医療機関向けの医療材料管理システムは、管理対象、院内業務の範囲、既存システムとの連携方法によって、在庫から使用・請求までの管理内容が変わります。
管理対象が院内物流と使用・請求にまたがるため、発注前に業務の範囲と連携先を決めておくと、提案を比べやすくなります。
▼関連記事一覧
・医療機関向け医療材料管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・医療機関向け医療材料管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・医療機関向け医療材料管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・医療機関向け医療材料管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
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医療機関向け医療材料管理システムの定義
医療機関向け医療材料管理システムは、在庫の数量だけでなく、品目や規格、ロット、期限を関連付けて管理します。さらに、保管場所や使用先、請求状況も結び付けます。医薬品管理や医療機器管理と重なる部分はありますが、対象物と業務単位が異なるため、同じ仕組みでそのまま扱えるとは限りません。
購買から廃棄までをつなぐ院内物流の仕組み
管理対象は、注射器やカテーテル、手術用手袋などです。縫合糸や人工関節関連品、検査用消耗品も含まれます。
システムは、発注品の納品、倉庫や部署の棚への保管、病棟・手術室・カテーテル室への払出を記録します。さらに、患者別または診療行為別の使用も追跡します。
預託品や持込品は、購入在庫と所有権が異なる品目です。使用時の請求・精算まで追えるよう、購入在庫とは区別して管理します。
医薬品管理・医療機器管理との対象範囲の違い
医薬品管理では、薬価や調剤、投与、薬剤師による確認などが中心です。一方、医療機器管理では機器台帳や点検、修理を扱うほか、貸出や保守契約も含みます。
医療材料管理では、診療科別の定数補充や、ロット・期限の扱いが主な論点です。さらに、手術での使用実績や保険請求対象材料の計上も問われます。
業務が違えば責任者もデータ項目も異なるため、複数の領域を一つの基盤にまとめる場合も、業務ごとに責任者とデータ項目を分けて定めます。
物品管理に加えて業務運用まで含むSPDの概念
SPDでは、院内物流の標準化と委託範囲を、対象業務、導入形態、責任分界の3点で見ます。
- 対象業務:発注から補充までの一連の工程。
- 導入形態:システムだけで運用する形と、搬送や棚補充を外部委託する形。
- 責任分界:委託範囲と、病院側に残す判断をセットで決める点。
2023年の病院調査では、SPD業務を委託している病院は78.3%と報告されています(出典: 医療科学研究所「医療材料SPDの業務委託範囲に関する考察」、2025年早期公開)。
医療材料管理システムの主な機能と導入効果

導入効果は在庫金額だけで評価せず、在庫金額だけでは見えにくい面も含めて測ります。具体的には、欠品による手術準備の遅れや期限切れ廃棄、棚卸・発注の時間を導入前に測ります。請求漏れやリコール時の所在確認時間も、導入前の基準として押さえておきます。導入後も同じ指標で測り、前後を比較します。
医療材料マスターの整備と維持
マスターに登録する項目と、登録後に維持する内容を整理しておきます。
- 品目情報:メーカー名と販売名、規格と包装単位。仕入先も含みます。
- 院内管理情報:院内コードとJAN・GS1コード、保管場所と定数。
- 追跡・請求情報:ロット、有効期限、償還に関する情報を登録します。
- 更新管理:新規採用品、販売終了品、規格変更品の担当を決め、病院固有コードとの対応表を管理します。
同じ材料でも部署ごとに略称や単位が異なると、重複発注や集計ミスにつながります。
発注・入荷・定数・棚卸の連動
発注後の在庫の動きを追えるよう、補充、履歴、入力の扱いを整理します。
- 補充候補:定数・発注点と現在庫・未入荷数をもとに算出する候補。
- 作業履歴:発注と検品、返品の記録に加え、病棟への移動や棚卸差異の承認も残します。
- 読取入力:ハンディターミナルやタブレットでバーコードを読み、手入力を減らす方式。
データの正確性を上げるには、入庫・払出・棚卸の各場面で誰が確定するかを決めておく必要があります。
使用・請求・ロット追跡による安全性と収益性の向上
使用材料を患者番号や診療行為、使用部署と結び付けます。使用日時やロット番号も加えると、所在や使用先を短時間で確認できます。
請求対象材料を医事会計へ連携すれば、使用済みなのに未請求の材料を確認できます。
預託品、持込品、無償サンプルは購入在庫と別に区分します。このように区分すると、費用計上や返却の判断を誤りにくくなります。
在庫回転・期限切れ・価格差の分析
帳票で把握する項目と、導入効果を測る指標を分けて設計します。
- 在庫状況:在庫金額と回転日数、滞留品を出力します。期限切れ廃棄額と欠品回数も含めます。
- 利用・購買状況:部署別使用量、仕入先別単価、請求漏れ候補を確認します。
- 効果指標:欠品を増やさずに在庫を抑えられたか、棚卸時間や期限切れを減らせたかを測ります。
月次の改善会議で同じ指標を追える帳票にしておくと、継続利用につながりやすくなります。
医療材料管理システムの種類と選び方
方式は、標準機能を使うパッケージ、クラウド型サービス、要件に合わせる個別開発に大別できます。
読み取り方式(バーコード・GS1かRFIDか)や、SPD業務を自院で行うか委託するかによっても、必要な機能と費用が変わります。
標準業務を早く整えたい病院向けのパッケージ・オンプレミス
標準機能として発注から払出までを備えたパッケージは、ゼロから作るより短期間で始めやすい選択肢です。定数補充と棚卸、期限管理も、標準機能の範囲に入ります。
院内ネットワークで運用したい場合や既存端末・サーバーを使う場合は、オンプレミス型も候補です。
サーバーの更新や保守終了、バックアップ、災害時の復旧は、どこまでを自院が負担するかを契約前に確認します。
複数部署・複数施設へ展開しやすいクラウドSaaS
クラウド型を選ぶ際は、運用上の利点と停止時の備えを確認します。
- 運用負担:専用サーバーを抑え、更新やバックアップをサービス側へ任せやすい方式です。
- 利用場面:複数病院の在庫・購買・使用量を本部で集計する場合や、タブレットで現場入力する場合に適します。
- 契約・障害対応:通信断時のオフライン運用、保管場所と認証を確認します。監査ログと返却形式、停止時の代替手順も見ておきます。
- 情報の扱い:患者・手術情報と結び付く材料情報を、在庫データより慎重に扱う点。
特殊な業務や深い連携がある場合の個別開発
個別開発を検討する条件と、進める際の注意点を確認します。
- 検討条件:特殊な手術材料や預託品の精算、独自請求がある場合です。グループ病院間の価格比較や、既存システムとの複雑な連携がある場合も含みます。
- 負担:自由度が高い一方で、要件漏れやマスター移行が費用と期間に影響します。現場テストと保守人材の確保も、費用と期間に影響します。
- 段階導入:1倉庫か1診療科で最小構成から始め、効果と運用課題を見て広げる進め方。
現場の読み取り条件によるバーコードとRFIDの使い分け
読み取り方式は、確認したい対象と現場環境に応じて選びます。
- GS1バーコード:商品、ロット、有効期限を読みやすく、費用と運用のバランスを取りやすい方式です。
- RFID:複数タグをまとめて読み、手術室などで個品を効率よく確認できる可能性があります。
- 導入課題:読み取り精度とタグの貼付位置、電波環境やネットワーク障害、確定操作の忘れ。
2025年の研究では、両方式の負担軽減・追跡性向上と、読取精度や通信障害、確定忘れによる欠損が報告されています(出典: 日本手術医学会誌、2025年46巻2号、2026年6月公開)。
医療材料管理システム開発・導入の進め方

画面の形より先に、材料の入荷から棚、使用確定、請求データ連携までの流れを一覧にします。
情報システム部門に加え、用度・購買、薬剤、医事の担当者も巻き込みます。看護や臨床工学、手術室の担当者に加え、経営企画やSPD担当者も関わります。
導入は次の順で進め、現場での操作と効果を確かめながら展開します。
- 現状調査で業務量と例外処理を把握する
- 要件定義とマスター整備を並行する
- 1部署のPoCで操作回数と効果を検証する
- 連携・受入テストと並行稼働を行う
▶ 詳細はこちら:医療機関向け医療材料管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
現状調査での業務量と例外処理の把握
現状調査では、業務量・既存手順・例外処理をまとめて把握します。
- 規模:品目数、月間発注・入荷・払出件数、倉庫数を調べます。部署数と端末数も含めます。
- 管理状況:棚卸頻度、預託品比率、ロット・期限管理品の割合を確認します。
- 既存手順:紙・Excel、二重入力、手作業の発注点判断を記録します。請求確認の流れも含めます。
- 例外処理:緊急手術や返品、規格変更を業務フローに含めます。納品不足や材料の持込、通信断も対象です。
要件定義とマスター整備の並行作業
要件定義とマスター整備では、決める内容を並行して整理します。
- 必須項目:品目と単位、ロットと期限を決めます。定数と保管場所、使用先と請求区分も決めます。
- 接続先:電子カルテと手術部門、医事会計と購買会計、物流委託先を確認します。
- 連携仕様:データ項目、コード体系、送受信方式を一覧にします。エラー時の再送方法と責任部署も含めます。
- マスター整備:名寄せと不要品の整理を早期に始めます。
整備を後回しにすると、完成後も登録できない品目や重複品が残ります。
1部署でのPoCによる操作回数と効果の検証
PoCでは、限定した現場で実運用と導入効果を検証します。
- 対象範囲:全院展開の前に、倉庫・病棟・手術室など一つの現場を選びます。
- 操作性:発注から棚卸までを試し、読取回数や片手操作を確かめます。
- 例外対応:通信不安定時の復旧と入力漏れの確認担当を、実際の勤務帯で検証します。
- 効果測定:棚卸時間と欠品件数、期限切れ廃棄額と請求確認時間を、導入前後で測ります。
測定結果は、全院展開を判断する材料として使います。
連携テスト・受入テスト・並行稼働
本稼働前後には、連携・現場受入・移行後の照合を行います。
- 連携テスト:コード不一致と重複送信、遅延と取消を試します。数量差異や患者情報の未連携も確かめます。
- 受入テスト:実際の勤務者が通常条件で操作し、現場でエラーから復旧できるか確認します。
- 並行稼働:旧台帳や緊急時の紙運用を一定期間残し、在庫差異と請求データを照合します。
- 教育:短い操作手順と問い合わせ先を部署ごとに用意し、導入時の一回限りで終わらせない形にします。
医療材料管理システムの費用相場と内訳
料金は病床数だけで決まらず、品目数と対象部署、端末、連携先によって変わります。マスター移行や管理粒度、教育、SPDの範囲でも差が出ます。
次に示すのは2026年時点の予算目安です。これは統一された公表相場ではなく、公開料金と近接する医療系事例に基づく推定レンジです。
▶ 詳細はこちら:医療機関向け医療材料管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
小規模なクラウド利用の費用目安(初期30万〜80万円、月額2万〜5万円)
小規模診療所で機能を絞る場合の費用と、参考にできる公開料金を示します。
- 対象範囲:QR・バーコードと発注、期限と棚卸、CSV出力に機能を絞るケースです。
- 予算目安:初期30万〜80万円、月額2万〜5万円程度です。
- 公開例:初期30万円以上、月額2万円以上、導入1〜2か月です。
公開例は医薬品管理が対象です(出典: 医療機関向けクラウド型在庫管理サービスの公開料金ページ、2026年確認)。ただし、医療材料のマスター整備やGS1対応は別途見積もりです。
標準SPDの費用目安(初期500万〜1,200万円、月額10万〜40万円程度)
100〜300床程度の病院で標準機能を組み合わせる場合の概算です。
- 対象機能:倉庫・病棟の定数管理、発注・入荷、払出です。棚卸とロット・期限、GS1、基本的な請求連携も含みます。
- 費用:初期500万〜1,200万円程度、月額10万〜40万円程度です。
- 導入期間:6〜12か月程度を想定します。
比べる際は、端末やラベル、マスター登録まで含めて見ます。現地設定と教育、連携テスト、保守も対象です。期間は病院規模や既存システムの状態で前後します。
大規模な個別開発の費用目安(初期1,200万〜3,000万円以上)
複数施設や複雑な管理・連携を含める場合は、初期費用と期間が大きくなることがあります。
- 追加要件:購買分析、電子カルテ・医事会計・手術部門連携、RFIDが費用に影響します。
- 管理範囲:患者別ロットと複雑な預託品精算、移行と災害対策を含む場合、初期1,200万〜3,000万円以上となることがあります。
- 期間:12〜18か月以上となる場合があります。
公開事例では、約600名規模の器材管理に850万円を要し、開発期間は1年でした。この金額には、要件定義と設計、開発と導入、保守などが含まれます(出典: 病院向け器材管理システムの公開導入事例、2025年6月)。
医療材料管理全体の価格ではなく、個別開発の工数感をつかむための参考値です。
見積もりで分けて確認する本体以外の費用
見積もりでは導入時・稼働後・契約終了時の費用を分けて確認します。
- 設計・開発:企画と要件定義、業務設計、画面・API開発を確認します。
- 導入:マスター整備と移行、連携、端末・ラベル・読取機器を含めます。クラウドとセキュリティ、テストや教育、現地展開も対象です。
- 稼働後・終了時:保守とサポート、追加帳票、連携変更を確認します。問い合わせ対応とデータ返却、移行支援も見ます。
利用者数や端末数、保存量に応じた従量課金になる場合があります。そのため、5年間の総保有コストで比べます。
医療材料管理システムの開発会社・ベンダーの選び方

見るべきは知名度や機能数の多さより、自院の業務を理解し、マスター・連携・現場運用まで担えるかどうかです。
ソフト、マスター支援、SPDの搬送・補充を、別々の事業者が担う場合もあります。そのため、契約先と再委託先、障害窓口を整理しておきます。
医療材料・SPDの業務知識と導入実績
提案内容は、業務知識、導入実績、操作デモの三つの観点で確認します。
- 業務知識:手術材料や預託品、GS1-128について説明できるかを確かめます。ロット・期限と部署定数、使用材料の請求も説明の対象です。
- 導入実績:施設数に加えて、病床規模や対象部署、品目数を尋ねます。連携先と稼働期間、導入後の課題と改善方法も聞きます。
- 操作デモ:現場担当者と、実データに近い条件で発注から使用確定まで確認します。
連携仕様とマスター更新の責任分界
電子カルテや医事会計、手術部門との連携方式を確認します。購買・会計と物流委託先も対象に含めます。
方式には、API、CSV、専用電文などがあります。
さらに、仕様変更の検知担当、テスト環境の用意、エラー時の再送担当も決めておきます。新規採用品や販売終了、規格変更に加えて、コード変換と価格改定についても、誰がいつ更新するかを決め、契約書や運用設計書に残します。
セキュリティ・保守・データ返却の評価
契約前に、情報保護、障害対応、継続支援の条件を見比べます。
- アクセス管理:権限や職種・部署ごとの制御、多要素認証を確認します。通信・保存時の暗号化も見ます。
- 運用保護:操作ログとバックアップ、復旧目標を確認します。脆弱性対応や委託先管理、障害時の連絡体制も見ます。
- クラウド契約:データセンターと再委託、ログ保存期間を確認します。解約時のデータ形式と削除方法も見ます。
- 継続支援:5年後もマスター更新や法令・連携仕様変更に対応できる体制か評価します。
同じRFPによる複数提案と見積もりの比較
提案を同じ条件で比べられるよう、RFPと見積もりの項目をそろえます。
- 施設・業務条件:病床数、部署、品目数を記載します。月間入出庫件数と端末数も書きます。
- 機能・連携条件:GS1・RFIDとロット・期限の粒度、預託品の扱いを示します。請求連携や既存システムとの連携の条件も示します。
- 移行・運用条件:データ移行と教育、保守とBCPを含めます。
- 見積区分:本体、カスタマイズ、連携を分けて書きます。マスターと機器、導入支援、保守と追加費用も、項目ごとに切り分けます。
- 評価軸:機能適合と操作回数、現場負担、導入期間を点数にします。データ可搬性と責任分界も点数化します。
▶ 詳細はこちら:医療機関向け医療材料管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
▶ 詳細はこちら:医療機関向け医療材料管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
導入で失敗しやすいポイントと対策
失敗は機能不足より、対象業務や責任者が曖昧なまま進む導入で起こりやすくなります。用度や看護、手術室の業務は医事や購買、委託先とつながっているため、一部署だけを効率化すると、負担が他部署に移ります。
後回しにしないマスター整備
Excelや紙台帳をそのまま移すと、同一品目の重複や単位違い、販売終了品まで持ち込まれます。さらに、部署ごとの略称も残ったままになります。
導入前に重複候補を洗い出し、名称と規格、単位とコードのルールを決めます。定数や保管場所、請求区分のルールも決めます。
移行データは一括登録後に、サンプルで照合します。発注から払出、請求までつながるかを確認します。
現場の操作負担の数値による検証
忙しい時間帯にも紙の補助表に頼らず使えるか、実業務で確かめます。
- 操作測定:代表業務の読取回数、入力項目、所要時間を動画や実測で確認します。
- 参加者:看護師や技師、棚補充担当者に試してもらいます。医事担当者と夜勤者にも、操作を確かめてもらいます。
- 画面調整:職種ごとの権限と画面を調整します。
端末探しやログインに加えて、検索や数量入力、確定の操作が増えると、紙の補助表が残ります。
早期に固める連携の接続条件
稼働直前に電子カルテや医事会計との連携を確認すると、コード変換や責任分界が原因で延期しやすくなります。
そのため、要件定義の段階で、連携項目と送信時期、取消・訂正を決めます。エラー通知や再送、テストデータも決めておきます。
相手システムの改修費用と日程は別工程で見積もります。連携なしで始める暫定運用も設計します。
稼働条件としてのセキュリティと障害時の代替運用
稼働条件には、情報保護と障害時の代替運用を含めます。
- 障害時:ネットワーク停止時に紙記録・再入力・重複防止を備えないと、在庫と請求の信頼性が落ちます。
- セキュリティ:多要素認証と最小権限、暗号化、操作ログを要件にします。
- 復旧体制:バックアップ、復旧訓練、連絡網を整えます。
2026年6月、厚生労働省の安全管理ガイドライン第7.0版と、医療機関・薬局向けチェックリストが公開されました(出典: 厚生労働省、2026年6月)。
材料データが患者・手術情報と結び付く場合は、この基準を前提に委託先との役割を確認します。
2026年時点の最新動向と今後の論点
医療材料管理は、在庫を把握するところから、追跡や医事請求へ、さらに購買分析やサイバーセキュリティを含むデータ基盤へと広がっています。
新技術を入れること自体は目的にせず、安全性と現場負担、経営指標をどこまで改善できるかで優先順位を決めます。
システム選定と契約の中心にある安全管理
クラウド化や外部委託が進むほど、病院と提供者の責任分界を契約で明確にします。
アカウントの発行と停止、ログ監視、脆弱性の報告は、ベンダーに質問します。バックアップや復旧時間、事故時の連絡、データ返却は、契約前に確かめます。
第7.0版ガイドラインとチェックリストをRFPのセキュリティ要件や受入条件に反映すると、提案を比べやすくなります。
人の承認を前提にした需要予測や分析
使用量や季節性、手術予定から、発注候補や滞留品を分析できます。在庫回転や価格情報も使えます。ただし、AI予測の結果は自動発注には使わず、担当者が根拠と在庫状況を確かめてから承認します。
学習データには、患者情報や不要な個人情報を入れないようにする必要もあります。また、分析結果の出力先と利用目的も明確にします。
標準化した運用の複数施設への展開
グループ病院で品目名や定数、発注先、棚運用を共通化すると、購入単価や在庫を比べやすくなります。ただし、一律にそろえると、手術室や特殊診療科の安全要件を損なう場合があります。
共通化する項目と施設固有で残す項目を分け、1施設で運用を固めてから段階展開します。
医療機関向け医療材料管理システムのよくある質問
導入前によく出る質問をまとめています。自院の業務に当てはめて、ベンダーへの確認にお使いください。
小規模な診療所でも医療材料管理システムは導入できますか?
導入できます。品目数や部署数が少ない場合は、機能を発注・入荷と期限、棚卸と在庫数に絞る方法があります。クラウド型やパッケージを選ぶと、初期費用と教育負担を抑えやすくなります。
手術材料や請求連携を後から追加できるか、CSVなどでデータを出せるかを、契約前に確認します。
電子カルテや医事会計との連携は必須ですか?
必須とは限りません。ただし、患者別の使用材料や請求、手術情報を扱う場合は、連携の優先度が高くなります。
まずCSV出力や定期取込で始め、将来APIや専用電文へ拡張する方法もあります。
連携しない場合は、二重入力するデータと担当者、照合時期を決めて、入力漏れを防ぎます。
医療材料管理にはRFIDを導入した方がよいですか?
RFIDが常に最適とは限りません。ただし、大量の個品を短時間で読む手術室などでは候補になります。
対象品へのタグ付けと読取精度、電波環境に加えて、タグ費用や確定忘れへの対策が必要です。
GS1バーコードで運用を標準化し、そのうえでRFIDに向く工程だけPoCで検証すると、投資効果を判断しやすくなります。
クラウドで患者・手術と結び付く材料データを管理して安全ですか?
安全性は、クラウドかオンプレミスかだけでは決まりません。対策と役割分担は、次の3点で確認します。
- アクセス保護:利用者・部署ごとの権限と多要素認証を確認します。通信・保存時の暗号化と監査ログも見ます。
- 復旧・委託管理:バックアップと復旧訓練を定めます。委託先管理や障害時の代替運用も決めます。
- 基準と責任:厚生労働省の第7.0版ガイドラインとチェックリストに沿って、病院側と提供側の責任を契約に反映します。
まとめ
医療材料管理システムは、数量だけでなく、マスターや購買、院内物流を一連で管理します。使用や請求、ロット・期限、リコールまでつながる点が特徴です。
方式は、標準パッケージ、クラウドSaaS、個別開発から選びます。選ぶ基準は、病院規模や業務の特殊性、連携要件、運用体制です。
費用と機能に加えた、現場・マスター・連携の同時比較
費用だけでなく、追加条件・導入手順・効果測定をまとめて比較します。
- 価格条件:マスター整備と端末、連携と教育、保守とSPD委託の範囲をそろえます。
- 導入手順:現状調査と要件定義から始め、1部署のPoCと連携テストを経て、並行稼働と段階展開へ進みます。
- 効果測定:在庫金額と欠品、期限切れと請求漏れ、現場時間を、導入前後で測ります。
予算の目安は、小規模クラウドで初期30万〜80万円、標準SPDで初期500万〜1,200万円、大規模な個別開発で初期1,200万〜3,000万円以上です。
対象業務と評価指標の1枚整理
提案依頼の前に、自院の業務と評価条件を一枚にまとめます。
- 業務情報:対象部署と品目数、発注・払出・使用・請求の流れを記載します。既存システムも書き添えます。
- 評価条件:必要なコード、セキュリティ要件、改善したい指標を加え、複数提案を同じ条件で比べます。
必要・不要な機能を見極め、現場と管理部門で安全性と業務効率を両立する運用に合意してから導入します。
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・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
