ITシステム保守監視でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

ITシステム保守監視の委託先は、価格だけでなく、対応範囲・SLA・セキュリティ認証・自動化率の観点で比べて選ぶのが基本です。

ripla、cloudpack、ReSM、Datadog、Site24x7、NTTデータグループの6社を、この観点から比較します。

ITシステム保守監視のパートナー選びが重要な理由

保守監視を中央に、稼働の継続確認や異常の原因切り分け、復旧などを周囲に示す図。
確認から復旧までを支える監視体制を示しています。

保守監視とは、サーバー、ネットワーク、アプリケーションの稼働を継続的に確認し、異常が起きたときに原因を切り分けて復旧につなげる業務です。そのため、有人の24時間365日監視と監視ツールの自動化を組み合わせ、停止を防ぐ体制を整えます。

経済産業省は2030年にIT人材が最大約79万人不足すると試算しており、社内の人員だけで既存システムを支え続けるのは難しくなっています。そのため、委託先の選定は運用体制を左右する経営上の判断になります。

平常時には目立ちにくい保守監視も、重大障害が起きれば事業に大きな損失をもたらします。だからこそ、パートナーの対応力は、システムの稼働品質だけでなく事業継続性にも関わります。

適切なパートナー選定が稼働品質を分ける理由

トヨタ自動車では、アジャイル開発のPoC増加に伴って拡大したAWS環境の監視を外部へ委託しました。その結果、開発メンバーが本来の業務に集中できる体制が整っています。

また、バンダイナムコオンラインは、オンラインゲームサーバーの監視を委託しています。24時間365日の有人監視と独自の自動監視を組み合わせ、サービス停止のない稼働を実現しました。

委託先を誤ると、運用がブラックボックス化したり、社内ノウハウが失われたり、ベンダーロックインを招いたりします。

たとえば、安さだけで決めると、要件が曖昧なまま追加費用が発生することがあります。逆に、過剰な機能のツールを選ぶと、費用が無駄になります。そのため、価格だけでなく、対応範囲・SLA・セキュリティ体制をまとめて比べる必要があります。

  • 負担の軽減:委託で夜間・休日の負担を抑え、社内人材を攻めのITに振り向ける
  • トヨタ自動車:AWS環境の監視を委託し、開発メンバーが本来業務に集中
  • バンダイナムコオンライン:有人と独自の自動監視で停止のない運用を実現

「攻めのIT」には、DXや新規企画などが含まれます。

発注前に確認すべき比較の観点

比較では、候補ごとに委託範囲、SLA、セキュリティ認証、自動化率を確認します。範囲によって、費用と必要な体制が変わります。

SLAでは、稼働率99.9%以上や、インシデント応答30分以内といった品質保証の数値が、契約で明文化されているかを見ます。

残りはセキュリティ認証と自動化率です。特に、ISMS(ISO27001)やプライバシーマークの取得状況は、機密情報を扱う監視業務を任せるかどうかを判断する材料になります。

また、自動化できるアラートの割合は、対応の速さと費用に関わります。先進的な運用では、約80%を自動処理し、残る約20%を人が対応する例もあります。

  • 対応範囲:フル委託か、一次対応などに限る部分委託か
  • SLA:稼働率や応答時間の保証が明文化され、業務に合っているか
  • セキュリティ認証と自動化率:認証の取得状況、自動処理の割合と人が担う範囲

フル委託は、監視・通知から復旧までを任せる形です。部分(セレクティブ)委託は、一次対応などに絞る形です。

ポイント

委託先を選ぶときは、社内の人員や夜間・休日の負担、停止が事業に与える影響の大きさに照らして考えます。価格だけで比べると、運用の質や追加費用の見通しを誤るおそれがあります。

株式会社ripla|コンサルから開発・保守監視まで一気通貫で支援

riplaは、コンサルティングから開発までを一貫して支援します。IT事業会社として社内DXを進めた経験があり、その経験をもとに、ビジネス成果の創出やシステムの定着を支えてきました。

riplaは、基幹システムの構築・導入実績が幅広く、業務要件に応じて対応できます。

システムを納品して終わりにせず、稼働後の監視設計、運用ルールづくり、改善まで見据えて支援するのが特徴です。この支援は、業務や事業目標に沿った体制を一緒に設計したい企業向けです。

特徴と強み

上流のコンサルティング、設計・開発、稼働後の監視を分けずに支援できる点が強みです。

監視専業の事業者は、業務背景が伝わりにくい場合があります。一方、riplaはシステムを利用する事業会社側の視点を持っています。そのため、監視指標やアラートの閾値を、業務への影響から考えて設計できます。

委託後も社内に知識を残すため、文書化や導入後の並走(ハイパーケア)を重視しています。将来の内製化を視野に入れ、運用をブラックボックス化させずに委託したい企業に適しています。

得意領域・実績

営業・顧客・生産・販売管理など、業務に深く関わる基幹システムの構築・導入実績があります。基幹システムが停止すると業務全体に影響するため、監視設計は事業継続性に直結します。

業務を理解したうえで、重要システムの運用を支援できる点が特徴です。

体制づくりやコンサルから運用までの一貫支援を相談する際は、ITシステム保守監視の進め方、ITシステム保守監視の費用相場も参考になります。

株式会社アイレット(cloudpack)|自動化率の高さが特徴のMSP

cloudpackのアラート自動処理約80%と人の対応約20%、24時間365日の運用監視を示す図。
アラートの多くを自動処理し、人の対応と組み合わせています。

アイレットは「cloudpack」ブランドで、AWSなどの設計・構築から24時間365日の運用監視までを担うMSP(マネージドサービスプロバイダー)です。

クラウド保守監視では国内トップクラスの実績があります。さらに、AWSプレミアティアサービスパートナーにも認定されています。cloudpackは、クラウド移行と監視をまとめて依頼したい企業にとって、有力な候補になります。

特徴と強み

cloudpackは、アラートの約80%を社内システム(AMS)で自動処理し、残る約20%を人が対応します。この仕組みによって、夜間・休日の監視品質を保ちつつ、対応費用を抑えています。そのため、自動化を重視して委託先を選ぶ企業に合います。

クラウドネイティブな監視ツールの選定や導入から、検知後の一次切り分け、エスカレーションまで一括して提供しています。社内にクラウド運用の知見が少ない場合でも、ツール導入と運用をまとめて依頼できます。

得意領域・実績

AWS・Google Cloud・Microsoft Azureの運用監視に実績があります。加えて、Webサービス、ゲーム、メディアなど、アクセス量が変動するシステムも得意としています。

自動スケーリングに連動する監視を設計できるため、拡張性が求められるクラウド環境を自動化して効率よく運用したい企業にとって、選択肢になります。

ポイント

自動化率を比べるときは、アラートのどこまでを自動処理するかと、その結果として費用と対応速度がどう変わるかを基準にします。

株式会社データ・ジオメトリックス(ReSM)|アラートフィルタリングに強い監視代行

ReSMは、DTSグループのクラウド監視・運用代行サービスです。24時間365日の監視を月額制で提供しており、中堅・中小企業でも利用しやすい価格帯が特徴です。

ReSMは、クラウドとオンプレミスの双方に対応し、監視から一次対応、エスカレーションまでを担います。

特徴と強み

独自の仕組みで、アラートの約80%をフィルタリングし、対応が必要な通知を担当者へ届けます。通知が多すぎることで起きる「アラート疲労」や、警告が常態化して重大障害を見落とす「オオカミ少年化」を防ぎやすい点が強みです。

月額制の範囲内で委託内容を選べるため、全面委託にも、一次対応だけの部分委託にも対応できます。対応範囲の柔軟さとアラート自動化の両方を重視する企業に合います。

得意領域・実績

AWSやAzureなどのクラウド基盤を中心に、Web・業務システムの監視代行を手がけます。大手SIerであるDTSグループの一員としての安心感と、月額制で明確な料金体系を両立しています。

ReSMは、小さく監視代行を始めたい中堅・中小企業に向く選択肢です。

Datadog Japan|統合監視プラットフォームという選択肢

Datadogは、インフラからアプリケーション、ログ、セキュリティまでを横断して監視する統合プラットフォームを提供するグローバル企業です。

SaaSのため、監視サーバーを自社で構築せずに利用できます。クラウド環境の可観測性(オブザーバビリティ)向上に使われています。また、AIOpsによる異常検知や予測にも対応します。

特徴と強み

数百を超えるインテグレーションを通じて、多様なクラウドサービスやミドルウェアをまとめて監視できます。

複雑なマルチクラウド環境でも状況を一画面で把握でき、高速な分析や充実したセキュリティ機能も備えた高機能なプラットフォームです。

ただし、機能を使いこなすには相応の知識が必要で、利用量に応じて費用が高くなる点にも注意が必要です。簡単な設定と低価格を重視するツールとは性格が異なるため、自社の技術力と監視要件に合うかを確かめてください。

得意領域・実績

大規模で複雑なマイクロサービスを持つ企業や、可観測性を重視する開発組織に適しています。運用は、ツールを導入したうえで、自社または委託先のエンジニアが担う形が基本です。

社内に一定の運用体制がある企業や、委託先と監視基盤を一緒に構築したい企業に適しており、必要に応じて監視代行と組み合わせることもできます。

Site24x7(ゾーホージャパン)|手軽さとコストを重視する選択肢

Site24x7は、ゾーホージャパンのクラウド型統合監視サービスです。サーバーやネットワーク、Webサイトやアプリケーションを、低コストで手軽に監視できます。

さらに、専門知識が限られていても短時間で設定しやすく、小規模な導入から始められます。世界各地の企業で利用されています。

特徴と強み

設定が容易で低価格なのが特徴です。Datadogのような高機能製品と比べると、日常的な監視に必要な機能を手頃に利用できます。

多機能な統合ツールが自社には過剰な場合は、手軽なツールから小さく始める方法もあります。

一方で、セキュリティ機能は高機能な製品より控えめです。機密性の高いシステムや厳格な要件がある場合は、必要条件を満たすかを慎重に確認したうえで、自社の監視要件に見合った製品を選びます。

得意領域・実績

Webサイト・ECサイトや中小規模のサーバー・ネットワーク監視で使われています。

監視ツールを初めて導入する企業や、低コストで体制を始めたい企業に適しています。監視対象が増えたり、高度な分析が必要になったりした場合は、上位ツールや監視代行へ段階的に移ることもできます。

NTTデータグループ|大規模・ミッションクリティカル向けの選択肢

NTTデータグループは、金融・公共・社会インフラなど、停止が許されないシステムの構築・運用で国内最大級の実績を持つ大手SIerです。

大規模で重要度の高いシステムを24時間365日監視する堅牢な体制とガバナンスを備えています。必要な予算を確保したうえで、停止できないシステムを任せたい企業にとって、信頼性の高い候補です。

特徴と強み

大規模システムの運用知見に加えて、厳格なセキュリティや品質管理を強みとしています。ISMSなどの認証を取得しており、官公庁や金融機関の要件にも対応します。

SLAやKPIによる品質管理、定期レポートとレビュー会を通じたPDCAも提供しています。こうした体制は、認証や品質管理を重視する企業に適しています。

人員とグループの技術力を背景に、L1からL3までの階層型サポートを一社で提供します。さらに、複数ベンダーが関わる環境の調整や、複雑なシステム連携の監視にも対応でき、総合力を備えています。

得意領域・実績

金融機関の勘定系、公共インフラ、大企業の基幹系など、社会的影響の大きいシステムの監視に強みがあります。一方で、堅牢な体制に見合う費用が必要になるため、中小企業が小さく始める用途には必ずしも合いません。

システム規模と許容できるリスクを踏まえて、停止が許されない要件があるかどうかで検討します。

ポイント

停止が許されないシステムを扱うかどうかが判断の出発点です。必要な予算を確保できるかと、認証や品質管理をどこまで求めるかを合わせて考えます。

ITシステム保守監視のパートナー選びのポイント

保守監視の委託先選びで確認する委託範囲、SLA、セキュリティ認証、自動化率などを示す図。
複数の観点を契約内容と日々の運用に照らして確認します。

6社のうちどこが適するかは、システム環境や規模、予算、セキュリティ要件によって異なります。そのため、対応範囲・SLA・セキュリティ認証・自動化率の各観点を、契約と運用の確認事項に落とし込んで比べることが大切です。

対応範囲とSLAの妥当性の確認

最初に、委託範囲をフル委託にするか、部分(セレクティブ)委託にするかを決めます。監視・検知から一次対応、復旧まで任せるフル委託は負担を減らせる一方で、費用が高くなり、運用が見えにくくなることもあります。

一次対応だけを切り出せば、社内にノウハウを残しながら負荷を下げられます。範囲は、社内のリソースと将来の内製化方針を基準に選びます。

SLAでは、稼働率99.9%以上やインシデント応答30分以内などの基準が明文化されているかを確認します。あわせて、数値が自社業務に対して過剰でも不足でもないかも評価します。

必要以上に高い保証は費用を押し上げるため、事業への影響に釣り合う水準を選びます。

  • 委託範囲:監視から復旧まで任せるか、一次対応などに絞るか
  • 費用と運用知識:範囲に応じた費用と、社内に残す運用知識のバランス
  • SLA:稼働率と応答時間を明文化し、業務影響に見合う水準か

セキュリティ認証と自動化率の評価

金融・医療・公共など機微なデータを扱う場合は、認証の有無が委託条件になることもあります。たとえば、NTTデータグループのように厳格な認証体制を持つ候補は、この観点から検討できます。

自動化率については、cloudpackやReSMでアラートの約80%を自動処理またはフィルタリングする運用例があります。自動化の範囲は、応答速度や費用効率に関わり、人的ミスや遅延の抑制、MTTR(平均修復時間)の短縮にもつながることがあります。そのため、各社に、何をどこまで自動化できるのかを具体的に確認します。

  • 認証の取得:ISMS(ISO27001)やプライバシーマークの有無
  • 扱うデータ:必要な認証条件を満たすか(金融・医療・公共など)
  • 自動化の範囲:自動処理の対象と割合、人が行う対応の範囲

監視担当者はシステム内部の情報やログに触れるため、認証の有無は委託先を選ぶうえで大事な判断材料になります。

ブラックボックス化とロックインの回避

委託先に任せきりにすると、社内に知識が残らず、他社への移行や内製化が難しくなることがあります。

事前に文書を整え、3〜6か月の並走期間(ハイパーケア)を設けて双方で知識を共有すれば、こうしたブラックボックス化やロックインを避けやすくなります。

委託後も社内に知識を残す方針のパートナーであれば、将来の選択肢を保てます。契約や進め方はITシステム保守監視の発注・外注方法、全体像はITシステム保守監視の完全ガイドも参照できます。

ポイント

6社のどこが適するかは、規模や予算、セキュリティ要件で変わります。委託範囲、SLA、認証、自動化率、ブラックボックス化の回避を、契約と運用の確認事項まで落とし込んで比べることが大切です。

まとめ

ITシステム保守監視の委託先として、ripla、cloudpack、ReSM、Datadog、Site24x7、NTTデータグループを紹介しました。

各社の強みは異なり、一貫支援や自動化、統合監視を売りにする会社もあれば、アラートの絞り込みや導入の手軽さ、大規模システムへの対応を強みとする会社もあります。

自社の規模や予算、セキュリティ要件、内製化方針に合わせて、必要な委託範囲と相手を選びます。

各社を見る際は、アラートの約80%を自動化する運用例や、稼働率99.9%以上のSLAを比べる材料にしつつ、運用の状況が見えるかどうかと、将来の移行可能性を契約時に確かめます。

体制づくりに迷う場合は、コンサルティングから運用まで支援するriplaに、現状の課題を相談できます。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。