美容・サロン業向けの施術カルテ管理システムは、業態別の記録や予約・会計との連携範囲に合わせて構成を選びます。店舗数にも合わせることで、接客品質と安全な情報共有に役立ちます。
システムの種類や必要な機能を順に説明し、導入の手順、費用、業者の選び方と情報管理へ進みます。詳しくは関連記事もご覧ください。
▼関連記事一覧
・美容・サロン業向け施術カルテ管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・美容・サロン業向け施術カルテ管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・美容・サロン業向け施術カルテ管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・美容・サロン業向け施術カルテ管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
・業務システム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「業務システム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
・スクラッチシステム開発を依頼する会社の選び方やRFPの作り方については、無料ホワイトペーパー「スクラッチシステム開発の完全ガイドブック」で詳しく解説しています。
美容・サロン業向け施術カルテ管理システムの概要
美容・サロン業向け施術カルテ管理システムは、サロンの接客と施術に必要な記録を扱うシステムです。医療機関向けの電子カルテをそのまま使うものとは異なります。
顧客台帳を起点に、来店履歴、カウンセリング、施術内容をつなげて管理します。薬剤・商材や仕上がり写真、注意事項、同意書も、同じ顧客の記録として扱います。
紙カルテの検索と引き継ぎを短くする仕組み
紙カルテでは、保管場所を探し、過去の記録を読み、担当者のメモを確認する作業に時間がかかります。電子化すると、顧客名や電話番号、来店日から前回の情報を検索でき、施術中に要点へすぐアクセスできます。
担当者が休んだり退職したりしても、許可されたスタッフが同じ情報を参照できます。そのため、接客品質のばらつきを抑えやすくなります。
施術履歴と写真の次回提案への活用
ヘアやネイルなど業態を問わず、顧客の希望に加えて施術の記録が次回提案に役立ちます。特に、髪質・肌質や色、薬剤、施術時間、仕上がりの記録は、次回の提案を組み立てる材料になります。
施術前後の写真を顧客の履歴に残し、画像へメモやマーキングを付けると、言葉だけでは伝わりにくい仕上がりを共有できます。写真の保存期間や容量上限、原画像の扱いは、設計の段階で決めておきます。顧客へ見せる画像と社内記録も区別します。
サロン固有の注意事項の安全な共有
肌や頭皮の状態、アレルギーや服薬を聞く業態では、既往歴や禁忌事項も含め、配慮が必要な個人情報を扱う場合があります。
通常のサロン向けシステムでも、医療機関向け電子カルテの法的要件が全面的に適用されるとは限りません。そのうえで、取得目的と本人への説明を明確にし、閲覧範囲や保存期間、削除方法も決めておく必要があります。
特に、病歴などは要配慮個人情報に該当し得ます。取得や第三者提供には、原則として本人同意が必要です(出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」、2026年8月確認)。
施術カルテ管理システムの種類

選択肢は、カルテ中心のクラウド型、予約・会計・売上を統合するPOS一体型、独自業務に合わせるスクラッチ型です。
既存の予約・会計を残すか、店舗運営全体を置き換えるか、独自の施術工程をどこまで再現するかを、先に整理します。店舗数や予算も判断材料の一つですが、それだけで決まるものではありません。
2025年11月には、美容サロン向けのクラウド型電子カルテの新サービス提供も始まりました。顧客情報、施術履歴、写真、同意書を扱う選択肢が広がっています(出典:美容サロン向けクラウド型電子カルテの公式リリース、2025年11月)。
カルテ専用型(小規模サロンのスモールスタート)
カルテ専用型は、記録に必要な機能へ絞った構成です。顧客台帳や来店履歴、施術メモを扱うほか、写真やカウンセリングシート、同意書も対象になります。個人サロンや1店舗の事業者が、紙から移行する際に使えます。
予約や会計がすでに定着している場合でも導入しやすく、月額を抑えやすい構成です。ただし、予約・売上連携がCSVかAPIか、スタッフ数や写真容量に制限があるかは、事前に確かめておく必要があります。
POS一体型(予約・会計・在庫との二重入力の削減)
POS一体型は、カルテや予約、会計を一つの顧客データで扱う構成です。売上や商品・薬剤在庫、スタッフ実績も、同じデータの中で扱えます。受付の来店情報がカルテや売上分析に反映されれば、複数の画面への重複入力を減らせます。
2〜10店舗程度の事業者や、メニュー・回数券・物販を横断して分析したい事業者に向いています。ただし、既存の予約媒体や会計の運用を変えるコストも、あわせて検討が必要です。
スクラッチ型(独自の施術工程や本部管理の再現)
スクラッチ型は、独自の施術フローや複数ブランドの権限、多店舗本部の分析を前提に開発します。特殊な同意書や既存システムとの連携も、前提に含めます。
美容クリニックとサロンをまたぐ業務や、長期契約・回数券の管理では、有力な候補になります。標準機能のままでは現場を大きく変える必要がある場合に、検討の対象になります。
独自開発では、要件定義や保守、障害対応だけでなく、セキュリティ更新やデータ返却も自社で判断することになります。そのため、既製サービスとの差額に見合う業務成果を説明できることが必要です。
既製システムと追加開発の組み合わせ
カルテや会計など標準化しやすい領域は既製システムに任せ、残りを追加開発で作る組み合わせも現実的で、すべてをスクラッチ開発で作る必要はありません。
本部向け集計や独自通知、顧客ポータル、データ連携など、足りない部分だけをAPIや追加開発で補う方法があります。1店舗で入力項目と運用を固めてから全店に広げる場合にも使えます。
まず既製型で検証し、そのうえで不足する機能だけを拡張すると、初期投資と手戻りを抑えやすくなります。
導入前に整理したい必要機能と要件

機能一覧から始めると、便利そうな機能が増え、本当に解決したい課題が見えにくくなります。
受付から施術、会計、次回提案、来店後フォローまでを、一つの業務フローに描きます。そのうえで、各場面で誰が入力し、誰が判断するかを決めてから要件を定めます。
顧客・施術データの業態別テンプレート化
顧客・施術データは、共通項目と業態別項目に分けて整理します。
- 顧客台帳:氏名、連絡先、来店経路、担当者、利用メニュー、再来店周期の登録が中心です。
- 施術記録:要望、髪質・肌質、色や長さ、薬剤・商材、配合、放置時間、仕上がり、次回の注意点の記録。
- 業態別項目:業態で必要な項目が違うため、同じフォームに詰め込まず、共通項目とは別の欄にします。
必須項目を増やしすぎると、記録が形だけのものになりがちです。まずは、次回施術の安全と再現に必要な項目から始めます。
カウンセリング・同意書・写真の一連の記録
カウンセリングから写真まで、施術に関する情報を一連の記録としてまとめます。
- カウンセリング:希望する仕上がり、過去の施術、アレルギー、注意事項の聞き取り。
- 同意記録:説明内容、同意日時、同意書の版、取得スタッフを紐付けて残します。
- 写真:撮影日や施術前後、担当者、公開可否を紐付け、顧客を取り違えない導線を用意します。
写真と同意書を別々に保管すると、再利用の場面で判断を誤りやすくなります。そのため、顧客・施術単位でまとめて参照できる形が望ましいです。
予約・会計・在庫・分析との連携範囲
連携の要件では、データの扱いと分析条件を導入前にそろえておきます。
- 基準データ:顧客、予約、会計、売上、在庫、来店後通知のうち、どれを正とするかの決定。
- 同期範囲:顧客名や電話番号だけか、予約枠からメニュー、担当者、売上、購入商品までかの線引き。
- 連携方式:API、CSV、手入力の別と、失敗時の再送、重複登録、停止時の代替手順。
- 集計定義:再来店周期、メニュー別売上、担当者別リピート率を測る条件の統一。
開発・導入の手順
導入は、契約を終えたあとの現場準備と検証を重ねて完了します。
導入では、現場の記録の取り方をそろえたうえで、スタッフが短時間で入力できるかを確かめます。さらに、過去データと新しい記録を安全につなぐ必要があります。
最初から全店舗を切り替えず、1店舗・1業態で検証してから対象を広げると、手戻りを抑えやすくなります。
▶ 詳細はこちら:美容・サロン業向け施術カルテ管理システム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
現状業務と紙カルテの洗い出し
受付からフォローまで、カウンセリングや写真撮影、会計、次回予約を含めた流れを時系列に並べます。そのうえで、誰がどの端末で何を入力するかを書き出します。
紙カルテやExcel、予約台帳、会計データなどに情報が分散している場合は、重複する顧客情報と、移行が不要な古い記録を区別します。
スタッフには、欲しい機能だけでなく、施術中に入力できない理由や省略する項目、引き継ぎで困る情報も聞きます。
必須要件の絞り込みと同一シナリオでのデモ確認
要件の優先度を分け、候補を同じ業務シナリオで比べます。
- 優先度:「必須」「できれば欲しい」「将来検討」の3段階の区分。
- 必須機能:顧客検索や前回カルテの複製、写真保存、テンプレート、権限、バックアップ、データ出力を置く。
- デモの流れ:受付から施術記録、写真登録、会計、次回提案まで、実際に操作して確かめる。
- 比較項目:入力時間、修正、画面遷移、通信断時の挙動、記録出力を、同じ条件で比べる。
公開サービスの中には、契約から最短1週間で利用を始められるものもあります。ただし、データ移行や研修を含む実際の期間は、店舗数と準備範囲で変わります(出典:美容サロン向け業務システムの公式導入案内、2026年8月確認)。
確認項目をそろえておくと、画面の見た目に左右されにくくなります。
小規模なPoCとデータ移行のテスト
小規模な検証と移行テストでは、現場で問題になりやすい部分から確かめます。
- 検証対象:特殊な写真管理、同意書、薬剤記録、複数店舗の権限がある場合は、1店舗や一部スタッフで試します。
- PoCの測定:入力時間、記録漏れ、確認時間、写真の取り違え、次回提案までの時間の計測。
- 移行データ:氏名・連絡先の名寄せ、表記ゆれ、重複、画像名、同意状態のチェック。
全件の移行が費用対効果に合わない場合は、直近の利用顧客だけを移し、古い紙カルテは参照用に保管する方法もあります。
研修と段階的な本稼働による現場定着
研修は、管理者だけでなく、受付担当や施術担当、新人、店舗責任者ごとに分けて行います。開店前の受付、施術中の入力、会計後の更新、写真と同意の確認を、実際の動きに沿って練習します。
本稼働後の最初の30日間は、入力率と1件あたりの記録時間を追います。あわせて、前回カルテの参照率、引き継ぎ漏れ、問い合わせ件数も確認します。
この30日間の結果をもとに、テンプレートや権限を調整します。導入後90日を改善期間と決めておくと、使われない機能を減らし、現場に合う運用へ近づきます。
美容・サロン業向け施術カルテ管理システムの費用相場

費用は月額の利用料に加え、初期設定や端末、写真容量、データ移行を含めて比べます。研修や外部連携、保守も同じ表に入れて考えます。
公開料金で確認できる既製クラウドと、機能範囲から推定する独自開発費は、性質が異なります。そのため、同じ表に並べて単純に比べないことが大切です。
次に示すのは、2026年8月時点の公開情報と、リサーチノートで整理した業務システムの開発レンジをもとにした目安です。
▶ 詳細はこちら:美容・サロン業向け施術カルテ管理システム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
既製クラウドの費用の目安(初期0〜12万円程度、月額5,000〜17,000円程度)
公開料金には、月額5,000円からのサービス、月額8,000円・初期30,000円のサービス、月額13,000円からのプランなどがあります。
既製クラウドは、初期0〜12万円程度、月額5,000〜17,000円程度が入口の目安になります(出典:美容サロン向け業務システムの公式公開料金、2026年8月確認)。
初回サポートや最低契約期間、税、端末、写真容量などが、別料金になる場合があります。さらに、追加ユーザーや予約媒体連携、通知、移行費も確かめておきます。1店舗の初年度総額で比較します。
初年度の総額(端末・移行・研修を含む)
1店舗で月額5,000〜17,000円のサービスを12か月使うと、利用料は6万〜20万4,000円程度です。
初期設定や導入サポート、端末、通信環境、移行、研修を加えると、税や周辺機器を除いて初年度7万〜33万円程度になります。この金額は、比較用の目安です。
これは公開料金の組み合わせからの試算で、全サービスの平均値ではありません。ただし、写真を大量に保存する店舗や、紙カルテを一括で入力する店舗では、容量と移行工数が総額を左右します。
カルテ中心の独自開発費(300万〜700万円程度)
カルテ中心の独自開発を最低限のMVP(Minimum Viable Product)に絞ると、対象機能と開発費・期間は次の2点で想定されます。
- 対象機能:顧客台帳や施術履歴、写真、検索に加え、同意書、権限、クラウド管理を備えます。
- 費用と期間:300万〜700万円程度、2〜4か月程度が目安です。
美容サロン専用の公開平均ではなく、一般的な業務システムの初期開発レンジと機能範囲から推定した数字です。
画面数や端末対応、写真保存などを削ると、見積は安く見えます。テストや移行、セキュリティレビューを外した場合も、見積は同じように低く見えます。後から足すと手戻りが起きやすいため、初期見積で分けて記載してもらいます。
予約・会計・在庫・本部分析まで含む開発費(700万〜3,000万円以上)
予約・会計・在庫との連携や本部分析まで含める場合は、構成ごとの費用と期間を見比べます。
- 複数店舗向け:予約・会計・在庫・通知連携、スタッフ権限、本部分析、移行、監査ログを含む場合は、700万〜1,500万円程度、4〜8か月程度です。
- 独自SaaS・基幹刷新:1,500万〜3,000万円以上、8〜15か月以上になる可能性があります。
- 対象となる機能:マルチテナント、外部公開API、複数ブランド、厳格な権限、事業継続対策を含みます。
- 保守運用費:初期開発費の年15〜25%程度を、予算の仮置きとして使えます。
これらは確定した価格ではないため、要件定義のあとに個別の見積が必要です。保守費も、障害対応の時間や機能改善、クラウド費用、セキュリティ更新の範囲によって変わります。
美容・サロン業向け施術カルテ管理システムの開発会社・ベンダーの選び方
候補を比べるときは、料金や機能数だけでなく、サロン業務の理解、写真や同意書の扱い、既存システムとの連携、導入後の支援も見ます。
既製サービスのベンダーと、要件に合わせて開発する会社とでは、契約や見積、保守の見方が異なります。そのため、必要な選択肢を分けて比べます。
美容・サロン業の業務理解と導入実績の確認
業務への適合は、「顧客管理ができます」という説明より、導入実績の中身で確かめます。
- 想定業態:ヘア、ネイル、アイラッシュ、エステ、リラクゼーションのどれを想定しているかの確認。
- 業務の扱い:写真、薬剤・商材、アレルギーや注意事項、同意書、役務・回数券、多店舗の引き継ぎの扱い。
- 事例の条件:店舗規模・スタッフ数・業態が近い導入事例の提示。
- 導入後の変化:導入前の課題、移行範囲、定着までの期間、変化した指標について尋ねます。
- 実績の適合性:利用者数や店舗数だけでなく、自社の運用に合うかどうかの見極め。
権限・暗号化・ログ・契約終了時のデータの確認
すべてのスタッフが全顧客の情報を見る必要はないため、顧客情報は役割ごとに見える範囲を分けることが大切です。責任者や施術担当、受付、本部、退職者のそれぞれについて、閲覧・登録・修正・出力・削除の範囲を設定できるかを見ておきます。
通信時と保存時の暗号化や多要素認証、操作ログ、バックアップも確かめます。また、障害時の復旧目標や、端末紛失時の利用停止も見ておきます。
契約では、データの保管場所や委託先、再委託の扱いを明記します。さらに、漏えい時の連絡、解約時の返却形式と期限、写真の削除方法も決めておきます。
見積の前提と導入後サポートの比較
見積と導入後の支援は、提供形態ごとに前提を分けて確かめます。
- 費目:要件定義や画面設計、開発、テスト、移行、研修、保守を、それぞれ分けた内訳。
- 対象条件:店舗数、スタッフ数、写真容量、外部連携、問い合わせ対応時間の前提。
- 既製クラウド:初期設定、研修回数、無料期間、最低契約期間、機能更新の有無。
- 独自開発:瑕疵対応や月次保守、追加単価、担当変更時の引き継ぎ、ソースコードや設計書の扱い。
「カスタマイズ一式」と書かれた見積は、どこから追加費用になるのかを、事前に読み取りにくいものです。
▶ 詳細はこちら:美容・サロン業向け施術カルテ管理システム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
▶ 詳細はこちら:美容・サロン業向け施術カルテ管理システム開発の発注/外注/依頼/委託方法について
情報管理と現場定着で失敗しないポイント
機能がどれだけ揃っていても、入力されなければ顧客体験や経営改善にはつながりません。定着と安全性を左右するのは、施術中の数秒の操作、スタッフ間の引き継ぎ、退職者のアカウント管理、写真と同意の紐付けです。
情報セキュリティは、開発会社に任せきりにせず、店舗のルールとシステム機能を組み合わせて運用します。
取得目的と閲覧ルールのスタッフへの共有
取得から日々の閲覧まで、スタッフが守るルールをそろえておきます。
- 取得目的:施術の安全、接客、予約案内、分析のうち、情報の使い道を明確にすること。
- 記録範囲:アレルギーや病歴の必要性と本人への説明を確かめたうえで、自由記述の過剰な記録を防ぐ。
- スタッフ運用:私物端末への保存、覗き見、持ち出し、退職時の停止、誤登録の訂正方法の研修。
IPAの中小企業向けガイドライン第4.0版では、バックアップを含む基本対策が整理されています(出典:IPA「中小企業の情報セキュリティ対策ガイドライン第4.0版」、2026年7月更新)。
入力時間と再来店・引き継ぎ品質のKPI
導入の効果は、ログイン数だけでなく、業務の時間と品質を示す指標で見ていきます。
- 記録と引き継ぎ:施術1件の記録時間、前回カルテ参照率、記録漏れ、担当変更時の確認時間の測定。
- 顧客対応:写真の再利用率、次回予約率、再来店周期の推移。
- 業務改善:二重入力件数も含め、月1回程度のレビューで、項目、テンプレート、権限、研修を見直す。
記録時間が短くなっても、重要な注意事項が抜けていれば、導入は成功とはいえません。
バックアップと解約時のデータ返却の決め方
クラウド型であっても、障害や誤削除が起きないとは限りません。そのため、復旧の手段とデータ返却の条件を、導入前に確かめておきます。
- 復旧準備:頻度、世代数、復旧テスト、目標時間、災害時の代替手順の確認。
- 写真・同意書:容量に加えて、削除後の復元可否や完全削除の時期。
- データ返却:顧客、施術、画像、同意、予約、売上の出力形式と費用、解約後の取得期限。
データを持ち出せない状態は、月額の安さ以上に大きな移行リスクになります。
よくある質問(FAQ)
導入前によくある疑問に答えます。費用や法的な扱いは、サービス仕様や取得する情報、店舗の運用によって変わります。そのため、各回答では判断の観点を示しています。
紙カルテから電子化する場合、過去の記録はすべて移行すべきですか?
過去の記録は、すべてを移す必要はなく、直近の利用顧客や再来店見込みの高い顧客から始める方法もあります。
氏名や連絡先、注意事項、直近の施術履歴、写真など、次回の接客で使う情報を優先します。古い記録は、保管場所と参照方法を決めておきます。
対象を増やすほど、名寄せや入力、画像整理の工数が増えます。そのため、1店舗で作業時間を測ってから、全店の計画を立てます。
美容サロンの施術カルテに医療機関向け電子カルテの要件は適用されますか?
一般的な美容サロンの施術記録には、医療機関向け電子カルテの要件が全面的に適用されるわけではありません。
アレルギーや肌・頭皮の状態、既往歴、服薬を扱う場合は、要配慮個人情報に該当するかを個別に確認します。そのうえで、取得目的や本人同意、閲覧権限、第三者提供、漏えい時の対応を設計します。
医療行為を行う施設や医療機関と連携する場合は、業務の範囲と関係法令について、専門家に確かめます。
クラウド型とスクラッチ開発はどちらを選ぶべきですか?
早く低コストで導入し、標準的なカルテ運用で課題を解決できるなら、クラウド型が向いています。
独自の施術工程や複数ブランドの本部管理、特殊な契約・同意、深いシステム連携が競争力に直結する場合は、追加開発やスクラッチ開発を検討します。
迷う場合は、クラウド型や小規模なPoCで業務を標準化してみるのも一つの方法です。標準機能で解決できない要件と投資効果が明確になってから、独自開発へ進むこともできます。
施術カルテ管理システムの費用を抑えるにはどうすればよいですか?
最初から全機能を開発するのではなく、現場の損失が大きい機能から始めます。顧客検索や施術履歴、写真、同意、権限などが、その例です。
予約・会計・通知の連携は、必要なデータ項目を絞って段階的に追加します。移行も直近の顧客から実施します。
月額の安さだけで選ぶと、端末や初期サポート、写真容量、最低契約期間、解約時の出力などで費用が増える場合があります。そのため、初年度の総額と3年間の保守・移行費を、同じ条件で比べます。
まとめ
美容・サロン業向け施術カルテ管理システムは、紙カルテの電子化に加えて、カウンセリングや施術、写真、同意をつなぎます。さらに、予約や会計、次回提案とも結び付け、顧客情報を活用する業務基盤になります。
カルテ専用型、POS一体型、スクラッチ型の特徴を比べ、自店の業態や店舗数、既存システム、独自要件に合う構成を選びます。
小さく始めて成果を確認する費用と進め方
既製クラウドは、初期0〜12万円程度、月額5,000〜17,000円程度が入口の目安です。一方、独自開発は機能範囲に応じて300万〜3,000万円以上まで幅があります。
公開料金と推定費用は分けて考え、端末や移行、研修、写真容量、連携、保守を含む総額で比べます。
まず現状の業務を洗い出し、1店舗・1業態でPoCを行います。入力時間や記録漏れ、引き継ぎ、再来店などのKPIを確かめてから全店へ広げると、投資の判断がしやすくなります。
機能に加えた情報管理とデータ出口の確認
写真や薬剤履歴、アレルギー、同意書を扱う場合は、情報保護と継続利用に関わる条件を、機能と契約の両面で確かめます。
- 安全管理:役割別権限、暗号化、ログ、バックアップ、障害対応、退職者停止を要件に含めます。
- 契約条件:解約時の返却形式、画像の扱い、委託先、漏えい時の連絡の確認。
- 導入目的:記録を短時間で残し、安全に引き継いで提案と再来店につなげる目的を定め、投資と不要機能の判断に使います。
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▼RFP作成前に読みたい無料ホワイトペーパー
・業務システム開発の完全ガイドブック
・スクラッチシステム開発の完全ガイドブック
・【2026年最新版】AI駆動開発の完全ガイドブック
会社紹介
株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

もし、システム開発やプロダクト開発に関するご要望がございましたら、お気軽にお問い合わせください。
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株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。
