安否確認システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

安否確認システムの開発費用は、月額1万円程度のSaaS利用料から5,000万円以上まで幅があり、開発方式、従業員規模、機能やインフラの範囲によって変わります。

費用相場と内訳、費用を左右する要因、費用を抑える方法を順に見ていきます。全体像は安否確認システム開発の完全ガイドもご覧ください。

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安否確認システム開発の費用相場

対象人数別のスクラッチ開発とSaaSカスタマイズ・連携開発の費用範囲を4枚のパネルで示した図。
対象人数の区分が上がると、スクラッチ開発の費用帯も上がります。

安否確認システムの開発費用は、対象従業員の規模、機能の範囲、開発方式によって大きく違います。

スクラッチ開発は対象の従業員規模で費用帯が変わり、SaaSはカスタマイズや連携開発の有無で金額が分かれます。

  • スクラッチ開発(〜500名規模):150万円〜500万円
  • スクラッチ開発(〜5,000名規模):500万円〜1,500万円
  • スクラッチ開発(5,000名〜):1,500万円〜5,000万円以上
  • SaaSカスタマイズ・連携開発:50万円〜300万円
  • SaaS月額利用料(カスタム不要):月1万円〜10万円程度

スクラッチ開発は、従業員規模が大きくなるほど通知処理やデータ管理が複雑になります。そのぶん費用も増えるため、規模の区分が上がるごとに金額の幅も大きくなります。

ポイント

同じ安否確認システムでも、対象人数と開発方式によって費用は大きく変わります。まずは自社の対象人数と、スクラッチ開発かSaaSかの候補を絞ると、相場の見当をつけやすくなります。

安否確認システム開発費用の内訳

要件定義・設計費用

BCPポリシーの確認から要件定義・設計までの費用は、開発費用全体の20〜30%を占めます。工程ごとの目安は、要件定義と、基本・詳細設計に分けて見ておくとよいでしょう。

  • 要件定義:30万円〜150万円
  • 基本設計・詳細設計:50万円〜300万円

開発費用

開発費用は、機能の複雑さと対象規模で大きく変わります。通知や回答画面、管理機能など、機能ごとに費用の幅があります。

通知エンジンは費用の幅が大きいため、機能ごとに見積もりを分けて確認すると、金額の内訳を追いやすくなります。

  • 通知エンジン(メール・SMS・プッシュ通知):100万円〜500万円
  • 回答画面(Web・スマートフォン対応):50万円〜200万円
  • 管理者ダッシュボード:50万円〜200万円
  • 外部連携(人事・勤怠など):50万円〜200万円
  • 自動発動(気象庁API等との連携):30万円〜100万円

インフラ・環境構築費用

高可用性を確保する構成にする場合は、クラウド構築の費用に加えて、マルチリージョン化の費用も見積もる必要があります。

  • クラウドインフラ構築:50万円〜300万円
  • マルチリージョン構成の追加:100万円〜500万円

テスト費用

安否確認システムでは、負荷テストと障害耐性テストが特に重要です。また、テスト計画と実施にかかる費用は、50万円〜200万円が目安です。

ポイント

費用は工程ごとに分かれ、BCPポリシーの確認から要件定義・設計までで開発費用全体の20〜30%を占めます。見積もりを比べるときは、どの項目が含まれているかを揃えて見ると、金額差の理由が分かりやすくなります。

運用・保守費用

リリース後は、従業員規模に応じたクラウドインフラ利用料に加えて、月額の保守費用もかかります。

  • クラウドインフラ利用料:月3万円〜50万円
  • 保守・サポート費用:開発費の15〜20%/年(月5万円〜50万円程度)

費用に影響する主な要因

対象従業員数

対象従業員数は、費用に最も影響する要因です。人数に比例して、大量の通知処理やデータ管理の規模も大きくなります。

通知チャネルの数

通知チャネルの構成によって、費用水準や追加費用が変わります。

  • メールのみ:コスト低
  • メール+SMS:コスト中。SMS配信の従量課金も発生
  • メール+SMS+アプリのプッシュ通知:コスト高

なお、独自のスマートフォン専用アプリを開発する場合は、iOS/Androidのネイティブアプリ開発費が、追加で100万円〜300万円かかります。

外部システム連携の数・複雑さ

人事システム・勤怠管理・グループウェアとのAPI連携は、1件あたり50万円〜200万円程度が目安です。

特に古いシステムとの連携は技術的な難易度が高く、そのぶん費用も増えます。

高可用性・冗長化要件

安否確認システムの冗長化では、採用する構成によってインフラ費用に差が出ます。

  • シングルリージョン構成:コスト低
  • マルチリージョン・マルチAZ構成:コスト高。インフラ費用は2〜3倍

BCP対策として導入するシステムなので、インフラの冗長化も考慮に入れる必要があります。

自動発動機能の有無

気象庁の緊急地震速報APIや防災情報と連携して自動発動機能を実装する場合は、開発費が追加で30万円〜100万円程度かかります。

ポイント

見積もりの金額差は、対象従業員数だけでなく、通知チャネル、外部連携、冗長化の水準からも生まれます。金額が大きく違うときは、どの要因が含まれているかを比べると判断しやすくなります。

スクラッチ開発 vs SaaS月額サービスのコスト比較

500名規模で5年間使う場合のスクラッチ開発とSaaS標準サービスを、初期費用・年間費用・5年合計で比べた図。
初期費用と年間費用の組み合わせで、5年間の総額に差が出ます。

500名規模で5年間使う試算では、スクラッチ開発とSaaSで総額に差が出ます。

  • スクラッチ開発:初期費用300万円、年間費用50万円、5年合計550万円(概算)
  • SaaS標準サービス:初期費用0万円、年間費用60万円、5年合計300万円(概算)
  • SaaSカスタマイズ:初期費用100万円、年間費用60万円、5年合計400万円(概算)

ここに挙げたのは、あくまで試算例です。ただし、独自要件が多い場合は、スクラッチ開発の優位性が高まります。

ポイント

比べるときは初期費用だけでなく5年間の総額で見ると、標準SaaSとスクラッチ開発の差が分かりやすくなります。独自要件が多いかどうかで、どちらが合うかが変わります。

安否確認システム開発費用を抑えるコツ

段階的な開発、標準機能への既製品活用、複数社への相見積もりを示した3枚のチェックカード。
開発範囲を絞る工夫と見積もり比較を組み合わせられます。

フェーズ分けによる段階的な開発

まず基本的な安否確認機能を開発し、利用実績を積みながら機能を追加していく方法が有効です。

標準機能で対応できる部分での既製品の活用

通知エンジンには、SaaSの通知APIサービス(SendGrid、Twilio等)を活用できます。そのうえで、独自性の高い管理・集計機能だけをスクラッチ開発すると、コストを抑えられます。

ポイント

段階的な開発と既製品の活用を組み合わせると、スクラッチ開発の範囲を絞れます。見積もりは3社以上で比べると、金額の差を見極めやすくなります。

複数社への相見積もり

同じ要件でも、開発会社によって見積額は大きく異なります。そのため、3社以上から相見積もりを取ることをおすすめします。

まとめ

安否確認システムの開発費用は、開発方式、対象従業員数、通知チャネル数、インフラ要件によって変わります。

BCP対策で重要なシステムなので、コストだけでなく可用性・信頼性も重視して予算を設定しましょう。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。