ITシステム障害対応でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

障害対応を外部に任せるなら、対応範囲、SLA(目標復旧時間など)、体制、費用感の4つの軸で比べると、自社に合う会社を絞り込めます。

社内にエンジニアが少ない企業では、深夜・休日の障害に一次対応できる人が常にいないことが多く、外部の障害対応パートナーが有力な選択肢になります。

  • 検知から一次対応、原因調査、復旧支援まで、どこを担うかを確認する
  • SLA・体制・費用を、自社が許容できる復旧時間と照らし合わせる
  • 復旧後の原因分析と再発防止まで続けられるかを比べる

ITシステム障害対応パートナー選びの重要性

障害対応パートナーを中心に、異常の検知、夜間・休日の体制、迅速な復旧、再発防止を配置した図解。
平時に見えにくい運用体制も、選定時に確かめる軸になります。

障害対応のパートナー選びは、システム開発会社を選ぶときとは評価の軸が大きく異なります。開発では、システムの品質や設計力が中心になります。

一方、障害対応で問われるのは、異常をどれだけ速く検知できるか、夜間・休日でも誰かが必ず動く体制があるか、復旧後に同じ障害を繰り返さない仕組みを作れるかです。どれも平時には見えにくい運用品質です。

ここを見誤ると、契約はしたのに肝心の障害時に連絡がつかない事態や、復旧はしたものの原因が分からず再発する事態に陥ります。

適切なパートナー選定が事業継続を左右する理由

障害対応では、インシデント(サービスが正常に稼働していない状態)と障害(その原因となった事象)を切り分けることが出発点になります。そのうえで、まず利用者への影響を止める迅速な復旧と、根本原因を特定して二度と起こさない再発防止の両方を進めます。前者はインシデント管理、後者は問題管理(障害管理)が担い、この二つを回せる体制があるかどうかが、事業の安定稼働を大きく左右します。

障害の影響は技術面にとどまりません。警察庁が2023年3月に公表した資料では、ランサムウェア被害を受けた企業140社のうち約95%が業務に何らかの影響を受けたと回答しています。

システム停止は、売上機会の損失、顧客の信頼低下、対外的な説明責任の発生に直結します。だからこそ、24時間365日いつ障害が起きても一次対応が回る体制を、自社で抱えるか外部パートナーと組むかは、コストの問題ではなく事業継続そのものの問題として考える必要があります。

発注前に確認すべきポイント

発注前にまず確認したいのが、対応範囲とSLAの中身です。具体的には、検知から一次連絡までの目標時間(たとえば重大障害で15分以内など)と、目標復旧時間を確かめます。エスカレーションの基準(重大障害なら30分以内に二次対応へ引き継ぐなど)も、契約書や提案書に明記されているかを見ます。

「迅速に対応します」のような表現より、数値で約束されているかどうかが信頼性の分かれ目です。あわせて、監視だけか一次対応まで含むか、原因調査や復旧作業はどこまで担うか、現地対応(オンサイト)は可能かを見て、どこまでを誰が受け持つかを必ず確認します。

監視は契約に含まれるが障害対応は別料金、というケースも珍しくありません。さらに、障害後にポストモーテム(事後検証)や障害報告書を提出し、再発防止策まで提案してくれるかも、長期的な品質改善の観点で重要な判断材料です。

ポイント

障害対応のパートナーは、検知の速さ、夜間・休日の体制、再発防止まで回せるかで選びます。開発会社とは評価の軸が違うため、この三つを外さずに比べることが大切です。

株式会社ripla|コンサルから開発・運用まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発まで一気通貫で支援できる企業です。IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、ビジネスへの成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。

営業・顧客・生産・販売管理など、幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、企業の業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。

特徴と強み

riplaの強みは、障害対応を監視と復旧だけで終わらせず、システムの設計・開発の文脈を踏まえて根本原因にアプローチできる点です。自社で開発したシステムを自社で運用してきた経験があり、障害時に「どこを見れば原因にたどり着けるか」の勘所を持っています。これは、監視だけを請け負う事業者には出しにくい価値です。

人員の少ない組織でも回る現実的な体制づくりを得意としています。インシデントコマンダー(指揮役)を中心に役割を分け、1〜2名の少人数でも機能させる「縮退運転」の考え方を取り入れます。夜間に1名しかいない状況でも、誰が連絡を担い、誰が作業に専念するかを事前に設計します。

属人化を解消し、特定の担当者に負担が偏らない仕組みを一緒に作れる点が、伴走型パートナーとしての特徴です。

得意領域・実績

riplaは、基幹システムや業務システムの構築・導入から、その後の運用・障害対応までを連続して支援できる点が得意領域です。開発を担当した会社が運用も担うことで、障害発生時の原因切り分けが速くなり、結果としてMTTR(平均復旧時間)の短縮につながります。仕様を理解した担当者が初動から関与できる点は、外部の監視専業事業者に依頼する場合との大きな違いです。

さらに、障害後のポストモーテム(事後検証)や障害報告書の作成支援を通じて、再発防止を仕組み化する伴走も行います。ミスを誘発したプロセスや構成上の欠陥に焦点を当て、個人を責めない「非難なき文化」を前提にします。そのうえで、恒久対策が日々の開発タスクに埋もれて放置されないよう、対策の実行までフォローします。

障害対応を一過性のトラブル処理で終わらせず、システムの信頼性を継続的に高めたい企業に適しています。ITシステム障害対応の進め方もあわせてご確認ください。

ポイント

開発から運用まで一貫して関わるため、障害時の原因切り分けが速くなる点が強みです。障害対応を一過性の処理で終わらせず、再発防止まで続けたい企業に向いています。

株式会社アールワークス|技術者による有人の障害対応

株式会社アールワークスは、30年以上にわたるシステム運用の実績を持つ運用専業の会社です。システム監視・障害対応プランとして24時間365日の監視体制を提供し、オペレーターではなく技術者が対応にあたる点を特徴としています。

一次対応の段階から技術的な判断ができるため、単なる定型作業の連絡にとどまらない切り分けが期待できます。

特徴と強み

対象システムに合わせて監視項目をカスタマイズして提案する点が強みです。死活監視・リソース監視・ログ監視といった基本に加え、障害検知時にはチケットシステムへインシデントを自動起票し、対応の抜け漏れを防ぎます。

記録が残るため、後からの原因分析や再発防止の振り返りにも役立ちます。

得意領域・実績

障害の一次対応に加え、オプションで二次対応や現地(オンサイト)対応も選べます。ハードウェアやオンプレミス環境を抱える企業にとって、これは安心材料になります。

長年の運用ノウハウを背景に、監視の設計から障害時の実作業までを任せたい企業に向いています。自社に運用エンジニアを抱えるのが難しい中堅企業が、運用品質を底上げする選択肢として検討しやすいサービスです。

ポイント

社内に運用エンジニアを置くのが難しく、監視の設計から障害時の実作業まで任せたい企業に向いた選択肢です。ハードウェアやオンプレミス環境を抱える場合は、現地対応の有無も判断材料になります。

コムチュア株式会社|ITIL準拠の統合監視・インシデント管理

コムチュア株式会社は、システム統合監視・運用サービスを提供しており、ITIL(ITサービス管理のベストプラクティス)に準拠したインシデント管理を行っています。さらに、オンプレミス、クラウド、ホスティングといった多様なサーバー環境を横断して24時間365日の監視と対応を提供し、複数の監視ツールに対応できる柔軟性を持っています。

特徴と強み

ITIL準拠という点は、障害対応のプロセスが標準化・体系化されていることを意味します。インシデントを記録し、分類して優先度を付け、エスカレーションするまでの一連の流れが、フレームワークに沿って運用されます。

そのため、対応品質が担当者個人の力量に依存しにくく、属人化を避けて再現性のある運用を求める企業にとって安心できる体制です。

得意領域・実績

クラウドからオンプレミスまで混在するハイブリッド環境を一元的に監視できる点が得意領域です。複数のシステムやサーバーが乱立し、監視ツールもばらばらな企業では、統合監視で全体を見渡せることが障害の早期検知につながります。

ある程度の規模を持ち、複雑化したインフラを抱える企業が運用を標準化する際に適したサービスといえます。

ポイント

ITIL準拠で対応の流れが標準化されているため、担当者による差が出にくい点が特徴です。複雑化したインフラを抱え、運用を標準化したい企業の検討候補になります。

株式会社ネットアシスト|有人監視に特化したサーバー運用

株式会社ネットアシストは、24時間365日のサーバー監視保守運用サービス(MSPアシスト)を提供しています。インフラ専門のエンジニアによる有人監視体制を敷き、障害対応までを担う点が特徴です。

累計30,000ホスト以上の保守実績を背景に、サーバー運用に特化した知見を蓄積しています。

特徴と強み

専門エンジニアが有人で監視する体制が強みです。機械的な閾値超過では拾いにくい兆候レベルの異常や複合的な不具合を、人の目で捉えられる可能性が高まります。

障害の検知精度を重視し、見逃しによる被害拡大を避けたい企業にとって、有人監視は大きな安心材料となります。

得意領域・実績

サーバー領域の保守運用に強く、多数のホストを管理してきた実績があります。Webサービスやホスティングを基盤とする事業で、サーバーの安定稼働が事業の生命線となっている企業に向いています。

インフラ運用を専門事業者に委ねつつ、障害時の一次対応を確実に回したいというニーズに応えられるサービスです。

NHN テコラス(C-Chorus)|AWS環境の監視・運用代行

NHN テコラス株式会社は、AWS総合支援サービス「C-Chorus」を通じて、AWS環境の監視・運用代行を24時間365日の有人体制で提供しています。クラウドネイティブな環境に特化し、障害の一次対応に加えて二次対応における障害原因の調査まで担える点が特徴です。

特徴と強み

AWSに特化しているため、クラウド特有の障害パターンや構成上のリスクに精通している点が強みです。マネージドサービスの挙動やスケーリングの問題など、クラウドならではの障害にも、一次対応から原因調査まで一貫して任せられます。

AWS上にシステムを構築している企業にとって、専門性の高いパートナーとなります。

得意領域・実績

クラウドインフラの運用代行を中心に、AWS環境の安定稼働を支援してきた実績があります。自社にクラウドの専門人材が不足している企業や、AWSの運用負荷を外部に委ねたい企業に向いています。

二次対応で原因調査まで担えるため、検知して連絡するだけでなく、復旧と再発防止までつながる支援を求める場合に検討する価値があります。

アイビーシー株式会社|障害を未然に防ぐMSPサービス

アイビーシー株式会社は、MSPサービス「SAMS」を提供しており、障害を発生させないインフラ環境の提供に注力している点が特徴です。また、24時間365日体制での即時障害検知や障害復旧支援を提供し、障害対応だけでなく「障害を起こさない」予防的なアプローチを重視しています。

特徴と強み

障害が起きてから対応するだけでなく、障害の予兆を捉えて未然に防ぐ予防保守の発想が強みです。性能監視やリソースの推移を継続的に観察することで、障害化する前に対策を打つことを目指します。

障害発生件数そのものを減らし、対応に追われる状況からの脱却を図りたい企業にとって、有効なアプローチです。

得意領域・実績

インフラの安定運用と障害の予防に強みを持ち、即時の障害検知から復旧支援までを一貫して提供しています。安定稼働が事業の前提となるシステムを運用し、できるだけ障害を発生させたくない企業に向いています。

事後対応の速さだけでなく、障害そのものを減らす取り組みを評価軸に置く場合に、検討候補となるサービスです。

ITシステム障害対応パートナー選びのポイント

障害対応パートナーの選定基準として、対応範囲とSLA、再発防止とベンダーコントロールの体制、自社環境との相性を3枚のパネルで示した図解。
各社の提案をこの3つの観点にそろえると、違いを整理しやすくなります。

6社を比べてきましたが、最適なパートナーは自社のシステム環境と求める対応範囲によって変わります。発注先を絞り込む際には、必ず確認したい評価軸が3つあります。対応範囲とSLA、再発防止とベンダーコントロールの体制、自社環境との相性です。

費用の安さだけで選ぶと、肝心の障害時に期待した対応が得られないことがあります。そのため、対応範囲・SLA・体制を合わせて見ることが欠かせません。

対応範囲とSLAの確認方法

まず確認すべきは、サービスが「監視まで」なのか「一次対応まで」なのか「二次対応・原因調査まで」なのかという対応範囲です。監視と障害対応が別契約になっている場合、検知後の動きが鈍ければ意味がありません。

あわせて、検知から連絡までの時間や目標復旧時間がSLAとして数値で約束されているかを必ず確認します。判断の目安としては、サービス全停止などの重大な障害で検知から15分以内に連絡し、1時間以内の復旧を目標とする水準、重大度が高い障害で30分以内にエスカレーションする水準が、一つの基準になります。

提案を受ける際は、自社のシステムにとって許容できる停止時間を先に決めておき、それを満たすSLAを提示できるかで比べると、各社を横並びで評価しやすくなります。

再発防止とベンダーコントロールの体制

障害対応は、復旧だけでなく再発を防いで初めて価値が出ます。そこで、障害後にポストモーテム(事後検証)や障害報告書を提出し、根本原因と再発防止策を示してくれるかを確認します。再発防止策が「気をつける」「チェックリストを追加する」といった個人頼みにとどまらず、予防・検知・影響範囲の最小化を仕組みとして示せるかどうかが、品質の高いパートナーを見分ける目安です。

外部ベンダーに委託する場合は、ベンダーをコントロールする視点も欠かせません。提出された障害報告書(RCA)の内容が妥当か、原因の深掘りが浅ければ差し戻して再調査を求められるか、SLA違反があった際の対応はどうなるかを、契約前に取り決めておきます。

委託したあとも報告の質を発注者側がチェックする体制を持つことが、長期的な信頼性につながります。

自社環境との相性と体制の適合性

各社には得意領域があります。オンプレミスやサーバー運用に強い会社、AWSなどクラウドに特化した会社、開発から運用まで一気通貫で支援できる会社など、得意分野が自社のシステム環境と合うかを見極めます。クラウド中心のシステムにオンプレ専門の事業者を選んでも、十分な力を発揮できません。

あわせて、自社の人員体制との相性も見ておきます。社内に運用エンジニアがほとんどいない場合は、一次対応から原因調査まで任せられるパートナーが向きます。一方、社内チームがあり夜間・休日だけ補完したい場合は、縮退運転を前提に役割分担を一緒に設計してくれる伴走型のパートナーが有効です。

複数社から提案を受け、SLA・対応範囲・費用感を横並びで比較したうえで決定することをおすすめします。費用の内訳についてはITシステム障害対応の費用相場、委託の進め方についてはITシステム障害対応の外注・委託方法もご参照ください。

ポイント

対応範囲とSLAの数値、再発防止の体制、自社環境との相性を合わせて見るのが判断の目安です。費用の安さだけで選ぶと、障害時に期待した対応が得られないおそれがあります。

まとめ

障害を完全になくすことは難しくても、検知と復旧を速くし、再発防止の仕組みを備えておけば、事業への影響は大きく抑えられます。

取り上げた6社は、開発から運用まで一気通貫で支援する株式会社riplaをはじめ、運用専業のアールワークス、ITIL準拠のコムチュア、有人監視に強いネットアシストです。残りは、AWS特化のNHN テコラスと、予防保守を重視するアイビーシーです。対応範囲・SLA・体制の観点から比べました。

パートナー選びでは、監視だけでなくどこまで対応するかを確かめ、SLAが数値で約束されているかも見ます。そのうえで、再発防止やベンダーコントロールまで踏み込めるか、自社のシステム環境と人員体制に合っているかを総合的に判断します。

とくに人員の少ない組織では、縮退運転を含めた体制づくりを一緒に考えてくれる伴走型のパートナーが、属人化の解消と担当者の負担軽減に役立ちます。複数社の提案を比べて、自社に合う障害対応体制を組み立ててください。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。