Infor導入の完全ガイド

Infor導入は、業種に特化した製品の選定、導入の5フェーズ、外注先とコストの見極めに分けて押さえると、自社に合った導入計画を立てやすくなります。

Inforは業種ごとの製品をそろえ、導入は5フェーズで進みます。費用は規模などによって大きく変わります。各テーマの詳細は、下の関連記事もご覧ください。

▼関連記事一覧

・Infor導入の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・Infor導入でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・Infor導入の見積相場や費用/コスト/値段について
・Infor導入の発注/外注/依頼/委託方法について

Inforとは:業種特化クラウドERPの強みと特徴

Infor CloudSuiteを中心に、業種固有の業務プロセス、AWS、Infor Coleman、Infor Birst、Infor ION、Infor Mongooseを配置したハブ図。
基幹の業種別機能をクラウド基盤と周辺ツールが支えます。

Infor Inc.は1979年に設立され、現在はKoch Industriesの完全子会社です。世界175か国以上でグローバルにERPを展開しています。

本社はニューヨークで、従業員数は約17,000名以上です。SAP・Oracleと並ぶ世界トップクラスのERPベンダーとして認知されています。

Inforの最大の特徴は「業種特化(Industry Cloud)」という戦略で、業種固有のビジネスプロセスを最初から組み込んだ「バーティカルERP」として設計されています。汎用ERPを業種向けに後から手直しする方式とは、考え方が異なります。

  • 製造業向け:CloudSuite Industrial(旧SyteLine)
  • 流通・卸売向け:CloudSuite Distribution
  • ヘルスケア向け:CloudSuite Healthcare
  • ファッション・アパレル向け:CloudSuite Fashion
  • 建設・エンジニアリング向け:CloudSuite Construction

クラウドインフラにはAmazon Web Services(AWS)を採用しており、マルチテナント型SaaSとして常に最新バージョンが提供されます。

周辺のエコシステムには、AI・機械学習基盤の「Infor Coleman」や、分析・BIツールの「Infor Birst」があります。さらに、統合基盤の「Infor ION」とローコード開発の「Infor Mongoose」が、企業のデジタル変革を支えます。

日本市場では、日本法人の「Infor Japan」が製品の販売とサポートを担っています。製造・物流分野を中心に、国内での導入実績を積み重ねています。

▶詳しくはInfor導入の進め方・全体像をご覧ください。

ポイント

候補に入れるかは、自社の業種に合う業種別の製品があるかを基準に考えるとよいです。業種固有の業務をどこまで標準機能で賄えるかも、あわせて確かめておきたいところです。

Infor導入の進め方:5フェーズの全体像

業種・モジュール選定、要件定義とフィットギャップ分析、設定・テスト・Go-Live・定着、稼働後の定着支援へ進む流れ図。
選定から稼働後の支援まで、工程のつながりを確認できます。

Infor CloudSuiteの導入は、一般的に6か月〜18か月かかる大規模なプロジェクトです。成功させるには、5つのフェーズを一つずつ着実に進めることが大切です。

フェーズ1:業種・モジュール選定

自社の業種と業務課題に合うInfor CloudSuiteの製品とモジュールを選びます。同じ製造業でも、受注生産か見込生産かによって、適した製品は変わります。

RFPを作成し、認定パートナーのデモを見たうえで、業務にどれだけ合うかを評価します。期間の目安は1〜2か月です。

フェーズ2:要件定義・フィットギャップ分析

業務要件を整理したうえで、Inforの標準機能とどの程度合うか(フィット・ギャップ)を分析します。合わない部分(ギャップ)への対応は、次の順で検討します。

  1. 業務をInfor標準に合わせる(推奨)
  2. 設定で対応する
  3. 最終手段としてアドオン開発する

クラウドERPでは、カスタマイズを最小限にとどめることが保守性の面で強く推奨されます。なお、この工程の期間は2〜3か月が目安です。

フェーズ3〜5:設定・テスト・Go-Live・定着

フェーズ3〜5では、設定からGo-Live、定着支援までを次の流れで進めます。

  1. システムの設定・プロトタイプ構築・キーユーザー確認(CRP)
  2. 単体テスト→結合テスト→総合テストの実施
  3. エンドユーザートレーニングとデータ移行
  4. 本番稼働(Go-Live)
  5. 稼働後3か月の定着支援期間

定着支援では、稼働後も現場に新しいシステムが根づくよう支えます。

▶詳しくはInfor導入の進め方・手順・フェーズをご覧ください。

ポイント

導入期間は一般に6か月から18か月を見込み、フェーズごとの目安と照らして計画を立てるとよいです。稼働後3か月の定着支援期間も日程に含めると、計画の抜けが減ります。

Infor導入では、パートナーの選び方がプロジェクトの成否の7割を決めると言われます。ここでは、日本でInfor導入を支援できるおすすめの6社を紹介します。

①株式会社ripla:コンサルから開発まで一気通貫

riplaは、IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かし、コンサルティングから開発、定着支援まで一気通貫で対応します。ビジネス成果へのコミットと現場への定着支援を強みに、中堅〜大企業のInfor導入を支援しています。

②〜⑥:Infor Japan・デロイト・アクセンチュア・NTTデータ・日商エレクトロニクス

②〜⑥は、次の5社です。いずれも主要なInfor導入パートナーとして活動しています。

  • Infor Japan:公式日本法人としてグローバルサポートに直結
  • デロイト トーマツ:業務改革とグローバル展開に強み
  • アクセンチュア:AI活用と大規模導入に強み
  • NTTデータ:国内法規制対応と既存システム連携に強み
  • 日商エレクトロニクス:中堅製造業特化でコストパフォーマンスに優れる

▶詳しくはInfor導入でおすすめの開発会社・ベンダー6選をご覧ください。

ポイント

開発会社を選ぶときは、同じ業種での導入実績と、稼働後の定着支援まで対応できるかを優先して比べるとよいです。候補が決まったら、提案内容と費用を並べて見比べると判断しやすくなります。

Infor導入の費用相場・コスト

中小企業、中堅企業、大企業の3区分と、それぞれのInfor導入初期費用の目安を並べたパネル図。
企業規模が上がる区分ほど、初期費用の目安も高くなります。

Infor CloudSuiteの導入費用は、企業規模・業種・モジュール数・カスタマイズ量によって大きく変わります。

費用は4つに分かれます。SaaSライセンス料は月額または年額で、実装コンサルティング、インフラ・連携、教育・トレーニングの3つは初期にかかる費用です。

規模別の初期費用の目安は、次の3区分で見ると分かりやすくなります。

  • 中小企業(100〜300名):3,000万〜8,000万円
  • 中堅企業(300〜1,000名):1億〜3億円
  • 大企業(1,000名以上・グローバル展開):3億〜10億円以上

年間のランニングコスト(SaaS料、保守、サポート)は、初期費用の25〜35%が目安です。さらに、5年間のTCOで見ると、ランニングコストの合計は初期費用と同額以上になります。

費用を抑えるには、「フィット to スタンダード」を徹底することが効果的です。そのほか、段階的に導入すること、データの品質を事前に高めておくこと、IT補助金を活用することも有効です。

▶詳しくはInfor導入の見積相場・費用・コストをご覧ください。

ポイント

予算は初期費用だけで決めず、5年間のTCOでランニングコストを含めた総額を見ておくとよいです。年間の費用が初期費用の何割にあたるかも、あわせて確認しておくと安心です。

Infor導入の発注・外注・依頼方法

Infor CloudSuiteの導入は、Infor認定実装パートナー、グローバルSI、国内大手SIerに外注するのが一般的です。外注先は、次の3種類に分けられます。

  • Infor認定実装パートナー:製品知識があり中堅企業対応に強い
  • グローバルSI(アクセンチュア・デロイトなど):大規模・グローバル展開に強い
  • 国内大手SIer:国内法規制対応や既存システム連携に強い

発注は、次の4つのステップで進めます。

  1. RFI発行(1〜2か月)
  2. RFP作成・提出(1〜2か月)
  3. 提案評価・パートナー選定(1か月)
  4. 契約締結(1か月)

グローバルERP特有の注意点として、まずSaaS契約のデータ所在地と解約条件、日本語対応、国内法規制への対応を確認しておく必要があります。加えて、スコープ管理(変更管理プロセス)も欠かせません。

▶詳しくはInfor導入の発注・外注・依頼方法をご覧ください。

ポイント

外注先は、製品知識があるか、自社の規模に合うか、国内法規制に対応できるかで候補を絞ると比べやすくなります。契約前には、データ所在地や解約条件も必ず確かめておく必要があります。

まとめ:Infor導入を成功させるための総括

Infor CloudSuiteは、製造・ヘルスケア・流通・ファッション・建設などの業種で高い競争力を持つ、業種特化型クラウドERPです。

グローバル67,000社での実績と、AWS上のマルチテナントSaaSによる継続的な機能進化が強みです。日本市場でも、製造業や物流企業を中心に採用が進んでいます。

Infor導入を成功させるための重要ポイントは、5つの取り組みにあります。

①業種・製品の選定では、自社の業種に合うCloudSuiteのシリーズを慎重に選びます。製造、流通、ヘルスケアなど業種ごとに最適な製品は異なるため、選定を誤ると後工程で大規模な手戻りにつながります。

②フィット to スタンダードの徹底では、経営トップのリーダーシップのもと、業務プロセスをInforの業種標準に合わせる姿勢を貫きます。業務を標準に寄せることで、カスタマイズのコストと保守のリスクを大幅に抑えられます。

③実績ある認定パートナーの選定は、プロジェクト成功の鍵です。同業種での導入実績が豊富で、日本語対応やローカライズの力があるパートナーを選びます。

稼働後のサポートまで対応できるかも大切な判断基準です。また、複数社から相見積もりを取り、比べて評価することも欠かせません。

④費用の把握と予算管理では、初期費用(実装・インフラ・教育)と、ライセンス料を含むランニングコストを合わせたTCOで評価します。さらに、スコープ管理を徹底して費用超過を防ぐとともに、IT補助金の活用も積極的に検討します。

⑤データ移行とトレーニングには、十分な投資が欠かせません。データ移行の品質とユーザートレーニングは、Go-Live後の定着に直結します。

そのため、プロジェクトの初期からデータクレンジングを始め、エンドユーザーへの教育に十分な工数を確保しておくことが大切です。

Infor CloudSuiteは大きな投資ですが、業種特化による高いフィット率や、グローバルスタンダードの機能、クラウドによる継続的な進化を活かし、製造、流通、ヘルスケアなどの業種で競争優位を築けます。まずは信頼できるInfor認定パートナーに相談するところから始めてください。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。