DeepSeek V4.1-Flash-1017を解説|検索・取得APIの価格と導入ポイント

DeepSeekは2026年10月17日、AIモデルをDeepSeek-V4.1-Flash-1017へ更新しました。公式Web、APP、APIが同じ更新を受け、APIでは従来どおりdeepseek-flashを指定して利用できます。

新モデルは、前バージョンよりベンチマーク性能を高め、タスク実行時間と出力長を短縮したとDeepSeekは説明しています。同時に、Web検索のSearch APIとページ取得のFetch APIを一般公開しました。

開発チームにとっては、既存のモデル名を変えずに検証を始められる点と、ライブWebをエージェントへ接続できる点が焦点です。10月19日時点の無料条件は11月1日から変わるため、性能・料金・レート制限を分けて確認します。

※本記事は2026年10月19日時点の情報です。

DeepSeek-V4.1-Flash-1017の更新は、deepseek-flash(コンテキスト長1M)のモデル更新と、検索のSearch API・ページ取得のFetch APIの公開の3つに整理できる
モデル名は変わらず、Web検索とページ取得のAPIが加わった

モデル更新|API名はそのまま、性能と実行効率を改善

今回の更新で変わったのは、呼び出し側のモデル名ではなく、その名前で提供されるモデルです。DeepSeekの更新履歴では、公式WebとAPPも新バージョンへ更新され、APIの呼び出し方法と価格は変わらないと説明されています。

性能面では、DeepSWE v1.1が77.0、ProgramBenchが29.1、NL2Repo-Benchが68.2でした。2026年9月10日の前バージョンはそれぞれ74.2、20.3、65.4で、同じ評価名の数値では新バージョンが上回っています。

ただし、ベンチマークは実務そのものではありません。Terminal-Bench 4.0はClaude Code、DeepSWEはMini-SWE-V2、ZeroBench-mainはPass@5で評価され、HLEは純テキスト部分のみです。自社のリポジトリ、テスト、レビュー工程を含めた測定を別に用意する必要があります。

DeepSeekの説明では、タスク実行時間と出力長も短くなったとのことです。API連携を保ったまま、モデルだけを更新できます。切り替えの初手は全面移行ではありません。更新前に保存した出力があれば、新モデルの出力と回帰比較します。保存した出力がなければ、旧版をHugging Faceなどから取得してセルフホストした環境に限り、同じ入力を旧版と新版へ送り、品質・実行時間・出力トークンを比べます。

ポイント

既存のdeepseek-flash呼び出しを維持したまま試せますが、ベンチマークの評価条件と自社タスクの結果は分けて判断する進め方です。

API料金|入力0.15ドルから、ピーク時間は2倍

deepseek-flashはコンテキスト長1M、最大出力384Kに対応し、Vision、Tool Calls、Responses API、Anthropic APIを利用できます。モデル更新後も価格体系は変わらず、入力はキャッシュの有無と時間帯で単価が分かれます。

※1ドル=150円で換算。オフピークはピーク料金の半額です。公式料金表の金額に円換算を添えると、月間トークン量に応じた見積もりを作りやすくなります。

区分(100万トークン)オフピークピーク見方
入力・キャッシュヒット0.003ドル(約0.45円)0.006ドル(約0.9円)同じ入力を再利用する場合
入力・キャッシュミス0.15ドル(約23円)0.3ドル(約45円)新しい入力を送る場合
出力0.6ドル(約90円)1.2ドル(約180円)モデルが生成したトークン

ピーク時間はUTCの月曜から金曜の01:00〜04:00と06:00〜10:00です。中国の祝日は除外されます。日本時間では平日の10:00〜13:00と15:00〜19:00にあたり、それ以外はオフピークです。夜間や休日に回せるバッチ処理は、実行時間を分けて見積もれます。

料金の比較では、入力のキャッシュヒットとキャッシュミスを混ぜません。ピーク時間を含めた上限額も並べると、予算超過の原因を追いやすくなります。従量課金の考え方は、生成AIの従量課金に関する解説も参考になります。

ポイント

入力料金は0.15ドル固定ではありません。キャッシュヒット・ミス、ピーク・オフピーク、出力トークンを分けて月次費用を試算します。

100万トークンあたりの料金。入力・キャッシュヒットはオフピーク0.003ドル・ピーク0.006ドル、入力・キャッシュミスは0.15ドル・0.3ドル、出力は0.6ドル・1.2ドル
ピーク時間はオフピークの2倍。日本時間では平日の10:00〜13:00と15:00〜19:00

Search・Fetch API|1,000回0.75ドルでライブWebを接続

Search APIは検索結果を構造化して返し、Fetch APIは指定した1ページのタイトルと内容をMarkdownで返します。どちらもDeepSeek APIと同じBearer認証を使うHTTP APIです。

SearchのエンドポイントはPOST https://api.deepseek.com/v1/tools/search、FetchはPOST https://api.deepseek.com/v1/tools/fetchになります。

料金はSearch、Fetchともに成功リクエスト1,000回あたり0.75ドル(約113円)です。Searchで10件返す設定にしても1回のリクエストとして数えられ、件数を増やしたから単価が上がる仕組みではありません。

課金対象はHTTP 200で結果が返った成功リクエストです。失敗、空の検索結果、タイムアウトは課金されません。とはいえ、再試行を無制限にするとアプリ側の遅延と成功リクエスト数が増えるため、タイムアウト、再試行回数、取得ページの上限を運用ルールにします。

  • 検索:クエリは1〜128 Unicode文字、件数は1〜50(既定10)です。
  • 取得:FetchのURLは8,192文字以下で、1ページの内容を返します。
  • レート制限:SearchとFetchはアカウント単位でそれぞれQPS5、Fetchにはドメイン単位の上限もあります。

RAGや調査エージェントへ組み込む場合は、検索回数とページ取得回数を別メトリクスで管理するのが基本です。Searchだけで止まる処理と、Fetchまで進んだ処理を分けると、料金と回答品質のどちらに問題があるかを判断できます。エージェントの監視項目は、AgentOpsの可観測性の考え方ともつながります。

Search APIで検索結果を受け取り、Fetch APIで1ページの内容を取得する。SearchとFetchはそれぞれ成功リクエスト1,000回あたり0.75ドル
検索回数とページ取得回数は別のメトリクスで管理する

ポイント

SearchとFetchは別API・別カウントです。検索件数、取得ページ数、成功率、429の発生数を分けて記録すると、導入後のコストを説明できます。

無料期間の終了|11月1日からサーバー側呼び出しを従量管理

DeepSeek Harness、Claude Code、CodexからDeepSeek APIを使う場合、サーバー側のSearch・Fetch呼び出しは2026年10月19日時点で無料です。課金開始は2026年10月31日16:00 UTCです。日本時間では2026年11月1日01:00にあたります。

無料で使える期間に、利用量を測れる状態を作っておくと移行が容易です。最低限、ユーザーやジョブを識別するID、SearchとFetchの回数、成功・失敗・空結果、レスポンス時間、取得先ドメインをログに残します。

課金開始後は、1ジョブあたりの検索・取得上限と、日次の予算上限をアプリ側で持たせます。無料期間の挙動に依存したまま本番へ進めると、エージェントが再試行した回数や、複数ステップの調査で発生した取得回数は見落とされがちです。

旧モデルとの比較は、DeepSeek V4の仕様とAPI料金を確認したうえで、今回の更新分と検索機能の料金を切り分けると整理しやすくなります。

ポイント

無料期間の終了日は、モデル料金の変更日とは別です。Search・Fetchの利用量と成功率を先に計測し、11月1日01:00以降の予算へ接続します。

企業導入の進め方|モデル品質とWeb参照を別々に評価

DeepSeek-V4.1-Flash-1017の同時実行上限は、アカウント単位で2,500です。上限を超えるとHTTP 429が返り、APIキーを増やしてもアカウント単位の計算は変わりません。必要な場合は容量拡張を申請でき、公式ドキュメントでは追加費用なしと説明しています。

モデル本体はHugging FaceとModelScopeから取得できます。自社環境へ展開する場合でも、最初から推論基盤を作り込むのではなく、既存APIで評価基準を固めてから、データ配置、GPU、運用担当の要件を決める順序が安全です。

実務では、次の三段階に分けると判断しやすくなります。

  1. モデル評価:更新前に保存した出力と新モデルの結果を比較する。保存がなければ、旧版をセルフホストできる環境で同じ入力を比べ、品質、実行時間、出力トークンを記録する。
  2. Web参照評価:SearchとFetchを分け、検索結果の妥当性、取得成功率、応答時間、1ジョブの回数を測る。
  3. 運用評価:APIキー、取得先、再試行、429、予算、監査ログを確認し、課金開始後の上限を設定する。

DeepSeek Harnessを使う場合は、公式が推奨する0.2.1-rc.1以上へ更新してからモデルを評価します。モデルの回答品質とWeb取得の品質を同じ点数にまとめず、それぞれ合格基準を置くと、問題がモデルにあるのか検索経路にあるのかを切り分けられます。

ポイント

導入判定は、モデルの品質、Web参照の品質、課金とレート制限の運用を分けて行うという考え方です。三つがそろって初めて本番投入の条件が整います。

よくある質問

Q. DeepSeek-V4.1-Flash-1017はどのモデル名で呼び出しますか?

deepseek-flashを指定します。従来のAPI呼び出し方法と価格は変わっていません。

Q. Search APIとFetch APIの料金はいくらですか?

SearchとFetchは、それぞれ成功リクエスト1,000回あたり0.75ドル(約113円)です。失敗、空の検索結果、タイムアウトは課金されません。

Q. Search・Fetchの無料利用はいつまでですか?

DeepSeek Harness、Claude Code、Codexのサーバー側呼び出しは2026年10月19日時点で無料で、2026年10月31日16:00 UTC(日本時間2026年11月1日01:00)から課金が始まります。

Q. Search・Fetch APIはどのような制限がありますか?

SearchとFetchはそれぞれアカウント単位でQPS5です。Fetchにはドメイン単位のQPS制限もあり、DeepSeek APIの同時実行上限はアカウント単位で2,500です。

まとめ

DeepSeek-V4.1-Flash-1017は、既存のdeepseek-flashを維持したまま使える更新版といえます。性能評価の向上に加え、タスク実行時間と出力長の短縮が説明されているため、まずは自社タスクで旧版との差を測ります。

Search・Fetch APIは、ライブWebをエージェントやRAGへ接続する入口です。11月1日01:00の課金開始前に、検索・取得の回数と成功率、QPS、再試行、ジョブ単位の費用を記録できる状態にしておくと、導入後の判断がぶれません。

ポイント

導入前に、モデル比較、Search・Fetchの品質評価、課金・レート制限の監視を別々に実施します。低価格だけを理由に本番へ切り替えず、測定結果で判断してください。

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株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。