SSGのシステム開発の完全ガイド

SSGのシステムは、更新の頻度、利用者ごとの表示の違い、動的な機能の有無に応じて、静的配信とSSR・APIを組み合わせると業務に合いやすくなります。

方式の使い分けからシステム構成、費用、開発手順、発注先の選び方まで順に取り上げます。各テーマの詳細は、下の関連記事で確認できます。

▼関連記事一覧
・SSGのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・SSGのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・SSGのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・SSGのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

SSGのシステムの定義と仕組み

SSGはStatic Site Generatorの略称で、Markdown、MDX、JSON、ヘッドレスCMSのAPIなどを入力として、ビルド時にページを生成する方式です。訪問のたびにデータベースから画面を組み立てず、公開前にHTML、CSS、JavaScript、画像などを用意しておく点が特徴です。

ビルドから配信までの流れ

基本の流れは、コンテンツ登録から始まり、ビルド、ステージング公開、承認を経て、本番CDNへ配信する形です。また、原稿をGitで更新する運用もあります。

CMSの更新をWebhookの起点にすれば、担当者はコードを直接編集せずに更新できます。公開前のプレビューや差し戻しも設計し、前の版へ戻すロールバックまで用意すると、公開後の運用を続けやすくなります。

静的HTMLとの違い

公開物は静的ファイルですが、システム全体はCMS、ビルド環境、デプロイ設定を含む構成です。さらに、画像配信やフォーム、検索も業務利用に関わります。アクセス解析や権限管理と組み合わせて、運用できる形にします。

手作業でHTMLを置き換える静的サイトと異なり、SSGは更新フローを自動化できます。また、複数人で品質を保ちながら運用できる点も違いです。

SSG・SSR・CSR・ISRの使い分け

SSG、SSR、CSR、ISRのページ生成や画面描画のタイミングを4枚のパネルで整理した図解。
ページを作る時点が方式ごとの使い分けの手掛かりです。

更新頻度が落ち着いていて、同じ内容を多くの訪問者へ配信するページには、SSGが向いています。一方で、利用者や時点によって内容が変わる部分には、SSRやAPIを使います。

また、即時性の高いデータも動的処理の候補になります。ページの一部だけを動的にするハイブリッド構成も選べます。

SSGとSSRの違い

SSGはビルド時にHTMLを作るため、リクエストごとのサーバー処理を減らせます。これに対してSSRは、リクエスト時点のデータからサーバーがHTMLを生成します。

会員情報、地域別表示、予約状況のように、利用者や時間で変わる内容には、SSRが使いやすい方式です。ただし、SSRではサーバーの稼働、監視、負荷対策が必要になります。

SSGとCSRの違い

CSRは、ブラウザがJavaScriptを読み込んだ後にデータ取得と画面描画を行う方式です。管理画面やログイン後のアプリに適しています。

初回表示や検索エンジンへの情報提供には、設計上の注意が必要です。一方で、SSGはHTMLが先にあるため、本文や見出し、メタ情報をクローラーへ渡しやすくなります。ただし、JavaScriptを過剰に追加すると、SSGでも表示速度や操作性が悪化します。

ISRとハイブリッド構成

ISRは、基本ページを静的配信しつつ、一定時間の経過や更新をきっかけに一部だけを再生成する考え方です。

  • 活用例:ニュース一覧や商品情報など、全ページの再ビルドを待ちたくない場合に候補になります。
  • 静的出力の制約:Cookie、ヘッダー、リダイレクト、サーバーアクション、ISRが使えない場合があります。

この制約を踏まえ、採用するフレームワークの公式仕様を確認したうえで、必要な機能を静的出力で実現できるかを先に検証します。

ポイント

更新頻度や利用者ごとの表示の違いを見て、ページごとに方式を選ぶと判断しやすくなります。迷ったときは、動的に変えたい部分だけをSSRやAPIに分けて考えます。

SSGのシステムのメリットとデメリット

SSGは公開ページを軽く配信しやすい方式です。ただし、効果を得るには、HTMLや画像、JavaScriptから、キャッシュ、CMS、監視までを含めて設計する必要があります。そのうえで、メリットと制約を同じ基準で比べ、自社の業務要件に合う範囲を決めます。

表示速度とSEOへの効果

完成済みHTMLをCDNから返せるため、初回表示までの処理を短くしやすい点が強みです。画像の適正化やJavaScriptの削減も、Core Web Vitalsの改善につながります。

表示速度は、配信方式に加えて、見出しや内部リンクを正しく出力できるかでも変わります。第三者タグや動画が残れば、静的配信でも遅くなります。フォントや巨大な画像、遅い外部APIも、遅さの原因になります。

セキュリティと運用負荷

公開ページからDB接続やサーバー処理を外す設計にすると、攻撃対象を減らしやすくなります。さらに、アクセスが急増したときも配信を続けられます。

ただし、静的ファイルだからといって安全とは限らないため、更新権限を絞り、秘密情報の混入を防ぎます。依存関係とログも定期的に確認します。

管理対象は、CMS管理画面、APIトークン、リポジトリなどです。また、CI/CD、npmなどの依存パッケージ、第三者タグも対象に含まれます。

動的機能を別に設計する必要性

フォームや検索、認証、予約は、SSGに別の仕組みを組み合わせて実現します。決済や在庫照会も、別の仕組みで扱います。たとえば、フォームは専用APIやサーバーレス関数、検索は検索サービスと連携します。

会員機能は認証基盤、決済は決済サービスと連携します。静的に生成する部分とリクエスト時に処理する部分は、企画段階で分けておく必要があります。その理由は、機能を後から付けると、個人情報の保存場所や障害時の責任分界が曖昧になりやすいためです。

ポイント

SSGの利点は、公開ページのどこまでを静的にできるかで決まります。会員や予約など動的な部分は、別の仕組みで受けるかを先に決めておくと、設計の抜けを減らせます。

SSGの種類と技術の選び方

技術選定では、人気より、ページの作り方や更新頻度、編集者数を優先します。移行量や動的機能、担当者のスキルも判断材料になります。

小規模サイトなら、軽量な構成で足りる場合があります。一方で、多言語や検索が増えるほど、設計と保守のしやすさが重要になります。さらに、複数APIや承認フローが加わると、その重要度は高まります。

フレームワーク型の選択肢

フレームワークは、利用する技術やコンテンツの扱い方に合わせて候補を絞ります。

  • React・Vue:ReactベースのNext.js、VueベースのNuxtがあります。
  • コンテンツ・文書:Astroはコンテンツ配信、VitePressはドキュメント生成に適しています。
  • 静的生成:HugoやEleventyも選択肢です。

たとえば、Next.jsは設定によって静的エクスポートを作成できます。2026年3月更新の公式仕様では、ビルド時にルートごとのHTMLを生成し、一般的なWebサーバーへ配置できると説明されています。

候補は、静的出力の可否だけでなく、ルーティングや画像最適化でも比べます。さらに、プレビュー、国際化、エラー時の復旧方法も確かめます。

CMS・Git・APIの組み合わせ

編集者が日常的に更新するなら、ヘッドレスCMSとWebhookを使い、原稿管理と配信を分けられます。一方、技術担当者が更新する文書には、MarkdownとGitの運用が適しています。

既存CMSを残し、API経由で公開部分だけをSSG化する移行も可能です。CMSでは、編集権限や下書き、予約公開の扱いを見ます。加えて、プレビューや画像管理、API制限やバックアップ、エクスポートも見ておきます。

記事数やAPI呼び出し数が増えた場合の費用も、無料プランと合わせて見ます。また、プラン変更時の移行や、障害時の手動公開も確認します。

静的ホスティングとクラウドの選択

構成は、CDN配信、オブジェクトストレージとCDNの組み合わせ、ビルドとプレビューを一体化したマネージド型に分けて考えられます。

ホスティング候補は、契約条件と配信上限を確かめたうえで絞り込みます。

  • 利用条件:商用利用の可否とリージョン。
  • 配信上限:ビルド数、ファイル数、転送量。
  • 運用機能:WAF、ログ、権限、障害時の切り替えの有無。

無料枠に加えて、超過時の従量課金と利用規約も確認します。ただし、静的アセットは無料でも、サーバーレス関数には別のリクエスト課金が発生するサービスがあります。

無料のコードホスティングは、オンラインビジネスやECなど、商用取引を主目的とするサイトを想定していない場合があります。そのため、企業サイトの本番環境では、規約と契約プランを確かめる必要があります。

SSGのシステム構成とCMS・API連携

SSGは、コンテンツ入力からビルド、品質確認、配信、動的機能までの5層に分けて整理できます。CMSと公開サイトを分離し、ビルド環境でデータを取得して生成物をCDNへ渡します。

フォームや検索を組み込む場合は、ブラウザからAPIを呼ぶか、サーバーレス関数を経由するかを明確にします。

更新・承認・公開の業務フロー

SSGでは技術構成よりも更新フローの設計を優先します。そのうえで、担当、公開方法、失敗時の復旧を決めます。

  1. 原稿作成者、確認者、公開担当者を分けるか、公開予約を使うか、緊急修正の承認者を、あらかじめ決めておきます。
  2. Webhookの自動ビルドが失敗した場合は、公開中の旧版を維持し、担当者へ通知します。
  3. 本番と同じURL構造、画像、フォームのテスト方法をプレビュー環境で再現し、下書きへのアクセスを制限します。
  4. 公開時には、サイトマップ、canonical、OGP、構造化データ、リダイレクトの確認が必要です。

下書きが検索エンジンに登録されないよう、設定を確かめておきます。あわせて、操作マニュアルと公開後に戻す手順も納品物に含めます。

フォーム・検索・会員機能の分離

機能ごとに、処理と確認事項を分けて考えます。

  • フォーム:入力検証、迷惑投稿対策、メール、再送、保存期間、通知先の設計が必要です。
  • 検索:ビルド時の索引化か、API経由かで、反映時間と費用が変わります。
  • 会員・見積もり:機密情報を静的ファイルに含めず、認証済みバックエンドで処理します。

要件定義書に分離の方針を書いていないと、フォームが使えない、検索結果が更新されない、会員情報がキャッシュされるといった問題が起こりえます。

各機能について、データの保存場所や処理場所、障害時の代替手段、個人情報の担当者を一覧にします。

SSGのシステム開発費用相場と内訳

小規模、標準、大規模、業務連携ありのSSG初期開発費の範囲を横棒で並べた図解。
業務連携を含む区分は、価格帯の上限も大きくなります。

初期費用はページ数だけでなく、デザインや移行の範囲で変わります。CMSやAPI、言語数、運用設計も、金額を左右します。

ここに示す金額は、2025〜2026年の公開料金と国内相場をもとにした、要件確定前の概算です。見積もりを比べるときは、金額に加えて、含まれる工程と成果物をそろえます。

▶ 詳細はこちら:SSGのシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について

規模別の初期開発費

規模別の費用と期間は、含める機能とあわせて見ます。

  • 小規模:5〜15ページ、50万〜150万円、2〜6週間。
  • 標準:20〜100ページ、150万〜500万円、2〜4か月。
  • 大規模:500万〜1,500万円以上、4〜9か月程度。
  • 業務連携あり:1,000万〜3,000万円以上、6〜12か月以上。

小規模は、既存デザインやMarkdown管理、外部フォーム、基本計測を含みます。標準になると、オリジナルデザインやヘッドレスCMS、既存移行が加わり、SEO設定、CI/CD、プレビューも含まれます。

大規模案件は、多言語、複数サイト、数百〜数千ページを含みます。さらに、権限と検索、複数APIとの連携が加わります。移行や監査、運用設計も含めて考えます。

会員や決済、在庫、業務データ連携を含む場合は、SSGよりもバックエンドや認証、連携テスト、運用設計の比重が大きくなります。

見積書で確認する費用項目

見積書では、工程と成果物を分けて確認します。

  • 工程:要件定義、情報設計、デザイン、実装。
  • 連携・公開:CMS・API、移行、テスト、CI/CD、インフラ、公開、マニュアル。
  • 一式見積もり:ページテンプレート数、移行対象件数、リダイレクト件数、フォーム数、画像加工数。

業務システム開発の工程配分には、要件定義10〜12%、設計・環境構築22〜24%、実装48〜50%、テスト15〜17%という整理があります(出典: NotebookLM一次Q&A「業務システム全般_13」、2026年)。

SSGでも、実装の割合に加えて、URL移行やビルド復旧などの工程を確認します。

ランニングコストと料金変動

継続費は、サービス利用料と保守に分けて、上限や契約条件まで確認します。

  • 費目:ホスティング、CMS、ドメイン、メール、監視、ログ、WAF、バックアップ、保守。
  • 配信基盤:月額0、15、20、200、1,000ドルなど(出典: 各配信基盤の公式料金ページ、2026年)。
  • 無料枠:利用条件、ビルド回数、ファイル数、転送量、関数、権限、サポート。
  • 保守費:初期費の年15〜25%程度が検討の起点です(出典: NotebookLM一次Q&A「業務システム全般_13」、2026年)。

配信基盤の料金に、CMSや保守費は含まれていません。一方で、静的ファイルの配信が無料でも、動的関数は従量課金になる場合があります。

無料の公開基盤には、企業の商用サイトを想定していない規約もあります。通常月とアクセス急増時の月額を試算し、請求上限やアラートを設定します。

保守費は、更新代行や脆弱性対応、依存パッケージ更新の範囲で変わります。監視、障害対応、CMSサポートを含めるかどうかでも変わります。このため、月次の作業時間や緊急時の応答時間、追加開発の対象外範囲を契約書に書き分けます。

ポイント

費用は規模と業務連携の有無で幅が大きく変わるため、要件が固まってから見積もりを比べると判断しやすくなります。初期費とランニングコストを分けて比べると、各社の提案を同じ土台で見られます。

SSGのシステム開発の進め方

まず、目的や更新業務、コンテンツを定義します。そのうえで、動的機能と非機能要件を整理し、フレームワークを含む構成を選びます。

リニューアルでは、既存URLや検索流入、画像、フォームを漏れなく移せるかが成否を分けます。さらに、公開後の運用も移す必要があります。

▶ 詳細はこちら:SSGのシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順

要件定義とコンテンツの整理

要件定義では、目的と運用体制を固めたうえで、移行対象を決めます。

  • 目標・体制:SEO、表示速度、セキュリティ、更新の内製化、公開頻度、ピークアクセス、編集者数、承認者、目標公開日。
  • 現行サイト:URL、タイトル、description、流入、画像、ファイル、フォーム、検索、解析、リダイレクト。
  • 移行区分:「そのまま移す」「書き直す」「廃止する」に分け、費用と日程を現実的に見積もります。

記事やニュース、製品、事例、FAQなどのコンテンツモデルも設計します。

必須・任意の項目、日時、カテゴリ、著者を定義します。画像や旧URL、下書きを定めます。承認や言語、権限も、同じ段階で決めます。

特に、ページデザインより先にデータ構造を定めると、公開後の再入力を防げます。

設計・実装・CI/CD構築

設計と公開の自動化では、決定事項を項目ごとに分けて整理します。

  • サイト設計:URL、テンプレート、部品、メタ情報、サイトマップ、画像、キャッシュ、エラー画面。
  • 機能・開発運用:フォーム、検索、権限、ブランチ、レビュー、環境変数、秘密情報の保管。
  • 自動検査:ビルドごとにリンク、HTML、アクセシビリティ、Lighthouse、画像、リダイレクト、秘密情報を確認。
  • 公開・復旧:承認済み成果物を公開し、失敗時は直前版を維持。ロールバックを試して手順を記録。

CI/CDでは、プルリクエストごとにビルドし、ステージングで各項目を検査します。さらに、誰がどの画面から戻せるかを手順書に残します。

テスト・移行・リリース

テストから公開後の監視まで、移行とリリースの確認を段階的に進めます。

  1. 全URL、canonical、サイトマップ、構造化データ、OGP、フォーム、検索、権限、画像、スマートフォン表示を確認します。
  2. 301リダイレクトと404を監視し、主要ページの検索流入を移行前後で比べます。
  3. 一括、限定公開、段階移行から選び、DNS、TLS、キャッシュ、メール、フォーム、解析の担当と時刻を決めます。
  4. 障害時の戻し方を確かめ、公開後1〜2週間は404、ビルド・送信エラー、速度、検索クロールを監視します。

検索順位の維持に関わる項目も、移行の判定に含めます。

ポイント

要件定義の段階で、現行URLやコンテンツ、動的機能を一覧にしておくと、移行の漏れや後からの手戻りを減らせます。フレームワークを選ぶのは、目的と更新業務を固めた後にします。

SSGのシステム開発会社・ベンダーの選び方

会社選びでは、フレームワーク名だけでなく、要件定義や移行、CMS編集設計を扱えるかを見ます。さらに、CI/CDやCDN、セキュリティ、保守まで扱えるかも確かめます。

動的機能の責任分界やビルド失敗時の復旧が決まっていないと、運用開始後に発注者の負担が増えます。そのため、会社選びの段階で、これらの取り決めを確かめておきます。

類似案件の実績

「SSGを使った」という説明だけでなく、実績の中身を確かめます。具体的には、ページ数やCMS、移行の内容が対象です。さらに、動的機能や公開後の運用、担当範囲も見ておきます。

可能であれば、構成図や移行前後のURL数を見せてもらいます。加えて、ビルド時間や更新フロー、障害対応の例も確かめます。

自社に近い業種や公開頻度、編集者数、アクセス規模の実績があれば、見積もりの前提がそろいます。

運用体制と保守範囲

原稿登録から公開までの時間や承認者数、プレビュー、緊急修正の方法について、開発会社に質問します。

フレームワークやCMS、依存パッケージ、ホスティングの更新担当を確かめます。そのうえで、脆弱性が見つかったときの連絡時間と修正期限も契約に入れます。

また、保守の範囲外となる追加開発の単価や、月次レポートの内容も確認します。

契約・権利・引き継ぎ

契約時には、納品物と利用権を定め、継続運用に必要な範囲をそろえます。

  • 納品物:コード、リポジトリ、ビルド手順、インフラ、IaC、CMS、デザイン、環境変数管理、依存一覧。
  • 利用権:改修、複製、翻案、第三者保守を認める範囲。
  • 見積比較:移行、テスト、監視、復旧、引き継ぎを同条件で比べます。
  • 適合性:提案時にSSGに不向きな要件やSSR・APIへ分ける基準を質問し、無理に静的化しない提案ができるか見ます。

委託したからといって、ソースコードや改修権を当然に得られるとは限りません。そのため、成果物と利用許諾を具体的に決めておきます。

▶ 詳細はこちら:SSGのシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

ポイント

会社を比べるときは、類似案件の実績と保守範囲、契約で受け取る成果物を同じ条件でそろえて見ます。動的機能の責任分界と復旧の取り決めを先に確かめておくと、契約後の負担が見えやすくなります。

公開ページを静的にしても、開発と運用の全体が自動的に安全になるとは限りません。そのため、管理画面やAPI、ビルド環境に分けて脅威を確認します。依存パッケージや第三者JavaScript、CDN設定、ログも、対象に含めます。

2025年版OWASP Top 10では、セキュリティ設定不備がA02、ソフトウェアサプライチェーンの失敗がA03です。ビルドシステムや依存関係も管理対象とされています(出典: OWASP Top 10:2025、2025年)。

CMS・ビルド環境・依存関係の対策

CMSとビルド環境では、権限と秘密情報を管理し、依存関係も継続して確認します。

  • CMS権限:多要素認証を使い、編集、承認、公開、設定変更を分けます。
  • 秘密情報:APIキーを公開JavaScriptや生成HTMLへ埋め込まず、ビルド環境で保管します。
  • 開発環境:保護ブランチ、レビュー必須、デプロイ権限分離、ログ保存、依存パッケージの脆弱性スキャン。
  • 依存関係:更新、変更管理、本番昇格、固定、ロックファイル、復旧、生成物検証。

OWASP Top 10:2025では、未更新の部品や変更管理の不足、過剰な権限、レビューなしで本番へ昇格できるCI/CDなどが問題とされています。

原稿の更新でもビルドが動くため、依存関係の固定と生成物の検証を続けます。

個人情報と第三者サービス

個人情報を扱う機能や外部サービスごとに、取扱いと責任を明確にします。

  • 対象機能:問い合わせ、採用応募、資料請求、解析、広告計測。
  • 法務確認:利用目的、安全管理、委託先、海外提供、Cookieの扱いを、担当者と照らし合わせます。
  • データ管理:送信データの保存先、閲覧者、削除時期を示します。
  • 外部サービスのリスク:便利な反面、障害、規約変更、データ移転、タグ経由の情報流出も起こりえます。
  • サービス記録:目的、取得項目、保存場所、アクセス権、契約終了時のデータ返却を記録します。

個人情報の確認は、SSGかどうかにかかわらず必要です。そのうえで、不要なタグを削除できる構成にします。

発注前・検収時のチェックリスト

RFPに記載するサイト要件、機能・品質、性能・復旧、運用の4分類をカードにした図解。
4つの分類をそろえると、提案の範囲を比べやすくなります。

発注前には、技術構成より先に、目的と検収基準を一枚にまとめます。そのうえで、更新者や静的化するページ、APIへ分ける機能を言語化します。さらに、公開日と月額上限も書き出しておくと、提案の前提がそろいます。

▶ 詳細はこちら:SSGのシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

RFPに書く項目

RFPには、提案の範囲をそろえるため、次の要件を記載します。

  • サイト要件:目的、対象者、ページ・コンテンツ・言語数、担当者、公開頻度、URL、移行対象。
  • 機能・品質:フォーム、検索、会員、API、アクセス、ブラウザ、アクセシビリティ、SEO、解析、公開日。
  • 性能・復旧:同時アクセス、ビルド・反映時間、復旧目標、キャッシュ・ログ保持期間。
  • 運用:バックアップ、監視、アラート、SLA。未決の数値は現状値を測定して提案に含めるよう依頼します。

数値化した要件を示せば、提案内容と見積もりの比較条件が明確になります。

検収で確認する項目

検収では、公開後の表示や機能と、引き継ぎ資料の両方を確認します。

  • ページ・SEO:URL、リダイレクト、404、サイトマップ、canonical、メタ情報、構造化データ、OGP、リンク、画像alt。
  • 機能・表示:フォーム、検索、更新、プレビュー、権限、予約、通知、スマートフォン、主要ブラウザ、速度。
  • 成果物:コード、CMS、デザイン、インフラ、ビルド手順、依存パッケージ、環境変数管理。
  • 運用引き継ぎ:バックアップ、監視、復旧、アカウント一覧を受け取り、複数人で再現できるか確認。

納品後に担当者だけが操作できる状態を避け、複数人が再現できる引き継ぎを検収条件にします。

ポイント

発注前に要件を数値でそろえておくと、提案の比較と検収の判断を同じ物差しで行えます。引き継ぎまで検収条件にすると、納品後の手戻りを防ぎやすくなります。

SSGのシステムに関するよくある質問

導入を検討する際によく寄せられる質問を取り上げます。ページの性質や更新業務、動的機能、運用体制に照らして読むと、判断の助けになります。

SSGは公開後に担当者が更新できますか?

更新できます。ヘッドレスCMSとWebhookでビルド・公開を自動化すれば、管理画面から記事やニュースを更新できます。

MarkdownとGitを使う場合は、レビューを経て公開します。どの方式にするかは、ITスキルや承認フロー、更新頻度、緊急公開の有無で決めます。

既存CMSからSSGへ移行するときの注意点は何ですか?

まず、URLやコンテンツ、画像を移行します。フォームや検索、解析、リダイレクトも、それぞれ移します。一方、既存CMSを編集基盤として残し、API経由で静的化する方法もあります。

その場合は、API仕様や下書きプレビュー、反映時間を確認します。さらに、画像URLや障害時の代替も見ておきます。移行前後でページ数と主要流入ページを照合し、404を監視します。

SSGなら開発費用を大きく削減できますか?

条件が合えば削減できますが、必ず安くなるとは限りません。DBや常時稼働サーバー、ページごとの動的処理を減らせる場合に、費用が抑えられます。

一方で、CMSや移行、CI/CDの費用は発生します。また、SEOやフォーム、検索、保守の費用もかかります。小規模は50万〜150万円、標準は150万〜500万円が初期費用の目安です。

この目安は、ページ数と機能の前提をそろえて比べます。

SSGに向かないシステムはありますか?

毎秒変わるデータや、利用者ごとに異なる画面を扱う場合は、SSG単独には向きません。複雑な権限管理や、会員・決済・在庫を中心にしたシステムも、SSG単独では対応が難しくなります。

公開ページだけをSSGにし、会員画面や業務データをSSR、API、サーバーレス関数で分ける構成が現実的です。

静的化の範囲を狭めるのは、要件に合わせて責任分界を明確にする設計判断です。

まとめ

SSGはビルド時に生成したHTMLなどを、CDNや静的ホスティングから配信します。表示速度、SEO、アクセス急増への耐性、オリジンサーバーの縮小に利点があります。

フォームや検索、認証、決済、在庫などは、APIやSSRと組み合わせて設計します。導入時は、現行URL、コンテンツ、更新業務、動的機能を洗い出します。

CMS・Git・API、CI/CD、プレビューの方式を決めます。さらに、ロールバックやセキュリティ、保守、ソースコードの引き継ぎも決めておきます。

費用は小規模で50万〜150万円、標準で150万〜500万円、大規模で500万〜1,500万円以上が目安です。移行と運用の範囲で変わります。

自社の要件に合わせて、静的にする範囲と動的にする範囲、運用の担当、費用を決めます。RFPと検収項目には、URLやSEO、更新、権限の条件を書きます。

さらに、ログやバックアップ、復旧の条件を書きます。契約と引き継ぎの内容もそろえ、同じ条件で提案を比べます。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。