Expoのシステム開発の完全ガイド

Expoのシステムは、アプリ、API、データベース、管理画面を組み合わせて作ります。業務に合う機能と運用を整えることで、業務システムとして活用できます。

システムの種類と構成、技術の選び方、開発から運用までを、テーマごとに紹介します。各テーマの詳細は関連記事で確認できます。

▼関連記事一覧
・Expoのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・Expoのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・Expoのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・Expoのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

Expoのシステムの概要

Expoは、React Nativeアプリの開発を支えるフレームワーク・ツールチェーンです。端末機能の利用からビルド、ストア提出、リリース後の更新まで扱えるのが特徴です。

ただし、Expo単体は顧客情報や在庫情報を保存する業務システムそのものではありません。スマートフォンの画面をExpoで作り、そこにAPI、データベース、認証、管理画面などを組み合わせて、業務システムとして成り立たせます。

ExpoとReact Nativeの関係

両者の役割は、アプリを動かす技術と、その開発を支える機能に分かれています。

  • React Native:Reactの知識を使い、iOSとAndroidのアプリを動かす中心技術です。
  • Expo:プロジェクト作成から端末API、ビルド、配布、更新までを支援します。
  • 組み合わせる利点:個別のネイティブ設定にかかる時間を減らし、開発から運用までを支えます。

Expoの主な機能

業務アプリに必要な開発、端末、配信の機能は、次のツールで構成します。

  • プロジェクトと画面:create-expo-appとExpo Routerを使います。
  • 端末機能:Expo SDKによる、カメラ、位置情報、通知、ファイルの扱い。
  • ネイティブ拡張:Config PluginsとExpo Modulesで拡張します。
  • ビルドと提出:EAS BuildによるiOS/Androidのビルドと、EAS Submitによるストア提出。
  • 更新配信:EAS UpdateでJavaScriptやアセットの更新を配信します。

ログインや権限管理、プッシュ通知は、上の機能とAPIサーバーを組み合わせて実現します。また、検索、写真添付、バーコード読み取りも、同じ組み合わせで実現します。

Expo Goは学習や簡単な動作確認に向いたアプリで、本番開発環境そのものではありません。独自のネイティブモジュールや本番に近い権限設定を検証するには、development buildが必要です。

発注前にこの違いを確かめておくと、デモでは動いても本番機能を追加できないといった手戻りを防ぎやすくなります。

Expoで構築できるシステムの種類と構成

業務システムをアプリとAPI、データ管理、運用機能、周辺機能の4層で示した図解。
アプリの下に、データ管理や運用を担う層が続きます。

Expoは一般消費者向けだけでなく、現場担当者が使う業務システムにも適用できます。業務システムでは、画面に何を表示するかだけでなく、業務データの保存先と、誰にどの操作を許可するかも決める必要があります。さらに、通信できないときの処理も含めて、一つのシステム構成として検討します。

現場作業・営業支援アプリ

訪問営業、点検、保守、配送、施工、棚卸しなどの現場業務では、検索、写真、位置情報、バーコードが使われます。また、作業登録、承認、通知も使われます。

紙の帳票を置き換えるだけでなく、入力結果をAPI経由で販売管理や在庫管理に反映します。そのため、同じ情報を二重に入力する手間を減らせます。

顧客向け会員・予約・注文アプリ

顧客向けアプリでは、提供する機能に加えて、OSごとの差と情報の管理先も設計します。

  • 顧客向け機能:会員証、予約、注文、決済、クーポン、通知、問い合わせをiOSとAndroidの共通画面で提供します。
  • OSごとの差:通知許可や生体認証、端末の戻る操作などの違いを吸収します。
  • 情報管理:決済・本人確認情報はアプリに置かず、認証・決済・監査はバックエンドで管理します。

業務システム全体の基本構成

業務システムは、アプリにデータ管理や運用機能を組み合わせて構成します。

  • アプリとAPI:利用者向けExpoアプリと認証・業務ロジックを担うAPIを用意します。
  • データ管理:顧客・商品・案件をDBに保存し、管理者向けWeb画面を設けます。
  • 運用機能:ログ、監視、分析を組み込みます。
  • 周辺機能:画像・帳票にはオブジェクトストレージ、通知には基盤を加えます。
  • 社内連携:APIゲートウェイや連携バッチで社内システムとつなぎます。

アプリだけを先に作ると、権限やマスタの不整合が後から見つかることがあります。そのため、最初にデータの流れを図にして確かめます。

通信が不安定な現場では、入力を端末内に一時保存し、通信が戻ったあとに同期する方式を検討します。また、複数人が変更したときの競合の扱いも決めます。

送信済みの判定や再送、端末紛失時の削除、端末内にデータが残る期間も定めておく必要があります。特に、オフライン対応はデータモデルと業務ルールを変える要件です。

React Native・Flutter・ネイティブとExpoの違い

Expoが常に最適とは限りません。共通化による効率や性能、端末固有の機能、人材、将来の保守を比べて、技術を選びます。また、ExpoはReact Nativeを使う選択肢の一つで、必要に応じてネイティブコードや既存アプリとの共存も検討できます。

ExpoとReact Native単体の違い

React Native単体では、iOSとAndroidのネイティブプロジェクトを細かく制御できます。一方で、ビルド環境や署名、設定、ライブラリの更新を、チームで整える必要があります。

Expoでは、共通設定とEASによるビルド・配布を組み込みやすく、そのぶん少人数でも始めやすくなります。特殊なSDKやネイティブ改修も、必要に応じて拡張できます。

Config Plugins、Expo Modules、prebuildを使えるため、最初から全機能をネイティブで作り直す必要はありません。

ExpoとFlutterの違い

FlutterはDartと独自の描画エンジンを使い、画面の見た目を揃えやすい技術です。一方、Expoは、JavaScript/TypeScriptとReactの知識を活かして開発できます。

ExpoはWeb開発や既存のReact資産、人材を共有しやすい点に強みがあります。また、どちらもiOSとAndroidの共通開発に向いています。

選ぶ前に、既存チームのスキル、必要な端末API、Web連携、UIの再現性をPoCで確かめておくと安心です。採用ライブラリの保守状況も、同じ段階で見ておきます。

ネイティブ開発を選ぶケース

必要な端末機能や既存アプリとの関係によっては、ネイティブ開発やBrownfield構成も候補になります。

  • 高度な処理:3D、動画、Bluetooth、特殊周辺機器を扱う場合は、SwiftやKotlinを比較します。
  • OS固有要件:バックグラウンド処理や極端に厳しいレイテンシを検討します。
  • 既存アプリ:段階的に画面を足す場合は、Expoを組み込むBrownfield構成も候補です。

重要な機能は実機で検証し、共通化する範囲と固有実装の範囲を分けるのが現実的です。

ポイント

Expoを選ぶかどうかは、共通化による効率と端末固有の機能の必要性を比べて決めます。判断に迷うときは、重要な機能を実機で検証し、共通化する範囲と固有実装の範囲を分けて考えます。

Expoのシステム開発の進め方

開発では、業務の目的とデータの流れを決めたうえで、小さなPoCで技術リスクを確かめ、MVPを作ります。iOS/Androidを対象にする場合は、実機確認やストア審査、バックエンド連携、現場受入も工程に含めます。

▶ 詳細はこちら:Expoのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

要件定義と技術PoC

要件定義では、業務の範囲と技術検証の対象を整理します。

  • 業務要件:対象者と業務、課題、利用頻度、成果指標、紙やExcelの帳票、入力手順、例外処理、マスタ管理者を洗い出します。
  • 優先度と環境:Must・Should・Could、画面数、利用者数、OS・端末を定めます。
  • 運用要件:カメラ・位置情報の精度、オフライン、認証、RTO・RPO、監査ログ、保存期間を決めます。

技術PoCでは、失敗しやすい機能を実機で試します。具体的には、バーコード端末、写真、バックグラウンド同期、既存API認証、通知、オフライン復帰が対象です。

判断には、実案件と同じdevelopment buildを使います。通信状態、権限拒否、古い端末での動作も確かめます。

設計・開発・データ連携

設計から引き渡しまでの対象をそろえ、アプリと業務システムを一体で進めます。

  • 設計:画面遷移図、権限一覧、API仕様、データモデル、エラー動作、ログ項目、端末保存データを定義します。
  • 実装:管理画面やマスタ更新も含めて主要業務を縦切りで作ると、連携の不備を見つけやすくなります。
  • 引き渡し:EAS設定、署名鍵、ソース、設計書、環境変数、アカウント、証明書の条件を契約に明記します。

画面を共通化しても、キーボード、戻る操作、通知許可、日付表示、アクセシビリティには、OSごとの差があります。

開発では、コードレビューや静的解析、単体・API自動テスト、development buildでの実機確認を続けます。

テスト・現場受入・段階リリース

実機テスト、現場受入、段階配信を順に行い、業務として使えるかを確かめます。

  1. テスト:正常・異常系、通信断、権限拒否、端末回転、強制終了、二重送信、古いOS、低速回線、データ量増加を確認します。
  2. 現場受入:実機と業務に近いサンプルで、入力時間、誤入力、承認漏れ、通知の見落としを確かめます。
  3. 段階配信:社内、限定ユーザー、特定拠点、全体の順に広げます。

EAS Updateでは、JavaScriptやアセットの変更と、ネイティブコードや権限を含む変更を分けて考えます。後者には、新しいストアビルドが必要です。

runtime versionとchannelを管理し、問題が起きたときの判断者とロールバック手順も決めておきます。公式資料でも、段階配信、エラー監視、取り消しが案内されています(出典: Expo EAS Update公式ドキュメント、2026年7月確認)。

ポイント

技術リスクの高い機能は、本開発に入る前に小さなPoCで確かめておくのが目安です。実機確認やストア審査、バックエンド連携も、工程に含めて見込んでおきます。

Expoのシステム開発費用相場と期間

小規模MVP、標準アプリ、複雑な連携の開発費用と期間を横棒で比べた図解。
連携が複雑になるほど、費用と期間の推定レンジが上がります。

ExpoでiOSとAndroidの画面やロジックを共通化しやすくても、開発費が自動的に半額になるわけではありません。下の推定レンジは、業務アプリを仮定した2026年時点のものです。

バックエンド、管理画面、データ移行の費用も残ります。さらに、次の費用も別に必要です。

  • 端末差分:OSや機種ごとの違いへの対応
  • テスト:実機と通信条件での確認
  • ストア申請:ストアへの申請作業
  • セキュリティ:認証、権限、データ保護の対策
  • 保守:公開後の更新と障害対応

画面数だけで見積を比べないことが大切です。

▶ 詳細はこちら:Expoのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

規模別の開発費用と期間

これは業務アプリを仮定した推定レンジで、公的なExpo専用の統計ではありません(出典: 業務システムの工程別見積整理とExpo案件の要件仮定による推定、2026年)。

  • 小規模MVP:主要5〜10画面、ログイン、簡易API、両OSビルドで300万〜800万円、2〜4か月。
  • 標準アプリ:権限、通知、写真、検索、管理画面、外部APIで800万〜2,000万円、4〜8か月。
  • 複雑な連携:基幹連携、同期、監査、移行、負荷試験で2,000万〜5,000万円超、8〜12か月以上。

写真1枚の送信と、大量画像の圧縮やオフライン同期とでは、工数が異なります。また、決済や本人確認、位置情報、特殊端末、複数組織の権限、既存データ移行も、費用を上げる場合があります。

見積書は、画面単価ではなく、要件定義、UI設計、アプリの単位で分けて出してもらいます。残りは次の単位で分けてもらいます。

  • API:サーバー側の機能の開発
  • 管理画面:管理者向け画面の開発
  • テスト:動作と品質の確認
  • ストア提出:ストアへの申請と公開
  • 導入支援:導入時のサポート

EASやクラウドの利用料

EASは、プランごとにビルド回数とクレジットが異なります。利用料は、受託開発費とは分けて考えます。

  • Free:月額0ドル。AndroidとiOSのビルドは各15回まで。
  • Starter:月額19ドル。45ドル分のビルドクレジットを含みます。
  • Production:月額199ドル。225ドル分のビルドクレジットを含みます。

超過分は、利用量に応じた追加料金になります。加えて、更新対象となる月間アクティブユーザー数やCI/CDの利用量も、プランで異なります(出典: Expo Application Services公式料金表、2026年8月確認)。

別途、AppleとGoogleの開発者アカウント費用がかかります。さらに、API・データベースや画像保存、監視にも費用がかかります。次のような費用もあります。

  • クラッシュ分析:アプリの異常終了の分析
  • メール・通知:メールやプッシュ通知の配信
  • ドメイン:Webや管理画面のアドレスの維持
  • バックアップ:データの定期的な保存

EASやクラウドの所有者、開発会社との契約終了後の継続利用、支払者、料金の上限通知を担当する人を、事前に確かめておきます。

保守・更新費用

保守費は、初期開発費の年10〜20%程度を出発点にします。そのうえで、作業範囲を確認し、OSやSDKの更新内容も含めて整理します。

  • 日常保守:OS・Expo SDKの更新、脆弱性対応、障害の一次対応、監視が含まれます。
  • 追加作業:ストアの再申請、軽微な改修、問い合わせ対応、バックアップの確認。
  • 別契約の場合:24時間監視、厳しい復旧目標、現場端末の交換は別の運用契約になる場合があります。

SDKは数年固定せず、対応OSや依存ライブラリの変更を追い続けます。たとえば、Expo SDK 56は2026年5月公開で、React Native 0.85、React 19.2、Expo UIの本番利用などを含みます(出典: Expo SDK 56公式リリースノート、2026年5月)。

新機能の採用だけを目的に急いで更新せず、互換性の確認、テスト、段階リリースまでを保守計画に含めます。

ポイント

Expoで共通化しても、費用が自動的に半分になるとは限りません。見積は画面数だけでなく、バックエンドや管理画面、テスト、ストア申請、保守まで含めて比べます。

Expoシステムのセキュリティと運用の注意点

業務データを認証と権限、監査、秘密情報、情報管理で守る構成を示した図解。
端末側とAPI側の管理項目を組み合わせて保護します。

安全性は、Expoの採用そのものより、認証や認可、データ保護、更新手順、監査の設計で左右されます。

スマートフォンは紛失や盗難、OSやネットワークの変化が起きやすいものです。そのため、端末に保存する情報は必要最小限にとどめ、業務データはサーバー側で管理します。

認証・権限・個人情報を守る設計

認証や権限、秘密情報、個人情報は、それぞれ分けて管理します。個人情報を扱う場合は、個人情報保護法の安全管理措置や委託先の管理も要件に含めます。そのうえで、端末とサーバーの双方について対策を定めます。

  • 認証と権限:通信をTLSで保護し、短い有効期限のアクセストークンと安全な更新方式を使います。
  • 監査:画面を隠すだけにせず、多要素認証と操作ログを設定します。
  • 秘密情報:少量はOS保護領域に置き、コードやログ、更新バンドル、キー・バリュー保存領域にパスワードや秘密鍵を置きません。
  • 情報管理:EAS署名鍵を発注者の組織アカウントで権限を分けて管理し、個人情報保護法の安全管理措置、委託先、保存場所、削除手順を定めます。

API側では、顧客・拠点・案件の単位で権限を検証します。ログイン、権限変更、データの出力・削除、認証失敗は、記録として残します。

EAS Updateとストア審査の使い分け

更新方法とストア申告を分けて管理し、配信の安全性と利用者への説明をそろえます。

  • OTA更新:JavaScriptや画像などのアセットはEAS Updateで配信できます。
  • ストアビルド:ネイティブコード、権限、SDK、実行環境の変更はOTA配信しません。
  • 配信管理:runtime versionで互換性を区切り、stagingとproductionを分けます。
  • ストア申告:収集データ、第三者SDK、プライバシーポリシー、権限目的を台帳化します。

配信するのは、レビュー済みのコミットだけです。公式ドキュメントでは、同じruntimeでのプレビュー、段階配信、取り消しが推奨されています(出典: Expo EAS Update公式ドキュメント、2026年7月確認)。

Apple App Privacyでは、アプリや第三者コードによるデータ利用を申告します(出典: Apple App Privacy公式資料、2026年8月確認)。対象のSDKでは、Privacy Manifestも確認します(出典: Privacy Manifest公式資料、2026年8月確認)。

Google PlayではData safetyを正確に申告します(出典: Google Play Data safety公式資料、2026年8月確認)。また、アカウント作成機能があるアプリには、削除導線が必要です(出典: Google Playアカウント削除公式資料、2026年8月確認)。導線はアプリ内とWeb上に設けます。

ポイント

安全性は、認証や認可、データ保護、更新手順、監査の設計で左右されます。端末に残す情報は必要最小限にし、業務データはサーバー側で管理する方針を基本にします。

Expoのシステム開発会社・ベンダーの選び方

「React Native対応」かどうかだけでなく、ExpoとEASを業務システムとして運用した経験を確認します。

発注側は、要件定義、バックエンド連携、iOS/Androidの品質、セキュリティ、保守、成果物とアカウントの引き渡しを比較します。

発注側が複数社に同じRFPを渡すと、価格に加えて提案の前提や抜け漏れを比べられます。

Expo・EASの実績の確認

画面開発に加えて、Expo SDKの更新、development build、EAS Build・Submit・Updateについても質問します。署名鍵やクラッシュ監視の経験も確かめます。

担当予定者が対応した機能や採用SDK、ネイティブ拡張、リリース後の障害と再発防止策を確認します。

React Native対応でも、ExpoやEASの運用経験が同じとは限りません。そのため、技術PoCを提案書に含めてもらうと、判断しやすくなります。

見積と契約の責任範囲の比較

見積と契約では、費用の範囲、納品物、運用責任を分けて確認します。

  • 費用条件:対象外や外部費用、為替・従量課金の扱いも明記します。
  • 納品物:コード、設計書、テスト結果、環境・CI/CD設定、証明書、運用手順を含めます。
  • 契約責任:障害回答・復旧目標、OS・SDK更新、再委託、脆弱性、データ返却を定めます。
  • アカウント:コードリポジトリ、EAS、クラウド、ストアを発注者組織に紐づけ、必要期間だけ権限を付与します。

工程は、要件定義、UI/UX、アプリの単位で分けてもらいます。残りは次の単位で分けてもらいます。

  • API・管理画面:サーバー側の機能と、管理者向け画面の開発
  • 移行:既存データの移行
  • テスト:動作と品質の確認
  • 申請:ストアへの申請作業
  • 導入支援・保守:導入時のサポートと、公開後の更新と障害対応

外部費用は、EAS、クラウド、SaaS、開発者アカウントの分まで確認します。また、納品には障害時の連絡先も含め、契約で著作権と利用許諾を決めます。

RFPに入れる質問の揃え方

RFPでは、技術と運用の質問範囲を揃えます。そのため、同じ質問を候補各社に出せば、回答を並べて比べられます。

  • 技術方針:SDK・React Nativeの版、開発環境、ネイティブ拡張を確認します。
  • 配信と費用:EASプランと月額上限、経路、runtime version、段階配信、ロールバックを尋ねます。
  • 業務要件:端末、最低OS、オフライン、個人情報、監査、保存場所、既存連携を押さえます。
  • 契約と保守:納品条件と保守SLAの内容。

Expo GoとDevelopment buildの使い分けや、ネイティブモジュールの追加方法も質問します。

提案の段階で具体的な回答がない場合、初期費用が安くても、将来の追加費用が膨らむおそれがあります。

候補となる開発会社も知りたい場合は、Expo/EASの実績、業務要件、保守、セキュリティを比べられる関連記事もご覧ください。

▶ 詳細はこちら:Expoのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

▶ 詳細はこちら:Expoのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

ポイント

開発会社は、ExpoとEASを業務システムとして運用した経験で比べます。見積は、費用範囲や納品物、運用責任をそろえて、同じ条件で判断できる形にします。

よくある質問(FAQ)

Expoを業務システムに採用するときは、開発の始めやすさに加えて、本番運用、セキュリティ、費用、更新も確認します。発注前によくある疑問に、順に答えます。

Expo Goだけで本番アプリを開発できますか?

Expo Goだけで本番開発を進めるのは、おすすめできません。独自のネイティブモジュールや権限、署名、ストア配布の条件を、十分に再現できないためです。

業務案件では、Expo Goの代わりにdevelopment buildで本番に近い環境を作り、EAS Buildや実機テストを早くから組み込みます。

Expoを使えば開発費用は必ず安くなりますか?

Expoを使っても、費用が必ず下がるとは限りません。iOSとAndroidの画面やロジックは共通化しやすいものの、APIと管理画面、テストは別に必要です。ほかに、次の項目も見ておく必要があります。

  • ストア申請:ストアへの申請作業
  • 端末差分:OSや機種ごとの違いへの対応
  • セキュリティ:認証、権限、データ保護の対策
  • 保守:公開後の更新と障害対応

まずは目的に直結するMVPから始め、オフラインや複雑な権限など高コストの要件は、優先順位をつけて検討します。また、見積の対象外も明確にします。

既存のネイティブアプリからExpoへ移行できますか?

移行は可能ですが、一度に置き換える必要はありません。画面や機能の単位でExpoを組み込み、認証、API、通知、端末SDKとの接続を検証します。

ネイティブコードに依存する機能、バックグラウンド処理、特殊な端末連携は、先に互換性を確認します。また、二重保守とリリース手順も見積に含めます。

EAS Updateでストア審査をすべて省略できますか?

すべてを省略することはできません。ただし、JavaScriptやアセットの修正は、EAS Updateで配信しやすくなります。

ネイティブコード、権限、SDK、実行環境の変更には、新しいビルドと審査が必要です。

発注側と開発会社で、更新内容を分類し、runtime version、channel、承認者、段階配信、ロールバックを運用ルールとして決めておくと安心です。

まとめ

ExpoのシステムはReact NativeとJavaScript/TypeScriptを中心に構成し、アプリ、API、データベース、管理画面を組み合わせます。ビルド・配布・更新は、EASで扱います。

現場作業や営業支援、会員向けのアプリに活用できます。ただし、Expoだけで業務システムが完成するわけではありません。ほかにも、次の業務で使えます。

  • 予約:予約の受付と管理
  • 注文:注文の受付と管理
  • 在庫:在庫の把握と管理
  • 顧客管理:顧客情報の管理

成功につながる判断の順番

最初に、業務の目的、利用者、データ、例外処理、セキュリティ要件を整理します。そのうえで、Expoで難しい機能を実機PoCで確認します。

次に、MVPとiOS/Androidの共通化範囲、ネイティブ拡張を含めて、見積を比べます。加えて、次の項目も比べます。

  • バックエンド:サーバー側の機能の開発
  • 管理画面:管理者向け画面の開発
  • テスト:動作と品質の確認
  • ストア提出:ストアへの申請と公開
  • 保守:公開後の更新と障害対応

費用だけでなく、SDK更新、障害時にどこまでを誰が受け持つか、アカウントと成果物の所有者も確かめます。

発注前の整理事項

発注前には、業務の範囲と候補先への確認事項をそろえ、開発から保守までの計画を立てます。

  • 業務整理:手順、課題、画面、連携先、利用者、端末、個人情報、オフライン、希望時期をまとめます。
  • 候補先の確認:Expo SDK・EAS、development build、テスト、保守、見積前提を同条件で尋ねます。
  • 計画:要件整理、技術検証、MVP、現場受入、段階リリース、継続保守を組みます。

工程を一つの計画にまとめておくと、Expoの開発効率を活かしやすくなります。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。