通話解析システム開発の完全ガイド

通話解析システムは、電話の音声をテキスト化し、検索や要約、品質評価に使う業務システムです。導入判断は、機能、提供形態、導入工程、費用、運用・効果測定の5つに分けて押さえると、自社の課題に合うかを見極めやすくなります。

各テーマの詳細は、関連記事もご覧ください。

▼関連記事一覧
・通話解析システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・通話解析システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・通話解析システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・通話解析システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

通話解析システムの概要

電話基盤や録音装置から取り込んだ音声を、音声認識、分析・加工を経てCRMやFAQ、BIへ連携する流れを示した図。
音声の取り込みから連携先まで、処理の受け渡しを追えます。

通話解析システムは、電話基盤から取得した音声をテキスト化し、検索や要約、評価などに使う業務システムです。処理は、通話終了後にまとめて行う方式と、会話中に行う方式に分かれます。

基本の流れは、電話基盤や録音装置から音声を取り込み、音声認識でテキストにしたうえで、テキストと通話メタデータを保存して分析・加工する形です。加工したデータは、その後CRMやFAQ、BIへ連携します。

通話録音・音声認識・通話解析の違い

通話録音は、音声ファイルを証跡として保存する機能です。一方、音声認識は、録音した音声を文字に変換する技術です。

通話解析は、文字起こしに話者・時刻・顧客情報を重ねて、検索や要約、品質評価などに使う仕組みです。ただし、音声認識APIだけでは完結しません。業務画面やデータ連携、権限管理、運用ルールも必要です。

基本アーキテクチャと処理方式

処理方式は、後処理の時間を減らしたいのか、応対中に支援したいのか、顧客の声を集計して経営判断に使いたいのかによって選びます。最初からバッチ方式とリアルタイム方式の両方を実装する必要はありません。

  • バッチ方式:録音を保存してから処理し、過去の通話をまとめて分析できる方式です。品質評価やVOC分析から始めたい場合に向いています。
  • リアルタイム方式:会話中にFAQ候補や注意事項を表示し、応対を支援します。

リアルタイム方式では、ストリーミング音声認識、低遅延の推論、オペレーター画面への通知が必要です。

通話解析システムでできることと導入効果

導入効果は、AIが答えを出すことよりも、通話後の記録や確認を短くし、顧客の声を再利用できる状態をつくることから生まれます。

効果を確かめるには、減らしたい業務時間や上げたい精度を、KPIとして先に決めておきます。

全文をテキスト化すると、録音を聞き直さずに、商品名や契約条件、解約、クレームといった語句から該当箇所を探せます。話者分離や句読点の付与、ノイズ対策、業界用語や商品名の辞書登録も、文字を読んで確認しやすくするための工夫です。

通話IDを顧客IDや案件IDに紐付けると、担当者は画面で顧客の履歴を確認できます。さらに、音声ファイルと文字データを別々に探す手間も減ります。

要約・自動記録・CRM連携

問い合わせ内容や対応結果、次回アクションを項目ごとに要約すると、オペレーターの後処理を短くできます。顧客の課題も同じ形式で残せます。ただし、生成要約が必ず正確とは限らないため、人が確認・修正してからCRMへ登録します。

登録項目を自由記述にせず、既存のCRM項目やチケット項目に合わせておくと、集計や引き継ぎにも使いやすくなります。

品質評価・アラート・VOC分析

通話解析で確認できるのは、品質評価、注意語の検知、顧客の声の集計です。これらを使うと、個別の応対の改善から、サービスの改善までつなげられます。

  • 品質評価:挨拶、本人確認、説明、クロージングを見て、評価のばらつきを把握できます。
  • アラート:NGワード、コンプライアンス上の注意語、クレームやカスタマーハラスメントの兆候を担当者に通知します。
  • VOC分析:通話目的や問い合わせ分類から、FAQ不足や商品への不満、手続きのつまずきを読み取る分析です。

SVは、全件を聞く負担を抑えながら、評価の状況を確認できます。また、2026年8月に確認した国内音声マイニングの公式導入情報では、10席から数千席まで、累計5.6万席以上、500拠点以上で活用されています(出典:国内音声マイニングサービスの公式導入情報、2026年8月確認)。

通話解析システムの種類と選び方

提供形態と処理タイミングを組み合わせると、候補を比べやすくなります。

まず、既存のPBXやCTIを残すのか、電話基盤から入れ替えるのか、録音後の分析だけで足りるのかを整理します。

SaaS・CCaaS型の特徴と向いている場面

SaaSやCCaaSは、サーバーの調達や大規模な基盤構築を抑えながら、標準機能を短期間で使える形態です。10席程度のPoCや、文字起こし・要約・品質評価を試す場合に向いています。

  • 契約条件:席数・処理分数ごとの料金、価格改定、解約時のデータ出力を確認します。
  • データと連携:保管場所、海外での処理、API制限を見ておきます。
  • 検証条件:無料トライアルでも、本番と同じ録音形式や連携条件で試せるとは限りません。

パッケージ・専有クラウド型の特徴

音声マイニングや品質管理のパッケージ型は、標準機能を活かしながら、辞書や権限、帳票を調整しやすい形態です。分析テーマも、あわせて調整できます。

専有クラウドでは、共有環境より細かなネットワークやアクセス制御を設計できる場合があります。

採用前には、標準構成の対象席数と、カスタマイズの範囲を確認します。あわせて、バージョンアップの影響と、障害対応の責任分界も見ておきます。

オンプレミス・ハイブリッド型の管理範囲

機密性の高い音声を社内や専有環境に置きたい場合や、既存PBXとの接続を細かく管理したい場合に、候補となります。

サーバーやバックアップ、監視、障害復旧は、自社側で管理することになります。音声認識モデルの更新やGPUも、自社で受け持ちます。

判断では、導入費に加えて、5年間の保守と機器更新を含めます。セキュリティパッチの適用や運用担当者の工数も、あわせて見ます。

スクラッチ開発の特徴と業務画面との連携

独自の業務フローや特殊な録音形式がある場合は、候補になります。複数のCRMを使う場合や、細かな権限や分析指標が必要な場合も、候補に入ります。

音声認識エンジンには専門エンジンやAPIを使い、業務画面や連携を自社向けに設計する方法が現実的です。マスキングや監査ログ、評価基準も、自社向けに設計していきます。

自由度が高い一方で、要件定義やテストデータの準備、運用設計を省くと、後工程の追加費用や現場の手戻りが増えます。

ポイント

既存基盤を残すか、早期検証を優先するか、個別要件を重視するかで提供形態を絞ります。管理範囲や保守の負担まで比べると、候補を決めやすくなります。

通話解析システムの開発・導入の進め方

通話解析システムの導入を、目的やKPIの設定、実データによるPoC、連携や権限の設計、現場テストと段階リリースの順に示した図。
実データの検証を設計や現場展開につなぐ順番が見えます。

成否は、AIの精度に加えて、設計をどう進めるかで決まります。録音データや顧客マスタ、FAQを用意し、評価基準や権限、保存期間も含めて、現場や情シス、法務と段階的に設計します。

特に、実際の通話で早めに検証しておくと、導入後の期待外れを防ぎやすくなります。

▶ 詳細はこちら:通話解析システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

1.目的・対象通話・KPIの設定

対象部門と席数、拠点数が分からないと、システムの規模を見積もれません。そこで、月間通話時間とピーク時の同時通話数、録音の有無と保存年数を整理し、既存のPBX・CTI・CRMも洗い出します。

KPIには、後処理時間やSVのモニタリング件数、クレームや禁止表現の検知速度を使います。

目的を「AIで効率化する」のままにすると、必要な機能と費用を決められません。

2.実データによるPoC

候補を絞ったら、実際の録音10〜50件程度で検証します。音声認識と話者分離、固有名詞の扱いを確かめ、方言や雑音への強さ、要約、検索、CRM連携も見ておきます。

認識率だけでなく、誤認識が事故につながる項目を別々に測ります。たとえば、商品名や住所、金額は、誤認識の影響が大きい項目です。契約条件や禁止表現も、同じように測ります。

オペレーターの修正のしやすさや、SVが評価を続けられるかも確認します。

3.データ連携・権限・非機能要件の設計

録音の取り込み方式とファイル形式、リアルタイム連携の仕組みを先に決めます。顧客や案件との紐付け、API、エラー時の再処理も、同じ段階で設計します。

役割ごとのアクセス権や監査ログは、非機能要件として定めます。暗号化とバックアップも、同じ要件に含めます。

障害時の復旧目標や利用可能時間を決めます。保存期間と削除手順も、あわせて定めます。音声とテキストを片方だけ残すことがないよう、保管から削除まで通して設計します。

4.現場テスト・段階リリース・定着化

開発後は、正常系に加えて、無音や雑音、複数話者のケースを試します。途中切断や録音欠損、同一顧客の重複登録も、テスト項目に入れます。先行チームや一部の席で運用してから、対象を広げます。

要約の修正率や入力時間、検索の利用頻度を確認します。アラートについては、見逃しと過検知の両方を見ます。

辞書や評価シートは、現場の修正履歴をもとに定期的に更新します。要約テンプレートとFAQも、同じ履歴を見て更新します。

ポイント

判断の目安は、目的とKPIを決めたうえで、実データのPoCで精度を確かめられるかどうかです。連携・権限の設計と現場テストを段階的に進めると、導入後の期待外れを防ぎやすくなります。

通話解析システムの費用相場とコストの内訳

価格は、席数や録音時間、リアルタイム性で変わります。分析機能や既存システムとの連携、クラウドかオンプレミスかも影響します。

通信費やストレージ、AI処理は、別料金になる場合があります。導入支援や個別連携の費用も、別に加わることがあります。

以下は、2026年時点で検討を始めるための目安です。正式な予算は、同じ条件のRFPで見積もる必要があります。

▶ 詳細はこちら:通話解析システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

公開価格から見るライセンス・利用料金

音声・テキスト分析を含むクラウド型コンタクトセンターサービスの公式料金ページでは、1ユーザーあたり月額18,600円と28,800円のプランが掲載されています(出典:音声・テキスト分析を含むクラウド型サービスの公式価格ページ、2026年8月確認)。

10席ではライセンスだけで、月額18万6,000円から28万8,000円、年額約223万2,000円から345万6,000円です。

年間契約や通信キャリア、API、ストレージ、音声テキスト変換量、AIトークンなどは別途加わります。そのため、ここに示した金額は総額とはみなせません。

開発費の目安と小規模PoCの費用

開発規模ごとの機能構成と費用・期間を見ると、概算の幅をつかめます。

  • 小規模PoC:既存録音を取り込み、音声認識、検索、簡易ダッシュボードを作ります。
  • 中規模導入:音声認識、要約、CRM連携、FAQサジェスト、キーワードやカスタマーハラスメントのアラートを組み合わせた構成です。
  • 大規模開発:複数拠点、リアルタイム解析、PBX・CRM・DWH統合、専有環境、独自モデルを含みます。

小規模PoCは300万〜800万円、期間は2〜4か月程度が目安です。録音形式が統一されていて、CRM連携やリアルタイム機能がなければ、費用を抑えられます。

中規模導入は800万〜3,000万円、4〜9か月程度が目安です。

大規模開発は3,000万円〜1億円超、9〜18か月以上となる場合があります。これらは要件から整理した推定です。金額は、機能数だけでなく、データ移行と非機能要件によっても左右されます。

初期費用以外を含むTCO

TCO(総所有コスト)は、初期開発費と月額ライセンスを分けて計算します。さらに、音声認識や生成AIの従量課金、録音・テキストの保管費も加えます。

電話・通信費やCRMなどとの連携費も含めます。導入支援や教育、保守の費用も対象です。年間保守は、初期開発費の10〜20%程度を目安とする場合がありますが、契約内容によって異なります。

月間録音時間と保存年数を掛け合わせ、音声とテキストを何日後に削除するかを決めておくと、ストレージ費用とリスクを比べやすくなります。

ポイント

費用は、席数や録音時間、連携範囲で変わります。ライセンス料だけで判断せず、開発費や保守、従量課金を含めたTCOで比べると、予算の見通しを立てやすくなります。

通話解析システムの開発会社・ベンダーの選び方

製品の知名度だけでなく、自社の録音や業務に合うかで選びます。セキュリティや連携要件との適合も、あわせて確かめます。音声解析、コンタクトセンター基盤、個別の業務システム開発では、提供者ごとに得意分野が異なります。

RFPでは、同じサンプル音声と評価項目を各社に渡します。価格だけでなく、検証結果と運用支援も比べます。

日本語音声の評価方法

「日本語対応」と書かれていても、専門用語や商品名、固有名詞で高精度とは限りません。方言や電話の雑音、複数話者の重なりも、別に確かめる必要があります。

実データで、単語誤り率や重要語の正解率を測る方法を確認します。話者分離や処理時間、要約修正率についても、測定方法を確かめます。

金額や日付は、平均精度とは別の合格基準を設定します。契約条件や本人確認に関わる語も、この基準の対象に含めます。

PBX・CTI・CRM連携と責任分界

録音ファイルの取得元、リアルタイム音声の受け渡し方式、顧客IDや案件IDを付けるタイミングを確認します。製品提供者と開発会社が別の場合は、障害ごとに調査を担当する相手を決めておきます。

録音欠損やCRM登録エラーなど、障害の種類ごとに責任者を明確にします。API仕様書やデータモデル、運用手順書は、納品物に含めます。設定一覧やエクスポート方法も、移行や追加開発に備える材料になります。

セキュリティと導入後の支援

導入先を比べるときは、データ保護の仕組みと、運用支援の担当範囲を確認します。

  • データ保護:アクセス権、監査ログ、暗号化、個人情報や決済情報のマスキング
  • データ管理:保存期間、削除、バックアップ、AI学習への二次利用、国外移転、委託先の扱い
  • 運用支援:辞書や評価基準の保守担当、月次レポートの確認者、現場教育や活用支援の有無

PoCの成功を本番の定着につなげるには、初期構築の技術力と同じくらい、運用設計を一緒に進める体制が必要です。

▶ 詳細はこちら:通話解析システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

▶ 詳細はこちら:通話解析システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

ポイント

開発会社は、自社の録音や業務、セキュリティ要件との適合で選びます。同じサンプル音声と評価項目で比べ、検証結果と運用支援の両方を見ると、判断の根拠が残ります。

セキュリティ・個人情報・運用で失敗しない方法

通話データを中心に、利用目的、閲覧者、削除時期、人の確認を周囲に配置した管理設計の図。
データ保護とAI出力の確認を同じ設計の中で捉えられます。

通話には、氏名や住所、契約内容が含まれることがあります。健康状態や決済情報が含まれる場合もあります。

そのため、解析前に、利用目的や閲覧者、削除時期を決めます。AIの出力を人が確認できる仕組みと、委託先を含む責任分担も設計します。

通話内容の利用目的と透明性

個人情報保護委員会のFAQでは、通話内容から特定の個人を識別できる場合は個人情報に該当し、個人情報取扱事業者には利用目的の通知または公表が必要とされています。

録音の事実を伝える義務まではないと整理されています(出典:個人情報保護委員会「顧客との電話の通話内容は個人情報に該当しますか」、2026年8月確認)。

法的な最低限にとどめず、録音やAI解析の目的、保存期間、問い合わせ窓口も案内しておくと、顧客と従業員の不安を減らせます。

マスキング・権限・保存削除の一体設計

カード番号や口座情報、本人確認情報を、録音から要約生成まで、どの段階でマスキングするかを決めます。役職や業務に応じて、閲覧範囲を音声と全文テキストに分けるほか、要約や集計値も対象にします。

閲覧、ダウンロード、設定変更は、監査ログに残します。保存期間を決めたら、削除が音声やバックアップ、連携先の複製まで届いているかを、定期的に確認します。

生成AIの誤りを前提にした人の確認

要約や感情、クレーム兆候の判定は、業務を助ける情報として扱います。無条件に正しいとはいえないため、人の確認を前提にします。

  • 重要な判断:確定登録、顧客への回答、従業員評価では、原音声と根拠箇所を画面で確認します。
  • 修正・差し戻し:担当者が判定を修正・差し戻しできる画面を用意します。

経済産業省などが公表したAI事業者ガイドライン第1.2版は、2026年3月31日に更新されました。

安全性やプライバシーなどを設計時に確認する材料になります(出典:経済産業省「AI事業者ガイドライン」第1.2版、2026年3月31日)。

ポイント

通話データは、利用目的、閲覧者、削除時期を決めてから解析に進みます。AIの判定は人が確認できる仕組みを置き、委託先を含む責任分担も明確にしておくことが目安です。

導入効果を測るKPIと改善サイクル

導入後の成果を判断するには、導入前に対象業務の基準値を測り、導入後に同じ定義で比べます。

経営層、SV、オペレーター、情シスでは、見る指標が異なります。そのため、役割ごとにKPIを分けておくと、改善の行動につながりやすくなります。

オペレーターとSVの業務負荷

オペレーターは、通話後の入力時間や記録の未入力率を確認します。検索やFAQ参照の時間、転記ミスの件数も見ます。

SVは、1週間あたりのモニタリング件数や評価完了までの時間を見ます。評価者間の差も確認します。

指導に使える会話の抽出数も確認します。処理時間が減っても修正や確認が増えた場合は、要約テンプレートや入力項目を見直します。

顧客体験・品質・売上への影響

一次解決率や再入電率、平均処理時間を、利用の有無やチームごとに比べます。クレームの早期検知率、禁止表現の見逃し率、顧客満足度も、同じ比べ方で見ます。

営業では、記録時間や次回アクション登録率、成約した会話の共通点を見ます。

導入事例の数値は、業務や席数、評価期間が自社と違えば、そのまま再現できるとは限りません。効果は、自社の基準値から判定します。

月次での辞書・FAQ・評価基準の改善

現場で修正された固有名詞や誤認識、過検知されたアラート、追加された問い合わせ分類を、月次で確認します。辞書を増やしすぎると似た語の誤認識が増えることもあるため、変更前後の精度を測ります。

FAQや評価基準は、問い合わせの傾向や業務の変更に合わせて更新します。その際は、変更履歴と承認者も残しておきます。

導入後は、単発の開発で終わらせず、業務の標準化と改善のサイクルに組み込むと、定着につながります。

通話解析システムに関するよくある質問

費用や精度に加えて、既存環境との関係やデータの扱い、導入規模も確認しておくと、候補先への相談が具体的になります。

10席程度の小規模なコンタクトセンターでも導入できますか?

導入できます。10席程度であれば、既存録音の取り込み、文字起こし、検索、要約に絞ったPoCから始める方法が現実的です。

10席から使える標準構成のサービスや、ユーザー単位で課金されるクラウド型もあります。比べるときは、月間通話時間と連携範囲をそろえておきます。

音声認識の精度は何%あれば実用になりますか?

精度の合格ラインは、用途によって変わります。日常会話の検索では多少の誤りを許容できても、契約条件や金額、本人確認、禁止表現の検知では、重要語を正確に認識する必要があります。

実録音で、重要語の正解率や話者分離、要約修正率を測ります。処理時間も見ます。誤認識が出たときに、人が原音声を確かめられる運用も含めて判断します。

クラウド型とオンプレミス型はどちらが安全ですか?

どちらが安全かは、一律にはいえません。クラウド型は専門事業者の監視や更新を使える利点がある反面、保管場所や委託先を確認する必要があります。国外移転や契約終了時の削除も、あわせて見ます。

オンプレミス型は配置場所やネットワークを管理しやすい一方、パッチ適用やバックアップ、障害復旧を自社で続けます。モデル更新も、自社が担う作業です。そのため、自社の管理能力とデータ要件を基準に選びます。

通話データがAIの学習に使われることはありますか?

サービスと契約によって異なるため、利用規約やデータ処理契約を確認します。学習利用の有無や保存日数、削除依頼への対応は、契約書に明記してもらいます。処理先と委託先も、あわせて示してもらいます。

学習利用を許可しない設定の有無は、確認しておきたい点です。個人情報のマスキングやアクセス権の範囲、監査ログのほか、事故時の連絡と復旧もあわせて見ておきます。

まとめ

通話解析システムは、録音を保存するだけでなく、音声を検索できるデータに変えて使うシステムです。要約や品質評価、コンプライアンス確認、VOC分析、CRM連携などに活かせます。

導入時は、解決したい業務課題とKPIを決めたうえで、実通話を使ってPoCを行います。音声認識の精度に加えて、現場の使いやすさと運用の負担も確認します。

機能・費用・運用の同条件での比較

候補は、文字起こしの精度や料金体系、連携費を同じ条件で比べます。保守費やデータの保存・削除、現場が修正しやすい画面も、あわせて比べます。

導入費が安くても、確認や辞書保守に時間がかかると、期待した効果を得にくくなります。

対象通話と検証条件の整理

予算は、初期開発費だけでなく、ライセンスや従量課金、保守を含めた総額で比べます。連携や保管、運用の費用も、同じ総額に入れて見ます。

個人情報の利用目的やマスキング、権限、保存・削除の方法は、要件に含めます。AI学習の利用と人の確認も、同じ要件として書いておきます。

候補先には、席数や月間通話時間、録音形式を渡します。既存のPBX・CTI・CRM、重要語、目標KPIも、あわせて伝えます。同じ条件で見積もりとPoC結果を比べると、自社に合うシステムを選びやすくなります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。