オンラインイベントシステム開発の完全ガイド

オンラインイベントシステムは、告知、申込、参加者の認証、視聴、交流、終了後の営業フォローを一つの業務基盤でつなぐ仕組みです。導入方式は、開催規模、必要な機能、連携範囲の三つから選ぶと、イベント前後の業務を無理なく一続きにできます。

▼関連記事一覧
・オンラインイベントシステム開発の進め方/やり方/流れや方法/手法/工程/手順
・オンラインイベントシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方
・オンラインイベントシステム開発の見積相場や費用/コスト/値段について
・オンラインイベントシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

オンラインイベントシステムの定義

オンラインイベントシステムは、イベントに関する人、コンテンツ、データをまとめて扱う業務基盤です。配信画面は、その一部にすぎません。参加者がイベントを知ってから、申込み、参加し、視聴や交流を行い、終了後にアンケートや営業フォローを受けるまでを、一連の流れとして設計します。

配信ツールとの違い

配信ツールとオンラインイベントシステムでは、担う業務の範囲が異なります。

  • 配信ツール:映像と音声を届けることが主な役割です。
  • イベント管理:ページ、申込、権限、メール、視聴履歴、アンケート、商談予約、レポートを組み合わせて扱います。
  • 外部配信との連携:申込、会員情報、参加ログ、CRMは、イベントシステム側で管理できます。

たとえば、申込者に視聴URLを自動で送り、当日の入場状況を記録できます。また、一定時間以上視聴した人だけに資料を表示し、終了後はアンケート回答や資料閲覧を営業担当へ知らせます。

こうした作業を複数のツールへ手作業で転記すると、名簿の重複やURLの誤送信が起きやすくなります。このため、システム化の価値は、配信品質だけでなく、イベント前後の業務をつなぐことにあります。

向いているイベントの種類

参加者数が多い場合や、イベントを複数回開催する場合ほど、専用システムの効果が出やすくなります。

  • 配信・講演:ウェビナー、オンラインセミナー、カンファレンス
  • 展示・交流:オンライン展示会、ユーザー会
  • 組織内外の催し:会員限定イベント、採用イベント、研修

有料チケットの販売、出展者や協賛企業へのリード提供、会員情報や営業データの再利用も、導入効果を見込める条件です。

ただし、少人数の社内打ち合わせや、申込管理が要らない単発配信なら、配信機能だけで足りる場合もあります。判断するときは、開催頻度と登録者数、同時接続数を書き出します。運営人数や追いたい成果指標も並べ、必要以上に大きな仕組みを選ばないようにします。

オンラインイベントシステムの種類と基本構成

導入方法は、大きく分けると、SaaS・パッケージを使う方法、クラウド基盤を個別に組み合わせる方法、独自システムを開発する方法の三つがあります。

開催規模に加えて、業務の独自性と連携の深さを見ます。さらに、将来の再利用性や運営体制によって、選ぶべき方式が変わります。

SaaS・パッケージ型の特徴

SaaS・パッケージ型は、よく使われるイベント機能をすぐに利用できる方式です。

  • 機能:ページ、申込、決済、受付、メール、アンケート、視聴管理
  • 利用場面:単発開催、年に数回のセミナー、運用を試したい段階
  • 導入面:初期費用と開発期間を抑えやすく、更新や障害対応を自社だけで抱えずに済みます。

一方で、会員DBとの複雑な連携や独自の権限、商談フロー、細かな保管場所の指定には、制約が出る場合があります。契約前には、外部連携の方式と同時接続数の上限を確かめます。データの出力と退会時の削除、サポートの範囲も、同じ時点で確認しておきます。

クラウド個別構築とフルスクラッチの特徴

クラウド個別構築は、必要なサービスを組み合わせて、一部を独自開発する方式です。

  • 組み合わせる機能:認証、決済、配信、メール、動画保存、分析
  • 対応要件:ブランドサイト、会員連携、複雑な申込条件、事後の営業データ連携
  • 開発期間:フルスクラッチより短い期間で、実用化しやすい方式です。

組み合わせるサービスごとに料金を確かめ、障害が起きたときにどこまでを誰が受け持つか、仕様変更がほかの部分へどう響くかを、設計段階で決めておきます。

フルスクラッチは、一から組み立てる方式です。そのため、自社の業務や会員制度に合わせた画面や処理を、細かく設計できます。

  • 向くケース:継続的な大規模イベント、独自マッチング、複雑な会員制度
  • 製品化:外部へ提供するプロダクトにも向いています。

参加者と運営の画面、認証・権限APIを一体で設計できます。さらに、イベントDBや配信、ログ・監視も同じ設計に含められます。ただし、長期計画には負荷試験や冗長化を含めるほか、当日の障害対応と保守費も見込む必要があります。

ポイント

導入方式は、開催規模に加えて業務の独自性と連携の深さで選びます。標準機能で足りるならSaaS・パッケージを先に検討し、個別の要件が多いほど、クラウド個別構築や独自開発の比重が高まります。

開催前・開催中・開催後に必要な機能

開催前の告知・申込から、開催中の視聴、開催後の集計へ進む機能の流れを示した図。
機能を開催段階に合わせると、必要な範囲を見渡せます。

導入後の使いやすさを確かめるには、機能の一覧をそのまま比べるだけでは足りず、業務の流れに沿って見直すことが必要です。

参加者から営業担当まで、利用者ごとに開催前・開催中・開催後の業務を並べてみます。そうすると、必要な機能と不要な機能が見えやすくなります。

開催前に必要な機能

開催前は、告知、申込、参加資格の管理機能を揃える段階です。

  • 告知・申込:イベントページ、登壇者・プログラム、申込フォーム、チケット・招待状
  • 受付:定員、抽選、事前審査、キャンセル管理
  • 有料開催:決済、領収書、請求書、返金処理
  • 会員限定:ログイン、SSO、視聴権限、ワンタイムURL、複数イベントの会員管理

運営側では、自動メールとリマインド、参加条件の変更に加えて、問い合わせ対応も必要です。登壇者や出展者の権限管理も欠かせません。

申込情報を営業やマーケティングに使うなら、フォームを作る時点で決めておくことが大切です。具体的には、利用目的と同意、連携先、保存期間の四つを決めます。

開催中に必要な機能

開催中は、すべてを実装しようとせず、目的から逆算して配信・交流・商談の機能を選びます。

  • 視聴:ライブ配信、オンデマンド視聴、字幕
  • 交流:チャット、Q&A、投票、アンケート、資料閲覧、参加者間メッセージ
  • 商談・展示:商談予約、オンラインブース

目的によって優先する機能は変わります。認知獲得なら視聴しやすさを、商談ならプロフィール、マッチング、予約枠を、展示会ならブース回遊と資料閲覧を優先します。

配信で見るべきなのは、登録者数よりも同時接続数と配信トラック数です。特に、開始直前にはログインや動画の再生開始が重なるため、チャット投稿や投票送信も含めて負荷を確かめておきます。

通信障害や登壇者の接続不良に備え、録画配信への切り替えや問い合わせ窓口、緊急告知の手段もシステム要件に含めておきます。

開催後に必要な機能

開催後は、参加状況や行動を集計し、業務システムと連携させて営業フォローの条件を決めます。

  • 集計:視聴履歴・時間、資料DL、アンケート、質問、商談予約、参加状況
  • 連携先:CSVの出力だけで終わらせず、CRM・MA・SFAへ行動データを渡します。
  • 案内:欠席者には録画と資料を、参加者には関連情報や次回開催を知らせます。

行動に応じて案内の内容を変えます。次回の申込フォームや会員プロフィールに、データをつなぎます。また、関心分野や商談履歴も残しておくと、開催を重ねるほど運営効率と分析精度が高まります。

ポイント

機能は、開催前・開催中・開催後の段階ごとに、利用者別の業務の流れに沿って選びます。目的から逆算して、必要な機能に絞り込むことが基本です。

オンラインイベントシステム開発の進め方

企画と要件定義、設計・開発・連携、テスト・リハーサル・本番後の改善を3枚のパネルで示した図。
最初の検証範囲を決めてから、本番後の改善へ進みます。

まず、画面を作る前に、イベント運営の業務とデータを整理します。いきなり多機能なシステムを作るより、最初の開催で検証する範囲を絞り、PoCから本開発へ段階的に広げるほうが安全です。

要件定義では、開催条件と運営上の制約を先に洗い出します。

  • 開催条件:年間回数、イベントごとの登録者数、同時接続数
  • 開催形式:有料・無料、ライブ・録画の比率、会場併用の有無
  • 運用要件:交流機能、連携先、保存データ、障害時の代替手段

登録者数だけで容量を決めると、開始時のログイン集中や複数セッションの同時配信を見落としかねません。

要件は、利用者ごとの業務シナリオで定めます。参加者や事務局など、それぞれが動く場面を基準にします。

  • 申込後:メールが届かない、決済に失敗する
  • 参加管理:参加資格の変更に対応する
  • 出展者対応:特定のリードだけを納品する

例外処理まで定めておくと、開発後の手戻りを抑えられます。

設計・開発・連携

要件が決まったら、参加者と事務局がそれぞれ使う機能を設計します。

  • 画面・認証:参加者向けWeb画面、運営管理画面、認証・権限
  • データ・配信:イベント・会員・申込DB、動画・画像保存、配信
  • 連携・運用:メール、決済、CRM、監視、ログ

運営人数を減らす自動化も優先します。

配信方式は、一方向配信の安定性を重視するか、双方向の交流や商談を重視するかで選びます。ライブと録画を併用するなら、切り替えの条件と視聴権限を決めておきます。字幕や保存期間も、同じ時点で定めます。

外部サービスのうち、どこがデータを保持するかと、障害時の担当は、契約と設計書に残します。

テスト・リハーサル・本番後の改善

本番前には、申込からデータ出力までを通しで確認します。あわせて、想定トラブルへの試験とリハーサルも行います。

  • 一連の確認:申込、決済、ログイン、視聴権限、動画再生、チャット、アンケート、メール、管理画面、CSV出力
  • 負荷・障害試験:同時接続、開始直前の集中、複数配信、通信断、決済失敗、メール遅延、管理者の誤操作

リリース後は、成果指標と運用負荷を見て、次回の改善点を探します。

  • 成果:申込率、参加率、視聴完了率、質問率、アンケート回答率、商談化率
  • 運用負荷:リード納品工数、問い合わせ件数

数字が低いときは、原因が集客や視聴にあるのか、営業フォローにあるのかを見極めます。ログインやコンテンツも含めて切り分け、次回の要件へ戻します。イベントは、開催のたびに改善していく業務基盤です。

オンラインイベントシステムの費用相場とコストの内訳

オンラインイベントシステムの費用は、SaaSの利用だけなら無料から数十万円、個別連携やカスタム開発なら数百万円から数千万円まで幅があります。

ここに示す金額は、公開料金、イベント管理システムの開発費の目安、大規模MICE事例をもとにした予算取りの目安です。全国一律で決まった相場ではありません。

見積もりでは、参加者数に加えて同時接続数や配信時間を見ます。さらに、連携数と運用支援も含めて考えます。

費用と導入期間は、利用する方式と機能の範囲で変わります。

  • SaaS:単発セミナーや標準機能での運用
  • クラウド個別構築・カスタム開発:連携や複数イベント管理を含む運用
  • フルスクラッチ・XR:高負荷配信や独自機能を含む大規模運用

単発セミナーをSaaSで運用し、申込・決済・視聴URL・アンケートだけを使う場合は、初期費用が0円から30万円程度です。導入期間は即日から2週間程度が目安です。

メール設定や画面制作、当日の運用支援まで依頼すると、1開催あたり10万円から100万円程度を見込みます。公開料金の例には、基本利用料は無料で販売手数料が8%のものと、1イベント10万円の上位プランがあります(出典: イベント管理サービスの公式料金表、2026年8月確認)。

会員・決済・CRM連携、ブランド画面、複数イベント管理を加えた場合、クラウド個別構築は100万円から300万円程度が目安です。期間は1か月から3か月程度です。

会員や決済を含めて、申込から配信までを統合する中規模カスタム開発は、300万円から1,000万円程度を見込みます。交流、行動ログ、管理画面まで含めると、期間は3か月から6か月程度です。

高負荷配信、独自マッチング、SSOを含むフルスクラッチは、1,000万円から3,000万円超になる場合があります。複雑な権限や分析基盤まで含めると、期間は6か月から12か月程度です。

3D会場やXRを含む、数千人から1万人規模のハイブリッドイベントでは、東京都のガイドラインに3,000万円の事例があります。その事例の初期費用には、250ブースと来場登録者1万人分が含まれます(出典: 東京都「TOKYO MICEテクノロジー導入ガイドライン」、2025年3月更新)。

初期費用以外にかかるコスト

見積書は、初期開発費以外の費用も分類して読み比べます。

  • 利用・配信:月額利用料、配信・CDN従量費、動画保存、メール配信、決済手数料
  • 制作・運営:字幕・翻訳、撮影・スイッチング、当日運営、問い合わせ窓口
  • 維持・改善:脆弱性診断、監視、保守、機能追加

動画の保存期間と高画質配信は、開催後も費用がかかりやすい項目です。

初期費用が安くても、毎回の設定や名簿加工に多くの人手がかかれば、実際の総額は膨らみます。視聴URLの送付やリード納品の手作業も、総額を押し上げる要因になります。

発注側は、3年間で何回開催するか、運用担当者の作業時間がどれだけ減るか、営業成果にどれだけつながるかまで含めて、TCOと投資対効果を比べることが大切です。

ポイント

費用は、SaaSの利用料だけで見ず、会員・決済・CRM連携や同時接続数、運用支援を含めた見積もりで判断します。初期費用に加えて、配信、保存、保守の費用も見込みます。

オンラインイベントシステムの開発会社・ベンダーの選び方

開発会社やベンダーは、機能数や知名度よりも、イベント業務を理解しているかで見るのが基本です。あわせて、配信当日の運用まで支援できるか、データを安全に扱えるかを確かめます。

SaaSを提供する事業者と、個別開発を行う受託会社では得意な領域が違います。そのため、同じ物差しだけで比べず、それぞれの得意分野に応じた見方も加えます。

イベント実績と業務理解

「オンラインイベントの導入実績がある」と聞いたら、自社の条件に近い事例の中身を確かめます。

  • 開催条件:規模、同時接続数、利用機能、当日の運営担当
  • 事例資料:過去事例の数字、画面、運用体制、障害時の対応
  • 業務理解:申込から参加、視聴、交流、商談、CRM連携、再開催の流れ
  • 開催後の対応:リード納品、欠席者フォロー、名簿整理、次回へのデータ移行

ウェビナーや展示会、ハイブリッドなどの実績から、自社条件との近さを判断します。会員限定イベントの実績も、同じように見ます。特に、業務の流れを描けるパートナーなら、導入後の手作業も見積もりに反映しやすくなります。

技術・セキュリティ・サポートの評価

技術、セキュリティ、当日支援の三つの面から、提案内容を見ていきます。

  • 技術:同時接続数、配信トラック数、ログイン、決済、SSO、外部API、CSV出力
  • データ保護:保管場所、保存期間、管理者の多要素認証、最小権限、操作ログ、暗号化
  • 支援:監視、バックアップ、脆弱性診断、委託先管理、個人データ削除、連絡体制

画面のデザインに加えて、ピーク時の性能や障害時の切り替えを確かめます。さらに、復旧目標と保守窓口も確認します。

配信当日の問い合わせ集中に備えて、リハーサル、当日支援、緊急時の責任者と対応時間を契約に明記します。

相見積もりとRFPによる比較

候補を同じ条件で比べられるように、RFPに開催条件と希望内容をまとめます。

  • 開催条件:年間回数、登録者数、同時接続数、配信時間、セッション数、対象国
  • システム要件:会員・決済・CRM連携、権限、動画保存期間、データ出力
  • 導入・支援:当日サポート、希望リリース日

複数の候補に同じ条件を渡し、費用は項目ごとに分けてもらいます。初期費用と月額・従量費は別に、運用・保守費と追加開発費も出してもらいます。

提案を見るときは、要件を満たすかどうかに加えて、どの部分をどう満たすかを確かめます。標準機能で足りる部分と、設定や個別開発が要る部分を区別します。運用で補う部分も、別に書き出してもらいます。

要望をすべてカスタム開発すると高額になり、標準機能に合わせすぎると業務が変わりません。このため、優先順位と代替案を説明できる提案を選ぶと、予算と納期のバランスを取りやすくなります。

▶ 詳細はこちら:オンラインイベントシステム開発でおすすめの開発会社/ベンダー6選と選び方

▶ 詳細はこちら:オンラインイベントシステム開発の発注/外注/依頼/委託方法について

ポイント

開発会社は、機能数や知名度より、イベント業務を理解しているかと当日の運用まで支えられるかで見ます。提案では、標準機能の部分と個別開発の部分を分けてもらうと、比べやすくなります。

セキュリティと個人情報保護の確認事項

取得項目、閲覧権限、カード情報、参加者URLを保護要素として示した図。
情報の種類ごとに、取得と閲覧の扱いを分けて整理します。

オンラインイベントでは、参加者の氏名やメールアドレス、所属などの基本情報に加えて、決済情報も扱う可能性があります。さらに、視聴履歴や質問内容、名刺情報も対象になり得ます。

個人情報保護法に沿って、利用目的を明示します。そのうえで、委託先と再委託先、第三者提供や共同利用の扱いを整理し、保存期間と削除方法も決めます。システムと運用の両方に、安全管理措置を組み込みます。

個人情報と決済情報の分別管理

申込情報と決済情報は分けて扱い、安全な取得、閲覧、保管の方法を、それぞれ定めます。

  • 取得項目:必須項目は絞り込み、取得する情報と利用目的を対応させます。
  • 閲覧権限:事務局、出展者、登壇者、営業担当の四者で権限を分け、出展者の閲覧範囲は狭く絞ります。
  • カード情報:自社では保存せず、決済代行に任せる設計が一般的です。PCI DSS v4.0.1などを参考にします。
  • 参加者URL:メールやURLも個人情報として扱い、有効期限と再発行のルールを決めておきます。

営業フォローに使う情報は、目的と連絡方法を示したうえで集めます。特に、イベント参加に不要な情報は、漫然と集めないようにします。

決済画面と連携方式、ログを確かめます。返金や失敗時の扱いも、あわせて決めておきます。

アカウント・ログ・AI利用の管理

管理者の認証と権限、操作記録を整えたうえで、AI利用時のデータの扱いも決めます。

  • アカウント・ログ:多要素認証、最小権限、閲覧・変更・出力の記録、異動・退職時の停止
  • 復旧・監査:導入前のバックアップや復旧手順、脆弱性診断、ログ保存期間、事故時の報告先

2026年のIPA「情報セキュリティ10大脅威」では、組織向けにAI利用をめぐるサイバーリスクが初めて選ばれました(出典: IPA「情報セキュリティ10大脅威2026」、2026年)。

FAQ回答や要約、参加者分類にAIを使う場合は、入力データをマスキングします。営業フォロー候補の作成も、同じ手順で扱います。また、AIが参照する範囲と人の承認、プロンプトと出力ログの扱いを定めます。

ポイント

個人情報は申込と決済で分けて扱い、閲覧できる人の範囲と保存期間を先に決めます。AIに入力するデータは、マスキングと人の承認を組み合わせて扱うのが安全です。

オンラインイベントは、ライブ配信の代替から、会員・顧客・営業データを活用するマーケティング基盤へ広がっています。

ハイブリッド開催やオンデマンド活用、参加者行動の分析を個別に導入するのではなく、商談化やAI支援も含めて、参加者の体験と業務成果を一つの流れで設計します。

ハイブリッド・展示会・XRの費用対効果

会場とオンラインの両方で体験を揃えます。XR導入は、費用とKPIを見て決めます。

  • ハイブリッド:質問や投票、商談、資料閲覧の記録を、参加者情報に紐づけます。
  • 体験設計:会場とオンラインで得られる利便性を並べ直し、不公平感を減らします。
  • メタバース・XR:回遊、ブース体験、遠隔参加、展示物の理解に活用できます。
  • 費用対効果:端末、制作費、通信、運営人員、当日の技術支援まで含めて測ります。

導入しただけで成果が出るとは限りません。そのため、視聴時間やブース訪問で効果を確かめます。資料閲覧や商談も、KPIに含めます。

参加ログとAIの成果への活用

参加ログは、記録しただけでは価値になりにくいため、イベント後の案内や営業の優先度に結びつけます。

  • 行動データ:参加したセッション、閲覧資料、質問、出展者との商談を一覧にします。
  • AIの参照範囲:規約やプログラム、FAQ、登壇資料など、信頼できる情報に限って参照するRAG構成が考えられます。
  • AI出力:回答や要約の誤りを直して個人情報を除いたうえで、営業連絡や商談登録は人が承認します。

行動データの利用目的と範囲は、参加者に説明しておく必要があります。また、必要以上に個人を評価しない運用が欠かせません。便利さよりも、説明可能性と取り消し可能性を優先します。

よくある質問(FAQ)

導入前に出やすい疑問を、規模や開発方法、費用などに分けて答えます。既存ツールとの関係についても、あわせて取り上げます。自社の開催条件に当てはめて、要件定義やベンダーへの質問を具体化してください。

オンラインイベントシステムは小規模なセミナーにも必要ですか?

申込からアンケート、事後メールまでを自動化したいなら、小規模でも導入する価値があります。

反対に、参加者が少なく、申込や配信URLを手作業で問題なく管理できるなら、まずは配信機能だけで始める方法もあります。運営の負担が増えた段階で、拡張していけます。

開発とSaaSはどちらを選べばよいですか?

開催頻度が少なく、標準的な申込・配信・アンケートで足りるならSaaSが向いています。

会員、決済、CRMとの深い連携や、独自の権限、商談フローが必要な場合は、クラウド個別構築や独自開発を検討します。継続的に大規模なイベントを行う場合も、検討の対象になります。

最初から全面的に開発せず、標準機能でPoCを行ってから、差別化に必要な部分だけを開発する方法も有効です。

オンラインイベントシステムの開発費はいくらですか?

標準的なSaaSは無料から数十万円が目安です。設定や運用支援を含むと、1開催あたり10万円から100万円程度です。

会員・決済・CRM連携を含む個別構築は、100万円から1,000万円程度です。独自の大規模基盤やXRでは、1,000万円から1億円超になる可能性もあります。

比べるときは、配信や保存、運営を含めた条件で揃えます。保守やセキュリティも、同じ条件に含めます。

既存の配信ツールと併用できますか?

併用できます。配信は外部の配信基盤に任せ、申込や認証はオンラインイベントシステムで管理する構成が一般的です。参加ログやアンケート、CRM連携も、同じシステムで扱います。

併用時は事前に、ログイン情報の受け渡しと視聴履歴の取得を確かめます。権限の有効期限や障害時の問い合わせ先、各サービスが保持するデータの範囲も、同じ時点で確認します。

まとめ

オンラインイベントシステムは、告知から営業フォローまでをつなぐ業務基盤です。単発の小規模イベントなら、SaaSが候補になります。

会員や決済、CRM連携が必要なら、クラウド個別構築を検討します。独自の大規模運用やプロダクト化を考えるなら、フルスクラッチを検討します。方式は、開催頻度と業務要件から選びます。

予算は、初期開発費に加えて、配信から保守、セキュリティまでを含めたTCOで比べます。

要件定義では、参加者数に加えて同時接続数を明確にします。データ連携や権限、障害時の代替手段も、あわせて決めます。そのうえで、本番前のリハーサルと負荷試験まで計画します。

導入後は、参加率や視聴完了率、商談化率を追います。運営工数も、あわせて見ます。その数字を次回開催の改善へつなげることが、成功のポイントです。

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会社紹介

株式会社riplaでは、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを、構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルによる高い要件定義力・システム設計力を活かし、事業成果の最大化に伴走します。

また、当社独自の開発テンプレート「Boxシリーズ」による標準機能の高速開発と、AI駆動開発の独自フレームワーク「GoDD」による独自機能のAI実装を組み合わせることで、低コスト・短期間で開発を実現いたします。

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執筆者プロフィール
張田谷凌央
張田谷凌央

株式会社ripla 代表取締役CEOとして、システムパッケージ活用、システム開発、データ分析、生成AI活用、SaaS開発、アプリ開発、EC構築など、幅広い領域で企業のDX推進と事業成長を支援している。事業会社でIT・DXを経験したプロフェッショナルが集う株式会社riplaにおいて、お客様の事業・ユーザー・業務に最適化したオーダーメイド型システムを構想策定・要件定義から開発・改善まで一気通貫で支援し、単なるシステム納品にとどまらず、クライアントと同じ目線で事業成果の最大化に向けた伴走支援を行う。早稲田大学卒業後、ラクスル株式会社、LINEヤフー株式会社にて事業開発やDX推進などに従事した後、株式会社riplaを創業。