DevOpsの完全ガイド

DevOpsに強い開発・体制を作るには、基礎知識、導入の流れ、費用、発注の方法、開発会社の選び方を一続きで押さえることが欠かせません。

  • DevOpsの基礎知識と全体像
  • DevOpsに強い開発の進め方と導入フロー
  • DevOps開発・導入の費用相場とコスト内訳
  • DevOpsに強い開発会社の発注・外注方法
  • DevOpsに強い開発会社・体制構築のポイント

DevOpsは、開発と運用を融合させ、ソフトウェアの開発スピードと品質を両立させる取り組みです。導入の方法や費用、発注先に迷う担当者も少なくありません。

▼関連記事一覧

DevOpsの基礎知識と全体像

DevOpsの基礎知識と全体像

DevOpsの基本概念と主要プラクティス

DevOps(デブオプス)は、開発(Development)と運用(Operations)を融合させ、両チームが協調してソフトウェアを継続的かつ高速にリリースする文化やプラクティスの総称です。従来は「素早くリリースしたい」開発と「安定して止めずに運用したい」運用の目標が相反しがちでした。DevOpsは組織の壁を取り払い、自動化とコラボレーションで「速さ」と「安定性」の両立を目指します。

主なプラクティスの中核はCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)で、コードの変更を自動でビルド・テスト・デプロイします。

  • IaC(Infrastructure as Code):インフラをコードで定義・管理する手法
  • モニタリング・オブザーバビリティ:システムの状態を把握するための仕組み
  • コンテナ・オーケストレーション(DockerやKubernetes):アプリケーションの可搬性とスケーラビリティを高める基盤

これらを組み合わせると、開発から運用までの一連のサイクルを高速かつ安全に回せるようになります。DevOpsは、開発・運用に加えてセキュリティを早期から組み込む「DevSecOps」と密接に関連します。さらに、サイト信頼性をエンジニアリングで担保する「SRE(Site Reliability Engineering)」とも関わります。

DevOpsが求められる背景・市場動向

DevOpsへの取り組みが広がる背景には、いくつかの構造的な要因があります。

  • 市場ニーズの変化:年単位ではなく週単位・日単位でリリースし、ユーザーの声を素早く反映する「アジリティ(俊敏性)」が競争力の源泉になっています。
  • クラウドネイティブ技術の普及:AWS・Microsoft Azure・Google Cloudの成熟で、サーバーレスやコンテナ前提の開発が一般化しました。
  • IT人材の不足:省力化と自動化を後押しする要因で、限られた人員で効率よく回すため、手作業を減らす自動化が注目されています。

さらに、インフラの自動化・コード化も当たり前になりました。たとえばサーバーレスAPI構成(Lambda+API Gateway+DynamoDB)は、アクセスが少〜中程度なら月数百円程度・無料枠内で収まることも多く、小さく始めやすい環境が整っています(出典:riplaクラウド・インフラ基盤リサーチノート)。

こうした変化を受けて、DevOpsの導入は、ソフトウェア競争力を高めるうえで重要な経営課題になっています。

ポイント

DevOpsは開発と運用の目標をそろえ、速さと安定性を両立させる取り組みです。導入の前に、自社が目指すのがその両立かを確かめておくと判断しやすくなります。

DevOpsに強い開発の進め方と導入フロー

DevOpsに強い開発の進め方・導入フロー

現状アセスメント・目標設定フェーズ

DevOps導入の第一歩は、現状のプロセスを洗い出し、目指すべき姿と目標指標を定める「アセスメント・目標設定フェーズ」です。ここを丁寧に行うことが、後の手戻りや「ツールだけ導入して文化が根付かない」という失敗を防ぐ鍵となります。

まず、開発・運用フローを洗い出し、手作業の工程や属人化した作業、リリースに時間がかかるボトルネックを特定します。次に、DevOpsの代表的な指標(DORAメトリクス:デプロイ頻度・変更のリードタイム・変更失敗率・平均復旧時間)などで改善目標を定量化します。「リリースを月1回から週1回に」「障害復旧を半日から1時間に」のような具体的なゴールを定めると、効果を測定できます。

対象範囲とスコープも決めておきます。全社に一度に広げるより、特定のプロダクトやチームをパイロットに選び、小さく始めるのが有効です。このフェーズで現状課題と目標・優先順位を整理しておくと、後続の体制構築やツール選定、開発会社への発注がスムーズになります。

CI/CDパイプライン・基盤構築フェーズ

目標が定まったら、CI/CDパイプラインとインフラ環境の構築に進みます。その流れは「ソース管理の整備」「CI/CDパイプラインの構築」「インフラのコード化」が一般的です。クラウド環境でのCI/CD・DevOps系SaaS(パイプライン/コード管理/セキュリティスキャン)の利用料は、月数万円程度が目安です(出典:riplaクラウド・インフラ基盤リサーチノート)。

まず、GitHubやGitLabでソースコードをバージョン管理し、ブランチ戦略を整えます。次に、GitHub ActionsやGitLab CI、Jenkinsなどで、コードのプッシュを契機に自動でビルド・テスト・デプロイが走るパイプラインを組みます。あわせて、TerraformやAWS CloudFormationでインフラをコードとして定義し、環境の再現性と構築スピードを高めます。

さらに、Dockerでコンテナ化し、KubernetesやECS Fargateで管理することで、可搬性とスケーラビリティを確保します。GraphQLやサーバーレス構成(AppSync・Aurora Serverless等)を組み合わせるケースもあります。この段階では、ツールの導入を目的にせず、前フェーズの目標指標の改善につながる形で基盤を設計することが大切です。

運用自動化・監視・継続的改善フェーズ

CI/CD基盤が整ったら、運用の自動化と監視体制を確立し、継続的な改善に入ります。DevOpsは、構築して終わりではなく、運用しながら計測と改善を繰り返すことで真価を発揮します。

まず、Datadogなどで、アプリケーションとインフラのメトリクス・ログ・トレースを収集し、異常を早期に検知できるようにします。Datadogは、ホストあたり月15ドル〜23ドル程度が料金の目安です(出典:riplaクラウド・インフラ基盤リサーチノート)。あわせて、アラート設計や自動復旧、オンコール体制を整え、障害対応のリードタイムを短縮します。

ITIL型の「絶対に止めない運用」から、SREの考え方を取り入れた文化へ移ります。SLO(サービスレベル目標)を設定し、トイル(手作業の繰り返し)を自動化で撲滅して、ポストモーテム(障害の振り返り)で再発防止を組織的に進めます。DORAメトリクスを定期的に計測して改善を繰り返すと、DevOpsの成熟度を段階的に高められます。

ポイント

基盤の設計では、ツールの導入そのものが目的になっていないかを確かめます。前の段階で決めた目標指標の改善につながるかを基準にすると、判断の誤りを減らせます。

DevOps開発・導入の費用相場とコスト内訳

DevOps開発・導入の費用相場とコスト内訳

導入規模別の費用目安

DevOpsの費用は、規模や自動化の範囲で左右されます。多くの場合はクラウドインフラ構築とセットで進むため、クラウド構築の相場が参考になります(出典:riplaクラウド・インフラ基盤リサーチノート)。構成の大きさや、既存システムの移行を伴うかどうかで、費用の幅は大きく違ってきます。

  • 小規模:AWS単一Webアプリ(EC2 1台+RDS 1台+Route53のシングル構成)の構築相場で、20万円〜30万円程度です。
  • 中規模:EC2/RDSを各2台+WAF+ELBで高可用性を確保する構成で、50万円〜60万円程度です。
  • オンプレミスからクラウドへの移行:従業員50〜100名規模で、トータル150万円〜500万円前後です。
  • 大規模・エンタープライズ:基幹システムをDevOps前提で構築する場合で、250万円〜3,000万円以上になるケースもあります。

オンプレミスからクラウドへ移行する場合の内訳は、設計・構築が100万円〜400万円、データ移行が20万円〜80万円です。また、CI/CDと監視を整える程度なら、数十万円規模の自動化基盤構築費が加わります。本格的なCI/CD・IaC・コンテナ基盤を組み込むと、費用はさらに積み上がります。

なお、ランニングコストも予算計画に組み込む必要があります。CI/CD・DevOps系SaaSは月数万円程度、監視ツールDatadogはホストあたり月15ドル〜23ドルです。クラウドインフラは月額で、小規模が数千円〜1万円、中規模が3万〜10万円、大規模が数十万〜100万円以上です(出典:同リサーチノート)。

コストを左右する主な要因と内訳

クラウド・DevOps開発の費用は約80%が人件費とされ(出典:riplaクラウド・インフラ基盤リサーチノート)、参画するエンジニアの単価と工数が大半を決めます。エンジニアの人月単価の目安は、初級(経験1年程度)で月25万〜50万円、ミドルで月50万〜80万円、シニア/アーキテクト(経験5年以上)で月65万〜120万円以上です。

AWS認定資格を持ち設計経験が豊富なエンジニアは、月100万円を超えることもあります。DevOpsでは自動化基盤の設計力が品質と費用を左右するため、シニア層の関与度合いがコストに直結します。プロジェクトマネージャーの費用は開発費の10〜20%が目安で、300万円規模の案件なら30万〜60万円程度です(出典:同リサーチノート)。

自動化の範囲や外部システムとのAPI連携の件数でも、工数は増減します。要件が曖昧なまま進めると、仕様変更や追加要件が多発し、コストと納期が膨らみます。現状と目標を事前に整理できていれば、精度の高い見積もりを得られ、変更リスクも抑えられます。保守運用費は年間で開発費の10〜20%が目安で、開発500万円なら年50万〜100万円(月4万〜8万円)です(出典:同リサーチノート)。

ポイント

費用の大半は人件費で、参画するエンジニアの単価と工数が決めます。自動化の範囲と要件の明確さを先に固めてから見積もりを比べると、判断しやすくなります。

DevOpsに強い開発会社の発注・外注方法

DevOpsに強い開発会社の発注・外注方法

発注前の準備と要件整理

発注前に社内で準備を尽くすことが、プロジェクト成功の前提条件です。準備不足のまま発注すると見積もりの精度が下がり、「ツールは入ったが運用が回らない」といった失敗につながりかねません。まず、現状の開発・運用フロー(AS-IS)を文書化し、コミットからリリース・監視までの流れと、手作業・属人化・ボトルネックを整理します。

次に、あるべき姿(TO-BE)として、導入後にどのようなデプロイ頻度・障害復旧時間・自動化レベルを実現したいかを具体的に描きます。対象範囲と優先順位を決め、どのプロダクトやどの工程から着手するかを定めます。既存環境や連携システムとして、利用中のクラウド(AWS/Azure/GCP)、既存ツール、連携が必要な外部システムを洗い出します。

予算とスケジュールの方針として、おおよその予算感と目標時期を社内で合意しておきます。RFP(提案依頼書)を複数社に示せば同一条件で比較でき、詳細なほど提案精度が高まり、後のトラブルも防ぎやすくなります。RFPや要件定義書の具体的な書き方については、DevOps強いのRFP/要件定義書/提案依頼書についての記事もあわせてご参照ください。

開発会社の選び方と比較ポイント

価格だけで判断すると、技術力や運用定着の面で後から問題が起きるおそれがあります。委託は本業に集中できる一方で、自社にノウハウが蓄積されにくく、セキュリティ面の配慮も必要です。そのため、スキルトランスファーの方針も含めて検討します(出典:riplaクラウド・インフラ基盤リサーチノート)。

開発実績では、AWS・Azure・GCPでのCI/CD構築やIaC、コンテナオーケストレーション、SRE運用の経験を確認します。経験が豊富な会社は、要件定義から設計・実装・運用まで的確に進められます。加えて、構築の代行にとどまらず、CCoE(Cloud Center of Excellenceの立ち上げ等)を通じて内製化まで伴走できるかも大切です。

保守・運用サポートは、稼働後の監視や障害対応まで長く支えられるかを見ます。金融のFISC安全対策基準や医療の3省2ガイドラインなど業界特有の要件に加え、ゼロトラストやDevSecOpsの実装経験があるかも確認します。初回の提案や質疑応答から、プロジェクト管理やコミュニケーションの質を見極め、相見積もりで技術力とセキュリティポリシーを比べます。

ポイント

発注前に現状と目標を社内で整理し、RFPを複数社に同じ条件で示すと、提案を公平に比べられます。RFPが詳しいほど提案の精度が上がり、後のトラブルも防ぎやすくなります。

DevOpsに強い開発会社・体制構築のポイント

体制構築・パートナー選びの重要ポイント

DevOpsの成否は、ツールの導入だけでなく、組織と文化の変革を伴走できるパートナーを選べるかで決まります。

  • 一貫した担当範囲:要件整理から基盤構築、運用設計、改善まで一貫して担える会社であれば、フェーズ間の引き継ぎや認識のずれを防げます。
  • 定着までの支援:外部に任せきりにせず、CCoEの立ち上げ、クラウド人材の育成、評価制度の設計まで支援できるかで、DevOpsの定着が大きく変わります。
  • 段階的な進め方:まずパイロットチームで成功体験を作り、DORAメトリクスで効果を見ながら段階的に広げるアジャイル型の進め方に対応できるかが大切です。

SREの知見として、ITIL型からSLO設定やトイル撲滅、障害対応の自動化へ進められるかを確かめます。上流から最適なアーキテクチャと体制を提案できるかは、提案書や打ち合わせで見極めます。DevOps導入の判断基準や効果については、DevOps強い開発/導入のメリット/デメリット/効果と判断基準についての記事も参考になります。

株式会社ripla(コンサルから開発・運用まで一気通貫)

DevOpsに強い開発体制の構築を支援する株式会社riplaは、コンサルティングから開発・運用まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ツールの導入にとどまらず、ビジネスへの成果創出と開発・運用プロセスの定着に強みがあります。

特長の一つは、単なる開発ベンダーではなく、業務コンサルタントとして現状アセスメントや課題整理、TO-BE設計から入り、組織変革と一体でDevOps導入を実現する点です。クラウド・基幹システムの幅広い構築実績を生かし、AWS・Azure・GCPでのクラウド構築やCI/CD・IaC・コンテナ基盤、周辺システムとのAPI連携まで、全体最適の観点で設計できます。

企業の状況に合わせて、スクラッチ開発やクラウド活用、段階的な内製化支援などを柔軟に選べます。初期の相談から伴走し、基盤の納品にとどまらず、社内で回る体制づくりと成果創出まで責任を持つ姿勢が評価されています。DevOpsに強い開発体制の構築を検討している場合は、まずriplaへの相談から始めることをおすすめします。

ポイント

開発会社は、要件整理から運用まで一貫して担えるか、内製化まで伴走できるかを提案の段階で見極めると、判断材料がそろいます。

まとめ

DevOpsまとめ

ここまで、DevOpsに強い開発・体制構築について、基礎知識から導入の流れ、費用、発注、開発会社の選び方までを順に解説しました。

DevOpsは、開発と運用を融合させ、自動化とコラボレーションで「速さ」と「安定性」を両立させる文化です。CI/CD・IaC・コンテナ・監視といったプラクティスを基盤に、アジリティ向上やクラウドネイティブ化、IT人材不足への対応を背景としてニーズが高まっています。

導入は、現状アセスメント・目標設定、CI/CDパイプライン・基盤構築、運用自動化・監視・継続的改善の順に進め、DORAメトリクスで効果を計測しながら成熟度を段階的に高めることが成功の鍵です。

費用相場はクラウド構築とセットで考え、小規模で20万〜30万円、中規模で50万〜60万円、オンプレミスからの移行を伴う場合は150万〜500万円前後が目安です。費用の約80%は人件費が占めます。

外注時は、RFPの作成と、クラウド・DevOpsの実績、内製化支援力、SRE運用の知見を持つ開発会社の選定が大切です。

DevOpsへの取り組みは、自社のソフトウェア競争力とリリーススピードを大きく左右する重要な投資です。導入の成否は、最初のパートナー選びと、現状アセスメント・目標設定の質に大きく依存します。

本記事の内容を参考に、自社に最適なDevOpsに強い開発体制を実現してください。DevOps導入・開発体制の構築に関するご相談は、コンサルティングから開発・運用まで一気通貫で支援する株式会社riplaまでお気軽にお問い合わせください。

▼関連記事一覧(再掲)

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

・サービス概要資料のURLはこちら >>>
・お問合せページのURLはこちら >>>
・お役立ち資料のURLはこちら >>>

執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。