Anthropicは2026年9月18日、Claude Code v2.1.277で、プロジェクトにCLAUDE.mdがない場合にAGENTS.mdを読む機能を追加しました。Claude Code専用の指示ファイルだけでなく、複数のAIコーディングツールで共有されるファイルを扱えるようになった変更です。
AGENTS.mdは、プロジェクト概要やビルド・テスト手順、コード規約、セキュリティ上の注意などをMarkdownで伝えるオープンな形式です。Codex、Cursor、GitHub Copilotなども対応しますが、読み込む範囲や優先順位まで同じになるわけではありません。
企業が確認すべき点は、ファイル名をそろえることだけではありません。Claude CodeではCLAUDE.mdがあると既定でそちらだけを読み、設定を変えて両方読むこともできます。共通指示とツール固有の指示をどこに置き、誰が更新し、どの環境で検証するかを先に決める必要があります。
※本記事は2026年10月6日時点の情報です。

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AGENTS.mdとは|AIコーディング指示をREADMEのように共有
AGENTS.mdは、AIコーディングエージェントを導くためのシンプルでオープンな形式です。公式サイトは、READMEのようにプロジェクトのコンテキストと指示を置くファイルと説明しています。人間向けのREADMEと役割は重なりますが、AIが作業するときに必要な前提をリポジトリ内で参照しやすくする点に意味があります。
決まった本文スキーマはありません。公式FAQでも必須フィールドはなく、通常のMarkdownで、見出しも任意とされています。記載例として挙げられているのは、プロジェクト概要、ビルドとテストのコマンド、コードスタイル、テスト手順、セキュリティ上の注意です。
この性質から、AGENTS.mdを「すべてのツールが同じ意味で解釈する設定ファイル」と扱うと運用を誤ります。共有しやすい最低限の文脈を置く入口であり、実行制御や権限管理までMarkdownだけに任せる仕組みではありません。
OpenAIは2025年12月9日、Linux Foundationの下でAnthropic、BlockなどとAgentic AI Foundation(AAIF)を設立しました。AGENTS.mdを同財団へ提供すると発表し、2025年8月の公開以降、60,000を超えるオープンソースプロジェクトとエージェントフレームワークに採用されたとしています。この数字は2025年12月時点の発表値です。
ポイント
AGENTS.mdで共通化できるのは、主にファイル名・配置・読み込み慣行とプロジェクトの初期文脈です。本文の意味や優先順位まで一つの標準に統一されたわけではありません。
Claude CodeがAGENTS.mdに対応|v2.1.277でCLAUDE.mdの代替に
Claude Codeの変更は、既存の共通指示をClaude Code専用のファイルへ二重転記する負担を減らします。2026年9月18日付のchangelogは、v2.1.277でプロジェクトにCLAUDE.mdがない場合、Claude CodeがAGENTS.mdを代わりに読む機能を追加したと記載しています。読み込み方は/configのProject instructionsで変更できます。
対応範囲はその後も広がりました。2026年9月23日付のchangelogにあるv2.1.281で、Amazon Bedrock、Google Vertex AI、Microsoft Foundry、LLMゲートウェイ、テレメトリー無効のセッションにもAGENTS.md対応が広がっています。古い説明にある「これらの環境では一律に読めない」という前提を、そのまま基準日に持ち込まないことが大切です。

ポイント
Claude Codeでの利用可否は、ファイルを置いたかでは決まりません。v2.1.277以降か、Bedrockなどの対象環境ではv2.1.281以降かを確認し、実際の作業で読み込み結果を検証します。
CLAUDE.mdとの違い|同時に置いたら既定ではCLAUDE.mdが優先
Claude Codeの既定値はclaude-md-or-agents-mdです。作業ディレクトリまたはその上位にCLAUDE.mdやCLAUDE.local.mdがなければAGENTS.mdを読み、同じ範囲にそれらがあれば既定ではCLAUDE.mdだけを読みます。両方を置けば自動的に追加・統合される、という動作ではありません。
Project instructionsには、既定値のほかにclaude-md-and-agents-md、claude-md、managed-onlyがあります。共通指示をAGENTS.mdに集め、Claude Code固有の注意だけをCLAUDE.mdに残すなら、両方を読む設定を選ぶ方法があります。ただし重複する指示や矛盾があれば、設定を変えただけでは解決しません。
もう一つの方法は、CLAUDE.mdから@AGENTS.mdをインポートする運用です。公式ドキュメントは、AGENTS.mdを直接読めないセッションやClaude固有の指示を追加したい場合の選択肢として、インポートや同じ内容を読むシンボリックリンクを紹介しています。Windowsではシンボリックリンクよりインポートが推奨されています。
ポイント
CLAUDE.mdとAGENTS.mdを同時に置くときは、既定の優先順位、両方を読む設定、@AGENTS.mdのインポートを区別して設計します。
Codex・Cursor・Copilotでどう管理するか|ファイル名をそろえても挙動は同じではない
同じAGENTS.mdを置いても、ツールごとに探索範囲と統合方法が違います。Codex CLIは~/.codexとリポジトリルートから現在の作業ディレクトリまでのファイルを列挙し、ルートから下位ディレクトリへ順に統合します。後のディレクトリの指示が先のものを上書きするため、モノレポでは配置を設計する必要があります。
Cursorは、ルートとサブディレクトリのAGENTS.mdを、.cursor/rulesの簡易な代替となるプレーンMarkdownとして扱います。.cursor/rulesの.mdcファイルはfrontmatterで適用範囲を制御する別方式です。共通指示とファイル単位のルールを同じ内容で二重管理しないようにします。
GitHub Copilot CLIも標準の場所にあるAGENTS.mdを発見し、適用可能なユーザー・リポジトリ・エージェント指示を組み合わせます。一方で、ファイル間の一般的な優先順位は定義していません。衝突を避ける設計が必要です。ツール選定の実感値は、Codex vs Claude 1週間比較も参考になります。

| ツール | AGENTS.mdの扱い | 導入時に確認する点 |
|---|---|---|
| Claude Code | CLAUDE.mdがない場合に読む。/configで両方を読む設定などを選べる | v2.1.277以降、特殊な実行環境はv2.1.281以降か。CLAUDE.mdとの重複・優先順位 |
| Codex CLI | ~/.codexからリポジトリルート、作業ディレクトリまでを列挙し、下位の指示を後から統合 | 親子ディレクトリで上書きされる内容 |
| Cursor | ルート/サブディレクトリのプレーンMarkdownとして読み、.cursor/rulesとは別方式 | 共通指示と.mdcの適用範囲 |
| GitHub Copilot CLI | 標準場所のAGENTS.mdを発見し、適用可能な指示を組み合わせる | 一般的な優先順位がないため、矛盾を作らない |
ポイント
共通ファイルを作ったら、各ツールで同じ作業を実行して挙動を確認します。ファイル名の一致だけで、読み込み範囲や優先順位まで一致すると判断しないでください。
導入前に決めること|標準化の中心は命名より更新責任
AGENTS.mdに必須項目がないことは、何でも書いてよいという意味ではありません。公式サイトが例示するプロジェクト概要、ビルド・テスト、コードスタイル、セキュリティ上の注意から、自社の開発に共通する項目を選びます。秘密情報や、特定のツールだけが使う設定はファイルに置きません。
OpenAIは2026年9月11日の記事で、AGENTS.mdを必要な文脈に絞り、長大な指示や重複を避けるよう説明しています。更新担当とレビューの責任を決め、リポジトリで扱える量に抑えます。
- 最小構成を作る:概要、ビルド・テスト、コード規約、セキュリティ注意を共通指示として整理する。
- 各ツールで試す:Codex、Claude Code、Cursor、GitHub Copilotで代表的な作業を実行する。
- 衝突を分ける:共通部分に残す指示と、ツール固有ファイルへ移す指示を切り分ける。
- 定期的に棚卸しする:古いコマンドや重複したルールをレビューで削る。
指示ファイルの変更も、通常のコードレビューと同じ流れに置きます。レビュー時には、どのツールのどの場所で読み込まれるか、既存のCLAUDE.mdや.mdcと衝突しないかを確認します。AI生成コードのレビュー負荷を扱ったAI生成コード時代のコードレビューと同じく、速く変更できることと、変更を安全に受け入れられることを分けて管理します。
ファイル内の指示は、ゲートウェイや権限側の統制を置き換えません。AIコーディング利用の経路や利用制御を検討するときは、LLM Gatewayによる利用統制のように、リポジトリ内の文脈と実行環境の管理を分けて考えます。誰が更新し、誰が承認し、どの作業で再検証するかが運用の中心です。
よくある質問
Q. AGENTS.mdは正式な国際規格ですか?
厳密な本文スキーマを持つ国際規格という意味ではありません。公式サイトは必須フィールドのない通常のMarkdownと説明しており、複数ツールが共有しやすいオープンな形式・慣行として扱います。
Q. CLAUDE.mdとAGENTS.mdが両方ある場合、Claude Codeはどちらを読みますか?
既定では、作業ディレクトリまたは上位にCLAUDE.mdやCLAUDE.local.mdがあるとCLAUDE.mdだけを読みます。claude-md-and-agents-mdで両方にするか、CLAUDE.mdから@AGENTS.mdをインポートする方法があります。
Q. AGENTS.mdを置けば、各ツールで同じ指示が効きますか?
共通の指示を共有しやすくなりますが、探索範囲、ネスト、優先順位はツールごとに違います。共通部分と固有設定を分け、代表的な作業で各ツールの挙動を確認してください。
Q. AGENTS.mdには何を書けばよいですか?
プロジェクト概要、ビルド・テスト手順、コードスタイル、セキュリティ上の注意から始めます。必須項目はないため、長大な手順書を貼らず、チームが更新・レビューできる範囲に絞ります。
まとめ
AGENTS.mdは、AIコーディングエージェントへプロジェクトの前提や作業指示を伝える、通常のMarkdown形式です。Claude Code v2.1.277で直接対応し、v2.1.281ではBedrock、Vertex AI、Foundry、LLMゲートウェイなどへ対応範囲が広がりました。
ただし、ファイル名をそろえても、各ツールの探索範囲や優先順位は一致しません。まず共通指示を最小構成で作り、Claude CodeではCLAUDE.mdとの関係を設定で決め、Codex・Cursor・GitHub Copilotでも同じ作業を試します。
標準化の成否を左右するのは、命名より更新責任です。誰が内容をレビューし、どの環境で指示の反映を確認し、古いルールをいつ削るかを決めてから、チーム共通のファイルとして運用してください。
ポイント
AGENTS.mdを共通の入口にしつつ、ツール固有の指示と実行環境の統制を分けます。小さなテスト用リポジトリで挙動を確認してから、対象範囲を広げることが導入時の判断軸です。
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