ワークフローシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

ワークフローシステム開発を成功させるには、要件定義から運用保守まで一連の工程を正しく理解することが重要です。本記事では、ワークフローシステム開発の進め方・やり方・流れを、各工程のポイントとともにわかりやすく解説します。

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ワークフローシステム開発とは

ワークフローシステム開発とは

ワークフローシステムとは、業務上の申請・承認・通知といった一連のプロセスを電子化・自動化するシステムです。稟議申請、経費精算、休暇申請、契約承認など、あらゆる社内業務フローをデジタル化し、業務効率の向上やペーパーレス化を実現します。

ワークフローシステムを自社開発するメリットは、業務フローに完全にフィットしたシステムを構築できる点です。パッケージ製品では対応しきれない複雑な承認ルートや独自の業務ロジックにも対応できます。

ワークフローシステム開発の全体的な流れ

ワークフローシステム開発の全体的な流れ

ワークフローシステム開発は、一般的に以下の工程で進みます。

  • 要件定義
  • 基本設計
  • 詳細設計
  • 開発・実装
  • テスト
  • リリース・移行
  • 運用・保守

各工程を順番に解説します。

ステップ1:要件定義

ステップ1:要件定義

現状の業務フローを整理する

要件定義では、まず現状の業務フローを詳細に整理します。どの部署がどのような申請・承認フローを持っているか、承認者は誰か、条件分岐はあるか、などを洗い出します。

ヒアリング対象は申請者・承認者・管理者など複数の立場の担当者を含めることが重要です。現場での運用実態と、規定上の手順が異なるケースも珍しくありません。

システム化の要件を定義する

業務フローの整理が完了したら、システム化する範囲と要件を定義します。

  • 申請フォームの項目・バリデーション
  • 承認ルート(固定ルート・条件分岐ルート・代理承認など)
  • 通知・リマインド機能
  • 既存システム(ERPや人事システム)との連携
  • アクセス権限の設定
  • 監査ログの取得範囲

要件は「機能要件」と「非機能要件(パフォーマンス、セキュリティ、可用性など)」に分けて整理します。

ステップ2:基本設計

ステップ2:基本設計

システム全体のアーキテクチャを決定する

基本設計では、システム全体の構成を決定します。Webアプリケーションとして構築するのか、既存システムのモジュールとして組み込むのか、クラウドとオンプレミスどちらで構築するかといった方針を固めます。

データベース設計の基本方針を策定する

申請データ、承認履歴、ユーザー・組織情報などのデータ構造を設計します。将来的な機能追加や組織変更に柔軟に対応できる設計が求められます。

UI/UXの基本方針を決める

申請者・承認者・管理者それぞれの画面設計の基本方針を定義します。特に承認者にとって使いやすい一覧・通知UIは、システムの利用率に直結します。

ステップ3:詳細設計

ステップ3:詳細設計

画面設計・API設計

各画面の詳細な仕様(入力項目、バリデーション、画面遷移)とAPIのインターフェース仕様を設計します。フロントエンドとバックエンドの開発者が同時に作業を進められるよう、APIの仕様を先行して固めることが効率的です。

承認ロジックの設計

ワークフローシステムの核心となる承認ロジックを詳細に設計します。

  • 承認ルートのデータモデル(直列・並列・条件分岐)
  • 承認・差し戻し・取り消しの状態遷移
  • 代理承認・委任承認の処理方法
  • タイムアウト・エスカレーションの処理

ステップ4:開発・実装

ステップ4:開発・実装

フロントエンド開発

申請フォーム、承認一覧画面、ステータス確認画面などのUI開発を行います。ReactやVue.jsなどのモダンなフレームワークを使用することで、インタラクティブで使いやすいUIを実現できます。

バックエンド開発

承認ロジック、通知処理、外部システム連携などのバックエンドを実装します。承認フローのエンジン部分は、後から業務フローが変わっても対応できるよう、設定ベースで動作するよう実装することが推奨されます。

インフラ構築

開発・ステージング・本番環境のインフラを構築します。クラウド(AWS・Azure・GCP)を活用することで、スケーラブルで可用性の高いシステムを実現できます。

ステップ5:テスト

ステップ5:テスト

単体テスト・結合テスト

各モジュールの動作を確認する単体テストと、複数のモジュールを組み合わせた結合テストを実施します。特に承認ロジックは複雑な条件分岐を含むため、網羅的なテストケースの作成が重要です。

ユーザー受け入れテスト(UAT)

実際の業務担当者にシステムを操作してもらい、業務フローに即した動作を確認します。この段階で現場からのフィードバックを収集し、必要な修正を行います。

パフォーマンステスト

大量のデータや同時アクセスに対するパフォーマンスを検証します。月末や決算期など、申請が集中するタイミングを想定した負荷テストが必要です。

ステップ6:リリース・移行

ステップ6:リリース・移行

データ移行

既存システムから新システムへのデータ移行を行います。進行中の申請案件の扱いや、移行期間中の二重管理の方針を事前に定めておく必要があります。

段階的リリース

全社一斉リリースではなく、一部の部署や申請種別から段階的にリリースすることで、リスクを最小化できます。

利用者向けトレーニング

申請者・承認者・管理者それぞれへの操作説明会やマニュアルの整備を行います。

ステップ7:運用・保守

ステップ7:運用・保守

継続的な改善

リリース後も利用者からのフィードバックを収集し、業務フローの変化に合わせてシステムを継続的に改善します。組織変更や規程改定に伴う承認ルートの変更は、定期的に発生します。

セキュリティ・脆弱性対応

申請・承認データは機密情報を含む場合が多いため、定期的なセキュリティ診断と脆弱性対応が必要です。

ワークフローシステム開発を成功させるポイント

ワークフローシステム開発を成功させるポイント

現場ヒアリングを徹底する

要件定義における現場ヒアリングが不十分だと、リリース後に「実際の業務に合わない」という問題が発生します。

フレキシブルな承認フロー設計を心がける

業務フローは変化します。承認ルートの変更や条件の追加が、開発なしでも管理者が設定できるような柔軟な設計が理想です。

既存システムとの連携を早期に検討する

ERP・人事システム・グループウェアとの連携は、技術的に複雑になりやすい部分です。要件定義の段階から連携方式を確認し、開発工数を見積もることが重要です。

まとめ

まとめ

ワークフローシステム開発は、要件定義・設計・開発・テスト・リリース・運用という一連の工程を丁寧に進めることが成功の鍵です。特に要件定義における現場ヒアリングの徹底と、フレキシブルな承認ロジックの設計が、長期的に使われ続けるシステムを実現します。

開発会社に依頼する際は、ワークフローシステムの開発実績や、業務フロー設計の支援経験が豊富なベンダーを選ぶことをおすすめします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。