安否確認システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

大規模地震や台風などの災害時に従業員の安全を迅速に確認できる安否確認システム。本記事では、安否確認システム開発の進め方・やり方・流れ・手順を、各フェーズのポイントとともに詳しく解説します。

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・安否確認システム開発の完全ガイド

安否確認システム開発とは

安否確認システム開発とは

安否確認システムとは、災害発生時に企業が従業員・家族の安否を迅速に把握するためのシステムです。自動的に安否確認メールやSMSを送信し、回答を集約・管理します。BCP(事業継続計画)の一環として多くの企業が導入を進めています。

既製品のSaaSサービスも多数ありますが、以下のような場合にスクラッチ開発が選ばれます。

  • 既存の社員情報システムや勤怠システムとシームレスに連携したい
  • 独自の通報フローや安否集計ロジックが必要
  • グループ企業・子会社を含めた独自の組織体系に対応したい
  • セキュリティ要件が高く、クラウドSaaSでは対応できない

安否確認システム開発の全体的な流れ

安否確認システム開発の全体的な流れ

安否確認システム開発は以下の工程で進みます。

  • 要件定義
  • 基本設計
  • 詳細設計
  • 開発・実装
  • テスト
  • リリース・移行
  • 運用・保守・定期訓練

ステップ1:要件定義

ステップ1:要件定義

BCPポリシーと安否確認の方針を確認する

開発前に、自社のBCP(事業継続計画)における安否確認の方針を確認します。以下の観点を整理しましょう。

  • 安否確認の対象者(社員・派遣・業務委託・家族)
  • 発動条件(震度X以上、特定地域での災害など自動発動か、手動発動か)
  • 安否確認の内容(本人・家族の安否、出社可否、連絡手段)
  • 回答締め切り・リマインドの方針
  • 未回答者への対応フロー
  • 集計結果の報告先・レポートフォーマット

連携システムの洗い出し

安否確認システムは人事・勤怠・グループウェアとの連携が必要になるケースが多いです。

  • 連携対象システムの一覧
  • 従業員マスタの取得方法(API連携・データ連携)
  • メール配信システム・SMS配信サービスの選定

非機能要件の定義

安否確認システムでは、災害時の高負荷にも耐えられる可用性・パフォーマンスが重要です。

  • 可用性: 99.9%以上(平時・災害時ともに)
  • パフォーマンス: 全従業員への通知を5分以内に完了
  • セキュリティ: 個人情報の暗号化・アクセス制御

ステップ2:基本設計

ステップ2:基本設計

システムアーキテクチャの策定

高可用性を確保するために、クラウドインフラ(AWS・Azure・GCP)上でのマルチリージョン構成を採用することが推奨されます。本社のオンプレサーバーだけに依存すると、大規模災害時にシステム自体が障害を起こすリスクがあります。

データ設計の基本方針

  • 従業員マスタ(外部システムからの連携 or 独自管理)
  • 安否確認イベント管理
  • 回答データの管理
  • 組織・グループ管理

ステップ3:詳細設計

ステップ3:詳細設計

安否確認通知の設計

  • 通知チャネル(メール・SMS・プッシュ通知)の設定
  • 通知テンプレートの設計
  • 大量通知時の配信キュー管理

回答受付の設計

  • 回答インターフェース(Web・メール返信・スマートフォンアプリ)
  • 回答項目(本人安否・家族安否・負傷の有無・出社可否・現在地)
  • 認証方式(ログイン認証 vs URLトークン認証)

集計・レポートの設計

  • 安否確認の進捗状況(回答率・未回答者一覧)
  • 組織別・地域別の集計
  • 管理者向けダッシュボード

ステップ4:開発・実装

ステップ4:開発・実装

通知エンジンの実装

安否確認システムの核心となる通知エンジンを実装します。数千〜数万人への一斉通知を短時間で処理するために、メッセージキュー(SQS・RabbitMQなど)を活用した非同期処理が一般的です。

回答インターフェースの実装

スマートフォンからの操作がメインになるため、モバイルファーストなUIを設計します。ネットワーク状況が悪い場合でも最低限の回答ができるよう、軽量なページ設計が求められます。

自動発動機能の実装

気象庁の緊急地震速報APIや、自社が設定した地域・震度条件に基づいて自動的に安否確認を発動する機能を実装します。

管理者向けダッシュボードの実装

リアルタイムで回答状況を把握できる管理画面を開発します。地図上での被災状況の可視化機能も有用です。

ステップ5:テスト

ステップ5:テスト

機能テスト

各機能の正常動作・異常動作を確認します。

負荷テスト

全従業員への一斉通知・同時アクセスに対するパフォーマンスを検証します。特に大企業では数万人への同時通知を想定したテストが必要です。

障害耐性テスト

一部のシステムコンポーネントが障害を起こしても、通知・回答受付が継続できるかを検証します。

訓練シナリオでのUAT

実際の安否確認訓練を想定したシナリオでのUATを実施します。管理者・従業員両方の立場で動作を確認します。

ステップ6:リリース・移行

ステップ6:リリース・移行

既存データの移行

従業員マスタデータを新システムに移行します。連携先システムとの同期設定を確認します。

社内告知・操作説明

全従業員向けに安否確認システムの使い方を周知します。特に回答方法(URLトークン認証の場合の操作)は事前に周知が必要です。

ステップ7:運用・保守・定期訓練

ステップ7:運用・保守・定期訓練

定期的な安否確認訓練

年1〜2回の安否確認訓練を実施し、システムの動作確認と従業員の操作習熟を図ります。訓練の結果を踏まえた改善も継続的に行います。

従業員マスタの最新化

入退社・異動・連絡先変更が発生した際に、従業員マスタを最新化する運用フローを整備します。

システムの冗長性・可用性の監視

24時間365日の監視体制と、障害発生時の迅速な復旧手順を整備します。

安否確認システム開発を成功させるポイント

安否確認システム開発を成功させるポイント
  • クラウド・マルチリージョン構成を採用する: 本社の被災もカバーする
  • 通知の多チャネル化: メール・SMS・アプリ通知を組み合わせる
  • 回答インターフェースを極限まで簡略化: 災害時の混乱を考慮した設計
  • 定期訓練で継続的な改善: リリースで終わりではなく運用が重要

まとめ

まとめ

安否確認システム開発は、BCP対策として非常に重要なシステムです。要件定義では自社のBCP方針との整合性を確認し、システム設計では高可用性・多チャネル通知・シンプルな回答UIを重視することが成功の鍵です。定期訓練を通じた継続的な改善も忘れずに取り組みましょう。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。IT事業会社出身のプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、「Impact-Driven型支援」を掲げ、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の実現に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。