API連携開発の完全ガイド

API連携開発は、SaaS・クラウドサービス・基幹システムなど複数のシステムをつなぐ取り組みで、DXの推進に欠かせません。

進め方、開発会社の選び方、費用相場、外注・発注方法の全体像を、順に押さえていきます。各テーマの詳細は、次の記事で解説しています。

API連携開発の進め方

API連携開発が要件定義・API仕様調査から本番リリース・運用まで進む5工程の図。
認証やエラーハンドリングの方針は、前半の設計段階で固めます。

工程は要件定義からリリース・運用までつながっており、前の工程での決め方が後の工程に影響します。そのため、各工程を丁寧に進めることが成功への近道になります。

まずは連携方式を選び、認証とセキュリティの設計を早い段階で固めます。ここが早く決まるほど、後工程がスムーズに進みます。

API連携方式の種類と選定

API連携の代表的な方式は、REST APIやWebhookなどです。このほか、GraphQLやSOAP、gRPCもあり、それぞれ特徴が異なります。主な特徴は次のとおりです。

・REST API:最も一般的な方式で、JSON形式によるシンプルな実装が可能。
・GraphQL:必要なデータだけを取得できる柔軟なクエリ言語。
・Webhook:イベント発生時にリアルタイム通知を受け取るプッシュ型の連携。
・SOAP:金融・医療など厳格なセキュリティが必要な分野で使用されるXMLベースのプロトコルです。

方式を選ぶ際は、連携先システムのAPIサポート状況、リアルタイム性の要件、チームのスキルセットを合わせて考えます。

開発工程の流れ(要件定義〜本番運用)

要件定義から本番運用までは、次の5つの工程で進みます。

  • 要件定義・API仕様調査:連携要件の整理、認証方式・レート制限・エンドポイントの調査。
  • 設計:データマッピング、認証フローの設計、エラーハンドリング方針の決定、OpenAPI仕様書の作成を行います。
  • 実装:認証の実装、データ変換処理、エラーのリトライ処理、ログ設計。
  • テスト:Postman・モックサーバー・自動テストを活用した総合検証。
  • 本番リリース・運用:監視設定、アラート設定、API仕様変更のウォッチ体制の整備を行います。

どの工程も丁寧に進める必要がありますが、とくにセキュリティ設計とエラーハンドリング設計は、早い段階で決めておくことが大切です。

工程ごとの進め方は、API連携開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順で詳しく解説しています。

ポイント

連携方式は、連携先APIの対応状況とリアルタイム性の要件、開発チームのスキルを合わせて見て決めます。認証とエラーハンドリングの方針は、後工程での手戻りを防ぐため、早めに固めておくのが目安です。

API連携開発でおすすめの開発会社

API連携開発会社を実績・ポートフォリオ、セキュリティ対応力、保守体制の3点で確認する図。
3項目を同じ基準で確かめると、候補を比べやすくなります。

API連携開発を外注するなら、どの会社に任せるかがプロジェクトの成功を左右する大きな鍵になります。技術力だけでなく、セキュリティ対応力、保守体制、ドキュメント整備の水準を総合的に見ることが大切です。

開発会社の種類と得意領域

API連携開発に強い会社は、得意とする領域によって特徴が分かれます。主な領域は次のとおりです。

・フィンテック系API専門会社:銀行API・決済ゲートウェイとの連携実績が豊富。PCI DSS対応も可能。
・クラウドネイティブ専門会社:AWS・GCP・AzureのマネージドサービスとのAPI連携を得意とする。

・SaaS連携・iPaaS専門会社:Salesforce・HubSpot・kintone等のSaaS連携と、Zapier・Workato等のiPaaSを活用した効率的な連携構築が強み。
・EC・SCM連携専門会社:Shopify・Amazon等のECプラットフォームとERP・WMSの連携実績が豊富。
・医療・ヘルスケア専門会社:HL7 FHIR・DICOM等の医療標準規格への対応力を持ちます。

開発会社を選ぶ際の3つの確認ポイント

実績、セキュリティ対応力、保守体制の3点で、開発会社の力量と継続支援の姿勢を見比べます。

  • 実績・ポートフォリオ:自社と同業種・同規模・同じ連携対象システムの実績の有無、OpenAPI仕様書の整備状況、コードレビューの文化。
  • セキュリティ対応力:認証方式の設計知識、機密情報の管理体制、監査ログの設計、ペネトレーションテストの実施可否。ISMS認証の取得が一つの目安になります。
  • 保守体制:SLAの設定、API仕様変更への追随体制、月次レポートの提供、内製化移行のサポート。長期的な関係を築けるかで評価する。

株式会社riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を生かし、ビジネスの成果づくりとシステムの定着支援の両面に強みがあります。

開発会社の選び方は、API連携開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方で詳しく解説しています。

ポイント

候補は、実績、セキュリティ対応力、保守体制の3点を同じ基準で並べて比べます。とくに自社と同じ連携対象システムの実績があるかは、最初に確かめておくと判断しやすくなります。

API連携開発の費用相場

API連携開発の小規模、中規模、大規模それぞれに対応する費用目安を示した図。
連携規模が大きくなるほど、費用の目安も上がります。

API連携開発の費用は、連携規模や認証の複雑さ、セキュリティ要件によって大きく変わります。予算を組むときは、初期開発費用だけでなく、ランニングコストも含めて試算することが大切です。

規模別の費用目安

連携規模ごとの費用の目安は次のとおりです。

・小規模(シンプルな1対1連携):30万〜150万円
 Webフォーム→CRM、EC→在庫管理など、認証とデータ変換がシンプルなケースです。iPaaSで対応できる場合は、さらに低コストに抑えられます。

・中規模(3〜5システム連携):150万〜500万円
 OAuth 2.0認証、リアルタイム処理、複雑なデータ変換が必要なケースです。例としては、CRM・MA・ERP間の統合連携などがあります。
・大規模(エンタープライズ):500万〜2,000万円以上
 SAP・Oracle ERPを含む大規模連携、高度なセキュリティ要件、大量のトランザクション処理が必要なケースです。

費用を左右する主な要因と抑え方

API連携開発の費用を大きく左右するのは、認証の複雑さと連携するシステムの数です。ほかに、データ変換の量、エラー処理の要件、セキュリティ要件も影響します。要因が分かると、費用を抑える工夫も見えてきます。

  • iPaaSツール(Zapier・Make・Workato等)で対応できる連携は、カスタム開発を避ける。
  • 連携先SaaSが提供する標準APIを最大限に使う。
  • 初期フェーズでのスコープの絞り込みと、必須機能からの優先実装。
  • 要件定義を丁寧に行い、後工程での仕様変更コストを抑える。
  • 初期からドキュメントを整備して、将来の改修費用を抑える。

また、本番稼働後のランニングコストを含めた総費用で比べることが大切です。ランニングコストには、インフラ費用、サードパーティAPIのライセンス費用、保守監視費用が含まれます。

費用の詳しい目安は、API連携開発の見積相場や費用/コスト/値段についてで解説しています。

ポイント

費用は、連携するシステムの数と認証・データ変換の複雑さで大きく変わります。初期費用だけでなく、インフラやライセンス、保守の費用を含めた総額で比べるのが目安です。

API連携開発の外注・発注方法

API連携開発を外注するときは、事前の準備と発注の仕方によって、プロジェクトの成功確率を大きく高められます。なかでも、発注前の要件整理、RFPの作成、契約形態の選択が要になります。

発注前に整えるべき準備事項

発注前に次の情報を整理しておくと、見積もりの精度が上がり、後工程での追加費用を防げます。

  • 連携対象システムのAPI仕様書(エンドポイント・認証方式・レート制限)。
  • 連携するデータの種類・方向・タイミング・想定件数。
  • セキュリティ要件(個人情報の有無・適用法規制・監査ログ要件)を確認しておく。
  • エラー時の業務影響と許容ダウンタイム、プロジェクトのスケジュール目標とフェーズ分割の希望。
  • 保守サポートへの要望(SLA・月次レポート・内製化移行計画)を伝えておく。

そのうえで、これらをRFP(提案依頼書)にまとめて複数社に送ると、比較検討が容易になります。

契約形態と発注後の管理ポイント

契約形態は、プロジェクトの特性に合わせて請負と準委任を使い分けます。

  • 請負契約:要件が明確で、スコープが固まっている場合に適切です。成果物への責任を明確にできます。
  • 準委任契約:要件が流動的な初期フェーズや、既存システム調査が必要な複雑な案件に向いています。

発注後は、定例会議・マイルストーン管理・変更管理の仕組みを整え、成果物の中間確認を行うことで、プロジェクトの進行を適切に管理できます。また、受入テストには発注側のエンジニアも加わり、動作を確認しておくことが大切です。

発注の進め方は、API連携開発の発注/外注/依頼/委託方法についてで詳しく解説しています。

ポイント

要件が流動的な初期段階は準委任契約、要件が明確で範囲が固まっている場合は請負契約が向いています。発注前にAPI仕様や認証方式、セキュリティ要件をRFPにまとめ、複数社に送ると比べやすくなります。

まとめ

進め方、開発会社の選び方、費用相場、外注・発注方法の要点は、次のとおりです。

【進め方】

  • 連携方式:REST、GraphQL、Webhookなどから、要件に合うものを選ぶ
  • 認証方式:セキュリティ要件と連携先の対応状況を踏まえ、早めに決める
  • 文書・試験:OpenAPI仕様書で連携を文書化し、テストを自動化する
  • 運用:本番リリース後も監視し、API仕様変更に対応する

【会社選び】

  • 実績:同業種・同システムの連携実績があるか
  • セキュリティ対応力:認証設計、機密情報管理、監査ログなどの体制
  • 継続支援:長期的な保守体制と、ドキュメント整備の状況

【費用相場】

  • 小規模:1対1連携の費用目安は30万〜150万円です。
  • 中規模:3〜5システムを連携する案件の目安は150万〜500万円です。
  • 大規模:エンタープライズ連携の目安は500万〜2,000万円以上です。
  • 運用費:インフラ、ライセンス、保守などの費用も含めて試算する

【外注・発注方法】

  • 事前準備:API仕様、認証方式、セキュリティ要件を発注前に整理する
  • 比較:RFPを作り、複数社から同じ条件で見積もりを取る
  • 契約形態:要件の確度に応じて、請負と準委任を使い分ける
  • 進捗:定例会議とマイルストーン管理で確認する

株式会社riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援しています。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を生かし、ビジネスの成果づくりとシステムの定着支援の両面に強みがあります。

API連携の戦略立案から要件定義・実装・保守まで、幅広く対応できます。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。