IT運用保守でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

IT運用保守の委託先は、自社のオンプレミスやクラウドの環境をカバーでき、対応範囲とSLAを明確にできる会社から選ぶのが基本です。

委託先の力量は障害復旧と保守コストの両方に関わり、比べる観点は技術範囲、運用品質、契約条件の3点です。運用保守を担う6社を、この3点に沿って紹介します。

  • 技術範囲:オンプレミス、クラウド、ハイブリッド環境への対応。
  • 運用品質:監視時間、一次対応、復旧水準のSLA。
  • 契約条件:責任分界と作業実績に基づく費用の妥当性。

IT運用保守のパートナー選びが重要な理由

インフラ込みの運用保守の対象として、サーバー監視、ネットワーク機器の保守、OS・ミドルウェアのパッチ適用、バックアップとリストア検証を示す図
アプリケーションの外側にある基盤運用まで視野に入ります。

IT運用保守では、アプリケーションだけでなくサーバーやネットワークも管理の対象になります。

そのため、一般的なアプリ保守と比べて対象が広くなります。だからこそ、委託先の力量がシステム全体の安定性に直結します。

ソフトウェア全体のコストに占める運用保守費は40〜80%、平均60%とされます。

経済産業省の調査でも、全産業平均で従来システムの運用と新規構築の支出は約2対1です。

つまり、運用保守パートナーの選定は、長期的なIT投資の大半を左右する意思決定です。

インフラ込みの運用保守で成否を分ける委託先の力量

運用保守の対象は、アプリ改修だけでなくインフラにも広がります。インフラ運用には、サーバー監視、ネットワーク機器の保守、OS・ミドルウェアのパッチ適用が含まれます。バックアップ取得後のリストア検証も、インフラ運用の一部です。

  • 基盤管理:監視、機器保守、更新作業を継続して行う。
  • 復旧準備:バックアップと復元確認で停止に備える。

これらには専門知識が要り、障害が起きれば業務全体が止まります。そのため、復旧の速さと正確さが事業継続を左右します。

オンプレミスとクラウドが混在するハイブリッド環境が広がっています。そこで、両環境を横断して監視・運用できるかが、委託先の評価軸になります。

たとえば、サーバー単体の保守はできてもクラウド側の知見が乏しいケースや、その逆も珍しくありません。

委託先がカバーできる技術領域の広さと深さを見極めることが、安定運用の前提条件となります。

発注前に確認すべきポイント

発注前には、対応できる技術の範囲と、24時間365日の監視に応じられるかを確かめておきます。障害時の一次対応からエスカレーションまでの流れも、あらかじめ明確にしておきます。

  • 監視体制:監視の時間帯と、障害通知の手順。
  • サービス水準:稼働率と復旧時間を数値で示す。

監視体制やサービス水準を曖昧にしたまま契約すると、いざ障害が起きた際に「対象範囲外」とされ、追加費用を請求されるといったトラブルが起こりえます。

現行ベンダーからの引き継ぎ体制や、作業量を示す資料を出せるかも確かめます。

ベンダー選定には一般に4〜6ヶ月かかるため、契約満了の6ヶ月前には準備を始めるのが理想です。進め方はIT運用保守の進め方を解説した記事で確認できます。

ポイント

運用保守は対象がインフラまで広く、委託先の力量が安定性や長期のIT投資を左右します。価格より先に、障害時に任せられる力量があるかを見極めることが判断の目安です。

株式会社ripla|コンサルから開発・運用まで一気通貫で支援

株式会社riplaは、コンサルティングから開発、運用までを一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として自社の社内DXを推進してきた経験があり、ビジネスへの成果創出と、システムの定着支援に強みを持っています。

営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築と導入の実績があります。企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。

特徴と強み

riplaの強みは、システムを「作って終わり」にせず、運用フェーズまで見据えた一貫した支援ができる点にあります。

  • 運用を見据えた設計:障害対応や改修の負担を抑える。
  • 継続改善:自動化、効率化、文書整備の支援。

開発段階から運用保守を意識して設計するため、リリース後の手間が減り、結果としてTCO(総保有コスト)の抑制につながります。さらに、上流のコンサルティングを担うからこそ、業務プロセス全体を理解したうえで運用設計に落とし込め、現場に定着する運用体制を構築できます。

また、自社でDXを実践してきた事業会社の視点があるので、単なる技術提供にとどまらない提案ができる点も特徴です。属人化やブラックボックス化を防ぐ取り組みにも対応し、長期的に安定した運用を実現します。

得意領域・実績

riplaは、基幹システムの構築・導入から運用までを幅広く手がけており、企業ごとに異なる業務要件へ柔軟に対応してきた実績があります。

  • 要件整理:業務全体を見渡して要件を組み立てる。
  • 支援体制:上流から保守まで一貫した連携。

コンサルティングと開発の両方の機能を併せ持つため、要件定義の段階で運用負荷を見込んだアーキテクチャを提案できます。その結果、後工程での手戻りや無駄なコストを抑えられます。

運用の委託とあわせて、ビジネス視点での改善提案を求める企業に合っています。また、上流から運用まで途切れなく支援できる体制は、複数ベンダーに分けて発注したときに生じがちな責任の曖昧さを避けるうえでも有効です。

株式会社NTTデータ|大規模システムの運用に強み

株式会社NTTデータは、国内最大手のシステムインテグレーターです。金融、公共、法人など幅広い分野で、大規模システムの構築と運用保守を手がけてきました。

社会インフラを支えるミッションクリティカルなシステムの運用実績が豊富で、高い信頼性と安定性が求められる領域に強みを持っています。

特徴と強み

NTTデータの強みは、大規模で高可用性が求められるシステムの運用ノウハウを、長年にわたって蓄積している点です。

  • 継続監視:24時間365日の体制とBCP対応。
  • 基盤運用:インフラ層の管理を一体で担う。

24時間365日の監視体制に加え、災害対策を含むBCP(事業継続計画)にも対応しています。止められないシステムを抱える企業にとって、大きな安心材料になります。また、データセンターやクラウド基盤を自社グループで保有しているため、インフラ層から一気通貫で運用を任せられるのも特徴です。

標準化された運用プロセスと豊富な人材リソースにより、品質を一定に保ちながら大規模案件を遂行できます。

得意領域・実績

銀行の勘定系システムや行政の基幹システムなど、社会的影響の大きいシステムの運用保守で多数の実績があります。

  • 適合領域:金融・公共など、停止の影響が大きい環境。
  • 規模確認:小規模案件では費用と速度も比べる。

高度なセキュリティ要件や監査対応が求められる領域でも豊富な経験を持ち、大企業・官公庁の大規模システムを安定的に支えてきました。そのため、大規模案件で力を発揮する体制といえます。一方で、中小規模の案件なら、費用と対応速度は他社とも比べておくとよいでしょう。

大塚商会|中堅・中小企業のIT運用をワンストップ支援

大塚商会は、ハードウェアの販売からシステム構築、保守・運用までをワンストップで提供する企業です。全国に拠点とサポート網を持ち、中堅・中小企業のIT環境をまとめて支える体制を強みとしています。

複数のIT課題を一社にまとめて相談できる点が、社内に専任のIT担当者が少ない企業から評価されています。

特徴と強み

大塚商会の強みは、PC・サーバー・ネットワーク機器といったハードウェアから、業務ソフトウェア、保守サポートまでを一括して提供できる総合力にあります。

  • 提供範囲:機器、業務ソフト、保守をまとめて提供。
  • 地域支援:全国の拠点で現地対応も相談できる。

自社の保守サービス「たよれーる」などを通じて、機器の故障対応からヘルプデスクまで幅広くカバーしています。そのため、IT全般の困りごとを任せられる安心感があります。

全国規模のサポート拠点を持つため、オンサイトでの保守対応が必要なケースにも強く、地方に拠点を持つ企業でも一定の対応力を期待できます。また、複数のベンダーと個別に契約する手間を省きたい企業にとって、窓口を一つにまとめられる点は大きなメリットです。

得意領域・実績

中堅・中小企業の社内インフラ運用、オフィス環境の構築・保守において豊富な実績を持ちます。

  • 向く企業:社内ITの窓口をまとめたい中堅・中小企業。
  • 事前確認:独自要件と、高度なクラウドへの対応範囲。

ハードウェア調達と保守を一体で提供できるため、機器のリプレイスや増設にあわせた運用設計にも対応しやすいのが特徴です。

個別のシステムを深く作り込むよりも、IT環境全体を標準的なサービスで安定運用したい企業に合っています。一方で、独自要件の強い大規模システムや、高度なクラウド最適化が必要な場合は、専門性の高いベンダーとの比較も検討するとよいでしょう。

ポイント

社内のIT窓口をまとめたい中堅・中小企業なら候補になります。独自要件や高度なクラウドの対応範囲は、事前に自社の要件と照らして確かめる必要があります。

クラスメソッド株式会社|クラウド運用に特化した専門性

クラスメソッド株式会社は、AWSをはじめとするクラウドの構築・運用に特化した技術力で知られる企業です。クラウドネイティブなシステムの設計から運用までを得意とし、技術情報の発信でも高い評価を得ています。

オンプレミスからクラウドへの移行や、クラウド環境の最適な運用を求める企業に適したパートナーです。

特徴と強み

クラスメソッドの強みは、クラウドに関する深い専門知識と、それを支えるエンジニアの技術力にあります。

  • 運用改善:監視、コスト、セキュリティ設定の見直し。
  • 障害体制:マネージドサービスを使った24時間対応。

AWSの運用監視やコスト最適化、セキュリティ設定の最適化など、クラウドならではの課題に対して具体的な改善を提案できます。

クラウドの責任共有モデルを正しく理解したうえで、ユーザー側が負うべき運用責任の範囲を明確にできる点も特徴です。どこまでを自社で担い、どこからをベンダーに委ねるかを整理できるのは、専門ベンダーならではの価値といえます。

得意領域・実績

クラウド移行やクラウドインフラの構築・運用において、多数のプロジェクト実績を持ちます。

  • 得意分野:クラウド移行と運用基盤の最適化。
  • 適合確認:物理設備中心の保守は、別途の範囲確認が必要。

スタートアップから大企業まで幅広い顧客のクラウド活用を支援しており、最新の技術トレンドを取り入れたモダンな運用基盤の構築を得意としています。

一方で、専門領域がクラウドに集中しているため、オンプレミスのレガシーシステムや物理機器の保守が中心となる場合は、対応範囲を事前に確認しておくことが大切です。クラウド活用を前提とした運用最適化を進めたい企業には、有力な候補となります。

ポイント

オンプレミスからクラウドへの移行や、クラウド運用の最適化を進めたい企業には有力な候補です。物理設備中心の保守が必要なら、対応範囲を先に確かめておく必要があります。

株式会社システナ|インフラ運用とヘルプデスクに対応

株式会社システナは、ITインフラの構築・運用からヘルプデスク、システム開発まで幅広く手がける独立系の企業です。とくにインフラ運用とエンドユーザーサポートの分野で豊富な実績を持ち、システムの安定稼働と利用者対応の両面を支えられる体制を強みとしています。

特徴と強み

システナの強みは、インフラの設計・構築・運用監視と、ヘルプデスクやサービスデスクといった利用者サポートを一体で提供できる点にあります。

  • 一体運用:基盤管理と利用者窓口をつなぐ。
  • 複合環境:複数メーカーの設備をまたいだ支援。

システムを安定稼働させるだけでなく、利用者からの問い合わせ対応まで任せられるため、情報システム部門の負担を大きく軽減できます。

独立系として特定のメーカーに縛られず、マルチベンダー環境にも対応できる柔軟性を持っています。機器とクラウドが入り混じる環境でも運用を支える体制を組めることが評価されています。

得意領域・実績

大手企業のITインフラ運用やヘルプデスク業務の受託において実績を重ね、安定した運用品質と幅広い対応力で支持を集めています。

  • 適合先:運用人員や問い合わせ対応が不足する組織。
  • 契約確認:委託業務と応答水準の具体化。

ITシステムの運用代行を通じて、社内のIT人材不足を補いたい企業のニーズに応えてきました。

運用と問い合わせ窓口をまとめたい企業には合っています。ヘルプデスク整備を課題とする組織も、候補に入れられます。

委託範囲やSLAの内容は、自社の要件に照らして確かめておくとよいでしょう。

IT運用保守のパートナーを選ぶポイント

IT運用保守のパートナー選定で確認する技術の範囲、責任分界、保守費用の妥当性を並べた図
3つの観点をそろえると候補を同じ基準で見比べられます。

各社を比べて自社に合う委託先を見極めるには、評価軸を決めておくことが欠かせません。選定では、技術の範囲、責任分界、保守費用の妥当性の3点が判断材料になります。技術力、体制、契約条件を合わせて評価することが、後悔の少ない選定につながります。

対応技術領域とSLAの数値確認

委託先が、自社の環境(オンプレミス、クラウド、ハイブリッド)のどこまでカバーできるかが、最初の確認点です。

インフラ層では、サーバーやネットワーク、OSに加えてミドルウェアも対象になります。そのため、アプリケーション保守までの範囲を明確にし、対応できない領域がないかを洗い出します。

  • 対象環境:オンプレ、クラウド、ハイブリッド。
  • 対象階層:基盤からアプリ保守まで。

SLAは抽象的な表現で済ませず、数値で合意することが大切です。自治体の指標例では、サーバーとアプリの稼働率を99.8%以上とし、重大障害は年2回までとしています。

障害通知は発生後30分以内で遵守率100%、電話応答率は97%以上、平均20秒以内とされています。こうした指標を契約に反映できるかを、事前に確かめておきましょう。

SLAの設計については、IT運用保守の完全ガイドでも解説しています。

クラウド時代の責任分界の明確化

クラウドを利用する場合、AWSやAzureなどのクラウド事業者と、利用者である自社、そして運用保守ベンダーの三者の間で責任範囲が分かれます。

  • 役割分担:各業務の担当を決める。
  • 障害対応:一次連絡から復旧までの責任者。

責任範囲を曖昧にしたまま契約すると、障害が起きたときに「どこの責任か」をめぐって対応が遅れる事態を招きます。そこで有効なのが、責任共有モデルを踏まえたうえで、誰が実行・説明責任を負うのかを整理するRACIチャートの作成です。

業務ごとに、監視やパッチ適用、バックアップなどを自社とベンダーのどちらが担うかを一覧で示しておくと、責任の押し付け合いを防げます。障害時の連絡や復旧の担当も、同じ一覧に含めておきます。

この責任分界の整理に対応できるかは、クラウド環境を含む運用保守の選定基準になります。

保守費用の妥当性の検証

保守費用が適正かを判断するには、相見積もりだけでなく、実際の作業量に見合った金額かを検証する視点が欠かせません。月額の保守費用に対し、どんな作業がどれだけ発生しているかを確かめられると、過剰な請求を見抜く手がかりになります。

  • 作業量:報告書で実施内容を確かめる。
  • 稼働根拠:ログと照らした費用の検証。

作業内容と稼働実績を開示するベンダーであれば、契約中も費用の妥当性を見直せます。

こうした報告は、不要な費用の積み上がりを防ぎます。相場はIT運用保守の費用相場、外注手順はIT運用保守の外注ガイドをご覧ください。

ポイント

対応技術の範囲、責任分界、保守費用の妥当性の3点を、契約前に数値や役割分担で確かめることが判断の目安になります。

まとめ

IT運用保守の候補として、riplaやNTTデータ、大塚商会など、各社の特徴を紹介してきました。

候補ごとに強みが異なります。大規模運用や地域密着の一括支援に加え、クラウド専門や、ヘルプデスクを併設する会社もあります。

選定では、自社の環境をどこまで扱えるか、SLAに数値があるかを確かめることが大切です。あわせて、クラウドの責任分界と費用の根拠も見ておきましょう。

設計・開発から運用改善まで一貫した支援を求める企業は、riplaも候補として検討できます。自社の課題と照らし合わせ、最適なパートナーを見極めてください。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。