選挙管理システムは、名簿管理、投票受付、開票・帳票、権限管理を一体で設計すると、正確で説明可能な選挙事務に役立ちます。
主な機能、構成方式、開発手順、費用、開発会社の選び方と発注、セキュリティの順に、要点を見ていきます。各テーマの詳しい内容は、次の関連記事で確認できます。
▼関連記事一覧
・選挙管理システム開発の進め方
・選挙管理システム開発でおすすめの開発会社6選と選び方
・選挙管理システム開発の見積相場・費用
・選挙管理システム開発の発注・外注・委託方法
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
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選挙管理システムの概要
選挙管理システムは、資格管理、投票受付、集計、帳票作成、履歴管理を支える自治体向けの業務システムです。名簿を保存するだけのデータベースとは異なり、選挙事務の流れ全体を支えます。
選挙の種類や日程、投票区、候補者、投票済み情報、職員の権限は、互いに関連付けて扱われます。そのため、選挙事務の再現性と監査可能性を高める点が特徴です。
対象業務の範囲
対象業務は、名簿から投開票までの機能と、その周辺機能に分けて捉えます。
- 名簿とマスタ:選挙人・在外選挙人名簿、選挙区・投票区・候補者など。
- 登録と帳票:定時・選挙時登録、資格異動の処理、入場券や名簿抄本の作成。
- 投票・開票:期日前・不在者・当日投票から、開票結果、速報、確定結果、統計・帳票まで。
- 周辺機能:立候補届出、選挙公報、ポスター掲示場、選挙運動費用収支報告と連携する場合があります。
- 機能の区別:名簿管理、受付端末、電子投票機、インターネット投票は別機能です。
発注側は、標準仕様の対象業務と、機器・ネットワーク・運用を分けて、対象範囲をはっきり示します。
選挙管理システムが必要な理由
選挙事務は、正確さと事務負担の両面に関わります。
- 短期間の大量処理:多くのデータと人員を扱うため、誤りを防ぐ仕組みが必要です。
- 業務の連携:住民基本台帳の異動反映、複数投票所の受付、投票済み情報の重複防止、開票集計を支えます。
- 作業の軽減:重複転記や帳票の作り直し、進捗確認、集計時の確認を減らせます。
データ変更の日時と担当者を記録し、バックアップと復旧の手順を整えておくと、監査や問い合わせの際にも説明しやすくなります。
選挙管理システムの主な機能と業務範囲

主な機能は、名簿作成、投票受付、結果集計、記録の保管に分けて捉えられます。機能一覧では、画面だけでなく、入力元、確認者、連携先、帳票、履歴、障害時の手順も確かめます。
選挙人名簿と資格異動の管理
名簿管理では、登録や資格異動を、関連するマスタや帳票と一体で扱います。
- マスタ管理:選挙人・在外選挙人名簿、選挙区、投票区、投票所、候補者、政党、選挙日程が対象です。
- 登録と資格異動:定時・選挙時登録と、転入・転出・死亡に伴う異動を処理し、名簿抄本、入場券、投票所別一覧を作成します。
住民基本台帳との連携では、差分と全件のどちらでデータを送るかを決めます。あわせて、連携の頻度とエラー時の再送方法、文字コード、除票の扱いも決めておきます。
2026年3月時点のデジタル庁FAQも、全件と差分を含む連携方法を、自治体と事業者が判断する論点として示しています(出典: デジタル庁「データ要件・連携要件標準仕様書に関するFAQ」、2026年確認)。
期日前・不在者・当日投票の連携
投票管理では、期日前・不在者・当日投票、共通投票所、在外選挙を扱います。本人照合、投票資格、投票済み情報、二重投票防止が、一連の流れでつながっているかを確かめます。
投票所別の受付状況と投票者数の速報を管理します。複数拠点では、共有データと通信断時の端末の扱いを定めておきます。さらに、復旧後の突合の順番、紙の受付簿とオフライン端末の代替手順、二重登録防止の照合方法も決めます。
開票集計・速報・帳票の一貫した出力
開票と帳票の機能は、入力と確認から結果の出力までをつなぐ役割を担います。
- 集計と結果出力:投票所報告を受け、開票区・選挙区・候補者単位で確認したうえで、速報、確定結果、報告書、統計を出します。
- 変更履歴:入力者と確認者を分け、修正前後の値、理由、承認者、時刻を残します。
- 帳票の範囲:法定様式、投票所別一覧、職員用チェックリスト、開票進捗画面、庁内報告用集計表。
PDFや印刷で再出力したときも、同じ条件の結果を再現できるかを確かめておきます。文字や外字が欠けないことと、出力の権限を管理することも欠かせません。
権限・ログ・バックアップによる証跡の管理
証跡と復旧に備える管理項目は、役割、アクセス、保管の観点で分けて考えます。
- 権限と認証:管理者、名簿・投票所・開票担当、閲覧者を分け、個人アカウントと強固な認証を使うことが基本です。
- 操作の記録:操作ログと変更履歴を残し、端末や媒体の持ち出しも管理対象に含めます。
- 保管と復元:バックアップの復元を定期的に確かめ、本番環境、バックアップ、帳票、ログの保管期間を定めておきます。
障害時の連絡先、復旧目標時間、紙運用への切り替え条件、復旧後のデータ突合まで訓練しておくと、選挙直前のリスクを下げられます。
選挙管理システムの種類と構成方式の選び方

制度対応と自治体間連携が重要になる名簿・投票管理では、標準準拠パッケージやクラウドを核にする方法が検討しやすいです。一方で、固有の帳票や運用は、設定や追加開発で補います。
全面スクラッチは、法改正、監査、障害対応、担当交代後の保守まで担える前提で判断します。
標準準拠パッケージと制度変更への追随
契約の前には、基本機能と標準仕様への適合状況を照らし合わせておきます。
- 基本機能と設定:名簿、投票、開票、帳票、権限を備え、項目や帳票を自治体の業務に合わせて設定できます。
- 適合と改版:標準仕様への適合、改版による差分、追加開発の扱い、住民情報システムとの連携を見ます。
- 製品名だけで判断しない:対象業務ごとの適合資料と未対応項目を、一覧にして提出してもらいます。
デジタル庁の公開一覧には、2025年9月30日公開の第4.1版として、選挙共通と名簿管理、期日前・不在者投票と当日投票、在外選挙管理が掲載されています(出典: デジタル庁「データ要件・連携要件の標準仕様」、2026年確認)。
クラウド・SaaSの運用負荷と接続条件
クラウド・SaaSの導入では、運用負荷、接続条件、費用をあわせて見ます。
- 運用負荷:サーバーの設置・更新・監視を抑えられ、選挙時の利用者や端末の増加に合わせやすい点があります。
- 接続と安全性:LGWAN、庁内ネットワーク、専用回線、投票所の通信環境から安全に接続できるかを確かめます。
- 安全管理:データ保管地域、暗号化、認証、ログ、バックアップ、障害時の連絡体制。
- 料金の変動要因:利用者数、選挙回数、保持期間、端末数、サポート時間、連携の内容で変わります。
- 5年総額:月額だけでなく、初期設定、移行、選挙前の環境構築、当日・夜間支援、解約時の返却費まで含めます。
スクラッチとハイブリッドの使い分け
独自要件の範囲によって、全面開発にするか、既製サービスと組み合わせるかを検討します。
- スクラッチが合う場合:業務手順を保つ必要があり、独自帳票、複雑な連携、特殊な権限、独自画面を実装したい場合です。
- 継続する保守:制度改正の分析と改修、脆弱性対応、テスト環境、運用要員、設計書の更新が欠かせません。
- ハイブリッド構成:標準機能は既製サービスを使い、住民基本台帳連携、庁内認証、独自帳票、既存基盤とのAPIは個別に開発します。
- 負担の調整:共通機能と自治体固有の部分を分ければ、費用と保守負担を抑えられます。
選挙管理システム開発の進め方

開発は、目的と範囲の決定から始まります。前半では業務の棚卸しと標準仕様の確認、RFIとRFPを行い、その後に要件定義と設計・設定へ進みます。移行、総合テスト、リハーサルを経て本番稼働に入り、最後に選挙後の改善を行います。
選挙日から逆算して、制度上動かせない作業と、段階的に導入できる作業を分けておきます。
対象範囲と現行業務の洗い出し
業務の棚卸しでは、対象範囲、通常時と例外時の流れ、現行の作業負荷を確かめます。
- 調達範囲:名簿、各種投票、開票速報、立候補、帳票、電子投票機のうち、どこまでを含めるかを決めます。
- 現行フロー:選挙日程、担当課、紙帳票、Excel、手作業、例外処理、臨時職員の役割、台帳連携時期の一覧。
- 例外と負荷:異動の集中、候補者情報の差し替え、通信断、端末故障、速報の訂正、担当者不在。
- 要件の整理:作業時間、誤りやすい箇所、二重入力、承認経路を手がかりに、必要な機能を見極めます。
RFIで可能性を調べ、RFPで同じ条件を比較
情報収集から提案の比較へ進むときは、RFIとRFPの役割を分けて考えます。
- RFI:標準適合、データ移行、連携を調べます。
- RFP:機能・非機能要件、移行、テスト、成果物、保守、SLAを同じ書式で提示します。
- 提案評価:技術点、移行計画、リハーサル、障害時の代替運用、自治体側の作業量も比較対象です。
RFIでは、設置方式、期間、概算費用、当日支援まで確かめます。対象業務と前提、未対応と追加費用は、分けて回答してもらいます。RFPでは、法改正、価格、再委託、終了時返却も含めます。
移行・テスト・選挙前リハーサル
本番運用を見据えて、データ移行、各種テスト、選挙前の通し確認を、この順に行います。
- データ移行:名簿と過去選挙、異動履歴、外字とコードを確認し、重複や欠損も調べます。
- 移行検証:移行前後の件数、サンプルの項目一致、帳票の再現性、移行ログを照らし合わせます。
- システムテスト:機能、権限、連携、負荷、障害復旧に加え、帳票、通信断、バックアップ復元も確かめます。
- 選挙前リハーサル:名簿確定から投票、速報、開票、帳票まで通し、臨時職員が手順書で操作できるかを見ます。
旧システムの参照期限も、データ移行の段階で決めておきます。
稼働後の振り返りと保守
稼働後は、振り返りと保守の内容を、次の選挙や仕様変更へつなげます。
- 選挙ごとの振り返り:問い合わせ、操作ミス、修正履歴、処理時間を確かめます。障害、紙運用、帳票の不足も振り返ります。
- 変更への対応:法改正や仕様改版の影響機能、テスト範囲、費用、適用時期を洗い出し、保守や次回計画に反映します。
- 保守と受入条件:休日・夜間支援、緊急連絡、代替担当、復旧目標を定めます。パッチ、バックアップ、研修、手順書の改版も含みます。
▶ 詳細はこちら:選挙管理システム開発の進め方
選挙管理システムの費用相場と見積もりの考え方
費用は、人口と投票所数、対象業務、既存システムで変わります。端末数や標準化と移行、当日支援の範囲も影響します。公開されている契約は委託範囲が異なるため、全国一律の価格ではなく、2025〜2026年時点の初期見積もりの目安として見るのが適切です。
導入範囲別の費用相場
導入範囲によって費用は変わるため、公開されている案件は、個別の条件を踏まえて参考にしてください。
- 選挙1回分:本番環境設定、運用支援、端末・機器レンタルが中心なら100万円〜2,000万円程度です。
- 既存パッケージ移行:標準化対応とデータ移行を含む場合は600万円〜3,000万円程度です。
- 中規模自治体:複数業務、連携、端末、研修、総合テストまで含めると、3,000万円〜1億円程度です。
- 大都市の移行:標準化移行や周辺システム接続を含むと、1億円〜3億円を超える場合もあります。
横浜市の個別契約額は245,056,900円でした(出典: 横浜市「選挙人名簿管理システム等標準化に係る移行業務委託」契約結果、2024年公表)。大都市の案件のため、一般的な自治体の標準価格とは言えません。
見積書の費目の分け方
見積書は、初期作業と継続費用を分けたうえで、前提条件も明記してもらいます。
- 初期作業:要件定義、調達支援、設定・開発、連携、データクレンジング・移行の項目に分けます。端末・バーコード読取機器、ネットワーク・クラウドも別の項目にします。
- 導入・支援:テスト、研修、リハーサル、当日支援、保守、法改正対応を分け、数量・単価・対象外・追加単価を記載します。
- 継続・終了費用:選挙ごとの環境設定、休日・夜間支援、端末保守、クラウド利用料を含めます。
- 5年TCO:通常年、国政選挙が重なる年、更改年の3パターンで計算します。
継続・終了費用には、バックアップ媒体、ライセンス更新、法改正、脆弱性対応、撤去、データ返却も含めます。
5年総額と予備費の確認
同じ条件で比べたうえで、追加費用が生じる場面と手続きを、先に決めておきます。
- 比較条件:名簿件数、投票所・期日前投票所数、端末・同時接続数、過去データ、連携先、支援時間を揃えます。
- 追加開発:標準機能と自治体固有の部分を分け、機能追加の単価と納期を見ます。
- 予備費:制度改正、仕様改版、移行不備、端末追加、再リハーサル、障害対応に備えます。
- 変更管理:予備費の発生条件と承認方法を、契約書や管理表に記載します。
▶ 詳細はこちら:選挙管理システム開発の見積相場・費用
選挙管理システムの開発会社・サービスの選び方
開発会社やサービスは、知名度や機能数よりも、自治体の規模、既存基盤、標準化、目的、当日の支援体制で比べます。選定の前に、名簿・投票・開票のどこまでを対象にするかと、標準機能と追加開発の分け方を決めておきます。
自治体の規模と業務範囲が近い実績
実績は件数よりも、自治体との条件や対象業務の近さで見ます。
- 自治体の条件:人口、投票所数、選挙種別、標準化対象、住民記録システムを比べます。
- 導入規模:データ移行、同時接続端末数、当日の支援時間が近い事例を選びます。
- 対象業務と運用:名簿だけか投票・開票速報まで含むかを見て、導入時期、構成、課題、障害対応、改善例を尋ねます。
- 終了時の対応:利用終了時にデータを取り出す方法を説明できるかを確かめます。
標準仕様への適合と連携方式の比較
業務ごとの適合状況と、連携の運用や成果物を並べて比べます。
- 標準仕様:選挙共通、名簿、期日前・不在者投票、当日投票、在外選挙の適合を記載します。
- 版と改版:基準の版、更新提供の時期、追加開発を標準機能へ戻せるかを見ます。
- 連携先と方式:住民基本台帳、統合宛名、認証、文書管理を洗い出します。帳票、機器、速報配信も含め、API・ファイル・バッチ・手入力の方式を図示します。
- 失敗時と成果物:検知者、再送・手動補正を決め、仕様書、データ辞書、エラーコード一覧を成果物に含めます。
操作性と選挙当日の支援体制
日常の利用者と臨時職員にとっての操作性に加え、選挙期間中の支援条件も確かめます。
- 操作と研修:入力順、確認、取消、権限を試します。印刷、検索、エラー表示も操作して、研修時間とマニュアル量を判断します。
- 当日の支援:休日・夜間受付、一次切り分け、現地対応、代替端末、復旧判断、自治体への報告方法の内容を見ます。
- SLA:障害の優先度、初動時間、復旧目標、再発防止報告、不在時のエスカレーション。
契約終了時のデータ返却と移行可能性
契約が終わった後もデータと運用情報を引き継げるよう、その条件を契約の時点で決めておきます。
- 返却対象:名簿、投票済み情報、開票結果、帳票の形式を決めます。ログ、設定、データ辞書も含みます。
- 終了手続き:返却費用、保管期間、消去証明、移行支援の範囲を、契約書に盛り込みます。
- 自治体側の保管:API・ファイル仕様、テストデータ、操作手順、障害履歴、構成図を保管し、事業者への依存を抑えます。
- 次回調達:移行費を比べ、将来のRFIや更改で他の選択肢を検討できる状態を保ちます。
▶ 詳細はこちら:選挙管理システム開発でおすすめの開発会社6選と選び方
選挙管理システムの発注・外注・委託の確認事項
発注では、納品物に加えて、自治体と受託者の役割、再委託、データ管理場所を明確にします。あわせて、当日はどこまでを誰が受け持つか、変更の手続き、契約終了時の移行も決めておきます。
既存環境を理解している事業者は強みになりますが、既存の事業者しか対応できない状態は避けます。そのため、仕様やデータは自治体側にも残しておきます。
随意契約や継続委託での仕様の残し方
随意契約や継続委託でも、機能要件、データ項目、連携仕様、テスト条件、障害対応、成果物を明確にします。法令や既存の資産が契約方式に関わる場合は、その条件も定めておきます。
次回の調達で比べられるように、追加開発の理由と費用、未解決の課題、運用上の制約を、毎年更新しておきます。
業務責任者、情報政策、調達、セキュリティ、投票所担当を含む体制を作ります。また、意思決定者と承認期限も決めておきます。
価格点・技術点の評価と変更手続き
提案の評価と契約後の変更は、記録に基づいて管理します。
- 評価項目:価格、標準適合、業務理解、移行、連携を比べます。セキュリティ、操作性、テスト、当日体制、保守、返却も対象です。
- デモ確認:異動エラー、投票済み情報の重複、速報訂正、通信断からの復旧を操作して確かめます。
- 要望変更:背景、影響、費用、納期、テスト、次回選挙への影響を記録し、承認後に実施します。
- 変更管理表:口頭での対応による仕様差分やテスト漏れを防ぐため、変更の記録を一つにまとめます。
再委託・情報管理・契約終了の監督
再委託先の管理、クラウド運用、契約終了後の処理は、契約で定めておきます。
- 再委託先:委託範囲、アクセスするデータ、作業場所、認証、ログを確認します。秘密保持、事故報告、監査権限も定めます。
- クラウド管理:データ保管場所、バックアップ、障害復旧、脆弱性情報、委託先変更の通知を見ます。
- 契約終了:返却形式と期限、移行環境、変換費を定めます。帳票の参照、ログの保存、アカウント停止、媒体の消去証明も含みます。
- 移行継続:事業者や自治体方針が変わったときにも、選挙事務を止めずに移れる条件を整えます。
▶ 詳細はこちら:選挙管理システム開発の発注・外注・委託方法
選挙管理システムのセキュリティと2026年の最新動向
選挙管理システムでは、正確性、投票の秘密、可用性、完全性、説明責任を同時に守る必要があります。オンライン連携や共通投票所を検討するときは、リスクへの備えを含めて一体で設計します。
認証、権限、通信の分離、ログ、バックアップ、紙への切り替えを組み合わせて備えます。
認証・権限・ログ・復旧の一体設計
アクセスの制御、操作の証跡、障害からの復旧を、まとめて設計します。
- 認証:個人アカウント、強固なパスワード、多要素認証、端末制限、セッション管理を重要度に応じて組み合わせます。
- 権限:名簿の閲覧と更新、投票受付、開票の入力と確定、帳票の出力、管理設定を分けます。緊急操作には、承認と記録を付けます。
- ログ対象:ログイン、検索、閲覧、登録、修正、削除を記録します。出力、権限変更、連携エラー、バックアップ、復元も残します。
- ログ管理:時刻同期、改ざん防止、保管期間、検索方法、監査時の提出方法を決めます。
- 復旧訓練:目標復旧時間と許容データ損失を定め、障害を想定して訓練します。
電子投票機とインターネット投票の違い
投票所内の機器と遠隔の投票は仕組みが異なるため、制度と運用を分けて確かめます。
- 電子投票機:投票所で電磁的記録式投票機を使う方式です。記録保護、無権限操作防止、投票の秘密が確認の対象です。
- インターネット投票:通信回線を通じ、遠隔から投票する構想や実証を指します。
e-Govで公開されている特例法は、投票記録の保護や無権限操作を防ぐ機能を求めています。あわせて、電気通信回線への接続も禁じています(出典: e-Gov法令検索「電磁的記録式投票機を用いて行う投票方法等の特例に関する法律」、2026年確認)。
電子投票は、名簿管理システムの更新とは分けて考え、制度、機器、運用計画の面から評価します。
標準仕様の改版と文字・データ連携への対応
標準仕様や関連する要件は更新されるため、改版への対応を継続して管理します。
- 変更の把握:標準仕様、データ要件・連携要件、共通機能、行政事務標準文字の更新を追います。
- 適用計画:影響、適用時期、テスト、予算、業務手順の変更を管理します。
- 選定時の確認:仕様書の版、対応予定、旧版との差分、自治体側の確認事項、改版費用、検証環境を尋ねます。
- 引き継ぎ:自治体固有の運用を見える形にし、次回の更改へ引き継ぐ文書に残します。
選挙管理システムに関するよくある質問
導入前には、費用や方式に加えて、標準仕様、既存データ、職員の運用、障害時の継続、電子投票との違いを確かめておきます。そうした確認は、要件の抜けや漏れを減らせます。
選挙管理システムはパッケージとスクラッチのどちらがよいですか?
制度対応、標準仕様、名簿・投票・開票の共通機能を重視するなら、標準準拠パッケージやクラウドが検討しやすいです。
自治体独自の帳票や連携だけを追加開発するハイブリッドも含めて、保守要員、法改正の費用、移行、契約終了時の返却を比べます。
選挙管理システムの費用は自治体の人口だけで決まりますか?
人口は費用に関わりますが、人口だけで決まるわけではありません。投票所数、期日前投票所数、対象業務、端末数、既存システムとの連携も、見積もりに影響します。
過去データの移行、標準化の範囲、研修とリハーサル、当日の支援時間も、費用を左右する要因です。
見積書では、前提条件と対象外の範囲を確かめます。
電子投票を導入すれば開票時間を必ず短縮できますか?
電子投票を導入すれば、開票時間が必ず短くなるとは限りません。設置、本人確認、操作支援、障害時の代替が必要です。さらに、記録保護、機器検査、職員研修も求められます。
効果は、投票所の規模や運用によって変わります。
名簿管理の更改と電子投票機の導入は分けて考え、制度、機器、運用、費用、リスクを検証します。
既存の事業者やシステムから移行できますか?
移行できるかどうかは、データの出力方法と項目定義、文字とコードで決まります。履歴や帳票、利用権、移行先の取込仕様も関わります。
そのため、早い段階でサンプルデータを使い、移行を検証します。
旧システムの参照期限、返却、変換費、移行後の件数照合、過去選挙データの扱いを、RFIで確かめます。
開発は選挙の何か月前から始めるべきですか?
対象範囲や既存環境によって変わりますが、標準化、移行、連携、テスト、研修、リハーサルを含む更改では、選挙直前を避けて、6〜18か月程度を計画することが多いです。
選挙1回向けの環境設定や運用支援だけなら、1〜3か月程度の案件もあります。
要件定義、調達、契約、端末の準備、予備日まで含めて、選挙日から逆算します。
まとめ
選挙管理システムは、名簿、投票、開票、帳票を、権限やログ、バックアップとつなぐ仕組みです。正確で説明可能な選挙事務を支える基盤です。
企画の段階では、名簿管理だけに絞らず、住民基本台帳連携、投票所の運用、障害時の紙運用、臨時職員の研修、選挙後の振り返りまで、業務フローで確かめます。
導入前の確認項目
導入前に確かめる項目は、業務・連携・運用・契約の四つに分けられます。
- 業務と標準仕様:対象業務と選挙種別、仕様の版と適合範囲を確かめます。
- 連携と基盤:住民基本台帳連携、データ移行と文字、端末とネットワークを確かめます。
- 安全な運用:権限・ログ・バックアップ、通信断時の紙運用、テスト・リハーサルを確かめておきます。
- 費用と継続:費用と5年TCO、当日の支援、法改正対応、契約終了時のデータ返却が対象です。
次のアクションを要件定義書へ落とし込み
確認項目は、RFIやRFPの質問票に落とし込みます。そうすると、複数の提案を同じ条件で比べられ、価格だけでは見えにくい運用負荷や将来の移行リスクも評価できます。
選挙管理システムは、導入して終わる製品ではなく、制度と現場の変化に合わせて安全に更新し続ける業務基盤として選ぶものです。
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・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
