Claude Dashboards・Motionを解説|社内データ分析と動画説明の使い分け

Anthropicは2026年10月8日、Claude DashboardsとClaude Motionをベータとして発表しました。Dashboardsは接続した企業データへの自然言語の質問からダッシュボードを作り、Motionは資料やチャートなどを短いアニメーションにしてMP4で書き出せる機能です。

2つは同じArtifactsの新機能ですが役割は異なります。Dashboardsはデータを問う入口、Motionは社内説明や顧客オンボーディングの補助動画です。対象プランもDashboardsはPro、Max、Team、Enterprise、MotionはTeam、Enterpriseに分かれます。

契約プランだけで導入を決めると、BIとの役割分担やEnterpriseの管理設定で止まりかねません。対応済み連携先、利用上限、データ接続の主体を確認し、試す業務を決めます。

※本記事は2026年10月14日時点の情報です。

Claude DashboardsとClaude Motionの比較。Dashboardsは社内データへの質問からダッシュボードとSQLクエリを作り、Motionは資料やチャートを動かしてMP4で書き出す
どちらも2026年10月8日にベータとして発表されたArtifactsの機能

Claude DashboardsとMotionとは|2026年10月8日にベータ発表

Anthropicが同時に発表したClaude DashboardsとClaude Motionは、ClaudeのArtifactsから使うベータ機能として発表されました。Dashboardsは企業データを問う入口、Motionは資料の内容を伝える手段です。先に試す機能は、分析か説明か、課題に合わせて決めます。

Dashboards|DWHやCRMに自然言語で質問し、SQL付きで可視化

Claude DashboardsはAmazon Redshift、BigQuery、ClickHouse、Databricks、Snowflakeなどに接続できます。Salesforceなど、接続済みの他のコネクターも対象です。

チャットで自然言語の質問を依頼するか、ArtifactsタブのDashboardsテンプレートを選びます。「今月のチャネル別サインアップを先月と比べたい」のように期間や切り口まで書けば、問いが明確になる書き方です。

Claude Dashboardsの流れ。Amazon Redshift、BigQuery、ClickHouse、Databricks、Snowflake、Salesforceに接続し、自然言語の質問からチャート、SQLクエリ、最終更新時刻を表示する
各チャートのSQLクエリと最終更新時刻で、数字の定義と鮮度を確認できる

各チャートでは、Claudeが作成してデータソースに対して実行したSQLクエリを開けます。数字が想定と違うときは、クエリが何を数えているかを確認し、条件の修正をClaudeに依頼できます。チャートごとにデータの最終更新時刻も表示されるため、会議前に数字の鮮度を点検可能です。

作成したダッシュボードはArtifactsタブに保存され、最初は自分だけに公開されます。利用量はプラン上限に算入される仕様です。試すデータ範囲と質問回数を区切り、部門へ広げる運用が現実的です。Claudeの業務利用全体を把握する際は、Claude Coworkも合わせて確認できます。

ポイント

DashboardsはSQLを完全に隠す機能ではありません。自然言語で探索を始めながら、各チャートのクエリと最終更新時刻を確認して、数字の定義を点検する使い方に向きます。

Motion|資料・チャートをコードで動かし、MP4へ書き出す

Claude Motionはコンテンツを短いアニメーションにするArtifactsテンプレートです。四半期報告の30秒解説、取締役会資料のチャート、顧客オンボーディングが利用例です。

Claudeはプロンプトから、テキスト、チャート、図形、画像を動かすコードを作ります。編集画面やチャットで単語、数字、タイミングなどを個別に変え、MP4で書き出せます。

Claude Motionの制作の流れ。テキスト、チャート、図形、画像、四半期報告などの素材をコードで動かし、編集してMP4で書き出す
Motionは動画生成モデルではなく、資料の要素をコードで動かす

Motionは動画生成モデルではありません。リアルな映像や人物を生成せず、資料に含まれる要素を動かして説明します。そのため、既存の数値や製品画面を正確に見せたい短い説明には使いやすい一方、実写の広告映像やAI人物が必要な制作を置き換える機能ではありません。

作成物はArtifactsタブに保存され、最初は自分だけに公開されます。長い、または複雑なアニメーションは通常のメッセージより利用上限を多く使う可能性があります。資料のどの部分を何秒で説明するかを絞れば、修正回数と利用量を管理しやすい運用です。資料制作AIとの比較でも、Gemini in Slides・Vidsのような既存の選択肢が判断材料になります。

ポイント

Motionは実写を作る動画生成AIではなく、資料のテキストやチャートをコードで動かす機能です。社内説明、営業資料、オンボーディングの補助動画と、実写中心の動画制作を分けて検討します。

対応プランと連携先|DashboardsとMotionの利用条件を比較

同じArtifactsのベータ機能でも、DashboardsとMotionは対象プランが違います。契約プランと、現在の業務ツールが対応済み連携先に含まれるかを確認し、運用範囲は「coming soon」を前提にせず決める方針です。

項目Claude Dashboards(beta)Claude Motion(beta)
主用途社内データへの質問と探索用ダッシュボード資料・チャート・製品内容のアニメーション説明
対象プランFree:不可/Pro・Max・Team・Enterprise:可Free・Pro・Max:不可/Team・Enterprise:可
Enterpriseの初期状態オーナーが有効化するまでオフオーナーが有効化するまでオフ
対応済みの主な連携先Amplitude、Grafana、Hex、Mixpanel、Omni、Perplexity、PostHog、SigmaAdobe、Descript、HeyGen、Higgsfield、invideo、Luma AI、Runway
近日対応Databricks Genie、Looker、monday.com、TableauCanva、Captions

MotionはTeamで初期状態がオンですが、EnterpriseではオーナーがOrganization settings > Artifactsで有効にするまでオフで始まります。DashboardsもEnterpriseでは同じ初期状態です。Team/EnterpriseでArtifactsを使うには、先に Cloud code execution and file creation を有効にする必要があります。

EnterpriseではカスタムロールによってDashboardsやMotionを特定のグループへ付与できます。ただし、組織全体の設定がオフならカスタムロールだけで機能を解放できません。接続アプリは各ユーザーが自分のアプリを接続する仕組みで、共有Artifactsでも接続主体はユーザーごとです。

BIツールとの使い分け|探索はDashboards、深掘りは既存ツール

AnthropicはDashboardsを「quick, exploratory questions」向けと位置づけています。たとえば、今週のサインアップが先月と比べてどうか、Salesforceの商談がどのステージに偏っているかといった問いを、SQLを書く前の入口として試す使い方です。

深い分析が必要になったら、DashboardsからAmplitude、Grafana、Hex、Mixpanel、Omni、Perplexity、PostHog、Sigmaへ送って続けられます。既存BIの定型レポートや権限管理をすぐに置き換えるという説明ではありません。自然言語で仮説を作る工程と、検証・共有・定例運用の工程を分けます。

  • 問いを作る:事業担当者が自然言語で知りたい切り口を定め、Dashboardsで探索する。
  • 数字を点検する:担当者が各チャートのSQLと最終更新時刻を確認し、定義のずれを洗い出す。
  • 深掘りする:既存のBI・分析ツールへ送り、必要な比較や定型レポートに仕上げる。

企業全体のAI活用状況まで分析したい場合は、ChatGPT WorkのAI活用分析とAdmin Console Insightsのような管理・利用分析の論点も切り分けて考えます。Dashboardsが返す個別のデータ探索と、組織単位の利用状況は同じものではありません。

ポイント

Dashboardsは既存BIの代替と決めつけず、問いの探索を速くする入口として評価します。深掘り、定型化、組織共有をどのツールが担うかを先に決めると、導入後の重複を避けられます。

導入前の確認事項|ベータ、権限、利用上限を先に見る

DashboardsとMotionはベータ機能です。Anthropicは、ベータでは体験が変わる可能性、性能や信頼性が一定でない可能性、すべての機能が正式提供になるとは限らないことを説明しています。経営会議の正式レポートや顧客向け納品物を、最初からベータ機能だけに依存しない設計が安全です。

管理者は、Team/Enterpriseの Organization settings > Capabilities で Cloud code execution and file creation を有効にします。Artifactsもオンにします。Enterpriseでは、Artifactsの設定に加えてDashboardsとMotionのテンプレートを有効化し、必要なグループへカスタムロールで付与する運用です。

接続アプリはユーザーごとに認証されるため、共有Artifactsに誰の権限でどのデータが表示されるかを確認します。管理者は組織全体でArtifactsの接続アプリ利用を有効・無効にできますが、アプリ単位の制限はできません。データの持ち出しや共有範囲は、機能の便利さと切り分けた導入条件です。

  • 契約:DashboardsかMotionか、対象プランと組織の有効化状態を確認する。
  • 接続:対応済みのデータ基盤・アプリだけで、最初の業務テーマを成立させる。
  • 運用:SQL、更新時刻、MP4の内容、利用上限、共有範囲をレビュー項目にする。

よくある質問

Q. Claude DashboardsとClaude Motionはどのプランで使えますか?

DashboardsはPro、Max、Team、Enterprise、MotionはTeam、Enterpriseでベータ提供されます。Freeでは両方のテンプレートを開始できません。

Q. Claude Dashboardsは既存のBIツールの代わりになりますか?

公式には「quick, exploratory questions」向けで、深い分析は対応済みの別ツールへ送って続ける位置づけです。既存BIの定型レポートや深掘り分析との使い分けを前提にします。

Q. Claude Motionは動画生成AIですか?

動画生成モデルは使わず、テキスト、チャート、図形、画像を動かすコードを作ります。編集してMP4へ書き出せますが、リアルな映像や人物は生成しません。

Q. DashboardsとMotionはEnterpriseでそのまま使えますか?

EnterpriseではオーナーがOrganization settings > Artifactsで有効化するまで、DashboardsとMotionは初期状態でオフです。Artifactsの利用にはCloud code execution and file creationの有効化も必要です。

まとめ

Claude DashboardsはDWHやCRMへの質問と探索、Claude Motionは資料のテキストやチャートのアニメーション化を担います。SQLを確認できるDashboardsと、MP4へ書き出せるMotionは、解く課題も対象プランも異なる機能です。

導入時は、Dashboardsを既存BIの入口、Motionを社内説明やオンボーディングの補助として小さく試します。対応済みの連携先、Enterpriseの権限設定、Cloud code execution and file creation、利用上限、接続アプリの主体を確認し、ベータ機能に任せる範囲を決めてください。

ポイント

まずは「数字を探索する業務」か「内容を説明する業務」かを決めます。そのうえで契約プランと管理設定を確認し、既存ツールと重ならない小さな検証から始めると判断しやすくなります。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。