ファシリティマネジメントシステムは、施設や設備の情報と業務をつなぐ仕組みです。CAFM、IWMS、BMS・BEMS、FM-BIMは、扱う業務の範囲によって使い分けます。
種類と主要機能、導入メリット、選び方や進め方の順に見ていきます。関連記事もあわせてご覧ください。
▼関連記事一覧
・ファシリティマネジメントシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・ファシリティマネジメントシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・ファシリティマネジメントシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・ファシリティマネジメントシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
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ファシリティマネジメントシステムの定義
ファシリティマネジメントシステムは、施設の維持だけを担う設備管理ソフトより広く、施設運営全体を支える業務基盤です。不動産や部屋・座席の情報、設備の点検や修繕をつなぎ、さらに契約や予算、エネルギーの情報も一つにまとめます。そのため、施設の安全性や快適性を高めるとともに、コストや資産価値を経営目標に合わせて改善できます。
ソフトウェアとISOのマネジメントシステムの違い
「ファシリティマネジメントシステム」という言葉には、ソフトウェアと組織運営の二つの意味があります。
- 施設管理ソフトウェア:台帳、点検、修繕、スペース、エネルギーを扱う仕組み。
- FMのマネジメントシステム:方針、責任、リスク、KPI、記録、継続的改善を整える取り組み。
組織運営の側面については、ISO 41001:2018が要求事項を定めた国際規格です。さらに、2024年には気候変動への対応を加える追補も発行されています(出典:ISO 41001:2018/Amd 1:2024、2024年)。
認証を取得するには、ソフトウェアの導入に加えて、方針や役割分担、監査、改善の運用を別途整える必要があります。この記事では主に、施設管理ソフトウェアを説明します。
システム導入の目的
導入の目的は、業務上の成果を実現することです。施設情報をデジタル化するのは、そのための手段にあたります。
- 点検:法定点検の期限遵守率を100%にする目標。
- 故障対応:受付から初動までの時間を30%短縮すること。
- 修繕判断:修繕の優先順位をLCCで説明できること。
- エネルギー:使用量の拠点別比較。
目的が曖昧なまま機能を増やすと、台帳登録の手間で現場が疲弊し、導入後に更新されなくなることがあります。発注側は、対象施設、利用者、課題業務、改善指標を先に決めておくと、必要な範囲と投資額を絞れます。
CAFM・IWMS・BMS・BEMS・FM-BIMの種類と主要機能
比べるときは、製品名よりも、どの業務データをどこまでつなげられるかに注目します。
たとえば、設備保全を中心にした仕組みと、不動産・ワークプレイス・エネルギーまで統合した仕組みとでは、導入範囲も費用も大きく異なります。
CAFMによる台帳・点検・修繕の管理
CAFMはComputer-Aided Facility Managementの略称です。
- 管理対象:建物、部屋、設備、什器の台帳。
- 主な業務:点検、保全、故障受付、作業指示、修繕履歴。
現場では、設備にQRコードやバーコードを貼り、スマートフォンで点検結果や写真を登録する運用もあります。
設備IDや設置場所、取得日を台帳に結び付けておくと、保証期限も含めて一か所で把握できます。さらに、点検周期や委託先、過去の故障内容も関連付けると、記憶に頼らず管理できます。
小規模な企業や数拠点の企業では、設備台帳と点検・修繕から始める方法が適しています。
IWMSによる不動産・スペース・保全の統合
IWMSはIntegrated Workplace Management Systemの略称です。
- 統合する領域:施設保全、不動産契約、賃貸借、スペース、座席、会議室。
- 横断管理:移転、エネルギー、資本支出。
複数拠点の面積や稼働率、契約期限、修繕予算を比べたい企業に合っています。
ハイブリッド勤務の場合は、予約実績や座席利用率をもとに、余剰スペースやレイアウトを検討できます。
座席管理だけが目的であれば、大規模なIWMSは過剰になる可能性もあります。そこで、発注側は意思決定に必要なデータを先に定義しておきます。
BMS・BEMS・FM-BIMによる設備・エネルギー・図面の連携
BMSは、空調や照明など建物設備の監視と制御を担います。一方、BEMSはエネルギーの計測や分析、最適化を担います。
施設管理では、業務データと設備データを分けて考えると、役割が分かりやすくなります。
- CAFM・IWMS:施設運営の業務情報。
- BMS・BEMS:設備の状態や計測値。
FM-BIMは、BIMモデルの形状だけでなく、部屋や設備の属性、仕様書、点検履歴を施設運営に再利用する考え方です。
図面と台帳のIDをそろえると、図面から設備を検索でき、現場確認や引き継ぎを短縮できます。
運用を自動化するには、BIMの導入に加えて、属性項目と更新責任者を決めておく必要があります。
ファシリティマネジメントシステムの主要機能
主要機能は、情報登録、現場作業、経営判断の三つに分けて考えられます。すべてを最初から入れるより、損失が大きい業務から段階的に実装する方が現実的です。
資産台帳とワークオーダー
台帳には建物や部屋、設備を登録し、什器や土地も同じ台帳で扱います。所有者や所在地、用途、面積、取得日を持たせると、設備更新や契約確認に使いやすくなります。
メーカーや型式、保証期限、耐用年数、関連図面も同じ台帳に持たせると、その設備の情報を一度に確認できます。
- 作業の一元管理:異常受付から費用計上までをワークオーダーでつなぐ。
- 現場報告:写真、メーター値、コメントを登録し、管理者が履歴を確認する。
ワークオーダーでは、異常受付、作業指示、承認、業者依頼、完了確認、費用計上をつなぎます。口頭やメールの連絡に頼らず記録で作業の状況を追えるため、連絡漏れを減らせます。
スペース・エネルギー・契約管理
スペース・エネルギー・契約管理では、次のデータを扱います。
- スペース:部屋、座席、会議室、入退室、テナント、賃貸借契約、移転計画。
- エネルギー:電力、空調、照明、水、CO2排出量、再生可能エネルギーの計測値。
計測値は、拠点や設備ごとに見比べられるようにします。さらに、契約更新日や法定点検期限を台帳と結び付けると、担当者のカレンダーだけに頼らず通知できます。
会計や購買、人事と連携する場合は、どのシステムを正とするかを先に決めます。入退室やチケット管理、BIとAPIで連携する場合も、更新頻度とエラー時の扱いを決めておきます。
ダッシュボード・監査証跡・法定記録
ダッシュボードでは、次の状況を確認できます。
- 作業・故障:未完了作業、故障件数、対応時間。
- 施設運営:修繕予算、設備稼働状況、エネルギー使用量、座席利用率。
利用者によって見たい情報は違うため、表示する内容も変えます。たとえば、経営層には拠点別のコストとリスクを、現場には当日の作業と期限を表示します。
監査証跡は、誰がいつ台帳や点検結果を登録、変更、承認したかを記録する仕組みです。
法定点検や衛生管理を扱う場合は、保存期間と変更履歴を要件に含めます。BCPや安全管理、委託業者のSLAも扱うなら、帳票出力と権限分離も要件にします。
導入メリットと向いている企業

導入効果は、業務時間の削減だけでなく、故障リスクや修繕判断の品質、施設利用者の体験にも表れます。そこで、導入前後で同じ指標を測れるよう、現状値と目標値を記録しておきます。
現場業務の標準化と属人化の解消
紙の点検票や個人管理のExcelでは、拠点ごとに項目や記入方法が異なり、集計に時間がかかります。一方、システムを使うと、経験の浅い担当者も同じ手順で作業しやすくなります。
- 作業の標準化:点検項目、異常区分、写真、承認者、完了条件をそろえる。
- 引き継ぎ:点検周期、修繕履歴、判断理由、契約情報を残す。
登録項目を増やしすぎると、入力の負担が重くなります。そのため、現場担当者と相談して、本当に使う項目から始めます。
修繕・エネルギー・スペースの経営判断
経営判断に使うデータを組み合わせると、更新や運用施策の優先順位を根拠をもって説明できます。
- 修繕:設備の年齢、故障頻度、修繕費、重要度による更新順位。
- ライフサイクルコスト:将来の更新費や停止リスクを含めた比較。
- 運用施策:エネルギーや座席利用率をもとにした、空調、照明、フロア利用、拠点統合の検討。
2025年4月以降に着工する原則すべての新築建築物には、省エネ基準への適合が求められます。また、建物の運用データを継続的に確認する重要性も高まっています(出典:国土交通省「建築物省エネ法のページ」、2025年施行情報)。
導入効果が出やすい企業
複数拠点があり、設備台帳や点検履歴が分散している企業は、導入効果が出やすい傾向があります。
- 点検管理:法定点検の期限管理に課題がある。
- 修繕:更新や修繕の優先順位付けに課題がある。
- 委託業務:委託業者への作業依頼を改善したい。
- エネルギー:エネルギー費の削減が経営課題。
施設が一つで設備点数も少なく、既存の台帳と点検フローに問題がない企業は、大規模な統合システムが必要とは限りません。そうした企業では、クラウド型の台帳・点検機能や、業務の一部を対象にした小さな検証から始める方法が適しています。
費用相場と開発・導入期間
費用は、施設数や延床面積、設備点数、利用者数によって変わります。既存データの状態も影響します。さらに、BIM・CADやセンサー、会計・入退室などとの連携範囲も費用を左右します。
専用製品の公開価格は限られます。そこで、次の金額は、2025〜2026年の設備・備品管理SaaSや類似業務システムの公開価格をもとにした、予算取り用の推定レンジとして示します。
▶ 詳細はこちら:ファシリティマネジメントシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
導入パターン別の費用目安
施設の規模や連携範囲が広がると、費用と導入期間も大きくなる傾向があります。
- 小規模SaaS:1〜数拠点で台帳、点検、写真報告に絞り、初期費用0〜100万円、月額1万〜20万円、期間は2週間〜3か月。
- 複数拠点のパッケージ:台帳、保全、修繕、帳票を整え、初期費用100万〜500万円、月額5万〜30万円または年額契約、期間は3〜6か月程度。
- 中規模構築:BIM・CAD、会計・購買、BMS・IoTとのAPI連携を含み、初期費用500万〜1,500万円、期間は6〜12か月程度。
- 大企業向けIWMS・スクラッチ:初期費用1,500万〜4,000万円以上、期間9〜18か月以上になることがあります。
大企業向けの目安は、多数拠点やスペース、LCC、IoTを含み、複雑な権限や監査も必要になる場合です。いずれも、正式な見積もりではなく、要件定義前の比較材料として捉えてください。
見落としやすい追加費用
初期費用は、データ整備や機器、導入作業に分けて見積もります。
- データ整備:台帳のクレンジング、紙台帳・図面の電子化、BIM属性の整備。
- 機器:QRコード、現場端末、センサーの設置。
- 導入作業:API開発、権限設計、操作教育、並行運用。
既存台帳に重複や欠損、命名揺れがあると、システム設定よりデータ整備に時間がかかることがあります。
ランニング費用には、ライセンスやクラウド利用料、データ容量が含まれます。加えて、端末やセンサー通信料、保守、問い合わせ対応、機能追加、社内担当者の工数も対象です。
保守費用は、一般的な業務システムの目安として初期費用の年5〜15%程度とされることがあります。ただし、FM専用システムでは契約条件により異なるため、5年間のTCOで比べます。
期間を左右する要素
期間は開発量に加え、施設やデータの準備、関係者との調整、検証工程にも左右されます。
- 事前準備:施設選定、設備ID統一、図面・契約書の収集。
- 調整と検証:受入テスト、委託業者との役割調整、セキュリティ審査、教育、移行後の検証。
見積もりは、要件定義やデータ整備、設定・開発、連携ごとに分けてもらいます。テストや移行、教育、稼働後支援も工程別に示してもらうと、比べやすくなります。
「導入完了」を、ログインできる状態と見るか、全拠点で点検が回り帳票を出せる状態と見るかで、必要な期間と費用は変わります。
パッケージ・クラウド・スクラッチ開発の選び方
選択肢は、既存業務を標準の機能に合わせられるか、独自業務が競争力になっているか、将来の連携がどれだけ必要かで決めます。
導入の速さに加えて、5年後もデータを更新できるか、契約終了時にデータを返却できるかも評価します。
クラウド型が適するケース
次の希望がある場合は、クラウド型が候補になります。
- 拠点利用:複数拠点で同じ画面を使いたい。
- 運用負担:初期費用を抑え、サーバー運用を自社で担わずに始めたい。
アップデートやバックアップを任せられる点や、スマートフォンで現場入力を始めやすい点も利点です。
導入時は、データの保管場所や認証方式、障害時の復旧目標を確認します。ログ保存期間やAPI制限、料金改定、解約時のデータ返却形式も見ておく必要があります。
BMSやIoTを接続する場合は、クラウド側と施設ネットワークの境界も設計します。
パッケージ型が適するケース
一般的な業務フローを適用できる場合は、パッケージ型が候補になります。
- 適合しやすい業務:設備台帳、点検、修繕、スペース、契約。
- 標準機能:権限、通知、帳票、監査ログを活用できる。
現場独自の承認手順や設備分類を無理に合わせると、別のExcelやメールに戻ることがあります。そこで、標準機能で扱う業務と、設定・拡張・APIで補う業務を分けて考えます。
カスタマイズがアップデートに与える影響も、確認が必要です。
スクラッチ型が適するケース
独自業務に対応する場合は、次の点を見て開発方式を決めます。
- 個別開発の候補:独自の安全手順、特殊設備、複雑な料金・契約、深いシステム連携。
- 段階導入:設備台帳、点検、異常受付、修繕履歴などの最小範囲から稼働する。
スクラッチ開発は自由度が高い一方、継続的な負担も伴います。要件変更やテスト、保守に加えて、担当者交代やセキュリティ更新も、自社と開発側で継続して担います。
パッケージとAPI連携を組み合わせると、独自性と保守性を両立できる場合もあります。その際は、利用状況を見ながら拡張します。
導入・開発の進め方

導入は、製品選定と設定を済ませた後も、現場で使い続けられる状態になって初めて完了します。
計画には、目的とKPI、現状データ、現場作業を盛り込みます。さらに、連携先や権限、教育、稼働後の更新体制も、一つの計画にまとめます。
▶ 詳細はこちら:ファシリティマネジメントシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
企画・要件定義とデータ棚卸し
企画からデータ棚卸しまでは、次の順に進めます。
- 点検漏れ削減、修繕予算の平準化、利用率改善、エネルギー削減など、課題を2〜5個に絞ります。
- 対象施設や建物数、延床面積、設備点数を整理し、MUST・WANT要件を分けます。
- 建物・階・部屋・設備のIDや図面、仕様書を洗い出します。
- 重複や欠損、表記揺れ、古い図面を見つけ、移行対象と廃棄対象を決めます。
あわせて、現場人数や委託業者、利用者数を確認します。既存システムの状況も見ておきます。
洗い出す対象には、点検周期や契約、工事履歴が含まれます。担当者や法定帳票も対象です。
設計・設定・開発と連携
設計と開発では、データ連携と現場の例外条件を細かく決めていきます。
- 基本設計:データモデル、画面、ワークフロー、通知、権限、帳票、監査ログ。
- 連携設計:設備などを結ぶIDと、BIM・CAD・GIS、会計・購買、BMS・IoT、SSO・BIの方式をRFPに明記。
- 現場条件:オフライン入力・再送、容量、端末紛失、APIエラー、重複登録、誤検知を検討。
- 試作確認:QR読み取りから点検、異常登録、承認、業者依頼、完了確認までを操作する。
テスト・移行・教育・段階展開
テストから段階展開までは、現場の業務シナリオに沿って進めます。
- 点検通知から異常受付、承認、業者依頼までを一連で確認します。
- 移行後は1拠点または一つの設備カテゴリでパイロットし、データ品質と入力負担を確認します。
- 教育資料、問い合わせ窓口、旧台帳との並行運用期間、障害時の紙運用、稼働判定者を決めてから、対象拠点を段階的に広げます。
写真付きの完了報告や費用登録も、同じ流れでたどります。帳票出力と監査ログも確認の対象です。現場担当者が操作できることを受入条件にします。
法令対応とセキュリティの確認事項

施設管理には、複数の要求事項が関係します。建築や省エネ、衛生、消防、安全に関わるもののほか、個人情報、契約、監査も含まれます。
システムは記録や期限管理を支援しますが、法令適合そのものは保証しません。そのため、対象施設の用途、地域、設備に応じて、所管部署や専門家に確認します。
省エネ・衛生・安全の記録管理
施設の法令要件に応じて、次の記録を管理します。
- 省エネ:2025年4月以降着工の原則すべての新築住宅・非住宅で基準適合が必要。既存施設も電力、空調、照明、水、CO2を記録します。
- 衛生:一定規模・用途の特定建築物は基準に沿って維持管理し、空気環境、給排水、清掃、防除の記録を保存します。
省エネの記録は、設備更新や運用改善の根拠として使えます。また、衛生の記録は、対象施設と保存期間に合わせて管理します(出典:厚生労働省「建築物環境衛生のページ」、2026年確認)。
BMS・IoT接続のセキュリティ
BMSやIoTセンサーをクラウドや業務システムにつなぐ場合は、施設設備がサイバー攻撃の入口になり得る点を踏まえておく必要があります。
- アクセス制御:ネットワーク分離、MFA・SSO、最小権限の設定。
- 通信と端末:端末とAPIの認証、通信と保存データの暗号化。
- 継続運用:脆弱性対応とパッチ、ログ、バックアップ、障害時の手動運転の要件化。
IPAの「IoT開発におけるセキュリティ設計の手引き」は、クラウド、ネットワーク機器、システム、デバイスなどの構成要素ごとに脅威を整理しています。さらに、2025年公開のIIoT機器ライフサイクル管理構築手引きは、導入から廃棄までの管理を扱っています(出典:IPA、2025年)。
発注側は、購入時だけでなく、更新や脆弱性対応、廃棄時の認証情報消去も確認します。
運用継続と委託先管理
運用継続と委託先管理では、契約で決めることと、日常運用で確認することを分けて考えます。
- 障害・委託先:連絡先、復旧目標、復元方法、保管場所、再委託先、事故報告期限。
- 契約終了:データ返却、図面・写真の出力、API停止、アカウント削除、機器初期化。
設備情報や入退室情報、担当者情報を扱う場合は、閲覧権限とログを定期的に確認します。
ベンダーを変更できる状態にしておくと、長期運用の安全性と交渉力につながります。
開発会社・ベンダーの選び方
知名度や機能数だけでなく、施設管理の業務理解や、データ移行、現場定着を見ます。既存システム連携や保守体制も、同じ条件で比べます。
製品会社、個別開発を担うSI事業者、BIMや設備に強い事業者、運用支援会社では、役割が異なります。そのため、依頼する範囲を先に明確にしておきます。
実績と業務適合性の確認
実績と業務適合性は、次の観点で確認します。
- 導入実績:建物数、拠点数、設備点数、現場人数、委託業者数が近い事例。
- デモ:設備登録、QR点検、異常起票、承認、履歴検索、帳票出力を実演。
- 導入事例:何を置き換え、どの業務を何分短縮し、どのKPIを追えるか。
可能であれば、現場担当者向けと管理者向けの画面を分けて見せてもらいます。
技術・連携・セキュリティの評価
技術面では、導入環境と個別連携の対応を確認します。
- 環境と連携:クラウド、オンプレミス、モバイル、オフライン、API、BIM・CAD・GIS、BMS・IoT、会計・購買、SSO・BI。
- 個別API:仕様、認証、同期頻度、再送、追加費用、保守担当を提案書で確認。
- セキュリティ:脆弱性対応の期限、パッチ、監査ログ、権限の見直し、バックアップ、復旧、委託先・再委託先、データ返却。
製品の機能だけでなく、導入先のネットワークや業務手順も含めて、どこまでを誰が受け持つかを明確にします。
見積もりと支援範囲の比較
相見積もりと支援範囲は、条件をそろえて比較します。
- 見積条件:建物数、延床面積、設備点数、ユーザー数、既存台帳、図面・BIM・CAD、連携先、端末、希望KPI。
- 費用内訳:初期設定、追加開発、移行、テスト、教育、保守、クラウド料、センサー費用。
- 導入後支援:問い合わせ、更新、運用改善、データ品質確認、担当交代時の引き継ぎ。
- 総合判断:5年間のTCO、現場負担、拡張性、契約終了時の移行性。
▶ 詳細はこちら:ファシリティマネジメントシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
▶ 詳細はこちら:ファシリティマネジメントシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
よくある質問(FAQ)
必要な機能は、施設の用途や規模、既存システム、法令上の立場によって変わります。そのため、まずは対象業務を絞り込んで判断します。
ファシリティマネジメントシステムを導入すればISO 41001を取得できますか?
ISO 41001の取得には、ソフトウェアとは別に、方針や責任、リスクを定めることが必要です。さらに、KPIや記録、内部監査、改善の仕組みを整え、規格に沿って運用します。
ソフトウェアは、証拠となる記録や期限管理を支える位置付けです。
小規模な企業でもファシリティマネジメントシステムは必要ですか?
必要性は企業規模だけでなく、設備点数や拠点数、法定点検、修繕費、担当者の負担によって決まります。
たとえば、設備台帳や点検予定、異常受付、写真報告に絞ったクラウド型から始め、効果を確認してから、スペースやエネルギーへ広げる方法が現実的です。
BIMを導入すれば設備台帳を自動で作成できますか?
BIMモデルに部屋や設備の属性が正しく入っていれば、台帳作成や図面との紐付けに活用できます。ただし、完全に自動化できるとは限りません。
運用には、現場で使う設備ID、分類、点検項目、更新責任者を定義し、竣工後の変更をモデルと台帳に反映することが必要です。
AIによる予知保全を最初から導入すべきですか?
最初から予知保全を目的にするより、設備ID、点検履歴、故障履歴、センサー値、修繕結果を一定期間蓄積することを優先します。
データ量や品質が不足すると、誤検知が増えます。そのため、異常の最終判断者や通知後の対応、モデルの評価と更新まで含めて設計します。
まとめ
ファシリティマネジメントシステムは、施設・設備の台帳と点検を起点に、不動産やスペース、修繕、エネルギーをつなぐ仕組みです。BIMやIoT、会計ともつながり、施設運営の判断を支えます。
CAFM、IWMS、BMS・BEMS、FM-BIMは役割が異なるため、比べる際は用語よりも、自社の業務範囲とデータ連携で判断します。
導入前に決める三つのこと
まず、点検漏れの削減や修繕判断など、改善したいKPIを2〜5個に絞ります。
次に、施設数や設備点数、現場人数、既存台帳、連携先を洗い出し、初期データの品質を確認します。
最後に、費用は初期導入だけでなく、移行や端末、センサー、保守、教育、社内工数を含めた5年間のTCOで比べます。
小さな範囲で検証してから広げる
全拠点を一括で移行するより、1拠点や設備台帳・点検など効果が見えやすい範囲で、現場が使えるかを検証します。
運用責任者とデータ更新ルールを決め、教育や障害時の対応、契約終了時のデータ返却まで整えておくと、導入後も使われ続けるシステムになります。
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・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
