専門家への相談も選択肢になります。

情報系システム開発の流れ

要件定義・企画、設計、開発、テスト、リリース・運用の順に進む情報系システムの開発工程図。
各工程でデータと利用者の業務を確かめながら進みます。

情報系システムの開発は5段階で進みます。要件定義・企画、設計、開発と進んだあと、テストを経てリリース・運用に入ります。

各段階では、データの扱いと利用者の業務を確認することが大切です。

要件定義では、利用者と活用目的、必要なデータをはっきりさせておきます。そのうえで、データ源を調べ、利用者への聞き取りを通じて、機能要件と性能・安全性などの要件を整理します。

設計では、データレイクやDWH、データマートの構成を決め、ETL/ELTでデータをどう流すかを定めます。

あわせて、画面の骨組みやアクセス権限を具体化して、セキュリティ面も詰めます。

開発では、データ連携の処理やDWHの構造を作り、ダッシュボードやレポート、必要なAPIを実装します。各機能がつながるかを確かめながら、段階的に進めます。

テストでは、基幹系との数値の整合性や権限設定、処理速度を重点的に確認します。実際の利用を想定して検証しておくと、運用開始後の問題を減らせます。

開発の進め方について詳しくは、次の記事をご覧ください。
・情報系システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順も参考になります。

ポイント

各工程で、データの扱いと利用者の業務が合っているかを見ます。特にテストでは、基幹系との数値の整合性や権限設定を重点的に確かめます。

情報系システム開発の費用相場

情報系システムの費用は、対象範囲や規模に加えて、機能の複雑さや接続するデータ源の数によって変わります。

規模別の費用目安

費用は規模によって大きく変わるため、区分ごとの費用と開発期間を比べておきます。

  • 小規模システム(ユーザー数:数十名以下、データソース1〜3本):費用200万〜600万円、開発期間3〜6か月
  • 中規模システム(ユーザー数:数十〜数百名、データソース3〜10本):費用600万〜2,500万円、開発期間6か月〜1年
  • 大規模システム(ユーザー数:数百〜数千名、データソース10本以上):費用2,500万〜1億円以上、開発期間1〜3年程度

金額は概算のため、要件によって上下します。そのため、初期費用だけでなく、運用・保守の費用も含めた総額で見ることが欠かせません。

費用相場の詳しい内容は、次の記事をご覧ください。
・情報系システム開発の見積相場や費用/コスト/値段についても参考になります。

ポイント

費用は、規模ごとの目安を起点に、要件による上下と運用・保守費を含めた総額で比べます。初期費用だけで比べると、後からかかる費用の全体像が見えにくくなります。

情報系システム開発会社の選び方

開発会社選定の確認項目として、同種の開発実績、データ基盤の設計技術、基幹システムとの連携経験を示す図。
3項目を同じ条件で確認すると、各社の比較軸がそろいます。

開発会社は、技術力だけでなく、実績や支援範囲、意思疎通のしやすさも含めて比べます。

開発会社選定の重要ポイント

主なチェックポイントは、次の3点です。

  • 同種の開発実績:BIシステム・DWH・ダッシュボード等の実績があるか
  • データ基盤の設計技術:ETL/ELTの設計経験があるか
  • 基幹システムとの連携経験:ERPやレガシーシステムとの連携実績があるか

さらに、セキュリティ設計の実績(個人情報・機密情報保護・アクセス権限管理)と、要件定義から保守運用まで一気通貫で対応できるかも確かめます。見積りの詳しさと透明性、コミュニケーション品質(レスポンス速度・担当者の提案力)も判断材料になります。

各社の提案と見積もりを同じ条件で比較し、導入後も相談できる相手かを見極めることが大切です。

おすすめの開発会社をさらに詳しく知りたい方は、次の記事をご覧ください。
・情報系システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方も参考になります。

情報系システム開発の外注・発注ポイント

外注を円滑に進めるには、発注前の準備と契約後の管理が欠かせません。

発注前の準備と発注後の管理

発注前には、目的や必要機能、データ源、安全要件を整理したRFP(提案依頼書)を用意します。RFPには予算と希望時期も含めます。同じ条件で複数社に提案と見積もりを依頼すれば、各社の内容を比べられます。

契約形態は、要件がどこまで確定しているかに応じて検討します。作るものと条件を定めやすい場合は請負、作業内容を調整しながら進める場合は準委任が候補になります。詳細は契約内容を確認しておきましょう。

発注後は、定例で進捗と課題を確認し、仕様変更の影響や費用を合意してから、変更を仕様に反映します。データ品質の検証も継続します。さらに、リリース前には、実際の利用者が参加する受け入れテストを行い、データの正確さや権限、操作性を確かめ、必要な修正を済ませてから運用を始めます。

外注リスクと回避策

外注では、要件の食い違いや仕様の拡大など、起きやすいリスクがあります。

  • 要件の認識齟齬:RFPや要件定義書の精度向上、設計段階での発注側レビュー
  • データ品質の問題:開発段階からのデータ検証(マイルストーンへの組み込み)
  • スコープクリープ(仕様の際限ない拡大):変更管理プロセスの徹底と、変更ごとの影響範囲・追加費用の合意
  • 納期遅延:定期的な進捗確認、リスク管理会議の設置による早期のリスク特定と対処
  • ベンダーロックイン:設計書とソースコードの所有権を発注側が持つことの契約明記

発注方法について詳しくは、次の記事をご覧ください。
・情報系システム開発の発注/外注/依頼/委託方法についても参考になります。

ポイント

発注前にRFPで要件とデータ源を整理し、契約後は定例で仕様変更を合意してから、合意した内容を仕様に反映する流れを押さえると、外注のリスクを抑える手がかりになります。

まとめ

情報系システムの検討では、解決したい課題と活用するデータを明確にし、開発範囲や費用、依頼先を比べることが重要です。要点は次のとおりです。

・情報系システムとは、データの分析・レポーティング・意思決定支援を担うITシステムの総称(BIシステム・DWH・ダッシュボード・CRM等)。
・基幹系システムとのデータ連携設計は、情報系システム開発の最重要課題の一つ。
・開発は「要件定義→設計→開発→テスト→運用」の5段階で進む。

・費用目安:小規模200万〜600万円、中規模600万〜2,500万円、大規模2,500万〜1億円以上。
・開発会社は、技術力・実績・提案力・保守体制を総合して評価し、選ぶ。

・RFPを作って複数社に相見積りを依頼し、総合的に比べる。
・発注後は、変更管理・進捗確認・データ品質検証を継続して行う。

導入効果を得るには、目的に沿った要件整理と、データ連携・運用まで見据えた計画が欠かせません。関連記事も参考にしながら、自社に必要な範囲を検討してください。

要件整理や開発会社選びについて相談したい方は、株式会社riplaへお問い合わせください。

情報系システム開発の相談窓口(ripla)

情報系システムの開発でお困りの方は、株式会社riplaへご相談ください。riplaは、情報系システム開発に豊富な実績を持つSIerで、要件定義から設計・開発・保守運用まで一気通貫で支援します。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。