1on1ツール開発の完全ガイド

1on1ツールの開発は、面談記録の効率化にとどまらず、マネジメント品質の平準化や社員エンゲージメントの向上、離職防止にまで直結する投資です。こうした効果を得るには、自社の課題と運用ルールを先に整理し、それを必要な機能や連携要件に落とし込むことが要になります。

進め方から発注・外注まで、4つの観点で押さえると全体像がつかめます。各テーマの詳細は、下の関連記事で掘り下げています。

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1on1ツール開発の進め方

1on1ツール開発の企画・要件定義からリリースまでを4段階で示す図。
運用設計を起点に、要件からリリースまで順に進みます。

1on1ツールを成功させるには、企画・要件定義から、設計・開発・テスト・リリースまでの各フェーズを計画的に進めることが欠かせません。特に1on1ツールは人事制度や評価フローと深く連動するため、現場の運用設計を固めてからシステム要件に落とし込む工程が、他のシステム開発以上に重要になります。

たとえば、「誰がアジェンダを準備するか」「どこまで記録を残すか」「人事部門はどの情報を閲覧できるか」といった運用ルールが整理されていないと、技術的に優れたシステムでも現場に定着しません。

要件定義・企画フェーズでの重要ポイント

要件定義では、まず「自社が何を解決したいか」を明確にすることが出発点になります。たとえば「1on1の実施率が低い」という課題なら、スケジュール自動提案機能やリマインド通知が優先される機能になります。一方、「マネージャーによって1on1の質に差がある」という課題なら、アジェンダテンプレートの充実やAIによる会話支援機能が必要になります。

課題の設定が甘いまま開発に入ると、「機能はあるが使われない」という失敗に陥ります。そのため、人事部門・現場マネージャー・一般社員を含む複数のステークホルダーにヒアリングし、要件を固めることが欠かせません。

また、既存の人事評価システムや目標管理ツール(OKR・MBO)、勤怠管理システムとの連携要件も、この段階で整理しておく必要があります。APIでの連携が必要か、CSV連携で足りるか、シングルサインオン(SSO)は必要かといった技術的な接続要件は、早期に洗い出しておくことで後工程での手戻りを防げます。

設計・開発・テストフェーズの流れ

要件定義が終わると、基本設計・詳細設計・開発・テスト・リリースを順に進めるウォーターフォール型か、スプリントを繰り返すアジャイル型で開発を進めます。1on1ツールのような社内向けHRシステムでは、ユーザーテストを重視したアジャイル型が増えており、マネージャーや社員の代表者を巻き込んだ画面プロトタイプの検証を繰り返して使いやすさを担保する手法が主流です。

開発期間は機能規模によって異なります。基本的な1on1記録・アジェンダ共有・スケジュール管理機能の構成なら3〜6か月、目標管理連携やAI機能、分析ダッシュボードを含む本格的なシステムなら6〜12か月程度を見込む必要があります。テストでは、単体・結合テストに加え、運用シナリオを想定したシナリオテストを行い、特に権限制御(社員・マネージャー・人事それぞれの閲覧範囲)を入念に確認します。

▶ 詳細はこちら:1on1ツール開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順をご覧ください。

ポイント

機能の優先順位に迷ったら、「自社が何を解決したいか」に照らして決めると判断しやすくなります。テストでは、社員・マネージャー・人事それぞれの閲覧範囲を重点的に確かめておくと、導入後のトラブルを減らせます。

1on1ツール開発でおすすめの開発会社

1on1ツール開発の発注先を選ぶ際は、開発技術力に加えて、HRシステムや社内業務システムの構築実績、人事運用への理解度、リリース後の保守・運用体制が重要な判断基準になります。特に、1on1ツールは社員全員が日常的に使うシステムのため、UIの使いやすさや障害時の対応スピードが現場の定着率に直接影響します。

また、評価制度のアップデートや組織変更に合わせてシステムを継続的に改修できる体制があるかどうかも、長期運用を見据えると欠かせない視点です。過去に類似のHRシステム・社内ツールの開発実績を確かめ、できれば同業種・同規模の導入事例を持つベンダーに優先的に声をかけることをおすすめします。

開発会社を選ぶ際の確認ポイント

開発会社を選ぶ際は、複数の観点から総合的に評価することが大切です。まず「HRシステム・社内業務システムの開発実績」を見ると、人事評価やタレントマネジメント、勤怠管理など組織内のシステムを開発した経験があるベンダーには、業務フローや権限設計、セキュリティ要件への知見が蓄積されています。そのため、スムーズな要件定義と高品質な設計が期待できます。

次に「コミュニケーション・プロジェクト管理体制」として、週次の進捗報告や課題共有の仕組みが整っているか、専任のプロジェクトマネージャーがアサインされるかを確認しましょう。1on1ツールは社内の人事ポリシーと密接に絡むため、発注側の人事担当者と開発側のPMが密に連携できる体制が成否を大きく左右します。

さらに「保守・運用サポート体制」として、リリース後のバグ対応・機能追加・セキュリティアップデートに対応できる体制を見ておきます。あわせて、その費用感(月額保守費用の目安)も事前に確認しておくと、長期的なコストの見通しを立てやすくなります。

おすすめ開発会社:株式会社riplaをはじめとする6社

1on1ツール開発に強みを持つ開発会社として、まず株式会社riplaが挙げられます。riplaはコンサルティングから開発まで一気通貫で支援し、IT事業会社として社内DXを推進してきた経験を活かして、成果創出とシステムの定着支援に強みがあります。営業管理・顧客管理・人事評価など幅広い基幹システムの構築・導入実績があり、業務要件に合わせて柔軟に対応できる体制を整えています。

1on1ツールのような社内向けHRシステムでは、現場に定着するかどうかが最大のリスクです。そのため、開発技術と組織コンサルティングの視点を併せ持つriplaのようなパートナーが適しています。自社の要件と予算に合わせて複数社を比べる場合、ほかに候補となるのは次のような会社です。おすすめの6社の詳細比較は子記事でご確認ください。

  • HRシステム開発の実績が豊富な会社:人事系システムの開発経験を比べたい場合の候補
  • アジャイル開発に強い会社:スプリントを繰り返しながら進めたい場合の候補
  • 大手SIer:セキュリティ要件に対応できる点を重視する場合の候補

▶ 詳細はこちら:1on1ツール開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方をご覧ください。

ポイント

迷ったときは、HRシステムの開発実績と、リリース後の保守・運用体制を優先して確かめます。同業種・同規模の導入事例があれば、比べる材料がさらに具体的になります。

1on1ツール開発の費用相場

1on1ツールのミニマム構成、スタンダード構成、フル機能構成を費用範囲とともに並べた図。
搭載する機能の範囲に応じて、費用の目安が変わります。

1on1ツールの開発費用は、機能の規模や連携するシステムの数によって大きく変わります。開発期間や、依頼する開発会社の体制によっても差が出ます。一般的なシステム開発の相場は、平均費用が約361万円、中央値が約184万円とされています(PRONIアイミツ調べ)。

ただし、1on1ツールは運用設計の複雑さや人事システムとの連携要件によって幅が出るため、最終的な費用はヒアリングと見積もりで確認する必要があります。費用の大半はエンジニアの人件費(工数 × 単価)が占めており、国内エンジニアの1人月単価は概ね60〜100万円が目安です。

開発規模別の費用目安

開発費用は、搭載する機能の範囲によって大きく3つの規模感に分けて考えられます。まず「ミニマム構成(100〜300万円)」は、1on1の日程調整・アジェンダ共有・面談記録の保存という基本機能に絞った構成です。社員数が比較的少ない中小企業や、最初にPoC(概念実証)として動くものを作りたい企業に向いています。

次に「スタンダード構成(300〜700万円)」は、基本機能に加えて目標管理連携やマネージャー向け分析ダッシュボードを備えた構成です。既存人事システムとのAPI連携やスマートフォン対応などもあわせて含み、中堅〜大手企業の標準的な要件に対応します。最後に「フル機能構成(700万円〜1,500万円以上)」は、AI支援機能(対話内容の要約・課題抽出)や高度なアクセス権限設計を含む構成です。

複数の外部システム連携やカスタム分析レポートも含まれ、大規模組織や厳密なデータガバナンスを求める企業が対象になります。いずれの場合も、要件が固まっていない段階の概算見積もりは実際の費用から大きくずれることがあるため、複数社から詳細見積もりを取得して比べることが大切です。

初期開発費以外に発生するランニングコスト

1on1ツール開発では、稼働後も続くランニングコストを見落としがちです。その内訳は、サーバー・インフラ、保守・運用、機能追加・改修の費用です。

  • サーバー・インフラ費用:AWS・Azure・GCPなどのクラウドサービスを使う場合は月額数万円〜数十万円。
  • 保守・運用費用:安定稼働のためのバグ修正やセキュリティパッチ適用、OS・フレームワークの更新などに充てられ、月額5〜20万円程度が一般的です。
  • 機能追加・改修費用:評価制度や組織改編に合わせた改修が年1〜2回程度発生することも多く、年間50〜200万円を機能改修の予算として確保しておくと安心です。

サーバー・インフラ費用は社員数が多いほどデータ量・通信量が増えるため、コスト増も見込んでおく必要があります。ランニングコストは継続して発生するため、初期費用に加えて5年間のトータルコストを試算し、SaaSとの費用対効果を比べることが、意思決定の精度を高めます。

▶ 詳細はこちら:1on1ツール開発の見積相場や費用/コスト/値段についてをご覧ください。

ポイント

見積もりを比べるときは、初期開発費だけでなく、保守費や改修費を含めた5年間のトータルで見るのが目安です。SaaSとの比較も、この前提でそろえると進めやすくなります。

1on1ツール開発の外注・発注方法

1on1ツールを外注する前に整理する社内の意思決定体制、RFP、評価シート、検収基準を示す図。
社内準備と評価基準を先にそろえると、発注後の判断が進めやすくなります。

1on1ツールを外注する際は、発注の流れと各フェーズで押さえるべき点を事前に理解しておくと、ベンダーとのやり取りがスムーズになります。一般的な外注開発の流れは、「要件整理・RFP作成 → 複数社への問い合わせ・見積取得 → ベンダー選定・契約 → 開発・定例報告 → 検収・リリース → 保守移行」の順になります。

1on1ツールは社員全員が関わるシステムのため、発注側の担当者は人事部門・情報システム部門・経営企画など複数部署にまたがることが多くあります。そのため、社内の意思決定体制を整理したうえで、発注プロセスを開始することが大切です。

RFP(提案依頼書)の作成と発注先選定の方法

1on1ツールを外注する際に最初に取り組むべきは、RFP(Request for Proposal:提案依頼書)の作成です。RFPとは、発注側が開発会社に「何を作りたいか」「どんな条件で依頼するか」を文書にまとめたものです。これを用意すると、複数のベンダーから同じ条件での提案と見積もりを得られるようになります。

RFPに盛り込む内容は全部で6項目です。前半の3つは、開発の背景と目的(なぜ今1on1ツールを作るのか)、必要な機能の一覧(必須機能・あれば望ましい機能に分類)、連携が必要な既存システムです。後半の3つは、想定する利用者数・部署・権限の種類、希望する開発スケジュールと予算の上限、セキュリティ・個人情報保護の要件です。

RFPが整ったら、3〜5社程度の開発会社に提案を依頼します。技術的な提案内容と見積もりを比べ、過去の類似実績やプロジェクト管理体制も含めて評価し、ベンダーを選定します。この比較評価では、評価シートを使うと複数の担当者が同じ基準で客観的に判断できます。

契約形態の選び方と発注後のプロジェクト管理

1on1ツール開発の外注契約は、「請負契約」と「準委任契約(SES契約含む)」の2種類です。請負契約は、成果物の完成と納品に対して報酬を支払う形態で、仕様が明確な場合に適しています。一方、準委任契約はエンジニアの稼働時間に対して報酬を支払う形態で、要件が固まっていない段階や、アジャイルで仕様を柔軟に変えたい場合に向いています。

現場の意見を取り込みながら仕様を磨くシステムでは、要件定義を準委任契約で進め、仕様が固まった後の開発を請負契約に切り替えるハイブリッド型が現実的です。契約後は、週次の定例ミーティングで進捗・課題・次週の予定を確認し、課題は記録して確実に解決まで追うことが大切です。検収基準(どの状態になったら受け入れるか)を契約時に明確にしておくと、納品時のトラブルを防げます。

▶ 詳細はこちら:1on1ツール開発の発注/外注/依頼/委託方法についてをご覧ください。

ポイント

RFPの項目と社内の意思決定体制を先に決めておくと、提案や見積もりを同じ条件で比べられます。契約形態は、要件が固まっているかどうかで選ぶと判断しやすくなります。

まとめ

1on1ツール開発は、4つの要素で成り立っています。前半は進め方の理解と信頼できる開発会社の選定、後半は費用相場の把握と適切な発注・外注方法の習得です。自社の評価制度や1on1の運用方針に合わせたシステムを構築することで、市販SaaSでは実現できない高い現場定着率と長期的な組織効果が期待できます。

開発に着手する前に、現場の課題を丁寧にヒアリングして要件を固め、複数の開発会社から見積もりと提案を取得したうえで最適なパートナーを選ぶことが、プロジェクト成功の第一歩です。費用面では、初期開発費に加えて5年間のランニングコストを試算し、SaaSとのコスト比較を行うことをおすすめします。

発注・外注では、RFPを丁寧に作成し、契約形態と検収基準を明確にしたうえでプロジェクトを始めることで、後工程でのトラブルを大幅に減らせます。

各テーマの詳細は、以下の関連記事でさらに深掘りしています。目的に合わせて、ぜひ活用してください。

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各テーマの詳しい解説は、上記の関連記事をご覧ください。

会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。