ソフトバンクAGENTIC STARのLLM Gatewayを解説|AIコーディング利用統制のポイント

2026年8月7日、ソフトバンク株式会社は、法人向けAIプラットフォーム「AGENTIC STAR」のSaaS版に新機能を搭載すると発表しました。「LLM Gateway」を標準搭載する内容です。

提供は8月上旬からで、導入済み企業にも順次適用されます。

AIコーディングの利用が広がるほど、企業にはツール選びだけでなく、誰がどのLLMを使い、どの記録を残すかを管理する視点が必要です。

※本記事は2026年8月29日時点の情報です。

LLM Gatewayを中心にAIコーディングツール、LLM、企業ルール、利用ログをつないだ全体図
Gatewayが開発ツールと企業の統制をつなぐ

LLM Gatewayとは|SaaS版AGENTIC STARに標準搭載

AGENTIC STARは、業務のゴールを理解してタスクを自律的に進めるAIエージェントを提供する法人向けプラットフォームです。

今回の発表で追加されたLLM Gatewayは、そのSaaS版に標準搭載される機能です。

利用にはAGENTIC STARの追加オプション契約は必要ありません。

確認項目発表・公開仕様の内容
発表日2026年8月7日
提供時期8月上旬から
対象AGENTIC STARのSaaS版
導入済み企業順次適用
追加契約AGENTIC STARの追加オプション契約は不要

一方、AIコーディングツールとLLMサービスの利用料金は、AGENTIC STARの利用料金には含まれません。

ポイント

LLM Gatewayは、2026年8月7日に発表されたSaaS版AGENTIC STARの標準機能です。提供は8月上旬からで、導入済み企業には順次適用されます。AIコーディングツールとLLMの契約・料金は別に確認します。

仕組み|ツールとLLMの間にゲートウェイを置く

AIコーディングツールとLLMの間にLLM Gatewayと企業ルールを置く4層図
ツールとLLMの間に統制の層を置く

LLM Gatewayは、エンジニアが使うAIコーディングツールと、企業が契約するLLMサービスの間に配置します。

これにより、AGENTIC STARの管理・制御機能をAIコーディングツールへ適用できます。

  • 利用ルール:ガードレールや利用可能なモデルの管理
  • 情報の扱い:機密情報・個人情報に関する取り扱い制限
  • 可視化:利用状況、利用量、コスト、利用ログの確認

ソフトバンクは、接続先をGatewayに設定すれば、既存ツールの操作性や開発フローを大きく変えずに使えると説明しています。

ポイント

LLM Gatewayは、AIコーディングツールと企業契約のLLMサービスの間に置きます。ツールの利用経路を統一し、ガードレール、情報の扱い、利用状況の管理を適用する構成です。

AIコーディング利用統制|野良利用を抑え、ログで可視化する

LLM Gatewayの有無で接続先、企業ルール、利用ログの管理を比較した図
経路を統一すると利用管理を行いやすい

AIコーディングの統制では、導入を許可するかどうかだけでなく、利用経路を企業が把握できるかが重要です。

個別契約のサービスを使う状態では、LLMや利用量を全社で追いにくくなります。Gateway経由なら、利用可能なモデルと利用状況を確認しやすくなります。

公式開発者ドキュメントでは、利用ログでモデル、プロバイダ、トークン数、コスト、レイテンシなどを確認できると説明されています。

AIコーディングを禁止するのではなく、業務の仕組みに置き、後から利用状況を説明できる状態をつくる考え方です。

シャドーAIの把握を考える際は、シャドーAI利用の実態で扱われるような、利用状況と統制の視点も参考になります。

ポイント

AIコーディング利用統制の要点は、利用を止めることではなく、経路と記録を企業管理に置くことです。Gatewayを通じて、利用可能なモデル、利用量、コスト、ログを確認しやすくします。

接続方式と費用|既存SDKを使い、契約を分けて考える

LLM Gatewayは、OpenAI互換とAnthropic互換のLLM呼び出しインターフェースを提供します。

既存のOpenAI SDKまたはAnthropic SDKでは、接続先のベースURLをGatewayへ差し替えて利用できます。

認証にはAPIキーまたはClient Credentialsフローを利用できます。

管理者向け設定では、接続先モデルをLiteLLMのprovider/model形式で指定します。

  • 開発環境:AIコーディングツール側で接続先を変更できるか
  • 認証:APIキーまたはClient Credentialsの運用担当を決めるか
  • 契約:AGENTIC STAR、AIコーディングツール、LLMの費用を分けて見積もるか

AIコーディングツールとLLMサービスは別途契約です。開発者数、利用量、モデル選択を含めた運用費を整理します。

ポイント

接続はOpenAI互換・Anthropic互換のインターフェースとLiteLLM形式の設定を軸に確認します。AGENTIC STARの追加オプション契約は不要ですが、AIコーディングツールとLLMの料金は別途です。

導入検討のチェックリスト|統制を運用へ落とし込む

LLM Gateway導入時に確認する対象範囲、接続設定、企業ルール、ログと費用の4項目
導入前に4つの論点を分けて確認する
  • 対象範囲:SaaS版AGENTIC STARの利用状況と適用時期を確認する
  • 接続設計:AIコーディングツールとLLMの接続先、認証、モデル設定を確認する
  • 統制項目:ガードレール、情報の取り扱い、利用可能モデルの管理方針を決める
  • 運用管理:利用ログ、利用量、コストを誰が確認し、どう改善するか決める

導入前に、開発部門と管理部門で守るルール、残す記録、設定変更の担当を決めます。

AGENTIC STAR全体の位置付けは、AGENTIC STARの全体解説と合わせて確認すると、プラットフォームとGatewayの関係をつかみやすくなります。

ポイント

導入判断では、対象範囲、接続設定、企業ルール、ログと費用の4点を分けて確認します。開発部門の使いやすさと、管理部門の説明責任を同じ運用設計でつなぐことが重要です。

よくある質問(FAQ)

Q. LLM Gatewayは何と何の間に置きますか?

エンジニアが利用するAIコーディングツールと、企業が契約して利用するLLMサービスの間に置きます。やり取りをGateway経由にすることで、AGENTIC STARの管理・制御機能を適用できます。

Q. LLM Gatewayの対象はどのエディションですか?

公式に示されている対象はAGENTIC STARのSaaS版です。導入済み企業には順次適用され、利用には管理者とAIコーディングツール側の設定変更が必要です。

Q. AIコーディングツールとLLMの料金も含まれますか?

含まれません。AGENTIC STARの追加オプション契約は不要ですが、AIコーディングツールとLLMサービスの利用料金は別途契約・確認が必要です。

Q. どのような接続方式に対応していますか?

OpenAI互換とAnthropic互換のLLM呼び出しインターフェースを提供します。既存SDKの接続先を差し替えられ、管理者向け設定ではLiteLLMのprovider/model形式を使います。

まとめ

ソフトバンクは2026年8月7日、AGENTIC STARのSaaS版へLLM Gatewayを標準搭載すると発表しました。

Gatewayは、AIコーディングツールと企業契約のLLMの間に入り、企業ルールと利用ログを適用する仕組みです。

AIコーディングを業務へ定着させるには、接続方式、情報の扱い、利用可能モデル、ログ、費用を一体で設計します。

ポイント

LLM Gatewayは、AIコーディングの利便性を保ちながら、企業のルール適用と利用状況の可視化を目指す機能です。導入時は、開発部門と管理部門で接続・統制・費用の分担を決めます。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。