自治体向け電子申請システムは、住民や事業者が手続きを申請し、職員が受け付けて処理するまでを支えるシステムです。対象手続き、認証・連携方式、運用体制を整理して選ぶと、住民の利便性と職員の処理効率を両立する導入につながります。
▼関連記事一覧
・自治体向け電子申請システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・自治体向け電子申請システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・自治体向け電子申請システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・自治体向け電子申請システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
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自治体向け電子申請システムの全体像
自治体向け電子申請システムは、申請者画面と庁内の処理を一続きに設計する仕組みです。入力フォームの機能にとどまらず、住民や事業者からの申請を、職員の受付、審査、承認、交付、保管まで管理します。
対象業務の範囲と個人情報の種類によって、必要な認証、ネットワーク、連携方式が変わります。
Webフォームとの違いと業務全体を扱う仕組み
一般的なWebフォームは、入力内容をメールや一覧で受け取る機能が中心です。一方、電子申請システムは、申請受付から審査、基幹登録、通知・交付、保管までを扱います。
- 申請者向け:手続き検索、入力補助、添付、本人確認、受付番号発行
- 職員向け:担当課振り分け、審査、差し戻し、承認、手数料決済
- 交付・保管:電子文書の交付と操作ログの保存
受付後に紙へ転記したり、基幹システムへ手入力したりすると、住民の利便性が上がっても庁内の負担が残ります。そこで、申請受付から保管までの流れを、最初に図にしておきます。
対象になる手続きの種類:申請・届出・予約・支払い
対象手続きは、申請件数、来庁や郵送の負担、審査手順から選びます。特に、件数が多く、審査手順が比較的標準化された手続きは、効果を確かめやすいです。
- 住民の手続き:子育て、介護、福祉、転出届、住所届出、証明書請求
- 予約・申込:施設予約、粗大ごみ収集、イベント参加、アンケート
- 事業者・有料手続き:許認可申請、手数料を伴う申請
本人確認や原本の提出が必要な手続きでも、事前入力、予約、添付書類の案内をオンライン化すれば、窓口にいる時間を短くできます。
住民の利便性と職員の処理効率の両立
住民にとっての利便性には、窓口へ行かずに申請できる点に加えて、途中の手間を減らす工夫も含まれます。そこで、スマートフォンでの入力、途中保存、必要書類の事前案内、受付や差し戻し状況の確認を整えます。
高齢者、障害のある人、日本語に不慣れな人にも配慮します。文字サイズや色のコントラスト、キーボード操作を整えるほか、やさしい日本語で書き、窓口での入力支援も組み合わせます。
職員側では、転記や集計の時間が減るか、担当課への振り分けや差し戻し通知、期限管理が楽になるかを確かめます。
主要機能と自治体向けのシステム構成

主要機能は、申請者向け、職員向け、連携・運用向けに分けると、要件を整理しやすくなります。
インターネット側の申請画面とLGWANの職員画面は分けて構成します。個人番号利用事務系や基幹システムとも分離したうえで、必要なデータだけを連携させます。
申請者が迷わず完了できる画面
申請者が途中で止まらず完了できるよう、申請の入力から交付までの各場面に機能を用意します。
- 申請入力:手続き検索、スマートフォン対応、条件分岐、入力チェック
- 申請管理:添付、途中保存、メール認証、状況照会、受付・差し戻し通知
- 決済・交付:手数料がある場合の金額計算、オンライン決済、領収情報の案内、電子交付後の閲覧期限と再発行の設定
電子交付では、本人以外に誤って送付しない仕組みも要件に含めます。また、住民がすでに持っている情報を再び入力させないことは、途中での離脱を減らす助けになります。
職員向けの審査と引き継ぎの標準化
職員が受付から審査、引き継ぎまで進めるには、次の機能が要ります。
- 受付・審査:LGWANでの受付確認、担当課振り分け、審査、差し戻し、承認
- 管理・出力:期限管理、帳票出力、CSV・API連携、操作ログ、権限管理
- 処理標準化:審査基準、差し戻し理由、処理期限、通知文面の統一
繁忙期に申請が集中する場合は、負荷試験で同時アクセス数や添付容量を確かめておきます。さらに、通知の遅延や再送、障害時の受付継続も確かめます。
ネットワーク分離と連携境界の決め方
自治体の構成と連携境界は、次の二つの観点から決めます。
- ネットワーク分離:住民向けインターネット側と職員が審査するLGWAN接続系を分け、連携サーバやAPIゲートウェイを介して申請データを渡す
- 基幹連携:個人番号利用事務系や住民情報系へは、必要項目・時期・エラー時の戻し方を決めてから接続する
構成の考え方は、個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(行政機関等編)」の2026年確認版を参照します。
同資料は、アクセス権限を業務上必要な最小限に限ることを示しています。そのうえで、委託先と再委託先の選定、監査条項を契約に盛り込みます。
マイナポータルと独自フォームの使い分け
使い分けは、手続きの標準性、本人確認の厳格さ、基幹連携、住民の導線で判断します。たとえば、国の標準的な手続きや、カードによる本人確認が重要な申請は、マイナポータルとの連携を検討します。
一方で、自治体独自の予約や申込、アンケートには、独自フォームや汎用SaaSが向いています。
標準手続きと本人確認に向くマイナポータル連携
ぴったりサービスは、子育てや引っ越しなど自治体手続きの検索・申請に利用できます。また、デジタル庁の「電子申請等API」は、2026年6月16日に公開され、7月24日に更新された資料です。
この資料では、自治体のWebサイトやアプリに、検索、認証、申請、状況照会を組み込む選択肢が説明されています。
利点は、住民を自治体サイトから申請へ誘導でき、既存の受付・申請データ処理機能を使える点です。ただし、API利用申請から利用開始までの参考期間は約半年から1年です。実装や審査の期間も、調達計画に含めます。
自治体固有の業務と短期展開に向く独自フォーム
独自フォームでは、自治体独自の設問や予約枠、抽選を柔軟に設計できます。添付や複数課の承認も、同様に設計できます。また、ノーコード型や標準機能を組み合わせるSaaS・ASP型なら、数手続きの試行を短期間で始めやすくなります。
フォームが増えすぎると、住民は手続きごとに異なる画面やアカウントを使い分けることになります。そのため、入口の統一や検索のしやすさを先に設計し、認証の共通化とデータの保存先も決めてから導入します。
手続き単位で比べる連携方式の選び方
連携方式は、手続きごとに次の四つの観点で比べます。方式の組み合わせも、この条件から判断できます。
- 本人確認:メール認証で足りるか、公的個人認証や電子署名が要るか
- データ登録:審査後に基幹システムへ登録するか
- 交付方法:電子文書を交付するか、来庁・郵送を残すか
- 運用変化:季節変動、制度改正、職員によるフォーム追加の頻度
複数の方式を組み合わせる場合も、この整理をしておけば重複した投資を抑えられます。
自治体向け電子申請システムの進め方

製品を先に選んでから手続きを合わせるのは避け、まず業務を洗い出して方式と予算を決めます。企画から運用改善まで段階に分け、各段階で何を仕上げ、どの基準で判断するかをはっきりさせます。
- 企画・業務の洗い出し
- 要件定義・調達
- 設計・開発・テスト
- パイロット・全庁展開
- 運用改善
▶ 詳細はこちら:自治体向け電子申請システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
企画段階での手続きと業務フローの洗い出し
企画では、住民の申請だけでなく、職員の転記や不備による差し戻し、帳票作成も洗い出しの対象になります。自治体の担当者は、住民と職員の両方に話を聞き、手続きごとの年間件数、繁忙期、来庁回数を一覧にします。
郵送や添付、本人確認の条件は、窓口や郵送の負担を左右するため、件数と合わせて見ておくと判断の材料になります。担当課、審査日数、基幹登録先も、同じ一覧に加えておきます。
まずは、件数が多く処理が安定し、効果を数字で測りやすい1〜3手続きから始めます。この範囲で効果が確かめられると、投資判断を説明しやすくなります。
要件定義と調達で決める機能以外の項目
要件には、可用性やバックアップ、復旧目標、暗号化を含めます。アクセス制御や監査ログ、脆弱性診断、負荷試験も、要件に入れます。障害連絡と再委託は、契約の条件として含めます。
契約終了時のデータ返却・削除と、仕様書の引き渡しも記載します。調達では、SaaS利用料、初期設定、フォーム作成、連携開発を分けて見積もってもらいます。研修や保守、制度改正対応は、別の項目として示してもらいます。
契約期間や更新時の価格改定、データ所有権も確認します。終了時のエクスポート形式も、あわせて確かめます。条件を事前にそろえておくと、乗り換え時の予想外の費用を減らせます。
設計・開発・テストでの実業務による段階確認
設計では、住民画面と職員画面を一続きの流れとして捉え、申請受付から完了までの状態の遷移を定めます。正常な申請のほか、添付漏れや重複のケースを試験します。差し戻しや代理申請も、試験の対象にします。
決済の失敗や基幹連携のエラーも、テストで確かめます。担当課の変更や通知の再送も、あわせて確認します。パイロットでは、職員と住民に近い利用者が実際に操作し、入力時間や問い合わせ、差し戻しの理由、処理日数を測ります。
デジタル庁の「行政手続のオンライン化」(2026年6月更新)は、国の手続きをスマートフォン等で完結させる方向を示しています。そのため、パソコン前提の画面を後から対応させる計画は避けます。
自治体向け電子申請システムの費用相場と内訳

費用は、人口や手続き数に加えて、機能の範囲によって変わります。機能の範囲は、認証、決済、電子交付などから、基幹連携やLGWAN接続まで広がります。移行や研修、保守の範囲も、費用に含まれます。
以下の金額は、標準機能を使う場合から個別開発までを含む概算の目安です。一律の公開料金ではないため、予算要求の初期仮説として使います。要件が固まった段階で、複数の見積もりに置き換えます。
▶ 詳細はこちら:自治体向け電子申請システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
導入方式別の初期費用と期間の目安
方式や規模ごとに、初期費用、年間費用、導入期間の目安を示します。
- 小規模SaaS:フォームを絞り基幹連携なしの場合、初期0〜300万円、年間100〜500万円、1〜3か月
- 標準導入:複数課で決済・電子交付・研修を行う場合、初期300〜1,500万円、年間300〜1,500万円、3〜6か月程度
- 大規模導入:SSO・API・複数基幹連携を含む場合、初期1,000万円〜1億円、年間1,000万〜3,000万円、6〜12か月程度となる場合がある
- スクラッチ開発:独自審査・複数基幹・移行・高可用性を含む場合、5,000万円〜3億円以上、9〜24か月を想定することもある
公開契約例の金額の内訳の読み方
契約例は、サービス利用料と追加機能の金額を分けて読みます。
- 伊東市のサービス利用:汎用電子申請システムは年間107万8,440円(出典:伊東市、2024年度資料)
- クラウド利用:手続き案内は年間171万6,000円(出典:伊東市「令和6年度分随意契約調査表」、熊本市「令和7年5月契約状況」)
- 追加料金:電子文書交付と汎用メールは各1,000通/月あたり11,000円(出典:伊東市・熊本市、2024・2025年度契約資料)
- 決済手数料:指定納付受託業務は納付額の3.5%(出典:伊東市・熊本市、2024・2025年度契約資料)
ここに挙げた金額は、サービス利用やオプションの料金です。なお、全庁連携の開発費や庁内の運用人件費は含みません。
大規模案件でのサービス費と開発費の分け方
名古屋市の2026年公開契約では、電子申請サービスの提供とシングルサインオン開発を合わせた業務が1億296万円です(出典:名古屋市「名古屋市電子申請システム サービス提供及びシングルサインオン開発業務委託」落札公示、2026年)。
この契約は、大都市向けのサービスと認証基盤の開発を含むため、単純なフォーム利用料とは別に見る必要があります。見積もりを比べる際は、費用を次の三つに分けます。
- 利用費:初期構築、月額・年額利用
- 従量費:申請件数や通知数に応じた課金
- 追加費用:決済手数料、基幹連携、保守、制度改正、職員研修
5年の総保有コストで比べると、初期費用が安い方式でも、従量課金や追加開発が大きければ、順位が入れ替わる場合があります。
SaaS・パッケージ・スクラッチ開発の違い
方式の違いは、短期導入のしやすさや柔軟性、連携範囲で比べます。加えて、制度改正への追随、運用負担、データ移行も見ます。
住民向けの画面に加えて、職員が手続きを追加・修正できるか、障害時に自庁でどこまで確認できるか、終了時にデータを取り出せるかを確かめると、導入後の違いが見えてきます。
早く始めて改善したい自治体向けのSaaS・ASP型
SaaS・ASP型は、提供側の基盤やセキュリティ更新を使えるため、自治体側でサーバーを設置したり保守したりする負担を抑えられる方式です。
小規模な試行では、標準機能を次のように使えます。
- 申請受付:フォーム作成、申請状況管理
- 運用支援:通知、集計
これらを標準機能だけで使えるなら、1〜3手続きのパイロットを始められます。
契約前には、制度改正や脆弱性対応が更新に含まれるかを確かめます。保存場所、バックアップ、復旧目標は、障害時の対応に関わる項目です。さらに、LGWAN利用や再委託先、終了時のデータ返却も見ます。
独自審査や複雑な基幹連携を標準機能だけで実現しようとすると、運用の手作業が増えるおそれがあります。
標準機能と固有業務を両立するパッケージ+連携開発
パッケージを基盤にして、固有の審査や帳票などの部分だけを追加すると、標準化と柔軟性を両立できます。個別開発と比べると、初期費用や保守の範囲を抑えられ、標準機能の更新も使えます。
標準機能に合わせて業務を変える範囲と、個別機能として残す範囲を決めないと、追加開発が積み上がります。連携仕様やエラー処理は文書にまとめ、マスタの責任部署や改正時の改修費も書き残します。
長期運用を重視するスクラッチ開発
スクラッチ開発は、独自審査や複数の基幹連携など、標準サービスでは対応しにくい要件に向いています。特殊な連携や高可用性が必要な場合も、検討の対象になります。
制度改正や脆弱性対応、OSの更新は、長期にわたって負担になります。さらに、職員異動や仕様書の不足、ベンダー依存も、長期の負担になります。5年間の保守や改修、移行や終了時の引き継ぎの費用も検討します。
独自開発でも、認証や通知などの共通部分を再利用できる部品にしておくと、将来の手続き追加を進められます。
自治体向け電子申請システムの開発会社・ベンダーの選び方
発注先は、知名度や機能数に加えて、業務の整理から調達、運用まで伴走できるかを見て選びます。また、サービス事業者と、基幹連携や個別開発を担う会社では役割が異なります。
まず必要な範囲を明確にし、提案に実際の業務フローと5年運用の見通しが含まれているかを確かめます。
自治体実績の業務範囲の確認
導入数だけでなく、人口規模や手続き数をそろえて、経験を尋ねます。LGWANやマイナポータル・基幹連携の経験も、同じ条件で聞きます。決済や電子交付についても、経験の有無を確かめます。
職員がフォームを追加できる範囲と、導入後の問い合わせや研修の体制を確認します。同規模の自治体での完結率や処理時間の変化も、可能であれば尋ねます。
事例の数字が想定値か稼働後の実測値かを区別します。
提案段階でのセキュリティと契約条件の確認
提案では、保護、委託管理、契約終了時の三つの条件を確かめます。
- 保護・運用:保存場所、暗号化、認証と権限、監査ログ、バックアップと復旧時間
- 委託管理:脆弱性診断、事故報告、再委託先、国外での取扱い
- 契約終了:データ返却・削除
個人情報を委託する場合は、選定基準や監査方法を契約に落とし込みます。あわせて、アクセスを認める情報とシステムも明確にします。障害時に受付状況や申請データを確認できるかどうかも、事前に確かめます。
復旧までの代替受付は、デモでは見えにくいため、提案書とSLAで確かめます。
同じ前提と5年総額による見積もりの比較
提案の前提をそろえてから、費用と自治体側の作業時間を比べます。
- 対象条件:手続き、申請件数、利用者数、添付容量をそろえる
- 技術条件:連携先と認証方式をそろえる
- 運用条件:研修回数、保守時間、制度改正回数をそろえる
- 総額比較:初期費用、月額・年額、従量課金、連携・移行、保守、研修などを含む5年費用を比べる
前提が異なると、後から連携開発や追加フォーム作成が発生することがあります。
▶ 詳細はこちら:自治体向け電子申請システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
▶ 詳細はこちら:自治体向け電子申請システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
導入後に失敗しない運用とKPI
電子申請は、稼働を始めることがゴールではなく、その後の運用で定着が決まります。手続きの追加や制度改正、職員異動、問い合わせ、障害への対応、監査、データ移行まで含めて運用を続けることが大切です。申請件数だけを見ると、職員の作業が減っていない状態を見落とします。
住民と職員の行動を測り、改善を続ける体制を作ります。
紙とオンラインの二重運用の削減
よくある失敗は、オンライン申請を印刷して、紙と同じ手順で転記や回覧を行うことです。移行期に紙を残す場合でも、審査画面で確認してから基幹へ連携する流れを整えます。
紙でしか申請できない人には、窓口での支援を用意します。また、オンライン申請を別ルートにしないことが欠かせません。申請後の作業を廃止や統合できないか、手続きごとに見直します。
オンライン化率以外のKPIの設定
基本となる指標は、オンライン申請率と完結率です。ほかに、完了時間や来庁回数、職員の転記時間も見ます。審査日数や差し戻し率、問い合わせ件数も、指標に含まれます。
手続きによっては、添付削減数や決済完了率、電子交付率を加えます。スマートフォン完了率やアクセシビリティ関連の問い合わせ、住民満足度も、必要に応じて加えます。
導入前の直近1〜3か月を基準値にします。そのうえで、パイロット後、全庁展開後、制度改正後に、同じ指標を比べます。
5年運用の担当者と改善費の確保
フォームの修正、制度改正に伴う要件の整理、障害時の住民への告知は、情報政策部門と業務課のどちらが担うかを決めておきます。
初年度だけでなく、毎年の制度改正や脆弱性対応にかかる予算を確保します。加えて、アクセシビリティ改善やAPI、基幹変更にかかる予算も見込みます。
異動があっても運用を続けられるよう、次の二つを備えます。
- 職員支援:手順書、研修、権限申請、問い合わせ窓口を整備する
- データ移行:終了や乗り換えに備え、データ形式、保存期間、エクスポート手順を定期確認する
自治体向け電子申請システムのよくある質問
導入前に確認したい費用、マイナンバーカードの要否、既存システムとの連携について、実際の調達や運用で判断できる形にまとめます。
自治体向け電子申請システムの導入費用はいくらですか?
小規模SaaSは、初期0〜300万円、年間100〜500万円程度が目安です。連携や認証を含めると、数百万円から1億円超まで幅が出ます。
公開契約例では、年間利用料は100万円台、SSO開発を含む契約額は1億296万円です。利用料と従量課金は分けて比べ、連携開発や保守も別に見ます。
マイナンバーカードを持っていない住民も申請できますか?
リスクに応じてメール認証、属性確認、公的個人認証を使い分ければ、カードを必須にしない受付も設計できます。
厳格な本人確認や電子署名を要する手続きでは、カードか、ほかの確認方法が欠かせません。そこで、手続きごとに認証のレベルを決め、カードを使えない人には窓口支援や代替手段を案内します。
既存の住民情報システムや基幹システムと連携できますか?
連携はできますが、すべての手続きでリアルタイムの連携が必要とは限りません。職員の確認後にCSVで取り込む方式や、APIで自動登録する方式、基幹側へ結果だけを返す方式から選べます。
方式は、処理量や個人情報の扱い、エラー対応で判断します。要件定義では、連携項目や文字コード、重複判定を具体化します。さらに、再送や責任分界、監査ログも決めておきます。
導入にはどのくらいの期間がかかりますか?
基幹連携のない小規模SaaSは1〜3か月、複数課・決済・電子交付を含む標準導入は3〜6か月が目安です。
SSOや複数基幹連携を含む大規模案件は、6〜12か月が目安です。API申請やセキュリティ審査、調達が加わると、さらに長くなります。住民周知や職員研修も、期間に含めて考えます。
稼働日から逆算する前に、業務の洗い出しと調達仕様書の作成期間を先に確保します。
まとめ
自治体向け電子申請システムの選定では、手続き、費用、運用を一体で考えます。効果測定も合わせて行うと、導入後の定着につながります。
導入判断で押さえる三つの要点
導入判断では、業務設計、費用、運用改善の順に押さえます。
- 業務設計:システム選定前に対象手続きと業務フローを決める
- 費用比較:認証・連携・保守・従量課金を含む5年総額で比べる
- 継続改善:住民の使いやすさと職員の処理時間をKPIで測り、導入後も改善できる体制を確保する
最初の一歩は対象手続きの選定
初期検討から導入判断までを、次の流れで進めます。
- 申請件数、来庁負担、処理時間、差し戻しの多さで候補を絞り、1〜3手続きの現状業務を図にする
- マイナポータル、独自フォーム、標準サービス、個別連携の組み合わせを決め、同じ前提で複数見積もりを比べる
- 方式で費用と期間が異なるため、サービス利用の年間100万円台から、SSO開発を含む1億296万円の契約例まで踏まえて比べる
- 5年間の利用料、従量課金、連携、保守、制度改正、データ返却を比べます。効果は、オンライン完結率、処理日数、転記時間、差し戻し率、問い合わせ件数で測ります。
- 住民の使いやすさ、職員運用、個人情報保護、障害時の責任分界を同じ要件表で確認する
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会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
