飲食業界のシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

飲食業界のシステム開発費用は、開発方式、機能範囲、対応店舗数によって、80万円〜5,000万円以上まで幅があります。

スクラッチ開発かパッケージカスタマイズかで相場の区分が分かれ、同じ方式でも機能が複雑になったり対応店舗が増えたりするほど、金額は上がります。

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飲食業界のシステム開発の費用相場

スクラッチ開発の3つの規模とパッケージカスタマイズの費用幅を4枚のパネルで示した図。
スクラッチ開発は規模が大きい区分ほど費用幅も上がります。

スクラッチ開発は規模が大きくなるほど費用の幅が上がり、パッケージカスタマイズは別の区分で相場が示されます。

  • 小規模・単店舗のスクラッチ開発:150万円〜400万円。
  • 中規模・多店舗対応のスクラッチ開発:400万円〜1,500万円。
  • 大規模・チェーン本部対応のスクラッチ開発:1,500万円〜5,000万円以上。
  • パッケージカスタマイズ:80万円〜600万円。

スクラッチ開発は、ゼロから独自に作る方式で、自社の飲食業務フローに完全に対応できます。一方で、費用は高くなる傾向があります。

これに対して、パッケージカスタマイズは既存の飲食業向けシステムをベースにする方式です。標準機能で対応できる範囲が広いほど、カスタマイズにかかるコストを抑えられます。

ポイント

自社が小規模・単店舗か、多店舗か、パッケージを使うかで相場の区分が決まります。提示された額がどの区分に当たるかを見ると、高すぎるかどうかを判断する材料になります。

飲食業界のシステム開発費用の内訳

要件定義・設計費用

要件定義や設計は、飲食業特有の業務を整理する工程で、費用は開発全体の20〜30%が目安です。

  • 要件定義:40万円〜200万円。
  • 基本設計・詳細設計:60万円〜400万円。

ピーク時間帯の注文フローや原価計算、HACCP記録が複雑なほど、ヒアリングと設計に時間がかかります。

開発費用

開発費用はシステムの中核にあたり、搭載する機能の種類と複雑さによって大きく変わります。

  • POSシステム連携・注文管理:100万円〜500万円。
  • セルフオーダー・KDS:80万円〜300万円、50万円〜200万円。
  • 食材在庫・原価管理:80万円〜350万円。
  • デリバリー連携・予約管理:50万円〜200万円、80万円〜250万円。
  • HACCP記録・多店舗本部管理:50万円〜200万円、100万円〜400万円。

セルフオーダーはタブレットやQRでの注文に対応します。さらに、デリバリープラットフォームとの連携は、連携先ごとに費用が発生します。

テスト費用

テスト工程は、開発した機能を実際の営業に近い形で確認する工程です。費用は開発費用の15〜25%が目安で、テスト計画と実施には40万円〜250万円がかかります。特に飲食業では、営業環境に近い状態でのUATが欠かせません。

環境構築・インフラ費用

環境構築では、クラウドの初期費用と月額利用料を分けて見積もる必要があります。

  • クラウド環境構築:60万円〜250万円程度。
  • クラウド月額利用料:数万円〜数十万円。

また、クラウドの月額利用料は、稼働後も毎月かかる運用費用として、開発費用とは別に見ておく必要があります。なお、店舗内のネットワークや端末の環境は、クラウドとは別に見積もる必要があります。

ポイント

見積もりは工程ごとに分かれているため、どの工程にいくらかかるかを並べて比べると、金額の根拠が見えてきます。工程ごとの内訳を確かめる習慣が、比較の精度を上げます。

運用・保守費用

リリース後も保守は続くため、保守費用は開発費用の15〜20%/年が一般的な相場です。

  • 月額保守費:5万円〜80万円。
  • メニュー改定・機能追加対応:都度見積もりで5万円〜50万円/回。

メニュー改定や機能追加は月額保守費とは別に見積もる場合があるため、保守費だけを見て予算を組むと、後から費用が膨らむおそれがあります。

費用に影響する主なポイント

飲食業界のシステム開発費用を左右する、店舗管理や外部連携など5要素のハブ図。
店舗数や連携方式など、見積もり前に整理したい観点が並びます。

対応店舗数と多店舗管理の複雑さ

対応店舗数が多いほど開発費用は増えます。また、本部と店舗のどこまでを一括で管理するかも、あらかじめ確認しておく必要があります。

  • 一括管理機能:本部から店舗を管理する機能。
  • メニュー差異管理:店舗ごとの違いへの対応による工数の増加。

外部プラットフォームとの連携数

外部サービスとのAPI連携は、連携先の数に応じて費用が増えます。

  • デリバリープラットフォーム:Uber Eats・出前館・Woltなど。
  • 予約システム:ぐるなび・食べログ・Tableallなど。

1件あたりの連携には、50万円〜200万円程度のコストが見込まれます。

POSシステムとの連携複雑度

POSシステムとの連携方法と、利用するPOSの数によって、コストは変わります。

  • API提供あり:新しいPOSシステムとの連携で、コストは低めです。
  • 独自API・ファイル連携:既存POSシステムとの連携で、コストは中程度です。
  • 複数POSの混在:複数のPOSシステムがある環境で、コストは高めです。

既存環境の連携方式が分かれば、必要な開発工数を見積もりやすくなります。

セルフオーダー・タブレット端末の対応

セルフオーダーに対応する場合は、開発費用に加えて、端末の選定と設置の費用も考える必要があります。

  • テーブルオーダー端末:フロントエンド開発と端末対応。
  • QRコードオーダー:フロントエンド開発と端末対応が必要です。

テーブルオーダー端末やQRコードオーダーへの対応には、追加で80万円〜300万円がかかります。

ポイント

見積額に差が出たときは、店舗数や連携先の数がどれだけ費用を押し上げているかを見ると、差の理由を開発会社に尋ねやすくなります。

HACCP対応・食の安全管理機能

HACCP対応では、食の安全管理に関わる機能を実装します。これらの機能を追加する費用は、50万円〜200万円です。

  • 温度記録:食の安全管理に必要な記録。
  • アラート:温度などの状況を知らせる通知。
  • 行政への報告書出力:必要な報告書の出力。

開発方式別のコスト比較

スクラッチ開発のメリット・デメリット

スクラッチ開発は自由度が高い反面、費用と期間が大きくなりやすい方式です。特に、開発期間も6ヶ月〜1年以上かかります。

  • 業務フローへの対応:自社の飲食業務フローに完全に対応できる点。
  • 独自機能の追加:原価計算ロジックや独自メニュー構成の追加。
  • システム統合:既存POSや基幹システムとの深い統合。

ポイント

スクラッチ開発とパッケージカスタマイズは、業務フローにどこまで合わせるかで選び分けます。独自要件が多ければスクラッチ寄り、標準機能で足りればパッケージ寄りに考えると判断の目安になります。

パッケージカスタマイズのメリット・デメリット

パッケージカスタマイズは標準機能を使えるため、費用と期間を抑えやすい方式です。

  • 標準機能:飲食業向けのPOS・注文管理をすぐに使えること。
  • 費用・期間:スクラッチ開発より抑えられる水準。
  • パッケージの制約:要件が制約に縛られることがある。
  • 独自要件:独自メニューや複雑な原価計算は、費用が高くなることがあります。

飲食業界のシステム開発の費用を抑えるコツ

開発機能のフェーズ分け、標準機能の見極め、複数社からの相見積もりを示す3枚のカード。
機能の範囲を整え、同じ要件で見積もりを比べる構成です。

開発機能のフェーズ分け

初期投資を抑えるには、最初からすべての機能を作らない方法があります。最初に必要な機能だけを作り、残りは後から追加すれば、投資を段階に分けられます。

  • 優先機能から着手:POSシステム連携・注文管理などの先行開発。
  • 段階的な開発:優先度の高い機能からの順次追加。

標準機能で対応できる部分の見極め

カスタマイズを減らすほど、コストを低く抑えられます。

  • 独自機能:どうしても必要な独自機能の切り分け。
  • 標準機能:標準パッケージで代替できる機能の確認。

独自機能と標準機能を分けて要件を整理すると、どこまでを標準機能で賄えるかが見えてきます。

複数社からの相見積もり

同じ要件を伝えても、開発会社によって見積額は大きく異なります。

  • 相見積もりの社数:最低でも3社からの見積もり。
  • 比較項目:価格と提案内容の比較。

複数社の提案を並べて比べると、要件に合う依頼先を選びやすくなります。

ポイント

独自機能を増やすほど費用は積み上がるため、どの機能を今の段階で必要とするかを先に決めておくと、見積もりの条件がそろいます。

SaaSとのハイブリッド構成の検討

汎用機能と飲食業固有の機能を分けて考えると、ハイブリッド構成も候補に入ります。

  • SaaS型サービス:予約管理や顧客管理など汎用機能の代替。
  • スクラッチ開発:原価管理・HACCP対応など固有部分の開発。

なお、独自性の高い部分だけをスクラッチ開発し、汎用部分をSaaSに任せる方法も有効です。

見積もりを依頼する際に準備すべき情報

見積もりの前提をそろえるには、機能や店舗数、連携先などを整理しておく必要があります。こうした情報があれば、開発会社に要件を伝えやすくなります。

  • 機能と優先度:対象機能とシステムの優先度。
  • 店舗数と展開計画:多店舗・FC展開の予定。
  • 外部システム:POS・デリバリー・予約システムの一覧。
  • ユーザーと端末:対象ユーザー数と、使うタブレット・PC・POS端末。
  • 時期と予算:希望のリリース時期と予算の上限。

まとめ

飲食業界のシステム開発費用は、開発方式、機能範囲、対応店舗数、外部連携システムの数によって変わり、80万円〜5,000万円以上まで幅があります。

費用を抑えるには、開発機能の優先順位付けと複数社への相見積もりが有効です。そのうえで、信頼できる開発会社と丁寧な要件定義を進めれば、費用対効果の高い飲食業システムにつながります。

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また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。